データベースという言葉を「顧客の情報が詰まったデータベース」といった形で耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
しかし具体的に意味を知らない方もいるでしょう。データベースとはコンピューター上のデータの集まりのことです。
データベースにはいくつかの種類があり操作にはデータベース言語が必要な場合があります。
さらにデータベースの運用にはシステムが必要です。本記事ではデータベースの基本情報から役割など、データベースを知らない方に向けて徹底解説したいと思います。
目次
データベースとは?
データベースとは決まった形でデータを蓄積している場所です。ただそのままデータを溜め込んではその後活用する際に不便を覚えるでしょう。
ですから決まった形などを統一して活用しやすい状態で蓄積します。
データベースというとIT技術を持っているエンジニアしかできないというイメージを抱く方もいるでしょうが、実際は多くの人が身近で使用しています。
具体例としては顧客情報を氏名や住所といった項目ごとにまとめたり、業務データを登録しているExcelなどさまざまです。
データベースが役立つ場面
データベースは情報を決まった形で1つの場所に蓄積させたものです。しかし先ほども言ったようにただデータを保存するのではなく、扱いやすいようにしたものが特徴です。
扱いやすくされているというのはつまり整理された状態ということであり、必要な情報はすぐに取り出せるようになっています。
具体的には以下のような場面で役立っています。
- 関東県内の取引先をリストアップしたい
- 契約リストの中から、苗字が「鈴木」と人を絞りたい
- 商品在庫データの中から〇〇という商品を見つけたい
上記のような情報を求めている場合、バラバラな形式で保存されていては見つけることができません。
しかしデータベースであれば情報が整理されていて使いやすいので必要な情報をすぐに見つけ出せます。
データを加工することもで、データベースをより使いやすいように編集することも可能です。
データベースは主に4種類
データーベースは主に4種類に分けられます。それぞれの特長について詳しくみてみましょう。
ツリー状の構成である階層型
階層型データベースはツリーのように親子関係となっている状態で蓄積されたものです。組織図、家系図のように1つに対して多数の形でデータが整理されています。
データを検索する際は、親子をたどるためのルートが登録されており1つとなっているため、検索スピードに長けています。
しかし検索スピードに長けている一方で、親データで登録しているためデータ登録が重複するデメリットもあります。
例で言えばBさんが1と2の部署を兼任している場合、どちらにもAさんの名前が記入されてしまうような事例です。
網目状の構成であるネットワーク型データベース
ネットワーク型は重複データを持たないように関連性のあるデータ同士を結びつけて保存したものです。
ネットワーク型はさきほど紹介したツリー状の構成である階層型と似ているものの、重複データは持たないという違いがあります。
そのため階層型よりも効率的にデータ管理ができます。
先ほど紹介したBさんが1と2の部署を兼任している情報と、逆にBさんからどの部署に所属しているのか両方からアクセスも可能です。
しかし親も子もどちらも複数の関係になるため管理が複雑になるというデメリットも挙げられます。
表で構成されている「リレーショナルデータベース(RDB)」
リレーショナルデータベースは表形式でデータを管理するタイプのもので、別名関係データベースとも呼ばれます。
複数の表を組み合わせて見ることができるので、複雑なデータでも構成が可能です。複雑ですが、表形式であるため見てもわかりやすいのが長所と言えるでしょう。
今利用されているデータベースの多くがリレーショナルデータベースです。
データを管理するプログラム自体は複雑というデメリットやデータ増えたときの性能劣化が発生するというデメリットもありますが、分かりやすいデータベースとして利用されています。
SQLを使用しないNoSQL
本来データベースを操作する際はSQLを使用する必要がありますが、NoSLQはSLQを使用する必要がありません。
データベースとしてはリレーショナル型と似ていますが、構造としてはNoSLQの方が単純となっています。
そのため単縦構造のデータに特化しており、データが増えても性能が劣化するといった心配はありません。
ですが、複雑な構造データに関しては扱いしにくいデメリットもあります。
データベース管理システム(DMBS)について
データベースと切っても切り離せないのがデータベース管理システムです。データベース管理システムについて詳しく見てみましょう。
データベースの運用を効率化してくれる
データベース管理システムとはデータベースの管理・運用において欠かせないシステムのことです。
データベースは活用しやすい状態でデータを保存してくれるのが特長ですが、データベース自体は自動でデータを整理しません。本来ならば人の手を使いデータをわかりやすく使いやすいように保存をします。
しかしそれでは複数人で作業をしたりする場合でも人が関わっている以上重複やミスが起こる可能性があります。
そこでデータベース管理システムの登場です。
データベース管理システムがあれば自動でデータを整理してくれるので、人が何か作業をしなければならないといったことはありません。
また重複するデータを入力すれば警告が表示されたりとミスをしない仕組みも整っています。
SQLはデータを抽出するための言語
NoSQLというSQL言語を必要としないものもありますが、SQLはシステムの基盤です。
データベースを操作するための言語であり、データの検索から抽出、削除といったものを行う際はSQLを使用することになります。
多くのデータベースではSQL言語が使用されているため、学んでおけば多くの製品やデータ管理の際に役立つでしょう。
よく使われているデータベース10選
データベースはいくつもあり、使用されるものは時代とともに変わります。
現在使われている主流のデータベースを紹介します。
中には長所が重なる部分もあり似ているものもありますが、そのほかの特長についても詳しく見てみましょう。
PostgeraSQL
PostgreSQLとはデータベースの種類でいうリレーショナル型データベースになります。重複せずにデータを登録できます。
多くのデータベースは有料ですが、PostgreSQLは無償で手に入れられ性能面でも商用データベースとあまり変わりません。
小規模システムから初めてデータベースを触る方などさまざまな方に使われています。
Oracle Database
Oracle Databaseとはリレーショナル型のデータベースで有償となっています。日本国内ではリレーショナル型データベースにおいて非常に高いシェア率を誇っています。
Oracle Databaseはクライアントサーバーシステムの時代から使われており現代には使えないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、最新のクラウド環境に対応しているので問題なく導入可能です。
MongoDB
MongoDBとはNoSQL型のデータベースであり、データベース自体は無償です。しかしサブスクリプションと管理ツールに関しては有償となっています。
NoSQL型にもさまざまな製品がありますが、その中でもMongoDBは多くの企業で採用されているデータベースです。
主にクラウド型のアプリで使われることが多いですが、ブロックチェーンのデータベースとしても利用されています。
Microsoft Access
Microsoft AccessはMicrosoft Officeのパッケージに含まれるデータベースアプリケーションになります。
データベースの種類ではリレーショナル型に分類され、リレーショナル型データベースの入門として使われるので初心者の方にも利用されています。
つまり簡易的なデータベースシステムを作るのに最適なのです。
Microsoft SQL Server
Microsoft SQL ServerとはMicrosoft社が有償で提供しているデータベースを指します。データベースの種類ではリレーショナル型に分類されます。
業務システムではOracleに次ぐ高いシェア率を誇っており、Microsoft社製のシステム管理ツールを導入する際にも必要となります。
FileMaker
FileMakerとはデータベースの種類ではリレーショナル型に分類されます。
データベースを扱うためのプラットフォームソフトとして使われており、プログラミングができない人でも簡易的なデータベースアプリケーションの作成が可能です。
Excelを用いたデータ流用もできるので使い勝手がいいと評判です。
My SQL
My SQLとはデータベースの種類ではリレーショナル型に分類されます。
オープンソースとなっており基本的には無償の提供ですが、商用利用の場合は有償になります。
無償で利用できるため、プログラミングの勉強や個人システムでの開発において使われます。
SQLite
SQLiteとはオープンソースのデータベースとなっており、データベースの種類としてはリレーショナル型になります。
しかしほかのリレーショナルデータベースとは異なり、ソフトウェアに組み込んで使います。
容量も少なく済むので、携帯端末といったそれほど大容量のものではないもので動作するソフトウェアに最適です。
IndexedDB
IndexedDBとはJavascriptを用いてデータを管理するデータベースのことです。プログラムへ組み込むタイプのデータベースです。
データベースの種類はリレーショナル型に分類されないものの、表形式と似たイメージであるデータ構造となっています。
Web SQL
Web SQLとはHTMLで扱うことができるデータベースです。
本来はHTML5の標準仕様として使用されるはずでしたが、標準仕様からは外れてしまいました。しかし今も多くの主要ブラウザで対応されています。
バックエンドではSQLiteが使われているため基本的なSQL文であれば使用可能です。データベースの種類はリレーショナル型です。
データベースの選び方とは?
データベースといってもデータ構造の違いだけではあんく、製品ごとによって特長があります。
いくつもあるデータベースからどのデータベースを使うのか難しいと思う方もいるでしょう。ではどのように選ぶべきか詳しく見てみましょう。
有料と無料のデータベースの違いを知る
データベースには有料のものと無料のものがあります。また、同じ製品名でも無償と有償のパッケージ版が用意されていることもあります。
同じ製品であれば一般的な機能は同じでありますが、具体的な違いは機能の多さ、保持できるデータ量に違いなどです。
しかし無料でも普通に使う分には困らないこともあるので、自分がどのくらいの機能を求めているのかわかると有料か無償どちらがいいか自然とわかるでしょう。
目的に合ったデータベース選びをしよう
データベースは同じ種類でも製品によって特長が異なるので、適している用途が異なります。
例えば人事管理や生産管理といった複雑なデータはリレーショナル型が向いており、多数の情報から素早く探し出したいのならば階層型が向いているでしょう。
なぜデータベースを使うのか明確することで、目的にあったデータベースが選べるようになるはずです。
データベースについて知ろう
データベースを利用すれば持っているデータを素早く探し出すことができます。しかしそれにはまずデータベースの仕組みについて知る必要があります。
データベースの仕組み知ることでよりデータベースを有効活用できるでしょう。
さらに効率化したい場合はデータベース管理システムがおすすめです。データベースについて知り、より扱いやすいものにしましょう。