仕事をしていて、「膨大な翻訳量で困っている」、「翻訳の仕事量が多く、他の業務にまで手が回らない」と困っている方も多いのではないでしょうか。
たしかに、翻訳という作業は誰にでもできるような単純作業に見えて技能が必要なため、なかなか代わりは見つかりません。
そこでおすすめなのがAI翻訳です。AI翻訳は、一度に大量の翻訳ができるだけでなくチューニングするごとに言葉をおぼえていき、その精度は上がっていきます。
そこで本記事では、そんなAI翻訳とは何なのかを解説していきます。また、おすすめのAI翻訳ツールも紹介していくので、AI翻訳が気になるという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
AI翻訳とは
AI翻訳とは、コンピューターを用いて言語を変換する仕組みのことで、機械翻訳または自動翻訳とも呼ばれています。近年は、AI(人工知能)を利用することが多いため、AI翻訳と呼ばれています。
AI翻訳ツールの機能
AI翻訳ツールの基本機能には以下のようなものがあります。
- ニューラル機械翻訳
- 編集を学習する
- 文書の翻訳
- 多言語に対応
- 翻訳サービス
機械翻訳は、人間の脳のニューラルネットワークを模してAI学習を行う機能を備えています。その機能によって機械翻訳の精度が飛躍的に向上しました。
【法人向け】おすすめのAIツール比較表
こちらが法人向けにおすすめするAI翻訳ツールの、料金と特徴を比較したものです。
AI翻訳ツール | 月額料金 | 初期費用 | 特徴 |
SYSTRAN Pure Neural® Server | 1ユーザーあたり4,180円(税込)~ (契約期間12ヵ月) | 要問合せ | 翻訳に特化した企業 セキュリティの高いエンジン |
Memsource | 29ドル~ (1アカウント+無料アカウント2個) | 要問合せ | 外部サービス連携も強い |
ヤラクゼン | 9,900円(税込)~ (1ユーザー3,300円(税込)) | 100,000円(税込) | ファイルをドロップするだけで自動翻訳 |
COTOHA Translator | 88,000円(税込)~ (10ID) | 0円 | 国内製品 辞書登録機能 |
T-400 | 1ユーザー3,300円(税込) (ユーザー数10名まで) | 要アカウント料 | 専門分野ごとのAI翻訳エンジン |
Zinrai Translation Service | 55,000円(税込)~ 660,000円(税込) | 要問合せ | 月間定額制 利用者制限なし |
MTrans Team | 年額208,000円(税込) | 100,000円(税込) (+アカウント料108,000円(税込)) | 会社ごとの専用データベース 年間定額制 |
【法人向け】おすすめのAI翻訳ツール比較7選!
ここからは法人様におすすめするAI翻訳ツールを7つ、その特徴とともに紹介します。それぞれ比較して、ご自身の会社に合うAI翻訳ツールを見つけてください。
SYSTRAN Pure Neural® Server|翻訳に特化した老舗企業
- 自動翻訳に特化した企業が提供
- 国際的に評価の高いAI翻訳エンジン
- セキュリティレベルが高い
A翻訳Iツール | 月額料金 | 初期費用 | 特徴 |
SYSTRAN Pure Neural® Server | 1ユーザーあたり4,180円(税込)~ (契約期間12ヵ月) | 要問合せ | 翻訳に特化した企業 セキュリティの高いエンジン |
2010年に創立されたMemsourceは、2021年にソフトウェアローカライゼーションプラットフォーム大手のPhraseと合併し、グローバル化やユーザビリティを強化しました。
MicrosoftやDroppbox、WordPressなど様々なアプリケーションやプラットフォームとの連携で拡張性が高いのも強みです。セキュリティレベルも高く、ISO27001認定を取得しており、通信の暗号化、データ・プライバシーの保護など、大企業でも安心して導入ができます。
無料トライアルから始められ、24時間のテクニカルサポートもあるので、導入しやすいツールといえるでしょう。
ヤラクゼン|シンプル操作でファイルをそのまま翻訳
出典:ヤラクゼン公式サイト
- 国内企業の安心感
- 使うほど精度が上がるAI翻訳
- ファイル形式でそのまま翻訳
AI翻訳ツール | 月額料金 | 初期費用 | 特徴 |
ヤラクゼン | 9,900円(税込)~ (1ユーザー3,300円(税込)) | 100,000円(税込) | ファイルをドロップするだけで自動翻訳 |
ヤラクゼンは国内企業の八楽株式会社が提供するAI翻訳ツールです。ヤラクゼンのAI翻訳は、操作がシンプルで使いやすく、ファイルをそのままの形式で翻訳できるという特徴があります。元の形式を崩したくない場面でも、ユーザビリティの高さを発揮します。
28言語の幅広い対応力と、学習能力のある高性能AI翻訳がツールの強みです。使えば使うほど翻訳の精度が上がるので、時間とコスト削減に有効的です。
国内企業のサービスという安心感と、AI翻訳の学習能力で長く使うことのメリットがあるので、特に多くの国内大手企業から選ばれています。
COTOHA Translator|AI翻訳精度の高さはTOEICのお墨付き
- 国内メーカー国内製造
- AI精度が高い
- ファイル形式でそのまま翻訳
AI翻訳ツール | 月額料金 | 初期費用 | 特徴 |
COTOHA Translator | 88,000円(税込)~ (10ID) | 0円 | 国内製品 辞書登録機能あり |
COTOHA TranslatorとはNTTコミュニケーションズ株式会社が提供する国内製造のAI翻訳ツールです。最新のニューラル機械翻訳(NMT)の導入で、AI精度は驚異のTOEIC960点を超える実績があります。
辞書登録機能やリバース翻訳機能で、極限まで翻訳精度を高めるシステムを構築しました。一度言語を登録するだけで学習するAI翻訳なので、専門用語を多用する機関では生産性が向上するでしょう。
ファイルをドラッグ&ドロップするだけで翻訳ができ、人が7時間の翻訳量も2分で完了してしまう圧倒的なスピードも魅力です。25言語と幅広く対応しており、金融から製造業まで幅広い業種に導入されています。
T-400|分野ごとの翻訳エンジンで専門性が高い
出典:T-400公式サイト
- 専門分野ごとのAI翻訳
- 翻訳履歴を一定期間で削除
- サーバーは日本のみ
AI翻訳ツール | 月額費用 | 初期費用 | 特徴 |
T-400 | 1ユーザー3,300円(税込) (ユーザー数10名まで) | 要アカウント料 | 専門分野ごとのAI翻訳エンジン |
T-400とは、国内企業の株式会社ロゼッタが提供するAI翻訳ツールです。T-400の特徴として、専門分野の法人に特化した機械翻訳エンジンを使用していることと、セキュリティを強化し、リスクを極限まで排除していることが挙げられます。
医療、IT、ビジネス、教育などの分野ごとに専用のAI翻訳エンジンを採用しており、より専門性を高めています。その数2,000分野に及んでおり、幅広い専門文書の翻訳が可能です。
また、法人の機密文書などを情報漏洩の脅威にさらさないように、一定期間で翻訳履歴が削除される仕組みも採用しています。
また、サーバーは全て国内に存在し、ISMS認証取得の設備にて不正なアクセスから保護されるので、専門分野の大手企業に導入事例が多いです。
Zinrai Translation Service|高セキュリティなクラウドサービス
出典:Zinrai Translation Service公式サイト
- サブスクリプション(月額定額制)採用
- 高精度な機械翻訳エンジン
- APIC認定のセキュリティ
AI翻訳ツール | 月額料金 | 初期費用 | 特徴 |
Zinrai Translation Service | 55,000円(税込)~ 660,000円(税込) | 要問合せ | 月間定額制 利用者制限なし |
Zinrai Translation Serviceは、FUJITSUが提供するAI翻訳ツールです。大手国内企業が開発しているという安心感と、クラウドサービスの安全・信頼性に係るASPIC認定を取得している高度なセキュリティを有します。
Zinrai Translation Serviceの特徴として、利用者数の制限がないサブスクリプション(月額定額制)を採用していることが挙げられます。プランごとにできる範囲は変わりますが、使用人数の多い法人ではコスト削減に繋がることを評価されているのです。
機械翻訳エンジンも高精度で、日本語↔英語間でTOEIC960点レベル、日本語↔中国語間では日本語能力試験N1合格者の中国人ビジネスパーソンと同等の翻訳精度になっています。オプションで顧客独自のシステムに組み込むこともできるので、導入後の使いやすさに繋がるでしょう
MTrans Team|安心の企業ごと専用データベースで効率的
- 会社ごとの専用データベースを用意
- AWSサーバーの安心セキュリティ
- 年間定額制で使い放題
AI翻訳ツール | 月額料金 | 初期費用 | 特徴 |
MTrans Team | 年額208,000円 | 100,000円 (+アカウント料108,000円) | 会社ごとの専用データベース 年間定額制 |
MTrans Teamは、IT・テクニカルコミュニケーション大手のヒューマンサイエンスが提供しているAI翻訳ツールです。法人導入コストは高いですが、幅広い業種の大手企業が採用し、2年目の導入継続率は96%と導入後の評価が高いといえます。
MTrans Teamは企業ごとに専用データベース(DB)が用意され、組織共有のデータが蓄積されます。蓄積されたデータは組織内で再利用されて、用語統一で成長して作業効率アップが可能です。
サーバーは、世界最高レベルのセキュリティを誇るAmazon社提供のAWSを利用しています。これは日本の大手銀行も採用している安心のインフラです。年間契約の定額制で使い放題ということも、費用を気にせず使えるので、メリットだといえるでしょう。
AI翻訳ツールの選び方
数あるAI翻訳ツールの中からどのようなものを選べば良いでしょうか。ここからは、AI翻訳ツールを選ぶ際に、どのようなポイントを押さえたらよいのかを解説していきます。
翻訳の質で選ぶ
先述した通り、近年AI翻訳の精度は飛躍的に向上しています。それでも人間の翻訳能力に完全に代替することはまだできません。
というのも、AIは言語の文脈を理解することができないからです。AIは意図的に省略されている言葉やニュアンスなどを読み取ることは不得意なのです。
このよう、AI自体の精度に加えて企業ごとの言い回しや文体にチューニングする性能も重視することが重要なポイントのひとつといえます。
セキュリティ面で選ぶ
AI翻訳を外注するうえではセキュリティ面も重要です。
企業に合わせてチューニングし、データ登録や辞書登録したものが他社のものと混同してしまったりすれば、情報漏洩の恐れもあります。さらに、情報が漏洩してしまうと、その情報が転用されてしまう危険性もあります。
世界基準のデータ保護規則に準拠しているシステムやデータを暗号化するなどの対策を多くのツールで採用されています。
チューニングの手間で選ぶ
前述の通り、AI翻訳ツールは企業ごとのトンマナに合わせたチューニングを施すことが可能です。
つまり「ツールの導入前に膨大なデータをAIに学習させ、導入後には都度チェックしながら誤りがあれば修正をしなければならない」ということです。
このようなチューニング作業をやりやすいシステムを選び、手間を少しでも減らすことも長期的にAI翻訳ツールを利用していく上では大切なポイントといえます。
翻訳のコストで選ぶ
AI翻訳ツールの選定をするうえで、やはりコストも気になるのではないでしょうか。ネット上には無償の翻訳ツールもありますが、企業として利用する場合にはセキュリティ面や翻訳の質などの観点からもあまりおすすめできません。
サービスにかかる料金には、月額定額制や従量課金制などがあります。社外ツールに外注する場合依頼内容に見合ったコストパフォーマンスであるか慎重に検討しましょう。
専門分野への適応性で選ぶ
翻訳する内容が特定の専門的な分野である場合、その分野において実績のある翻訳サービスを選ぶことも重要です。
AIが専門分野について学習するには素材やデータが効率よく揃うことが重要な要素です。既にその分野においての経験があることは翻訳の質の向上にもつながります。
AI翻訳ツールを利用するメリット
企業がAI翻訳サービスを外注することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、AI翻訳ツールを利用するメリットを紹介していきます。
業務の効率化につながる
翻訳作業が必要になったときに社内で作業をするとなると、外国語の堪能な社員がその作業を請け負うことになります。しかし、そのような社員は語学力を活かしたグローバルな活躍が期待できる社員でもあります。
翻訳作業をAI翻訳ツールに任せることができれば、優秀な社員には他の重要な任務を任せることができ、業務が効率化されます。
翻訳コストの削減につながる
前述のように、社内で翻訳作業を行うことは外国語堪能な社員の一部が翻訳作業に追われることになりかねません。
翻訳の質やコストパフォーマンスを吟味して利用するAI翻訳ツールを決めれば、社内で翻訳作業をするよりもコスト削減につながる場合があります。
コミュニケーションの強化につながる
外国語ができない場合でもAI翻訳ツールを利用すれば、言語の壁を取り払うことができます。
音声認識サービスと併用すれば通訳を介さずに意思の疎通ができるようになり、外国人社員ともスムーズにコミュニケーションがとれるようになるでしょう。
会議などでも迅速に翻訳して議事録作成することが可能になります。
情報収集につながる
海外の市場調査などが必要になった時に、現地の最新の情報をいち早くキャッチするためにもAI翻訳は役立ちます。
事業のグローバル展開を考える企業にとっては大きなメリットのひとつです。
翻訳スピード・品質の向上につながる
人間による翻訳作業は品質の上では信頼できるものの、作業スピードはAI翻訳ツールの方がはるかに優れています。
自社に合わせたチューニングを行うことで翻訳スピードが速く、品質にも信頼のおける翻訳ツールとなっていくでしょう。
AI翻訳ツールを利用するデメリット
メリットがあればデメリットも少なからずあります。では、AI翻訳ツールを利用するうえでのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
確認や修正の手間がかかる
AI翻訳ツールで翻訳作業をした文書は、翻訳ができる人材によるチェックが必要です。企業のトンマナや言葉の言い回しなど、どうしてもAIが不得意とする部分を中心に確認や修正をする手間は必要です。
文章との相性がある
意図的に省略された言葉や感情を表現した文章は、AI翻訳ツールでは正確に翻訳されないことも多くあります。
翻訳したい文章のニュアンスや特性と、相性の良いAI翻訳ツールを見つけましょう。
まとめ
AI翻訳ツールは、これまで翻訳業務に使っていたコストを大幅に削減することができるようになります。
それだけでなく、社内の人材は翻訳作業に時間を削られることなく本来の実務に集中することもできます。
自社に合うAI翻訳サービスを導入することで、効率化が図ることができるでしょう。