従業員が働きやすいと感じる職場づくりには、従業員満足度調査の実施がおすすめです。
実施することによって、職場環境を見直すことができたり、福利厚生を充実させられたりとさまざまなメリットが得られます。
しかし、これらの方法はどのように行えばいいのか悩んでいる企業も多いでしょう。
ここでは目的から調査の実施方法まで詳しく紹介します。
また、ツールの活用やおすすめのツールについても比較しているので、導入について検討している企業はそちらも参考にしてみてください。
目次
従業員満足度調査とは
従業員満足度調査とは、その名の通り自社の従業員が仕事内容や職場環境など、どのくらい満足できているか調査するためのものです。
近年では働き方も大きく変わってきており、特に新型コロナウイルスの影響によって出社すらできない企業もたくさんあります。
今後も大きく変化する可能性があることから、従業員と会社自体を守るためにもしっかりと調査する必要があるのです。
従業員満足度調査の目的
従業員満足度調査は、そもそも何を調査するのか項目についてイマイチ理解できていない方も多いでしょう。
ここでは具体的に実施する目的について紹介するので参考にしてみてください。
離職率を低下させるため
企業で働く従業員は、それぞれさまざまな悩みを抱えています。
例えば業務内容や人間関係、労働環境に満足していない方も多いでしょう。
特にその中でも不満に思う項目が多い場合、我慢できなくなって仕事自体を辞めてしまう方も少なくありません。
離職率が上がることで企業にとってはプラスになる要素は一つもなく、人手が足りなくなることで業務の負担が増え、更に不満に思う従業員が出てきてしまいます。
1人の離職は連鎖するケースも多くあるため、環境を改善するためにも従業員満足度調査は実施しなければなりません。
しっかりと調査を行えば、改善箇所を見つけられるため、離職率低下にもつながります。
そのため、特に人材が定着しないと感じている企業では実施したほうがいいでしょう。
業績アップを目指すため
企業にとって従業員の力は必要不可欠です。
従業員満足度調査を行い、しっかりと改善することができれば従業員のやる気を高められたり、離職率を低下させられたりします。
従業員の満足度が上がることはモチベーション向上などにもつながり、業績アップも見込めると言われています。
業績が下がる理由はさまざまですが、従業員が不安や不満を抱えている状態であれば従業員満足度調査が必須です。
人事制度や人事評価を整備するため
人事制度や人事評価を、経営陣の意向だけで決めるのは従業員の満足度を下げることにつながると言われています。
理由は自分が正しく評価されていないと判断する人が増え、納得できないと感じるからです。
しかし、従業員満足度調査を実施し、要望や提案に耳を傾けながら人事制度や人事評価を行えば、自分の意見もとおるので不満を抱える人たちも減るでしょう。
そのため、これらの目的のためにも従業員満足度調査は実施したほうがいいのです。
従業員満足度調査の実施手順
職場環境の改善に効果的な従業員満足度調査ですが、そもそもどのような手順で実施していくのでしょうか。
ここでは具体的な手順について紹介するので参考にしてみてください。
ゴールを明確にする
調査を実施する前に大切になるのが、ゴールをしっかりと決めておくことです。
例えば企業によっては従業員の満足度を向上させるために行いたいケースもあれば、人事制度や評価を見直したいなど、最優的なゴールはそれぞれ異なります。
ゴールを設定せずに行ってしまうと、途中の段階で大きな混乱を生む可能性もあるので注意しましょう。
まずは目的を明確に決め、それに沿った設計が大切です。
アンケート項目を設定する
ゴールが明確に決まったら、次はアンケート項目を設計しましょう。
ゴールに向けて何を質問すべきかなど、具体的に決めることが大切です。
しかし、あまりにも項目が多いと答える側も大変ですし、担当者の集計や分析も膨大な作業量となってしまいます。
そのため、できる限りシンプルに設計し、目的を達成するために聞きたいことだけにまとめましょう。
従業員からの回答
アンケートの項目が定まったら、実際に回答の依頼を行います。
回答率は高いほうが改善できる可能性も高くなるため、調査の目的なども具体的に説明することが大切です。
形式的な調査だけで終わらないようにするためにも、従業員の理解を得るのは必要不可欠となります。
集計・分析
回答してもらったデータは集計と分析を行います。
規模が大きな調査では、集計するデータの量も多いためそれだけ時間がかかります。
そのため、手動で行う場合は十分な人手を用意してから実施すると負担を軽減することが可能です。
集計と分析に人を集められないケースでは、ツールもあるのでそちらを活用することで大幅に効率化できるでしょう。
これらの業務は従業員満足度調査でも特に大変ですし、改善や見直しのための重要な部分になるので、慎重に行う必要があります。
対策を検討する
集計したデータを元に、実際にどのような対策を行っていくのか考えます。
対策の部分は、アンケートに回答された内容と向き合えば何を変えていくべきか比較的簡単にわかるため、それほど難しい項目ではありません。
フィードバック
どのような対策を行うかが決まったら、経営陣への報告と従業員にフィードバックを行います。
経営陣への報告は、調査の分析結果や今後の対策などをしっかりと説明しましょう。
従業員へのフィードバックは、社内でどのような傾向にあったか具体的に説明し、現状について伝えることが大切です。
対策を実行する
調査結果を報告し対策を実行することの了承が得られたら、実際に対策の実行を行います。
対策を実行する際の注意点としては、調査から実行までをできる限りスピーディに行うことです。
あまりにも時間がかかると、調査は口だけだったのかと社員のモチベーションの低下につながります。
更に不満を抱える原因の一つとなるため、実行はできる限り早めに行いましょう。
従業員満足度調査のメリット
従業員満足度調査を実施するとなると、それなりに手間と時間がかかります。
簡単なことではありませんが、そもそも実施するメリットはどのような点があげられるのでしょうか。
現場の声を聞くことができる
多くの企業では、経営陣と従業員が頻繁にコミュニケーションをとることはありません。
そのため、特に経営陣は従業員の本音を聞く機会が少ないのが現状です。
従業員満足度調査を実施すれば、一人ひとり直接話しを聞かなくても、すべての現場の声を聞けるのが大きなメリットになります。
集計されたデータを確認すれば一目で組織としての現状を把握できるため、職場環境の改善も容易です。
これらのことから現場の声を聞くという目的でも、従業員満足度調査は企業にとって大きなメリットをもたらしてくれるのです。
効率よく改善できる
従業員満足度調査は、従業員すべての意見や思っていることを取りまとめたデータです。
調査結果を確認することで、会社として何を改善していかなければならないのかが明確になりますし、その時間もかかりません。
効率よく改善するためには手っ取り早い方法とも言われているので、改善まで時間をかけたくないなら実施したほうがいいでしょう。
人事戦略としても活用できる
従業員満足度調査の目的によっても異なりますが、実際にやりたい業務や今の部署に満足しているかなどの聞き取り調査ができます。
これにより、要望のある従業員を配置転換させることができるなど、しっかりと要望を反映すること可能です。
従業員の満足度のためだけではなく、今後の人事戦略としての活用も可能なので、企業としては取り入れることをおすすめします。
従業員満足度調査ツール選定のポイント
従業員満足度調査は、ゴール設定から実行まですべての工程を自社で行うとなると相当な手間がかかります。
ツールやソフトは、これらの手間を少しでも軽減させるために企業が導入するものです。
特になるべく手間をかけたくないと感じている企業は、ツールやソフトの導入を検討したほうがいいでしょう。
しかし、それぞれのツールによって機能が異なるケースも多いため、選ぶ際にはポイントをしっかりと抑えることが重要です。
ここでは選定のポイントについて紹介するので、導入を検討している企業は参考にしてみてください。
操作性を確認すること
どのようなツールを導入する際にも言えることですが、操作性は最も重要なポイントです。
例えば、せっかく導入しても複雑な操作では使い勝手が悪いと感じてしまうでしょう。
目的は手間なく効率的に調査することなので、操作がしやすいかどうかはチェックしておきたいポイントです。
機能が豊富に揃えられているツールは魅力的ですが、それによって複雑化しないかなど見極めましょう。
回答率を高めるための工夫があるか
従業員満足度調査を成功させるためには、回答率が重要です。
回答率が下がってしまうと結局聞きたい情報を調査できなかったなど、意味のないものとなってしまう可能性もあります。
ツールを導入する際には、例えばログイン方法が複雑で手間がかかってしまったり、回答方法が難しかったりするとなかなか回答率は上がりません。
基本的には回答方法が単純化されていることや、スマートフォンでも簡単に回答ができるなど、シンプルなツールが好まれます。
これらのことから、回答率を高めるための工夫がされているかについては、事前にチェックしておきたい部分と言えるでしょう。
課題解決に向けた支援をしてくれるか
従業員満足度調査を実施し、課題が見つかったとしてもそれに向けた対策を考えなければなりません。
ツールによっては、課題解決に向けた対策をサポートしてくれるものもあります。
これらの機能があれば、さまざまな対策を考えることができ、より従業員にとって納得のいくアクションを起こせる可能性も高いでしょう。
また、担当者の負担軽減にもつながることから、せっかく導入をするなら課題解決に向けたサポートを行ってくれるツールの選択をおすすめします。
導入にどのくらいの手間がかかるか
ツールを購入し、実際に導入するまでにどの程度の期間が必要になるかも重要です。
例えば、数ヶ月など時間がかかるケースでは、なかなか従業員満足度調査を実施することができません。
すぐに実行したいのであれば、導入までに時間がかからないツールを選択しましょう。
また、ツールの中には連携機能があるなど柔軟に対応してくれるものも存在します。
例えば従業員情報を連携できれば、ユーザー情報を入れ込む手間を省くことが可能です。
これらのことから、導入のしやすさや既存サービスとの連携ができるかもポイントとなるので、事前にチェックしておくことをおすすめします。
従業員満足度調査に特化したおすすめツール4選
従業員満足度調査に特化したツールでは、主に下記の項目をすべて対応してくれます。
- アンケート項目の設計
- 配布
- 集計
- 分析
必要な機能がすべて揃っているツールとなりますので、例えば専任担当者がいないなどのケースでは活用すると便利です。
ここでは特におすすめのツールを4つ紹介するので参考にしてみてください。
ラフールサーベイ
公式サイトはこちらから:ラフールサーベイ
料金 | 初期費用:100,000円 月額料金(1ユーザーあたり):400円〜 |
機能 | サーベイ機能 ・部署、従業員設定がCVSで一括アップロード ・アカウント権限 ・回答期間設定 ・社内周知機能 ・API連携 ・ショートサーベイ ・ディープサーベイ ・課題を解決するヒント自動表示 ・対策サービス検索機能 従業員が使える機能 ・セルフケアを促進するコンテンツ ・福利厚生サービス ・エンゲージメント向上機能 |
無料トライアル | 無料デモ体験あり |
サポート体制 | ○ |
導入事例 | ・株式会社ミュゼプラチナム ・株式会社インフィニット・フィールド ・株式会社リフカム |
ラフールサーベイの特徴
ラフールサーベイは、わかりやすくシンプルで使いやすいと人気の高いツールです。
画面設計はシンプルさを極めており、操作に慣れていない方でも直感的に扱えるのは魅力的な部分と言えるでしょう。
また、シンプルでありながら組織診断から対策まで一括で対応可能なので、あらゆる作業の効率化に貢献できるツールです。
料金も1ユーザーあたり月額400円からとリーズナブルなので、比較的導入しやすいのもおすすめのポイントとなります。
その他には、運用サポートや対策支援までも実施してくれるため、サポートも受けながら従業員満足度調査を実施したい企業は導入を検討してみてください。
Geppo
公式サイトはこちらから:Geppo
料金 | 月額料金 〜25人:20,000円 〜50人:39,800円 〜100人:68,000円 〜500人:198,000円 〜1,000人:298,000円 ※1,000人以上はお問い合わせ |
機能 | ・従業員のコンディションを把握 ・コミュニケーション活性化機能 ・仕事満足度、人間関係、健康に関する質問 ・集計 ・分析 ・課題対策サポート |
無料トライアル | 無料デモ体験あり |
サポート体制 | ○ |
導入事例 | ・株式会社ネクステージ ・株式会社アズテックス ・SHE株式会社 |
Geppoの特徴
Geppoは、さまざまな業界や組織で活用されており、継続率は98%と価値のあるツールとして認められています。
特徴は、個人のパルスサーベイと組織診断を低コストで行えるツールとなっており、離職率の改善やオンボーディングの成長など人事業務のサポートをしてくれます。
また、テレワークにおいても最適なツールと言われており、従業員のストレスマネジメントなども行うことが可能です。
特にここ最近では出社をしないテレワークのスタイルが主流となっているため、これらのケースでも有効活用することができるでしょう。
その他にも、従業員の本音を引き出すための質問を考えてくれます。
例えば仕事満足度や人間関係、健康に関する質問など選びぬかれているため、なぜ退職や休職の要因になっているのか調べたいと思っている企業におすすめです。
wevox
公式サイトはこちらから:wevox
料金 | 月額料金(1ユーザーあたり):300円〜 |
機能 | ・ログイン不要の回答機能 ・リアルタイムの自動集計 ・一人ひとりに最適な質問の配信 ・カスタマイズした設問の同時配信 ・配信設問数の設定 ・自動リマインド ・グループ設計 ・案内文の自動設定 ・コメント集計 |
無料トライアル | 1ヶ月無料トライアル |
サポート体制 | ○ |
導入事例 | ・リコーリース株式会社 ・青山学院大学 ・株式会社大創産業 |
wevoxの特徴
wevoxは、1人あたり月額300円から導入できる従業員満足度調査ツールです。
コスト面での負担がそれほど大きくないため、中小企業から大企業まで導入しやすいのが特徴となります。
wevoxは、テレワーク環境下でもデータを活用したチーム状況の把握が可能となり、効果的なマネジメントを実現できるのが魅力です。
また、エンゲージメントの向上のための課題解決を支援してくれるため、離職率なども改善させる事ができるでしょう。
その他にも現場にとって使いやすいサービスを目指したツールになるため、操作性にも優れています。
シンプル設計で使いやすい特徴があるので、初めて導入する企業にとっても使いにくいと感じることはないでしょう。
wevoxは1ヶ月間の無料トライアルも実施しています。
まずは操作性について知ってから導入したい企業は、無料のプランから始めることをおすすめします。
いっと
公式サイトはこちらから:いっと
料金 | お問い合わせ |
機能 | ・定量分析 ・定性分析 ・レポート ・改善案のサポート |
無料トライアル | - |
サポート体制 | ○ |
導入事例 | - |
いっとの特徴
いっとは、在職者と退職者の本音を聞き出すことができ、離職理由の発見や改善につながる従業員満足度調査ツールです。
アンケートではなく、インタビューシステムとなっているため、従業員に向き合いながら本音を聞き出すことが可能になります。
また、数字的に見た視点から現状把握ができる定量分析と、感情や理由から原因を把握する定性分析の両方を実施しています。
これによりなぜ離職が増えているのかを明確にさせることができ、課題なども見つかりやすいのが特徴です。
このように、いっとを活用すれば詳細な調査を実施することができるため、特に離職者が増えており、原因がわからないと思っている企業でも対策ができるでしょう。
いっとは、専門サポーターによるヒアリングで利用方法から運用支援まで行ってくれます。
また、改善策実行の支援までも可能としているため、初めて導入する企業でも安心して活用することができます。
アンケートや集計に特化した従業員満足度調査ツール2選
ここでは、従業員満足度調査の中でもアンケートや集計に特化したツールを紹介します。
大きく分けておすすめできるツールは2つあるため参考にしてみてください。
freeasy
公式サイトはこちらから:freeasy
料金 | 50人(1問):500円 50人(5問):2,500円 50人(10問):5,000円 50人(20問):10,000円 50人(50問):25,000円 ※50人以上のプランあり |
機能 | ・調査 ・モニタリスト ・設問カウント ・オプション |
無料トライアル | - |
サポート体制 | ○ |
導入事例 | ・エースコック株式会社 ・日新製糖株式会社 ・株式会社朝日広告社 関西支社 |
freeasyの特徴
freeasyは、アンケートに特化した500円から利用できる従業員満足度調査ツールです。
アンケートは簡単に作成することができ、集計もスピーディに行ってくれます。
また、アンケートの対象者は従業員以外にも対応しているため、さまざまな用途で活用することが可能です。
その他にも直感的でシンプルな画面設計となっているため、操作に難しいと感じることもありません。
PCのみならず、スマートフォンからでも操作が可能な点も魅力の一つとなり、テレワーク環境でも使いやすいでしょう。
freeasyはサポート体制も万全です。
操作レクチャーや、電話や訪問サポートも実施しているので、初めて導入する企業にとっても安心でしょう。
スマイルサーベイ
公式サイトはこちらから:スマイルサーベイ
料金 | アドホック(30日間使い放題) ・30日間 40,000円〜 スタンダード ・月額 30,000円 |
機能 | ・アンケート作成 ・アンケート集計 ・管理、運用 ・セキュリティ ・カスタマイズ |
無料トライアル | - |
サポート体制 | ○ |
導入事例 | ・株式会社アデランス ・株式会社インデックス・アイ |
スマイルサーベイの特徴
スマイルサーベイは、アンケートの設計から集計、データの分析まで一括で行ってくれるツールです。
自由自在にカスタマイズができるのが魅力の一つでもあり、デザインや専用環境の構築にも対応しています。
また、各種連携にも対応しているため、従業員データなどを一括で取り込むことも可能です。
その他にも、セキュリティ対策も強固なものになっています。
例えば、自社のセキュリティ規定に合わせたシステムを構築してくれるなど、要望に応じて変更することが可能です。
情報漏えいなどのリスクも低いため、膨大なデータを扱う企業でも活用しやすいでしょう。
料金設定も1人あたりではなく、使い放題での価格となっているためリーズナブルです。
導入コストを抑えつつ、充実したアンケート調査を実施したい企業におすすめと言えるでしょう。
まとめ
今回は従業員満足度調査について、必要性から調査の手順まで詳しく説明しました。
従業員にとって働きやすい環境にするためには必要不可欠となるため、特に離職率が高いなどの企業は積極的に調査することをおすすめします。
また、おすすめのツールについても紹介しましたが、それぞれ機能や価格なども異なります。
導入を検討する企業によっても目的などが異なると思うので、比較しながら自社に合うツールを選んでみてください。