マーケティング戦略を練る場合、如何に露出を増やして多くの流入があるかが重要です。
そこで、重要となる指標としてコンバージョンがあります。
コンバージョン率を上げることが重要と言われていますが、そもそもコンバージョンとはどのような意味があるのでしょうか?
この記事では、コンバージョンについて詳しく解説します。
コンバージョンとはどのような意味?
まず始めに、コンバージョンの意味について解説します。
コンバージョンは、英語では「conversion」となり、転換や変換という意味があります。
ただ、マーケティング業界におけるコンバージョンとは、訪問者がホームページの目標としているアクションを実行してもらえた状態を指すのです。
例えば、あるユーザーがホームページにアクセスして、自社の商品やサービスを購入したり資料請求をした場合は、ホームページによってコンバージョンを獲得したということになります。
コンバージョン数は、運営しているホームページがどれだけ目的に対して、目標を達成しているのかを示す、客観的な指標です。
よって、コンバージョンを正しく設定して、実際にどれだけのコンバージョンを得ているのかを常に監視・測定することがWebマーケティングにおいてとても重要です。
コンバージョンの種類
コンバージョンはどれだけアクションが発生したかを示すものですが、実際にはコンバージョンにはいくつもの種類があります。
主なコンバージョンの種類としては、次が該当します。
直接コンバージョン
直接コンバージョンとは、バナー広告などを出稿して、その広告を経由してホームページをアクセスしたユーザーが、コンバージョンするポイントまで離脱することなく訪問した場合を指します。
通常、気になる情報が他にもあって回り道してたどり着いたり、途中で離脱するケースも多いです。
そこで、ユーザーが離脱することなくコンバージョンポイントにたどり着くことになるため、アクセスから成果に繋がるスピードが最も早いコンバージョンとなります。
間接コンバージョン
間接コンバージョンとは、ホームページにアクセスしたユーザーが、1回は離脱してしまうものの、他の方法や他のホームページを経由してコンバージョンが発生するのが特徴です。
間接コンバージョンは、再来訪コンバージョンと呼ばれるケースもあります。
アクセス解析ツールとして有名なGoogleアナリティクスにおいては、間接コンバージョンのことをアシストコンバージョンと呼んでいます。
クイックスルーコンバージョン
クイックスルーコンバージョンとは、配信したバナー広告などがクリックされて、そのままコンバージョンされることを指します。
もし一旦離脱した場合であっても、アクセス解析ツールで規定される一定の条件を満たした場合は、クリックスルーコンバージョンとして計上されるのが特徴です。
アクセス解析ツールにおける一般的な設定では、30日以内かつ再度広告をクリックしていないケースでクリックスルーコンバージョンとしてカウントされます。
ビュースルーコンバージョン
ビュースルーコンバージョンは、広告が表示されてクリックしなかったユーザーが、別のルートを経由してコンバージョンすることを指します。
例えば、ある広告を見つけたユーザーが、後日別の媒体で発見した広告をクリックして、コンバージョンに至った場合は、最初に閲覧したホームページのビュースルーコンバージョンとしてカウントされるのが特徴です。
ビュースルーコンバージョンをチェックすれば、より深度まで広告の効果を把握して、WEBマーケティングに役立てることが可能です。
ユニークコンバージョン
広告がGoogleなどの検索結果ページに表示される際に、検索したユーザーが広告をクリックしてホームページにアクセスした後に、アクションまで至ったことをコンバージョンと呼びました。
この際に、30日間で最初に発生したコンバージョンのみを計上するのが、ユニークコンバージョンの特徴です。
例えば、あるユーザーが30日間で数回にわたりホームページにアクセスして数回アクションしても、最初の1回しかカウントがされません。
この特徴を活かして、ユニークコンバージョンはコンバージョンが発生した場合にどれだけのユーザーがいたのかを確認するために、有効な手段です。
もし、初回アクセスから30日間経過した場合は、もしユーザーがホームページでアクションを起こしても再びカウントされます。
コンバージョン率とは?
コンバージョンが理解できたところで、コンバージョン率を正しく理解する必要があります。
コンバージョン率とは、「Conversion Rate」の略です。
ホームページなどにアクセスしたユーザーの中で、どの程度コンバージョンに至ったかを表す指標です。
コンバージョン率は、以下の計算式で算出されます。
コンバージョン率=コンバージョン数 ÷ セッション数(サイト訪問者数) × 100
例えば、サイト訪問数が20,000で、CV数が400とすると「400 ÷ 20,000 × 100 = 2%」
となり、コンバージョン率は2%です。
CTRとコンバージョン率との違い
コンバージョン率と似た指標として、CTRがあります。
CTRとはClick Through Rateの略で、広告や検索エンジンで表示されているコンテンツが、何回クリックされたのかを割合で示す指標です。
CTRを計測すれば、どのコンテンツがターゲットとしているユーザーから興味や関心を得ているのかを把握できます。
CTRでは、ホームページ全体と言うよりはページ単位における訴求の度合いを示す指標となるため、一般的にはコンバージョン率と併用するのが一般的です。
CTRは、以下の計算式で算出されます。
CTR = クリック数 ÷ 表示回数(インプレッション数) × 100
例えば、ホームページ内の他コンテンツと比較してCTRが高く、コンバージョン率が低いホームページがあったとします。
この場合、用意したコンテンツがターゲットとしているユーザーのニーズにマッチしていない可能性が高いと分析できます。
この分析結果から、ページコンテンツの修正やリライトを行えば、CVRが向上することが期待されます。
コンバージョン率が注目されているのか?
コンバージョン率はマーケティングにおいて重要な指標となるわけですが、なぜここまで注目されているのでしょうか?
それは、効率良くコンバージョン数を増加させるために必要となるためです。
コンバージョン率は、ホームページに流入した、製品やサービスに対して興味があるユーザーの火はで、どれだけのユーザーがアクションを起こしたかを把握できます。
もし製品やサービスに興味があっても、コンバージョンまで至らなかったユーザーの割合も把握可能です。
よって、コンバージョン率が低いケースでは、製品やサービスに興味を持ってホームページに流入しても、何らかの原因で離脱しているのです。
コンバージョン率を確認することにより、ホームページにおいてどの部分が問題となっているのかが明確となり、改善するポイントを見つけるために役立ちます。
コンバージョン率が低い場合の原因
コンバージョン率を捉えた場合、低いと分かった場合にはいくつかの原因が考えられます。
主なコンバージョン率が低い原因としては、次のような要因が想定されます。
ホームページの構造が不適切
コンバージョン率の計算式には、ホームページへのアクセス数が入ります。
アクセス数が多くてもコンバージョン率が低い場合は、ホームページの構造に問題があるケースが大半です。
サイト内の構造が整理されていなと、アクセスしたユーザーが混乱して離脱するのです。
サイト構造に関連する原因には、主に以下が想定されます。
導線が整備されていない
例えば、自動車を運転する場合、目的地に達するまでに複雑な経路をたどらなければならない場合は、スムーズに目的地まで到達できません。
ホームページも同様に、導線が整備されていない場合、ユーザーが求めている情報がどこにあるのかが分からなくなります。
数回に渡ってホームページにアクセスしたり、一度閉じてスタートページからアクセスしないとならないケースでは、ユーザーは離脱しかねません。
よって、戻るボタンを付けたりページ間のリンクを整備してシンプルかつ最短で目的としているページにアクセスするように設計する必要があります。
コンバージョンへの行動喚起が不足している
ホームページにアクセスしたユーザーがコンバージョンするためには、ホームページ内である程度行動喚起を促すことが重要です。
行動喚起を促すための方法としては、次のような方法があります。
ボタンやリンクの設置
テキストで行動をとることで得られるベネフィットを伝達する
コンバージョン率が低いケースでは、ボタンやリンクの位置が不適切というケースが大半です。
ファーストビューに訴求ポイントが記載されていない
マーケティングでは、如何に目を引くフレーズを見つけ出し、それをしっかりと伝えることが重要です。
ホームページでも、一番最初に目にすることを意味するファーストビューにおいて、ユーザーに訴求ポイントをうまく伝えることができるかが重要です。
もしファーストビューでユーザーに対して魅力が伝わらない場合、ユーザーの70%程度がその時点で離脱すると言われています。
表示スピードが遅い
ホームページによっては、最先端のテクノロジーを使用してとても見やすくグラフィカルなレイアウトとなっているケースがあります。
このようなホームページを見ると、素晴らしいと感じる反面、非力なデバイスやインターネットの回線速度が低速な場合、アクセスするまでに時間がかかってしまいがちです。
ユーザーとしては、いち早くアクションを起こしたいと考えているのに、時間がかかってしまうとその時点で離脱する可能性が高まります。
また、検索順位を決定する重要な指標となる、Googleのランキング評価において表示スピードが評価項目に入っていると発表になったことで、表示スピードはSEOなどの対策でも重視されているのです。
スマートフォン対応されていない
日本において、スマートフォンの所持率は90%を優に超えています。
以前は、ホームページの閲覧ではPCを用いるのが一般的でしたが、定額通信が可能になったこと、そして大画面化などによってPCではなくスマートフォンでインターネットを楽しむ方が増えているのです。
ホームページでは、スマートフォン対応しているページが増えていますが、中にはPC版がそのまま表示されるケースもあり、文字等が小さくとても閲覧しにくい者です。
もしスマートフォン対応していないと、スマートフォンユーザーをコンバージョンに導くことは困難です。
広告とコンテンツに乖離がある
表示された広告を経由して、ホームページにアクセスすると広告とのイメージのギャップを感じることがあります。
もしこのようなギャップがあると、コンバージョン率が低下する可能性が高くなります。
訴求内容や細かい文言であっても、コンバージョン率に大きく影響するので注意してください。
ユーザーの立場に立っていない
企業側が、一方的に自社の良さやサービスの魅力を伝えることは、決して悪いことではありません。
ただ、ユーザーの立場に立ってないホームページレイアウトとなっていると、ユーザーの関心を削ぐ結果となり、コンバージョン率は上がりません。
ターゲティングが不十分な広告を使用している
十分なターゲティングを行っていない広告を掲載している場合、コンバージョン率は高くなりません。
ターゲティングを最適化するとは、常にランディングページを意識して、広告を掲載することです。
ランディングページを制作する際には、明確したターゲットとミスマッチが発生しないように注意すべきです。
コンバージョン率をアップする方法
コンバージョン率をただ把握するだけでは意味がありません。
如何にコンバージョン率を高めていけるかが重要です。
ここでは、コンバージョン率をアップさせるための方法を紹介します。
ターゲットを明確にする
実際にホームページにアクセスしたユーザーと、狙っているターゲットにギャップがあると、求める成果を得られにくいものです。
そこで、ターゲットやキーワードを事前に明確化することが重要です。
主なターゲットには、以下のようなものが挙げられます。
- 性別
- 年齢層
- 興味関心
このターゲットにブレがあると、適切なマーケティングが行えないために適切に決定することが重要です。
ターゲットとしたユーザーを獲得する
ターゲットを決定したら、ターゲットとなるユーザーのペルソナと呼ばれる、架空の人物像を設定してください。
そして、ペルソナにマッチしたホームページを制作します。
これによって、コンバージョンに繋がりやすいユーザーのアクセスの割合を増加させることができ、結果としてコンバージョン率アップとなるのです。
また、コンバージョンに繋がりにくいユーザーのアクセスを減少させることができるので、必然的にコンバージョン率はアップします。
集客キーワードを考えなおす
もしアクセス数が多くてもコンバージョンに繋がらない場合は、コンバージョンしにくいユーザーを獲得しているケースが想定されます。
そこで、ユーザーとしてはどのようなキーワードで検索しているのか分析してください。
そして、コンバージョンしやすいキーワードを見つけ出し、キーワードに沿ってホームページのコンテンツを修正するとよいでしょう。
ホームページのレイアウトを見直す
コンバージョン率が下がる要因として、直帰率の高さがあります。
ホームページにアクセスしても、もっと見たいと思わせることができない限りには、コンバージョンにつなげることは困難です。
そこで、ホームページのレイアウトを見直すという意味で、以下の改善を図りましょう。
導線を見直す
コンバージョンに至る導線がわかりにくいと、離脱する可能性が高まります。
少しでも多くの情報をユーザーに伝えたいと考えてホームページに情報を詰め込むと、コンバージョンまでの導線が複雑になりがちです。
そこで、ホームページの至るところにコンバージョンへの導線を配置することや不要な要素を除いたりしてレイアウトを整理しましょう。
リンクやバナーを工夫する
コンバージョンへの導線となるリンクやボタンについては、シンプルでわかりやすいものとしてください。
設置する箇所の周辺に埋もれることなく目立たせて、リンクやバナーをクリックした際に何が起こるのかがわかりやすくすることが重要です。
表示スピードを高める
アクセスするまでの時間が長いと、その時点で離脱する可能性が高いです。
よって、なるべくページレイアウトはシンプルにしたり、画像をなるべく小さなサイズにして表示しやすくすることも有効的です。
特に、スマートフォンでも表示させやすいように意識してください。
フォーム設置時は入力フォームを見直す
資料請求などをコンバージョンとする場合、送付先の入力フォームで入力項目が多いだけで、ユーザーのストレスとなりかねません。
よって、フォームの入力項目は最低限としてスムーズに完了することを心がけてください。
ランディングページを改良する
ランディングページとは、ユーザーが検索エンジンや広告を経由して、最初にアクセスする集客に特化したページのことです。
一般的には、1つの商品やサービスを販売するために、1枚の長いページとして扱われていることが多いです。
ランディングページは、ユーザーにとってシンプルでどのような特徴があるのかが明確である点が求められます。
例えば、料金体系や契約期間などは、なるべくシンプルかつ誤解を生まないようにすることが重要です。
コンバージョン自体の基準を見直す
ユーザーがコンバージョンしやすいように、コンバージョン率の対象行動を変更するのも有効的です。
例えば、コンバージョンの内容が商品購入とした場合、料金が発生しない資料請求やお問い合わせという形に変更します。
また、ページのファーストビューに入力フォームにアクセスできるバナーなどを設置することも有効的です。
コンバージョンを意識してマーケティングを行おう
コンバージョンは、単にホームページのアクセス数が伸びても意味がありません
見込みユーザーが、如何にアクションを起こしてもらえる確率を高めるかが、コンバージョン率を高めるためのポイントです。
今回紹介したポイントを意識して、コンバージョン率を高めていきましょう。