【BtoB事業者向け】ABMとは?手法を知り利益の最大化を目指そう!
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企業が効率的に新規顧客を獲得するためには、マーケティング戦略が必要です。

闇雲に営業を実行してもターゲットから外れてしまえば時間の無駄になってしまいます。

また、契約の可能性が低い顧客に長時間かけて営業を行うことは非常に効率が悪いです。

BtoB事業では効率的に顧客を獲得するために、“ABM”という手法を採用する企業が増えています。

実際に聞いたことがあるマーケターもいるのではないでしょうか。

この記事では、ABMの概要とメリット・デメリット、活用できるおすすめのツールなどについて解説しますので、興味のある担当者はぜひ参考にしてください。

ABMとは?手法の具体的内容を把握しよう

ABM』とは、Account Based Marketingの略称でBtoB事業における営業戦略のひとつです。

具体的には、自社にとって高価値を持つ顧客をターゲットとして選定し、売上の最大化を目指す経営戦略、考え方を意味します。

見込みの有無に関わらず、幅広い顧客に対して営業する従来のマーケティング手法とは対照的です。

しかし、近年生まれた新しい考え方ではありません。

昔からABMは存在していましたが、それを実現するためにはかなりの工数がかかるため、それを実行することは現実的ではなかったのです。

しかし、現在はMASFACRMなどのシステムが普及しているため、必要な工数をシステムに任せることができます。

これにより、マーケティングに多くの人員を割くことができないBtoB事業者も手法として採用できるようになったのです。

ABM採用によって得られる5つのメリット

ABMを採用することで得られるメリットは大まかにわけて5つあります。

なぜ多くの企業が注目しているのかがわかるので、ぜひ参考にしてください。

投資利益率の向上を目指せる

1つ目のメリットは、投資利益率を高められる点です。

投資利益率は、投資に対してどのぐらいの利益を獲得できたのかを示す指標を意味します。

マーケティング業界では、ROI(Return On Investment)と略されることが多いです。

また、投資収益率といわれることもあります。

ABMを採用すれば、自社にとって価値の高い顧客を中心に営業活動ができるようになるため、ROIが高くなりやすいです。

数値が高くなればなるほど、企業は効率的に投資ができていることを意味するため、経営状態の改善やさらなる飛躍を目指せます。

営業の範囲を絞れる

2つ目のメリットは、営業範囲を絞ることができる点です。

ターゲットの範囲を広く設定する場合、それに対応する営業マンを確保する必要があります。

大企業であれば、多くの人材を雇用してそれぞれの顧客に対応することも可能です。

しかし、マンパワーに限りがある中小企業にとっては現実的な手法ではありません。

ABMはターゲットを自社に価値のある顧客に限定します。

そのため、営業範囲を狭めることができるので、営業マンは特定の顧客に集中することができるのです。

これにより、マンパワーを十分に確保できない企業でも効率的に営業活動ができます。

効率的なマーケティングが実現できる

3つ目のメリットは、効率的にマーケティングができるという点です。

自社のサービスに興味がない顧客に営業活動をしても思うような成果を得ることはできません。

特に、BtoB事業においては契約金額も安くないため、興味がない顧客にサービスの魅力を知ってもらい案件化するハードルは非常に高いです。

一方、ABMポテンシャルが高く購買プロセスが進んでいる顧客に限定して営業をします

ホットリードはそれ以外の顧客に比べて案件化、受注となるケースが多くなるため、マーケティング効率が非常に高いです。

効果測定が容易

4つ目のメリットは効果測定が容易であるという点です。

ターゲットの範囲を絞ることで効果測定の対象者は非常に限定されます。

これにより、さまざまな指標と照らし合わせてマーケティングや営業の効果を測定する必要がありません。

特定の顧客だけをチェックし、「メールを開封しているか」、「広告を見てくれているか」などを確認すればいいので、効果測定が非常に簡単です。

結論を導きやすいだけでなく、課題が見つかったときの対策もしやすいので、大きなメリットになるでしょう。

マーケターと営業マンの連携が取りやすい

5つ目のメリットは、マーケターと営業マンが連携を取りやすいという点です。

基本的に両者は、目標は同じであるのにもかかわらず企業の中には連携がうまくいっていないケースも珍しくありません。

その理由は、役割が異なるため信頼関係を構築することが難しい点が挙げられます。

マーケターの役割は、効率的に顧客を獲得するための施策を考えることです。

一方、営業マンは顧客に訪問し、サービスを紹介して購入してもらえるように促します。

仕事内容が大きく異なるため、お互いに理解を得づらいことがあるのです。

一方、ABMを採用すれば、インサイドセールスが橋渡しとなりマーケターと営業マンの仲介を行います

これにより、お互いが支え合いながら仕事をできるだけでなく、社内で一貫したアプローチを取ることが可能です。

連携を取りやすくなるので、働きやすい環境を提供することにもつながるでしょう。

ABMで懸念される3つのデメリット

ABMは非常に魅力的なマーケティング手法ですが、一方でデメリットもいくつか考えられます。

実績のない顧客獲得の効果は得られない

1つ目のデメリットは、実績のない顧客を獲得することはできないという点です。

基本的にABMは、購買プロセスが進んでいる顧客にアプローチをします。

例えば、すでに営業が訪問済みの顧客、案件化や受注の実績がある企業などです。

ホットリードの利益最大化を目指す手法なため、新規案件獲得向きではありません

成果を獲得するまでに時間がかかる

2つ目のデメリットは、成果を獲得するためにある程度の時間がかかるという点です。

ABMを実行するためには、ガバナンスの調整や営業の再編などが必要になる企業もいます。

また、現場のやり方を大幅に見直さなければならないこともあるでしょう。

さらに、効率的に実行するためには、CRMなどのシステムを導入する必要もあります。

そのため、短期間で成果を達成することは難しいので長い目で見るようにしましょう。

大企業向けの施策

3つ目のデメリットは、大企業向けの施策であるという点です。

狭い範囲のターゲットから利益を獲得していく手法になります。

そのため、1つの案件で得られる報酬額は大きくなければなりません

予算に余裕がある大企業や公的機関をターゲットにする必要があるため、小額報酬しか得られない企業向けの施策としては運用が難しいです。

ABMで効果を得やすいフィールド4

ABMで効果を獲得しやすい領域は4つあります。

それを知ることで、どのような場面で活用できるのか理解できるので、ぜひ参考にしてください。

プランのアップグレード

1つ目のシーンは、プランのアップグレードを促すときです。

サブスクリプションモデルでBtoB事業を展開する企業の中には、複数のプランを提供しているところもあります。

すでにサービスを利用しており、今のプランからさらにワンランク上のものにアップグレードを促すときABMは効果を発揮しやすいです。

顧客は追加機能などにより利便性の向上を期待できます

また、提供側も利益の最大化を目指すことができるため、その点が大きなメリットです。

新製品の提供

新製品を提供する際に効果を得られます

以前、契約成立の実績があるところへ新しい製品を売り込む際に効果を得やすいです。

アポが簡単に取れるだけでなく、以前購入してもらうことができた製品と同じ分野のものであれば興味がある可能性は高いでしょう。

また、同じタイミングで新しい製品への買い替えを検討している企業もいます。

既存顧客に対して新製品を販売すれば、購入ハードルが低いので、一定の効果を期待することができるでしょう。

別事業部への展開

別事業部へ展開する際も効果を得やすい手法です。

すでに自社商品やサービスを利用している企業のほかの事業部へ営業を行います。

顧客側は自社の別の事業部で成果を得ていることを把握しており、まったく知らない商品を紹介されるよりも身近に感じやすいです。

そして、その事業部の抱える課題とサービス導入によって得られる効果がマッチすれば、成約を得られる可能性が高くなるでしょう。

ABMを実行する際の具体的フロー

AMBを実行するためのフローは下記です。

 

  1. ABMの必要性について検討する
  2. 体制を構築する
  3. ターゲット企業の絞り込みを行う
  4. ターゲット企業の情報収集をする
  5. コミュニケーション施策を実践する

 

それぞれのフローについて具体的に解説します。

ABMの必要性について検討する

はじめに自社にとってABMが必要かどうかを検討します。

ABMは、日本にあるすべての企業で採用できるマーケティング手法ではありません。

企業の中には、必要性がなく社内で浸透しないケースもあります。

また、事業内容と相性が悪い場合、十分な効果を得られないだけでなく、反って社内のマーケターや営業マンの活動に悪影響を与える可能性もあるでしょう。

そのため、まずABMを採用する前に自社にとって必要な手法なのかを十分に考える必要があるのです。

実際に必要性を考える際は、ABMによって収益向上を見込めるかを確認します。

例えば、事業目標をABM戦略に紐付けして新規顧客獲得数と既存顧客の売上増加目標を設定するのです。

そして、その戦略が社内に適切かどうかを判断し、売上の向上が見込める場合、採用するようにしてください。

体制を構築する

次は、ABMに必要な体制の構築です。

先程も触れましたが、ABMの採用によって営業やマーケティングのやり方を見直したり、再編したりすることが求められます。

そのため、専用のプロジェクトチームを立ち上げるのがおすすめです。

プロジェクトチームを立ち上げることで、ABMを率先して始動するメンバーを選定できるだけでなく、責任の所在なども明確になります。

また、経営層に対する説明も迅速に行うことができるので非常に便利です。

そのほかにもプロジェクトチームはABM施策の具体化を行い、ターゲット選定なども担当します。

また、営業と連携を図るために、連携体制を構築してください。

リードの定義や共通目標、顧客エンゲージメントを共有することで、営業がスムーズに活動できるように配慮します。

具体的にターゲット企業を明確にする

次は、ターゲット企業の選定です。

ABMフローの中でもターゲット選定は非常に重要な工程のひとつに挙げられるでしょう。

なぜなら、選定するターゲットを間違えてしまうとABMプロジェクト自体が頓挫する可能性があります。

そのため、プロジェクトの成功の鍵を握るといっても過言ではありません。

ターゲット選定する際のポイントは下記の7つです。

 

  • ポテンシャルが高い
  • 購買プロセスステータスが高い
  • アップセルが期待できる
  • 予算拡大の可能性が高い
  • 複数の事業部で取引できる
  • 成長市場である
  • 業界への影響力

 

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

ポテンシャルの高さをチェックしよう

1つ目のポイントは、ポテンシャルの高さをチェックすることです。

ポテンシャルとは、年間売上額を意味します。

年間の売上額が高額であればあるほど、ポテンシャルが高いです。

例えば、年間の売上が1億円未満の企業よりも100億円以上のほうがポテンシャルは高くなります。

ABMはターゲットを狭く絞り込むため、1社から得られる利益は大きいほうが好ましいです。

売上金額の多い企業は、十分に予算を確保できるためABMのターゲット対象になりやすいでしょう。

購買プロセスステータスが高い

2つ目のポイントは購買プロセスステータスが高い企業を選定することです。

購買プロセスのステータスは下記の順番に設定できます。

 

  1. 潜在
  2. 顕在化
  3. アポ見込み
  4. 訪問済み
  5. 案件化
  6. 受注

 

この中の46の企業は、見込み度が非常に高く、アプローチをすれば購入につなげられる顧客です。

そのため、46に該当する企業の中から選択する必要があります。

アップセルの可能性を確認

3つ目は、アップセルが期待できる顧客を選定することです。

アップセルとは、顧客単価を向上させるための取り組みを意味します。

例えば、月額980円のプランAを利用する顧客に対して月額1,980円のプランBを紹介するという行動がアップセルです。

ABMは自社に価値の高い顧客の絞り込みをするだけでなく、利益の最大化を目指すことも目的に含まれます。

アップセルが見込める顧客は、将来的に金額の高いプランに移行してもらえる可能性が高いです。

利益の最大化に貢献してくれる確率が高いので、ABMのターゲットとして最適な企業になります。

予算拡大の可能性をチェックする

4つ目のポイントは、将来的に予算拡大を見込めるかどうかです。

予算拡大を見込める顧客のほうが利益の最大化を達成しやすくターゲットとして最適になります。

基本的に力を入れたいことは予算が増える可能性が高いです。

例えば、商品の認知度に力を注ぎたい企業は、広告宣伝費に多くの予算を使います。

予算拡大の可能性が高ければ高いほど、販売側は利益につなげやすくなるためおすすめです。

複数の事業部で取引できる

5つ目のポイントは、複数の事業部で取引できる可能性があるかどうかです。

ABMの効果が得やすい領域で説明した通り、複数の事業部で自社サービスを購入してくれる場合、顧客1社に対する利益率がかなり向上します。

また、すでに自社が取り入れている商品を使うほうが親しみやすく警戒感も少ないです。

これにより、営業ハードルが下がるので、新規顧客を獲得するよりも効率的になるでしょう。

成長市場である

6つ目のポイントは、成長市場で活躍する企業かどうかです。

成長市場で活動する企業は、今後も売上の上昇を期待できます。

つまり、購買プロセスが進んでいれば、後にポテンシャルの高いホットリードになる可能性があるのです。

例えば、成長市場としてIT業界物流業界フードデリバリーサービス業界宇宙開発業界などが挙げられます。

このような市場で活躍する企業は今後も成長し続けられる確率が高いため、ターゲットにすることができれば、継続的な利益を獲得できるかもしれません。

業界への影響力

7つ目は、業界への影響力です。

影響力のある企業が自社商品などを利用すれば、同業他社からサービスを購入してもらえるかもしれません。

例えば、「業界の先駆者である○社が使っている商品なので自社も利用しよう」というようなアクションを取ってもらえることがあります。

もちろん、必須の条件ではありませんが影響力のある企業と契約することができれば、芋づる式にその業界の企業が顧客になってくれる可能性もあるのでおすすめです。

ターゲット企業の情報収集をする

次の工程は、ターゲット企業の情報を収集することです。

情報収集の具体的な方法は、セミナーや交流会の開催、名刺交換など接触機会のある担当者からの情報収集、ダイレクトメッセージなどが挙げられます。

ここで説明している情報収集は、単に社名や電話番号といった基本情報だけではありません。

これまでの取引履歴や決算月、競合企業との取引データなどリード獲得に役立つ情報です。

これらの情報を獲得したらデータベースで管理することが求められます。

コミュニケーション施策を実践する

最後にコミュニケーション施策を考えて実践することです。

コミュニケーション施策では、メッセージの内容やコンテンツ、手法などを組み合わせて設計していきます。

基本的にコミュニケーション施策は購買プロセスやポテンシャルに合わせて選択するのが一般的です。

よりパーソナルな設計にすることで、顧客から反応を得やすい施策になります。

ABMに活用できるおすすめのツール3

ABMを効率的に実践するためには、ツールを利用するのがおすすめです。

一般的に使われているツールをいくつかご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

顧客管理システム(CRM)

1つ目は顧客管理システムです。

顧客管理システムは、CRM(Customer Relationship Management)と略されることもあります。

顧客データや履歴情報を収集して適切に管理を行い、信頼関係の向上に役立てられるシステムです。

具体的には、顧客の個人情報や見込み客管理、商談管理をサポートし、売上につながるように支援してくれます。

CRMを導入することで得られるメリットは下記の3点です。

 

  • 顧客を一元管理することができる
  • 営業フローの可視化
  • 情報のリアルタイム共有

 

また、ABMと連携することで信頼関係を強化したい部署やキーパーソンを見える化できるため、非常に役立ちます。

さらに、CRMは企業データに紐付けして社員の情報を管理することができるため、自社の営業マンと接点がない場合も担当者へメッセージを送信することが可能です。

ABMにとって顧客管理は必須ですが、CRMは顧客管理を可視化してくれるため、ターゲット選定などに活用しやすいでしょう。

そのため、ABMの効率化を図りたい企業は導入することを検討してください。

営業支援ツール(SFA)

2つ目が営業支援ツールです。

営業支援ツールは、SFA(Sales Force Automation)ともいわれており、営業の見える化を支援するシステムを意味します。

営業の進捗を明確にするだけでなく、AIが類似案件を分析してアドバイスしてくれるなど、非常に高機能なシステムです。

また、現在はリモートワークにも対応できる製品が増えており、時代に合ったSFAツールを導入できます。

営業支援ツールを利用するメリットは下記の3点です。

 

  • 営業活動のプロセスや進捗状況が透明化される
  • 活動報告を簡略化し効率的な営業活動を実現
  • ナレッジの蓄積が可能で属人化を防げる

 

SFAは過去の営業履歴を確認できるため、ABMのターゲット選定に役立ちます。

そのため、CRMと同様に見込み客選びに活用できるマーケティングツールです。

マーケティングオートメーションシステム(MA)

3つ目は、マーケティングオートメーションシステムです。

マーケティングオートメーションシステムは、顧客の興味関心を分析してマーケティング施策をサポートしてくれるツールを意味します。

顧客情報を収集するだけでなく、サイト内巡回履歴の確認、コンテンツの自動最適化、SNSとの連携などできることは非常に多いです。

マーケティングオートメーションシステムを利用することで、下記のようなメリットを得ることができます。

 

  • リードナーチャリング業務の負担軽減
  • 人為的ミスの防止
  • 高度な分析が可能
  • 顧客の動きを可視化

 

マーケティングオートメーションシステムを導入することで、ABMのコミュニケーション施策のときに役立てることができます。

MAツールを利用すれば、顧客の動きを見える化し、趣味嗜好を分析することが可能です。

どのようなことに興味があるのかを前もって把握し、それをコミュニケーション施策に反映させることで、成約率を高めることができます。

MAツールの中には比較的低コストで導入できる製品もあるので、費用負担がかかりづらいことも魅力のひとつです。

まとめ

今回は、ABMの概要やメリット・デメリット、実践フローについて解説しました。

ABMは、BtoB事業を展開する企業が営業の成約率を高められる手法のひとつです。

実際に、ABMを実践しようとすると多くの工数がかかるため、その手法を採用できるのはマンパワーを確保できる企業に限られていました。

しかし、現在はSFAツールなど実践に役立てられるシステムが充実しているため、中小企業でも採用しやすいです。

自社にとってABMの必要性は高いか検討し、収益向上が見込める企業は早速実践してみてみることをおすすめします。

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