
「EV充電器を導入したいけれど、何を基準に選べばいいかわからない」
「設置工事や補助金申請の流れが不安」
そんなお悩みをお持ちの施設オーナーの方も多いのではないでしょうか?
近年、電気自動車(EV)の普及にともない、商業施設や自治体、オフィスビルなどでもEV充電スタンドの設置が進んでいます。
EV充電器は、今や「あって当たり前」の設備となりつつあります。とはいえ、導入には費用や設置場所の条件、サポート体制など、気を付けたいポイントが多数あります。
本記事では、EV充電器の説明から導入のメリット、選ぶ際のポイント、そして法人向けおすすめ製品5選を分かりやすく解説していきます。
目次
EV充電器とは?商業施設や自治体が注目している理由
EV充電器とは、電気自動車(EV)に電力を供給するための専用設備です。
電気自動車(EV)の普及が進む中で、商業施設や自治体が充電インフラの設備を急ピッチで進めています。以前は、一部の先進的な施設に限られていましたが、今では多くの施設がEV充電器の導入を本格的に実施し始めています。
EV充電器の種類と価格
EV充電器には大きく分けて「普通充電器」と「急速充電器」の2種類があります。
- 可搬型(コンセントタイプ)
可搬型の普通充電器は、家庭用コンセントに差し込んで使えるシンプルなタイプです。
充電用コネクターを車に、電源プラグを専用コンセントに接続するだけで使用でき、価格も数千円〜数万円と比較的安価です。充電スピードや制御機能には限りがありますが、初期費用を抑えたい個人・小規模施設におすすめです。 - 据置型
据置型は、壁面やスタンドに固定して設置するタイプの普通充電器です。
充電ケーブルが本体に備え付けられており、車に差し込むだけで簡単に充電ができます。本体価格は約30万円と可搬型に比べて高いですが、充電出力も高く、製品によっては充電管理システムとの連携も可能です。長期的な利便性や機能性を重視する施設におすすめです。
普通充電器は、出力が3〜6kW程度で、充電に時間がかかる分、長時間の滞在が見込まれる場所に適しています。
主に商業施設やオフィスなど、利用者が1〜2時間以上滞在する施設での設置に向いています。
出力はおおよそ20kW〜150kWと高く、普通充電器と比べてはるかに短い時間で充電できるのが特徴です。その分、本体価格は一般的に200万円以上と高額で、電源設備や設置工事にも一定の準備が必要になります。
ただし、国や自治体の補助金制度を活用すれば、導入コストを大幅に抑えられるケースも多いため、初期費用がネックになっている場合でも検討しやすくなっています。
「次世代の標準設備」としての位置づけ
電気自動車(EV)が身近な存在になりつつある今、EV充電器は多くの施設にとって欠かせないインフラのひとつとなっています。
トイレやWi-Fiと同じように、利用者が求める基本的な設備として位置づけられるようになってきました。
こうした流れを受けて、商業施設だけでなく、自治体の公共施設でも設置が加速しています。
環境への配慮といった視点からも、EV充電器は「次世代の標準設備」としての役割を担い始めています。
EV充電器を設置するメリットとは
EV充電器の設置は、単に電気自動車(EV)に対応するためだけではありません。
ここでは、EV充電器を導入することで得られる主なメリットを紹介します。
集客効果が期待できる
EV充電器を設置することで、電気自動車(EV)ユーザーにとって「立ち寄りやすい場所」としての魅力が高まります。
主にスーパーや商業施設での買い物や食事の間に充電できるので、電気自動車(EV)ユーザーの来店動機になりやすく、新たな顧客層の獲得や滞在時間の延長にもつながります。
また、EV対応施設と発信することで、先進的な印象を与えることができ、競合施設との差別化にも効果的でしょう。
環境対応施設としての価値を高められる
自治体や公共施設にとって、EV充電器の設置は脱炭素やゼロカーボン政策への具体的な取り組みとしてわかりやすく形にする手段の一つです。
EVインフラを整えることで、地域住民に対して環境配慮のアピールができるため、地域からの信頼や評価にもつながります。
環境意識が高まっている中、EV充電器はまちづくりに欠かせない設備の一つとして注目されています。
テナント満足度の向上につながる
電気自動車(EV)ユーザーにとって使いやすい環境を整えることで、施設全体の印象や信頼感の向上にもつながります。
EV充電器を設置する際の5つのポイント
EV充電器を設置するには、価格や製品だけでなく、設置場所や運用面まで含めて考えておく必要があります。
あとから失敗しないためにも、導入前にしっかり確認しておきたいポイントがあります。
ここでは、EV充電器を設置する際に重要な5つのポイントをご紹介します。
設置場所の環境に適したタイプか
EV充電器をどこに、どのように設置するかによって、必要な工事や内容が大きく変わってきます。
たとえば、地面にそのまま設置できる場所であれば費用を抑えられますが、コンクリート基盤が必要な場合は工事費用が発生します。
また、屋外・屋内・地下・といった設置場所の環境によっても、設置方法や耐久性に違いが出てくるため、事前の現地調査が欠かせません。
必要な充電スピードと出力
充電にかかる時間は、導入する充電器の出力によって異なります。
以下は普通充電器と急速充電器の比較表になります。
項目 | 普通充電器(3kW〜6kW) | 急速充電器(20kW以上) |
---|---|---|
主な用途 | 長時間滞在型施設 | 短時間利用・回転率の高い施設 |
設置に向いている場所 | 商業施設、オフィス、宿泊施設など | 道路沿い、道の駅、公共施設、サービスエリアなど |
充電時間 | 数時間 | 30分〜1時間程度での充電が可能 |
電源容量への影響 | 小さい | 大きい(高圧電源や増設が必要な場合あり) |
普通充電器は主に低出力で長時間かかり、急速充電器は高出力で短時間での充電が可能になります。
施設側の電源容量や工事規模にも影響するため、用途に合わせて選ぶことが大切です。
補助金制度への対応可能か
EV充電器の導入は、補助金の活用で大きくコストを抑えることができます。
国のCEV補助金や、各自治体が提供している支援制度に対応しているかどうかを確認することが大切です。
また、補助金の対象となるためには、
- 国や自治体が認定した機器であること
- 登録された施工業者によって設置されること
- 設置報告書や施工写真などの提出が必要なこと
など、細かな条件がある場合もあります。
導入前に、申請の条件をしっかり確認しておくことが重要です。
管理システムが導入しやすいか
EV充電器は「設置して終わり」ではなく、そのあとの運用・管理がスムーズにできるかどうかも重要なポイントです。
利用状況を把握したり、課金管理やトラブル対応の仕組みが整っているかどうかは、運営側の負担を大きく左右します。
法人施設の場合、利用者の満足度と管理者の効率の両立を意識したシステム選びが求められます。
サポート体制が整っているか
万が一、充電器がうまく作動しない、利用者からトラブルの連絡が入ったなどの緊急時に、迅速に対応できるサポート体制があるかどうかはとても大切です。
導入後も安心して運用するためには、保守契約の内容や緊急時の対応スピード、問い合わせ先などを確認しておくと安心です。
おすすめEV充電器5選
EV充電器といっても、出力の違いや機能、費用体系、サポート内容など、サービスごとに特徴はさまざまです。
ここでは、商業施設や自治体、オフィスビルなど法人施設におすすめのEV充電器5つをご紹介します。
それぞれの特徴をまとめた比較表も掲載していますので、自社に最適な1台を見つける参考にしてみてください。
メーカー名 | 充電方式 | 出力(kW) | 設置費用 | 課金方法 | 決済手段 | 補助金対応状況 | 保守・サポート体制 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
FLASH | 急速充電 | 最大240kW | 0円 | 従量課金制 | クレジットカード/QR決済 | 対応(機器による) | あり(運用管理も一括対応) |
DMM EV ON | 普通充電/急速充電 | 製品による | 別途見積もり | 定額・従量課金 | アプリ | 対応 | あり(アプリ・保守対応) |
Power X | 普通充電/急速充電 | 製品による | 別途見積もり | 任意(導入先で設定) | アプリ/カード | 対応 | あり(国産でサポート手厚い) |
グリーンチャージ | 急速充電 | 最大50kW | 別途見積もり | 定額・従量課金 | アプリ/カード | 対応 | あり(導入後サポート有) |
テスラ | 普通充電/急速充電 | 最大250kW | 別途見積もり | テスラ設定 | テスラアプリ、連携課金 | 条件付き(施設向け) | 一部対応(テスラ指定工事) |
FLASH
引用元:FLASH
メーカー名 | 充電方式 | 出力(kW) | 設置費用 | 課金方法 | 決済手段 | 補助金対応状況 | 保守・サポート体制 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
FLASH | 急速充電 | 最大240kW | 0円 | 従量課金制 | クレジットカード/QR決済 | 対応(機器による) | あり(運用管理も一括対応) |
DMM EV ON
引用元:DMM EV ON
メーカー名 | 充電方式 | 出力(kW) | 設置費用 | 課金方法 | 決済手段 | 補助金対応状況 | 保守・サポート体制 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
DMM EV ON | 普通充電/急速充電 | 製品による | 別途見積もり | 定額・従量課金 | アプリ | 対応 | あり(アプリ・保守対応 |
Power X
引用元:Power X
メーカー名 | 充電方式 | 出力(kW) | 設置費用 | 課金方法 | 決済手段 | 補助金対応状況 | 保守・サポート体制 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Power X | 普通充電/急速充電 | 製品による | 別途見積もり | 任意(導入先で設定) | アプリ/カード | 対応 | あり |
グリーンチャージ
引用元:グリーンチャージ
メーカー名 | 充電方式 | 出力(kW) | 設置費用 | 課金方法 | 決済手段 | 補助金対応状況 | 保守・サポート体制 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
グリーンチャージ | 急速充電 | 最大50kW | 別途見積もり | 定額・従量課金 | アプリ/カード | 対応 | あり(導入後サポート有) |
テスラ
引用元:テスラ
メーカー名 | 充電方式 | 出力(kW) | 設置費用 | 課金方法 | 決済手段 | 補助金対応状況 | 保守・サポート体制 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
テスラ | 普通充電/急速充電 | 最大250kW | 別途見積もり | テスラ設定 | テスラアプリ、連携課金 | 条件付き(施設向け) | 一部対応(テスラ指定工事) |
ホテルや高級住宅、オフィスなどで導入実績が多く、スタイリッシュなデザインと、テスラならではのスマートでスムーズな使い心地が魅力です。
普通充電と急速充電どちらのタイプも展開しており、家庭やオフィスに設置されるウォールコネクターは、最大出力11kWで、日常的な充電に適しています。一方、高速道路や公共エリアに設置されるスーパーチャージは最大出力250kWと、数十分での充電が可能です。
いずれもテスラ専用の充電器ですが、テスラユーザーをターゲットとした施設においては注目したいEV充電器です。
EV充電器設置までの流れ
EV充電器をスムーズに導入するためには、まずは工事会社を選定するまでの準備が大切です。
はじめに、集客強化や環境対応、EV通勤者への配慮など、設置の目的を明確にします。次に、屋外・屋内・地下駐車場など、実際に設置しやすい場所をイメージしておくと安心です。
そのうえで、施設の利用状況に合わせて普通充電と急速充電か、出力や形も含めて充電器を選びます。
さらに、工事の前には契約している電気の容量などの、契約電力の状況を事前に把握しておくことも大切です。
こうしたポイントを押さえたうえで、実績やサポートがしっかりしている工事会社を選べば、安心して設置の準備が進められます。
工事会社を決めたら、設置に向けた準備がスタートします。
まずは連絡をとって現地調査と見積もりを依頼し、設置場所や費用を確認します。補助金を使う場合は、申請のサポートも受けられるので安心です。
その後、契約を結んで工事日程を調整し、必要に応じて着手金などの支払いを行います。準備が整ったら、配線や基礎工事、機器の取り付けなどを行い、設置が完了します。
このように、EV充電器の設置には段階的な準備と手続きが必要です。
初めての導入でも安心できるよう、スムーズに対応してくれる施工業者を選ぶことが成功のポイントです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事では、EV充電器おすすめ5選!導入から運用までを徹底解説してきました。
EV充電器は今や、商業施設や自治体、オフィスなどにとって欠かせない設備になりつつあります。
集客や環境対応、施設価値の向上といった多くのメリットがあり、設置を検討する施設が年々増えてきています。
EV充電器を導入する際には、設置場所・充電タイプ・補助金対応・管理方法など、いくつかのポイントをしっかり押さえることが重要です。
本記事で紹介した5つのおすすめサービスを参考に、施設の目的や環境に合ったEV充電器を選び、スムーズな導入を進めていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。