企業経営する上で考えなければならないのが災害リスクです。
特に日本は地震大国といわれており、大きな地震がいつ起こるかわかりません。
過去には、東日本大震災や熊本地震などが発生し多くの被災者を出しました。
災害が発生すると企業は経営を継続することができなくなり、最終的には大きな損失を抱える場合があります。
そのため、企業にとってBCP対策は必須です。
BCP対策にはさまざまな方法がありますが、そのひとつに安否確認が挙げられます。
この記事では、安否確認の意味やシステム導入の重要性について解説しますので、
災害に備えたい企業はぜひ参考にしてください。
目次
安否確認とは！？基本を押さえよう！
安否確認とは、天災によって災害が発生した際、従業員や家族などの安全を確認することです。
天災は具体的に地震や台風、噴火などです。
日本は地震が頻繁に発生する国として知られています。
過去に発生した東日本大震災は、地震によって津波が発生し多くの被害者を出しました。
また、今後も南海トラフ巨大地震や首都直下型地震などが発生する可能性があるといわれており、安心できない状況です。
災害が発生したときに、企業は従業員の安否を確認し、今後の体制を整える必要があります。
しかし、災害時は回線が混み合い容易に安否確認ができないこともあるため、
企業の中には災害に備えて積極的にシステムを導入しているところも少なくありません。
企業必見！安否確認の必要性について
安否確認の必要性は具体的に下記の3点が挙げられます。
- 従業員や家族の安全を確認するため
- 信頼関係の構築
- 事業継続のため
それぞれの必要性について詳しく解説します。
従業員やその家族の無事を確認するため
1つ目の必要性は、従業員とその家族の無事を確認するためです。
それが企業にとって最大の目的になります。
また、災害時に適切な指示を出すことも可能です。
例えば、地震発生後は地面の陥没などが予想されるため、当面の間出勤を控えるように指示を出したり、
安全確保を優先するためまずは避難所に向かうように伝えたりできます。
災害発生時、従業員やその家族の安全確保は必須であり、
また適切な指示を出すことで二次災害からの生存率を高めることにもなるので必要性は非常に高いです。
信頼関係を高めるため
2つ目は従業員との信頼関係を高めるためです。
災害時、勤務先から一切連絡がない場合、その会社を信頼できないと思う方も少なくないでしょう。
逆に、すぐ安否確認の連絡が来たら、自分の存在価値を認めてもらえていることに感謝する従業員が多くなります。
企業との信頼関係は従業員のモチベーションに影響するため、信頼関係を構築する上でも重要であるといえるでしょう。
事業継続のため
3つ目は事業継続のためです。
従業員の人数が少ない企業でも社員が数人欠けてしまったら、事業継続が困難なケースがあります。
基本的に企業が提供するサービスは社員が支えているので、人手が足りなくなると円滑に経営を進められなくなるのです。
災害時、安否確認することで、どのぐらいの人数が無事なのかを一斉に把握することができます。
これにより、次は何をやるべきなのか具体的な対策がわかりますので、非常に重要です。
安否確認って何をチェックすればいい？企業が把握すべき3つのこと
安否確認をする際、企業は具体的に何を把握すればいいのでしょうか。
チェックすべき内容は下記の3点です。
連絡がつながるかどうか
1つ目は、連絡がつながるかどうかを確認します。
従業員全員漏れなく連絡し、コミュニケーションが取れるように尽力するのがもっともやるべきことです。
もし、連絡がつかない従業員がいる場合、何回も繰り返し安否確認をしなければなりません。
今置かれている状況を確認
2つ目は、従業員やその家族が今置かれている現状を確認することです。
具体的には下記の内容をチェックします。
- 現在地
- 自身の怪我の有無
- 家族の状況
- 安全を確保できる場所まで自力で行けそうかどうか
このように、状況を細かくチェックするためには
災害時でもスムーズにコミュニケーションが取れる連絡手段が必要です。
緊急事態に対応できる人数の把握
3つ目は緊急事態に対応できる人数を把握します。
無事を確認できた従業員の中ですぐに動けそうな人がいる場合、緊急事態への対応をお願いしてください。
対応できる人数を確保することで、サーバーダウンが発生したり、二次災害が引き起こったりしたとき、すぐに対策を講じることができます。
安否確認を実現する具体的な4つの方法
安否確認を行う具体的な方法は大まかにわけて4つあります。
それぞれの特徴を知り、自社に適したメソッドを取り入れましょう。
電子メール
大きな災害が発生してもインターネット接続はできるケースが多いです。
そのため、安否確認に電子メールを使用する企業もあります。
最大のメリットは、無料で導入することができるという点です。
それぞれの社員にメールアドレスを聞き、災害発生時に管理者がすべての従業員に安否確認メールを送信します。
無料で災害に備えられるため、コストを抑えたい企業の中には魅力的に感じる方もいるかもしれません。
一方、従業員の人数が多い企業は、メール送信に手間がかかります。
また、受信メールを確認して無事かどうかすべて把握しなければならないので管理者の負担は大きいでしょう。
災害用伝言ダイヤル
災害用伝言ダイヤルは、災害発生によって電話回線が混み合ったとき、被災者が伝言を残しておけるサービスです。
スマホなどを使用し『171』に電話をかけます。
そして、伝言を残し自分の電話番号と紐付けをするのです。
安否確認する側は『171』に連絡をして安否確認したい相手の電話番号を入力します。
その後に、残された伝言が流れるという仕組みです。
電子メールと同様にコストが安いですが、登録できる件数や提供期間などに制限があるため、企業が安否確認を行う場合、非効率になる可能性があります。
SNS
SNSにはメッセージを送信する機能や状況を全世界に伝える機能があるので、安全であることを伝えたり、状況を確認できたりするかもしれません。
しかし、SNSで安否確認する場合、従業員のアカウントを管理しなければならないので、非常に大変です。
また、SNSはプライベートの利用が一般的になるため、企業が安否管理として使用するのは適切ではありません。
安否確認システム
安否確認システムの導入が企業にとってもっとも適切な方法です。
安否確認システムは災害時、従業員に一斉送信で安否確認メールを送信します。
また、返答も自動集計されるため、管理者の手間を大幅に削減することができるでしょう。
ちなみに、電子メールなどを活用する場合、管理者が機能しないことが想定されていません。
地震の発生によって管理者が家屋の下敷きになり、被災者の立場になってしまう可能性もあるでしょう。
安否確認システムは、事前に送信メールなどを登録しておくことで、災害発生時多くのことを自動で行ってくれます。
このように、管理者が被災することも想定されており、災害に対して万全に備えられるシステムです。
企業必見！安否確認システムを導入する3つの重要性
上記で説明したように、さまざまな方法の中から企業は選択することができますが、もっともおすすめなのが安否確認システムの導入です。
具体的に安否確認システムの重要性を3つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
安否確認・状況把握が容易
1つ目の重要性は、安否確認と状況把握をスムーズに行うためです。
安否確認システムを導入すれば、自動送信機能を用いて安否確認をします。
フォーム作成可能なものもあり、状況把握も容易です。
手動によるメール配信や制限により聞きたいことを聞けないというような事態を回避し円滑に災害対応ができます。
集計作業の簡略化
2つ目の重要性が集計作業の簡略化です。
実際に導入すれば、従業員の回答結果は自動で集計されます。
回答を得られない従業員に対しては、自動配送信機能もあるため、聞き直しの作業もスリム化することが可能です。
コミュニケーションツールの利用
3つ目は、コミュニケーションツールを利用できるからです。
安否確認だけが企業の役目ではありません。
被災後の行動指示も行うべき内容のひとつです。
掲示板や専用アプリを用い、こまめに従業員と連絡を取り合うことができるため、
適切に指示を出し二次災害から従業員を守ることができます。
安否確認システムの導入事例3選！企業が注目する理由がわかる
企業の中にはすでに安否確認システムを導入しているところも多いです。
ここでは、具体的な導入事例を3つご紹介しますので、企業が注目する理由を体感してみてください。
株式会社豊田自動織機
豊田自動織機は、東日本大震災のときに仕入れ先が被災されたことをきっかけに安否確認システムを導入した企業です。
導入後、BCP対策の強化を図ることができました。
また、被災状況の把握が容易になり、導入によって災害対策が進んだ企業です。
太陽誘電株式会社
太陽誘電株式会社は、2014年の大雪の発生によって安否確認システムを導入した企業です。
元々、メーリングリストを使用して災害時の対応に備えていましたが、大雪によってすべての従業員に安否確認メールが届かなかったため、それを機に導入を決断されました。
従業員個人個人に情報収集せずに緊急時に連絡ができる体制を構築することができたため、負担を抑えてスムーズに導入することができた企業です。
日本電産株式会社
日本電産株式会社は、大阪北部地震をきっかけに安否確認システムを導入した企業です。
それまではメールを使用して安否確認に対応していましたが、大阪北部地震が発生したとき、メール送信に時間がかかったため、システムの導入を決断されました。
導入後は集計の時間を短縮することができたため、実際に効果を実感できている企業です。
まとめ
今回は、安否確認の基本概要とシステムの重要性について解説しました。
安否確認に活用できる手段はたくさんありますが、その中でも特に安否確認システムの導入がおすすめです。
導入がお済みでない企業は、この機会に安否確認システムを比較して自社に適切なものを選択してみてはいかがでしょうか。
