コロナ化の影響で、「受付の無人化」が注目され始めました。ただ、「受付の無人化って何」「受付の無人化ってどうやるの」と思う方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では「受付の無人化」に焦点をあてて紹介していきます。受付の無人化は感染症対策になるだけではなく、実は業務の効率化にも役に立つのです。さらに、顔認証、自動音声、なども含めたメリット、デメリットを徹底解説します。
受付の無人化に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
受付を無人化するには?システムには2種類ある
従来、人間が受付に立って行っていた受付業務を自動化するにあたって、大きく分けて二つの種類があります。「ロボット型」と「タブレット型」です。ここからはそれぞれの詳細について紹介していきます。
無人受付システムとは
無人受付とは、その名の通り実店舗での受付業務を、ロボットやタブレットで自動化することです。実店舗の来訪者の受付業務を人間がする必要がなくなるので、業務効率化、人件費削減に大きく貢献することができるでしょう。
また、純粋な「顧客対応」だけではなく、来訪者数のカウント等の業務も自動化されるので受付業務全般が効率化されるともいえます。
2種類の無人受付システム
実店舗の受付業務を無人化するにあたって、無人受付システムには大きくわけて2つの種類があります。一つはロボット型、もう一つがタブレット型です。ここからは、それぞれの詳細を下記で紹介していきます。
①ロボット型
「ロボット型」とは、受付ロボットが音声を発して顧客の対応をするシステムのことです。多くの受付ロボットが顔認証、自動音声を搭載しているため、受付業務を軽減することができます。
また、自動検温システムを搭載している機種もあり、こちらは自動で来訪者の体温を測定することも可能です。
ロボット型の特徴は以下の通りです。
- 顔認証
- 自動音声
- 検温システム
上記システムを搭載することによって、感染症対策をしながら受付業務を軽減することができます。
②タブレット(iPad)型
「タブレット型」とは、受付テーブルにタブレットをおいて、来訪者自身でタブレット操作をして受付を済ませるシステムです。実際にタブレットやタッチパネルを操作しなくてもQRコードをかざすだけで受付を済ませることのできるシステムもあります。
メリット、デメリットとしては以下の通りです。
【メリット】
- タブレットを設置するだけで簡単に無人受付を構えることが出来る。
【デメリット】
- 「操作方法がわからない」等の来訪者が現れた場合、結局スタッフが対応する必要がある。
受付を無人化するメリット
受付業務を自動化するメリットは、業務効率化のみではないのです。受付業務を自動化することで以下のような恩恵も受けることができます。
- 人件費の削減
- セキュリティ対策
- 感染症対策
それでは詳しく見ていきましょう。
①業務効率を上げることができる
受付を無人化するメリットとして、まず挙げることができるのが業務効率化です。受付業務に人員を割く必要が無くなり、注力するべき業務に対して人員を割くことが出来るため、業務も効率化することができるでしょう。
受付業務を無人化しても、「タッチパネルの操作がわからない」という方への接客や、VIPへの対応等が考えられます。ただ、これらのケースは稀ですので、ほとんどの場合は無人化したら受付に人員を割かなくても良くなります。
人員を受付に割かなくなることで、本業に人員を割くことができるようになるので、より業績を向上させることができるでしょう。
②受付業務に対する人件費を削減することができる
企業の費用において特に経費が大きくなってしまいがちな経費の一つが人件費です。人件費を削減できるというのは、企業にとってとても大きなプラスであると言えます。
基本的に「経費削減」と「業務効率化」はセットで考えられるものです。前述の通り、受付業務を無人化することによって、手が空いた従業員を企業の注力したい業務にあてることができるので、業務効率化にもなります。
③セキュリティ対策になる
無人受付ですと、AIによる顔認証、顧客番号の管理等で、システム面の問題が起きない限りミスが起きることはありません。顧客の情報を正確に把握して管理できるというのが無人受付の最大の強みといえます。
人間による受付の場合、お客様に顧客情報を手書きで既存の用紙に記入してもらう事になります。さらに、その顧客情報を自社で管理する場合、お客様に記入してもらった顧客情報が書かれた用紙を手入力でExcel等で管理するという業務が発生します。
これらの業務をすべてシステムに任せることができてしまうのが、受付業務無人化のメリットです。
④感染症対策になる
対人の受付ですと常に感染症のリスクがありますが、無人化することによってそのリスクを下げることができます。
顔認証やQRコードの受付で済ませてしまえば、来訪者がタブレットやタッチパネルに触る必要が無くなるので感染症対策を徹底していると言えるでしょう。
【受付無人化】無料でもできる?おすすめの受付システム8選
受付業務を無人化するにあたり、具体的にどのようなサービスが有るのかを紹介していきます。
どのサービスが、どんな企業と相性が良いのかもあわせて述べていますので、導入の際の参考にしてください。
①テレ窓|店舗での相談窓口をオンライン化
テレ窓は、まるで目の前に人がいるかのように等身大で対応ができるオンライン相談・リモート接客、テレビ窓口システムです。
例えば「専門の担当者が限られており、支店や支社、出張所にお客さんが来社された場合の対応ができない」などのケースでも、コールセンターに接続していつでもどこでもお客様の対応ができるようになります。
- 専門の担当者が限られているため、支店・支社・出張所に来社されたお客様の対応ができない
- 特定の時期だけお客様が増えるが、そのために専門スタッフを増員することが難しい
- コロナ禍で従業員が減ってしまったが急な増員は難しい
オンライン相談システムは、上記のような悩みを解決できるとっておきのシステムです。
②ACALL|簡単に導入することができる
ACALLの特徴は、ACALLを導入する際に、専用のタブレットやロボットが必要ないことです。企業がすでに持っているタブレットにACALLをインストールすれば、無人受付の機能を実装することができます。導入へのハードルが非常に低いことが特徴だといえるでしょう。
ACALLは無人受付業務のツールとしてサービスが開始されましたが、現在ではリモートワークに対応した機能も増えています。そのため、受付業務を無人で行い、それをクラウドでいつでも確認することもできます。
基本的に、常時営業していて顧客が自由に入店できるような店舗との相性が良いと考えられます。
相性のいい事業所:宅配業者、薬局等
③ RECEPTIONIST|受付業務をすべて自動化
RECEPTIONISTの最大の特徴は、顧客の来訪日程のアポイントから、来訪時の受付業務まで一気に自動化できる点です。受付に人員を割く必要がなくなるだけではなく、来訪前のアポイントの業務を省略することができるので、業務効率化に大きく貢献することが出来ます。
このサービスは、アポイントから自動化できるので、少数精鋭で「顧客のアポイントを一括管理したい」と強く考えている事業所と特に相性が良いでしょう。
相性のいい事業所:税理士事務所、会計事務所、クリニック等
④FACE TOUCH|SNSのような受付管理システム
FACE TOUCHとは上記画像の通り、写真から担当者を選択して受付手続きをすることが出来るのが最大の特徴になります。写真から選択するため、従来の無機質な受付画面とは違い、まるでSNSを捜査しているような感覚で受付手続きを済ますことが出来ます。
店舗勤務の顧客対応のスタッフが大勢居るような事業所と特に相性が良いといえます。
相性の良い事業所:英会話教室、美容室、ホストクラブ等
⑤Smart at reception|担当者への通知機能が搭載している
Smart at receptionは、タブレット操作での無人受付機能に加えて、担当者への通知機能を搭載しているという点が特徴です。来訪者が「すぐに担当者に来て欲しい」「毎回同じ担当者と仕事をする」というようなシーンが多い事業者との相性がとてもいいです。
相性のいい事業所:カーディーラー店舗、その他法人向け営業を行っている企業等。
⑥more Reception|検索機能付きの受付システム
more Receptionとは、タッチパネルで部署、課、担当者を検索して呼び出すことができる受付システムです。検索して担当者を呼び出すことができるという点が大きな特徴です。それゆえに、多くの部署、担当者を抱えている企業と特に相性が良いと言えます。
相性の良い事業所:大企業
⑦企業受付 for Sota|可愛らしいロボットの受付システム
for Sotaとは上記画像の受付ロボットを受付に設置して、人間に代わって受付業務を自動化することができるサービスです。自動音声、画像認証、来訪者履歴の記録も残すことが出来ます。
無機質なタッチパネル操作ではなく、受付業務をかわいらしい見た目のロボットがするので、より人間に接客されているという満足感に近づくでしょう。
あまりにもリアルなアンドロイドが受付をすると、そのリアルさの中にどうしても取り去ることのできない「機械っぽさ」が生じてしまいます。それに対して人間は「不気味だ」と感じてしまいがちです。99%外見が人間に近くても、1%の人間ではない機械の部分が違和感として感じてしまうでしょう。
ならばいっその事、「リアルなアンドロイド」ではなく、かわいらしいロボットにすれば顧客に受け入れられやすいとしてできたのがこの企業受付 for Sotaです。可愛らしいロボットに受付されることで顧客は不気味さを感じなくなるでしょう。
相性のいい事業所:カーディーラーショップ、飲食店等
⑧Welbo|顔認証機能のある受付システム
Welboとは、「遠隔受付ツール」です。人間が受付に駆けつけなくてもオフィスから遠隔操作で来訪者と会話することが出来ます。
顔認証機能もあるので、一度来訪した人物の顔を記憶することができます。そのため、顧客が再度来訪した際の受付手続きは、より簡略化することができます。中小企業、大企業いずれにおいても、受付業務の効率化に貢献することができます。
「業務効率化したいけど人間が行う対応を完全に消したくはない」という企業との相性が良いと言えます。
相性のいい事業所:大企業、中小企業どちらも
受付無人化システムを選ぶ際の3つの注意点
受付を無人化するためには、何らかのシステムを導入する必要があります。コストをかけて導入したその導入したサービスが、自社の課題解決に貢献してくれるのかをしっかりと吟味してから導入するようにしましょう。
①必要な機能はそろっているか
自社にとって本当に必要な機能があるのかどうかを見極めることが非常に重要な点です。無人受付システムの中には、「価格が高めで機能が豊富なもの」「低価格で機能が限られているもの」等さまざまな種類があります。
必要のない機能に高い料金を払って使い続けるのは非常に効率が悪いので、「必要な機能はきちんと搭載されているのか」、「不必要な機能は搭載されていないか」両方の基準で吟味していく必要があります。
②適正な価格のシステムであるか
多くのサービスは、提供する企業が「開発、運営にどれくらいのコストがかかるのか」という事を基準に設定されています。企業の事情、サービスの種類は様々なので、そのサービスを導入した際に、「どれくらい業務が効率化されるのか」が企業にとってのサービスの価値になります。
自社の事情をしっかりと考慮し、どのサービスを導入するか否かを吟味することが大切です。
③セキュリティ対策はできているか
効率化とセキュリティの問題は、どちらかを重視すれば、どちらかがおろそかになってしまいます。ですので、自社が望む機能がきちんと搭載されていることはもちろん、サーバーが落ちることは無いのか、もしくは落ちた時のバックアップは万全なのかということをきちんと見極める必要があります。
サービス自体は自動化できるものかもしれませんが、サービスのバックアップ体制は人間が行います。導入の際に、担当者とのやり取りを通じて、サービスのバックアップ体制が本当に充実しているのかを見極めるようにしましょう。
まとめ
受付を無人化するにあたって、様々なシステムがあります。またそれと同じように、導入する企業の事情も様々です。
そのサービスを導入したらどれくらい自社のコストダウンになるのか、どの業務をどれくらい省力出来るのかをしっかり吟味したうえで導入するのか否かを検討することが重要です。
仮に優れたサービスであっても、自社にとって必要の無い機能を導入してしまってはシステムを導入するメリットが薄れてしまいます。必要な機能だけがしっかりと搭載されているかを見極めることが大切です。