車両管理をスムーズにかつ円滑に行うために利用されているのは、車両管理システムです。しかし、調べてみると用途や目的別に多くの車両管理システムのサービスが開発されています。
車両管理システムがあれば、車両にかかわる業務の効率化や安全運転を促進することができます。しかし、製品によって機能や特徴が異なるため、自社に合ったものを選ばないと満足する効果を得ることはできません。
本記事では、車両管理システムを導入するメリットやデメリット、タイプなどを紹介します。是非参考にしてみてください。
目次
車両管理システムとは
車両管理システムとは、企業の社用車を一括して効率よく運行管理できるシステムです。
「どこにいるのか(位置)」「どんな運転をしているのか(速度・加速・アイドリング)」などの運行情報をリアルタイムで把握することができ、物流や配送業務の効率化、運転指導に活用することができます。
車載器をポートに差し込んだり、アプリをインストールするだけで利用できるloTを活かした車両管理システムは、デジダコと比較して手軽に安く運行管理を行えます。そのため、営業車や配送トラック、送迎者などさまざまな業種で導入が進んでいます。
車両管理システムを導入するメリット
車両管理システムを取り入れると良いと聞くけれど、何がどう変わるのか疑問に思っている方もいると思います。車両管理システムを導入すると、管理者の負担削減やコスト削減などの面でメリットがあります。
主なメリットとして、今回は以下の5つを挙げます。
- メリット①:従業員に安全に働いてもらうことができる
- メリット②:無駄なコスト削減できる
- メリット③:業務を効率的に行える
- メリット④:従業員の満足度を上げられる
- メリット⑤:サービスの品質向上につながる
それぞれ紹介していきます。
メリット①:従業員に安全に働いてもらうことができる
ドラレコと車両管理システムの違いは、活躍するのが事後前か事故後かという違いがあります。安全運転は指示するだけでは実現が難しいですが、車両管理システムでは「仕組み」として実践できます。
危険運転が起こりやすい場所をマークし周知を徹底すれば、自己リスクを減らすこともできます。
メリット②:無駄なコスト削減できる
車両管理状況を把握できると、適切な車両台数や保険料の見直しを行えるようになります。そのため、作業効率化や車両事故を減少させることができ、結果としてコスト削減が見込めます。
多くの企業にとって車両に関するコストは大きいはずです。効率的な運用とともに余計なコストを削減できるでしょう。
メリット③:業務を効率的に行える
車両の位置情報や到着予想時間を把握しておくことで、効率の良い配送、配車計画を行うことができます。取引先からの「いつ届くのか」「今どこ」などの問い合わせに追われることもないでしょう。
また、リアルタイムでドライバーの稼働状況が把握できれば業務の偏りを防ぐことができ、効率的な人員配置が可能になります。
メリット④:従業員の満足度を上げられる
大切な従業員を守るために車両管理システムを導入することを伝えると、従業員は会社に見守られているという安心感に繋がるはずです。
取得した走行記録をもとに運転成績表や成績ランキングを作成し、安全運転・エコドライブなどの観点から評価することで、多くの社員がゲーム感覚で楽しむことができるでしょう。
メリット⑤:サービスの品質向上につながる
システムの管理画面から各車両の稼働状況をリアルタイムで把握すると、配車がスピーディーに行えるようになり、相手の待ち時間を削減することができます。
そして、システムに搭載されているGPSを活用することで配送先に現在地や到着予定時間を自動で通知できるようになります。取引先は到着時間を問い合わせる手間が省け、連絡待ちのストレスからも解放されるでしょう
車両管理システムを導入するデメリット
24時間いつでも車両の位置を確認できるシステムが搭載されているものが多いため、社員によっては監視されている印象を持つ方もいます。
車両管理システムを導入するデメリットとして、以下2つが挙げられます。
- デメリット①:導入・運用にはコストがかかる
- デメリット②:従業員によってはストレスを感じてしまう
デメリット①:導入・運用にはコストがかかる
車両管理システムを導入すると初期費用、月額などの費用が発生します。製品によっては設定代行や追加機能がオプションで用意されている場合もあり、費用を削減したいのであれば初期費用や利用料金を比較しながら検討してみてください。
費用対効果を事前に算出しておくことも忘れないようにしましょう。
デメリット②:従業員によってはストレスを感じてしまう
管理者が運転状況や位置状況を把握できるため、運転者によっては常に監視されているような居心地の悪さを感じてしまう原因になってしまう場合があります。
また、管理者も慣れないシステムの操作がストレスになってしまうこともあるでしょう。
車両管理システムのタイプ5選!おすすめできる人も解説
車両管理システムにはさまざまな種類があります。「どのように車体に設置するか」という観点から、デバイスによって大まかにタイプ分けをすることができます。
以下では、車両管理システムの主なタイプを5つ紹介します。
- タイプ①:OBD-IIポート型
- タイプ②:シガーソケット型
- タイプ③:アプリ型
- タイプ④:ドライブレコーダー型
- タイプ⑤:デジタルタコグラフ搭載型
それぞれ紹介していくので、自社の車両に搭載することを考えながら見てみてください。
タイプ①:OBD-IIポート型
OBD-Ⅱポート型は、SIMカードを装着した車載機を足元付近にあるOBD-Ⅱの差し込みポートに設置するタイプです。
取り付け方は簡単でワンタッチで設置でき、車両入替の時は差し替えるだけです。専門的な工事や配線は要りません。OBD-Ⅱポートの取付位置は車種によって異なりますが、直近20年程度で生産された国産ガソリン車であれば必ず備え付けられているので、心配する必要はありません。
取付位置もドライバーからは見えない位置に設置されるため、心理的な負担も少ないです。
タイプ②:シガーソケット型
シガーソケット型は、車のアクセサリーソケットに挿すだけで取付が可能です。OBD-Ⅱポート型と同じで取付が簡単で、工事や配線が不要な使いやすいタイプです。
USBポートのように挿し込むだけの小型ソケット対応と、そこから電源接続したコードを伸ばして車内に端末を置くタイプの2つに分かれます。シガーソケットの位置によってGPSの感度が落ちるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
タイプ③:アプリ型
アプリ型は、スマホやタブレットにアプリをインストールして車載機として利用するタイプです。充電切れや従業員の誤操作(GPS設定OFF)などのリスクもありますが、手軽で安いのが魅力です。
導入ハードルが低い分、従業員個人のスマホを利用する場合は「会社に行動を監視されている」とならないようきちんと説明して了承を取り、曜日や時間を限定して電源のON/OFFを切り替えるなど配慮しましょう。
タイプ④:ドライブレコーダー型
ドライブレコーダー型は、ドラレコと一体化したタイプです。通常のドラレコと違い、録画された映像はクラウド上にリアルタイムで共有されます。
費用は高めですが、事故発生時に証拠映像として利用したり、リスクの高い運転動画を教材として安全指導に利用したり、危険運転が発生した時にアラートを出して迅速かつ的確な対応に繋げることが可能です。
タイプ⑤:デジタルタコグラフ搭載型
デジタルタコグラフ搭載型は、速度・時間・距離の情報以外に、位置情報や走行記録をリアルタイムで取得できるデジタル式のタコグラフタイプです。これにより高度な記録が可能で、ものによっては労務管理機能まで備わっているものもあります。
機器自体が高額で配線工事など導入へのハードルが高いですが、デジタコ搭載が法定上義務付けられている場合は併せて検討してみるのもおすすめです。
タイプ別おすすめ業者をご紹介!
ここでは、上記で説明したタイプ別におすすめ業者を紹介していきます。複数デバイスを選択可能なものもあるので、自社に合ったものを見つける参考にしてみてください。
複数デバイスを選択可能なサービス
車載機やアプリ、ドラレコ、デジタコなど同一サービス内に複数のデバイスを備えているタイプの車両管理システムです。幅広い用途に使用することができるため、「車両によってデバイスを使い分けたい」」という場合におすすめです。
今回は、以下4つの業者を紹介します。
- SmartDrive(株式会社スマートドライブ)
- Cariot(株式会社フレクト)
- docoですcar(NTTコミュニケーションズ株式会社)
- KITARO(株式会社アクシス)
①Smart Drive(株式会社スマートドライブ)
シガーソケット型、ドライブレコーダー型、そして様々な他社製デバイスとの連携が可能です。特徴としては、以下の5つが挙げられます。
- 走行履歴、安全運転診断、リアルタイム車両位置、車両予約、業務記録、日報作成など10の機能を搭載
- クラウド型車両サービス導入実績No1
- 車両管理システムによくある「位置が実際と異なる」や「記録されていなかった」などのトラブルを未然に防ぐ仕組み
- シンプルなデザインで圧倒的な使いやすさ
- お客様のデバイスで最適なものと連携
- 安心のサポート体制
- 無料のスマホアプリでドライバーもサポート
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②Cariot(株式会社フレクト)
シガーソケット、ドラレコ、モバイルアプリの3つのタイプに対応しています。特徴としては以下6つが挙げられます。
- 位置情報の取得・共有に優れている
- 業界最高水準のリアルタイム性で車両の位置情報を取得
- 計画に対して遅延が予測された段階で事前に設定した取引先にメールで自動通知可能
- メールの送り先が、自社に限らず、配送先などの取引先でも設定可能
- 共有を受けた取引先はログイン無しでPC・スマホから確認できる
- 「走行中・停車中・作業中・休憩中」など走行状況や業務状況も確認できるため、管理しやすい
③docoですcar(NTTコミュニケーションズ株式会社)
GPS車載端末、ドラレコ、スマホアプリに対応しています。導入実績は3,000社、10万台を超えており、安全運転支援や事故削減など車両に関する業務をサポートする法人向けクラウドサービスです。
通信型ドライブレコーダーに搭載されたAI機能やセンサーで、前方接近や危険運転の予兆を検知し、ドライバーへ警告してくれるため、重大事故を未然に防ぐことが期待できます。
そして、大手物流会社も採用の高精度な運転診断ロジックを搭載しているため、ヒヤリハットだけでなく日常運転のクセを解析し運転を根本から改善することが可能です。
具体的な改善ポイントが可視化され、管理者からドライバーへ的確な指導を行うことができます。
④KITARO(株式会社アクシス)
OBD-Ⅱポート型、ドラレコ型、デジタコ型以外にもバイクにも搭載可能なデバイスも用意されています。管理者はGoogle map上で位置情報や走行記録を確認したり、緊急時も迅速かつ的確な指示を出すことができます。
従業員はオンラインで簡単に日報を作成できたり、安全評価やエコドライブ評価などドライバーの運転成績をランキングにしたり、データに基づく的確な安全運転指導を受けることが可能です。
OBD-IIポート型/シガーソケット型
OBD-Ⅱポート型は、SIMカードを装着した車載機を足元付近にあるOBD-Ⅱの差し込みポートに設置するタイプです。
取付位置もドライバーからは見えない位置に設置されるため、心理的な負担も少ないです。
今回は、以下2つの業者を紹介します。
- Vehicle Manager® (NTTコミュニケーションズ株式会社)
- ロジこんぱすLite(株式会社システック)
①Vehicle Manager® (NTTコミュニケーションズ株式会社)
営業用車両の運行管理に特化したOBD-Ⅱポート型の車両管理システムです。通信機能やGPS機能を内蔵した小型車載機を車両に設置することで、運行日報や運転傾向分析、車両稼働実績などをWebアプリ上で閲覧・管理ができます。
車載機とクラウド間の通信はインターネットではなくNTTコミュニケーションズの閉域網を利用しているため、セキュアな通信環境でやりとりができるのも特徴です。
他にも業者両の場合は行き先がそのまま顧客情報になるので、情報流出のリスクが低減できています。
②ロジこんぱすLite(株式会社システック)
OBD-Ⅱポート型、シガーソケット型の2種類から端末を選択できるクラウド型の車両管理システムです。現在位置や走行軌跡、速度超過、急発進等などの車両データが端末から自動送信されるため、Webサイトからリアルタイムで把握することができます。
他にも運転日報や月報の自動作成、運転成績表、ランキング機能も付いています。オプションで事前に登録した地点への接近や離脱の情報を取得できる機能もあります。
車載機は購入かレンタルで選ぶことができ、初期費用がかかりません。そのため「初期費用を抑えたい」という方におすすめです。
アプリ型
特別な車載機は不要で、ドライバーや従業員のスマホに専用のアプリをインストールすると、それが車両データ収集の起点となるタイプです。目的地まで効率よく到達するためのルート検索やルートの最適化など運行管理機能に長けたものが多くあります。
今回は、以下2つの業者を紹介します。
- Loogia(株式会社オプティマインド)
- KIBACO×くるまぷり(キムラユニティー株式会社)
①Loogia(株式会社オプティマインド)
ラストワンマイルに特化した配送ルート最適化アプリです。スマホにアプリをインストールするだけで「どの車両が、どの訪問先を、どの順に回ると良いのか」、配送先の時間指定、複雑な道路事情などさまざまな制約を考慮しつつ、最適なルートを作成して教えてくれます。
走行データを学習させることで、より高精度な予測もできるようになります。アプリを利用することでリアルタイムでドライバーの位置情報管理もでき、配送や配車計画も効率化したい場合におすすめです。
②KIBACO×くるまぷり(キムラユニティー株式会社)
クラウド型車両管理システム「KIBACO」にスマホアプリである「くるまぷり」を繋いだ、アプリ型の車両管理システムです。スマホのセンサーで急ブレーキや急発進、急ハンドルなど運転中の危険挙動を分析することができます。
ダッシュボードでタスクや緊急通知が一目で確認できたり、台帳情報(車両の保険や車検期限等)の管理もでき、効率化が可能です。
他にも事故や故障発生時、カード紛失、不良等のトラブル時の対応、事務処理をスムーズに行えるというメリットがありますが、androidには未対応なので事前に確認しておきましょう。
ドライブレコーダー型
撮影した映像はクラウド上にリアルタイムで共有することができます。事故発生時だけでなく、リスク運転発生時にも迅速かつ的確な対応がとれます。「安全運転指導に力を入れたい」という方におすすめです。
今回は、以下の1業者を紹介します。
- DRIVE CHART(株式会社Mobility Technology)
①DRIVE CHART(株式会社Mobility Technology)
通信型ドライブレコーダーを車内に設置するだけで、AIがよそ見をしていたり、一時不定詞などの各種リスク運転行動を自動的に検知してくれます。事故につながるリスクを早めに発見し、事故を防止できる次世代AIドラレコサービスです。
他にもリスク運転が発生しやすい場所を教えてくれる「ライブマップ機能」や「走行軌跡表示機能」、「日報・月報自動動作作成機能」など車両管理サポートをしてくれる便利な機能がたくさん搭載されています。
デジタルタコグラフ搭載型
「速度・時間・距離」の情報以外にも、位置情報や走行記録をリアルタイムで取得することができます。高度な記録が可能で、中には労務管理機能まで具備されているものもあります。デジタコ搭載が法令上義務付けられている場合におすすめです。
今回は、以下の1業者を紹介します。
- MIMAMORI(いすゞ自動車株式会社)
①MIMAMORI(いすゞ自動車株式会社)
「MIMAMORI」は月次勤務計画や拘束時間管理の機能を活用し、労働基準法や調達関連法規に則り従業員の勤務状況を管理することができます。
また、エコドライブの音声機能では運転手のモチベーションアップと運転スキルの向上が期待できたり、「ISUZU」のIT対応車であれば省燃費運転レポートサービス機能を利用することができます。運行ごとの燃費情報や各運転者のエコドライブ実践度合いなどを確認することができます。
まとめ
車両管理システムとは何かをはじめ、車両管理システムを導入するにあたってのメリット・デメリット、おすすめの業者などを紹介しました。
車両管理システムを導入すると、業務の効率化や安全運転の促進などの効果が期待できます。用途や業種別にさまざまなシステムが提供されているので、自社の目的に合ったシステムを選んでみてください。この記事が参考になれば幸いです。