採用業務は企業の競争力や今後の発展を左右する重要な業務です。
重要である反面、業務内容が多岐にわたり担当者の負担が大きい業務でもあります。
採用業務を効率化して、できるだけ少ない負担で優秀な人材を採用できれば理想的なのではないでしょうか。
そこで本記事では、課題や手間を削減することで採用業務を効率化する具体的な方法を解説していきます。
本記事の内容をしっかり理解して実践すれば、担当者の負担を減らしながらも自社にピッタリな人材を採用できる、効率の良い採用業務を実現できるでしょう。
採用プロセスの流れ
採用業務の効率化のためにまず行なうべきことは、自社の採用プロセスについてきちんと把握しなおすことです。
一連の流れを可視化することで課題が明確になり、どの工程を効率化できるのかが明らかになります。
まずは採用プロセスの基本的な流れを確認していきましょう。
- 採用計画を立てる
- 宣伝媒体・宣伝方法の選出、求人情報の公開
- 求人票の作成・公開
- 書類選考
- 面接
- 内定
- 内定後のフォロー
- 効果検証
以上が採用プロセスの基本的な流れです。
上記の工程のほかに、企業によっては適正テストや筆記テストなどの工程が加わることもあります。
採用業務の効率化が必要な理由
採用業務の効率化の大きな目標は「より少ない工数でより優秀な人材を採用すること」です。
企業にとって、優秀な人材の採用は中長期的な成長につながるとても重要な課題です。
可能であれば、工数が増えたとしても質を向上させて優秀な人材を採用するのが理想なのではないでしょうか。
しかし、採用ルールが変更された2018年以降、採用スケジュールは全体的に遅くなっており、より短い時間で優れた人材を採用することが求められています。
ただ、採用業務を担う人事部門は人材育成や労務管理なども行うことが多く、業務負担が大きくなりがちです。
そのため、採用業務を効率化し、「より少ない工数でより優秀な人材を採用すること」が求められているのです。
採用業務を効率化させる方法7選
採用業務の課題を解決し、効率化させるには様々な方法があります。
本記事では、その中でも重要な7つの方法を紹介します。
採用プロセスの流れや採用業務の効率化が求められている理由を知った上で、採用業務を効率化させる7つの方法を詳しくチェックしてみましょう。
①採用プロセスを改善する
まずは採用プロセスの見直しから着手しましょう。
担当者の判断に頼りきってしまっている業務や工数が多すぎる部分などがあると効率が落ちてしまいます。
改善が可能な部分はどこなのかを明確にした上で、どのような施策で改善できるのかを考えましょう。
例えば、求めている人材像にマッチしない応募者が多い場合は、求人媒体の見直しや求人ターゲットの見直しのような改善策をとることができます。
「どの部分に課題があるのか」、「反対に課題のない部分はどこなのか」を明確にすることで、全体的なプロセスの効率化が図りやすくなるでしょう。
②コミュニケーションを自動化する
採用プロセスでは、応募者との連絡や社内の日程調整、内定後のフォローなど、大量のコミュニケーションが求められます。
コミュニケーションを自動化することで、応募者への自動返信や日程調整ツールの導入など、担当者の負担を減らすことができるでしょう。
また、連絡遅れや見落としなど、応募者の関心を大きく低下させるリスクを防ぐという面でも、コミュニケーションの自動化は効果を発揮します。
自動化が可能な部分は自動化をすることで、担当者の負担を減らすと同時にミスを防ぐことが可能です。
③評価基準を見直して統一する
採用現場では、評価基準が面接担当者などの主観的な評価に偏ってしまうことがあります。
主観的な評価で、面接官ごとに評価基準が異なると内定者決定までに必要な工数や時間が多くかかりかねません。
また評価基準のブレは、優秀な人材を見逃してしまったり、応募者を正当に評価できないといった事態の原因にもなります。
そこで評価基準を統一し、担当者によらない一定の基準を設けることが重要です。
コミュニケーション能力や熱意など、数値化しにくい面についてもチェックリストを用意するなどの対策が求められます。
評価基準を見直して統一することで、効率的に安定した評価ができる環境を整えましょう。
④現場とうまく連携をとる
採用プロセスを効率化し質を高めていくためには、現場との連携が必要不可欠です。
一連のプロセスを改善していくためには、効果検証などを通して改善点や課題を見つけることが大切です。
実際に応募者とコミュニケーションをとる面接担当者などとの連携をしっかりととることで、採用業務における課題や問題が見つかることも少なくありません。
また、全体的な採用プロセスの改善を図ったとしても、実際に採用業務にあたる担当者との認識のズレが生じてしまうと改善策の効果も薄れてしまいます。
現場との連携を密にとりながら全体的な採用プロセスを進めていきましょう。
⑤採用管理システムを取り入れてみる
根本的に採用業務を効率化するために、採用管理システムの導入も有力な方法です。
採用管理システムとは、求人情報の公開から候補者の内定までの情報を一元管理するITシステムのことを指します。
有料で高機能なシステムから気軽に導入できる無料ツールまで、様々な採用管理システムが存在しています。
採用管理システムの導入は、担当者の負担削減になるのはもちろん、日程管理や入力情報の管理でのミスを防ぐ効果もあります。
それだけではなく、採用業務に関する情報を社内で一元管理することは、効率的なノウハウの共有や蓄積に大きな効果を発揮します。
採用業務の効率化において、長期的な効果が期待できるのが採用管理システム導入のメリットです。
⑥採用代行を利用する
採用業務を外部の専門企業に委託するという方法もあります。
思い切って採用業務の一部もしくはほとんどを代行会社に任せることで、人事担当者の負担を大きく削減できます。
企業にとって重要な業務である採用業務を社外に任せることに対して懸念もあるとは思いますが、いわば「採用業務のプロ」の知識やノウハウを活かせるため、結果的に採用業務の質が上がるケースも多いです。
社内の人手不足が明らかな場合には、新たに採用を担当する人員を確保するよりも、外部への委託が望ましいかもしれません。
採用代行に委託することで、負担を減らしつつ採用業務の質を向上させることが可能です。
⑦採用プロセスの一部をデジタル化する
採用プロセスの一部をデジタル化することも採用業務の効率化につながります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ビジネスのデジタル化は一気に加速しました。
感染リスクも減らしつつ、採用担当者と応募者双方の負担も減らせるなどメリットの大きいデジタル化は、ぜひとも導入を検討したい方法のひとつです。
ここでは採用業務におけるデジタル化の2つの例を紹介します。
オンライン面談ツールを利用する
オンライン面談の導入によって、面接会場の準備や案内の送付などの作業を削減できます。
加えて、応募者や面接担当者がスケジュールを組むのも容易になるので、採用業務の短縮や効率化につながるでしょう。
近年多く普及してきたオンライン面談ツールには、日程調整機能やデータの一括管理機能、面接評価シートの選考機能などが搭載されたものなど、豊富なバリエーションがあります。
自社の条件にあった機能が搭載されたオンライン面談ツールを活用することで、採用業務の効率化を図ることができるため導入するのがおすすめです。
受付システムを利用する
受付システムとは、受付担当者が手作業で行なってきた来訪者対応や電話の取次などの業務を自動化するシステムです。
採用業務においても、応募者の連絡や来訪日時管理などの業務を自動化することで、業務の負担を削減し効率化することができます。
また、応募者にとっても来訪の手続きが簡略化されるというメリットがあるだけではなく、非対面・非接触で受付できることから新型コロナウイルス感染対策においても注目されています。
人事担当が効率化を望む業務は?
効率化のための様々な方法を紹介しましたが、実際に採用業務を担当する人事担当がどのような業務で効率化を望んでいるのかを知ることも大切です。
多くの企業で人事担当者が効率化したいと思っている業務として、「コミュニケーション」が挙げられています。
特に、コミュニケーションの中でも、定型的な連絡業務において効率化が求められています。
コミュニケーションの効率化といっても、応募者との面談時や人材紹介会社、採用業務代行会社などとのコミュニケーションについては効率化を追求するのではなく、丁寧に行なうことが理想です。
というのも、優れた人材を見定めたり、採用業務における外部パートナーとの連携を密にとることは採用業務の質を向上させる面でとても重要な意味を持つからです。
採用業務を効率化するメリット
企業にとって重要な業務のひとつである採用業務の効率化を図ることで、具体的にどのようなメリットが生まれるのでしょうか。
ここでは、採用業務を効率化することによるメリットを2つ紹介します。
メリット①|採用にかける労力を削ることができる
採用業務を効率化することで、採用を担当する人事部門の労力を削ることができるということは企業にとって無視できないメリットのひとつです。
採用業務は、業務内容が多岐に渡り、担当者の負担が少なくない業務です。
また、採用業務を担当する人事部門は他の部署・部門との協力や連絡をとりながら業務を行なっていく部門ですので、社外だけではなく社内でのコミュニケーション業務も求められます。
つまり、負担の大きい採用業務を通常業務と並行して行なう必要のある人事部門の負担を取り除くことは、採用業務以外の業務においても大きなメリットになり得ます。
メリット②|内定率を上げることができる
採用業務を効率化し、採用プロセス全体のスピードが上がると、優秀な人材の内定率が上がる可能性があります。
現状、日本の求人市場は求職者よりも求人の数の多い売り手市場となっています。
このような状況では、採用に時間がかかってしまうことは、優秀な人材を採用するチャンスの損失にもつながりかねません。
採用業務を効率化すると、全体の工数が減るなどして、募集から内定までのスピードも上がります。
つまり、業務の効率化によって採用するまでの時間を短縮することで、優秀な人材を確保しやすくなるのです。
採用業務の5つの課題
ここまで効率化のための方法やメリットなどを紹介してきました。では、採用業務の効率化を妨げている課題は一体どこにあるのでしょうか。
ここでは、採用業務で改善する必要のある代表的な課題を5つ紹介していきます。
①コミュニケーションが多い
採用業務では、社内外を問わず様々な関係者と連絡を取り合っていく必要があり、担当者の大きな負担となっています。
コミュニケーションをとるべき対象が多いだけではなく、その頻度も高く、内容も様々ですので、自動化できる部分などを見定めて効率化を図ることが求められます。
また、細かな連絡やコミュニケーションが求められるので、担当者の能力によってしまったり、採用者の負担が周囲に周知されないケースもあります。
改善するためにはまず、しっかりと現状の把握が必要です。
②工数が多くかかる業務が多い
通常の採用業務だけでも説明会や就職フェア、面談や内定後のフォローなど、かなりの工数がかかるものが多いです。
また、採用の質をあげるために新しい取り組みや改善策を実施する場合にも、その分工数が増えてしまう場合も多く、逆に担当者の負担が増えてしまうことになりかねません。
人員状況や業務状況に応じて、効率化のための施策を検討する必要があります。
③長期視点が必要になる
採用業務の効率化は、短期間で劇的な効果を得ることが難しく、長期視点が必要です。
採用業務は採用計画の立案から内定者の決定、効果検証までの期間がある程度必要であるため、採用プロセスを短期間で繰り返すことが難しく、改善にも時間が必要です。
効率化のために新たな施策を試みる場合にも、効果がすぐに表れないことが大半なので、長期視点を持って継続的に取り組んでいくことが必要です。
④ツールで自動化しにくい部分が多い
採用業務にはツールで自動化しにくい部分が多く存在します。
採用業務は担当者の判断力や戦略、マネジメント能力を必要とする業務も多々存在するため、誰でもできる仕事ではありません。
そのため、担当者の能力によって業務効率が低下してしまうケースもあります。
業務の規格をできるだけ統一したり、自動化が可能な部分は大胆に自動化するなど、担当者の負担を抑えるための努力が必要です。
⑤時間外労働をしないといけないこともある
採用業務には応募者の動向によって業務量が決まる側面もあるため、業務量をコントロールすることがとても難しくなっています。
そのため、忙しい時期には時間外労働をする必要があるほど、業務が偏ってしまうこともあります。
例えば、応募者への連絡の自動化など、業務の偏りを少しでも解消する施策が求められるでしょう。
まとめ
企業にとって重要な業務のひとつである採用業務を効率化するための方法やメリット、改善すべき課題などを紹介しました。
「より少ない工数でより優秀な人材を採用すること」が求められる採用業務においては、自社の現状や人員状況にあった改善策を行なうことが重要です。
本記事で紹介した内容をしっかりとチェックしつつ、採用業務の効率化に取り組んでみてはいかかでしょうか。
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