近年ではさまざまな業種でITが活用されているため、データの安全性を高めることが求められています。
データが守られていないと、非常事態やサイバー攻撃に遭った時に、事業の継続が困難になる恐れがあります。
このような事情で注目されるようになったのが、BCP対策でのクラウドサーバーの導入です。
では、クラウドサーバー導入にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、BCP対策でのクラウドサーバー活用を1から解説するので、ぜひご覧ください。
目次
クラウドサーバーとは
クラウドサーバーとは、言葉の通りクラウド上のサーバーを指します。
具体的には、ネットワークを通じて、事業者が提供するサーバーを借りるサービスです。
クラウドサーバーはマンションのようなもので、同じサーバー内に複数の利用者の専有スペースが設置されます。
そのため、複数人で1つのサーバーを共有できるのが、クラウドサーバーの魅力です。
BCP対策にクラウドサーバーを活用する4つのメリット
BCP対策にクラウドサーバーを使うと、いくつか利点があります。
主なメリットを4つ紹介します。
1.データの安全性が高い
クラウドサーバーにデータを保管することで、高い安全性が期待できます。
なぜなら、クラウドサーバーはデータセンターに置かれていることが多いですが、データセンターは地震や停電などのアクシデントにも強い構造となっているためです。
自社サーバーに保管するよりも、データを守れる可能性が高まります。
災害時でも、重要なデータが守られていれば、復旧や事業継続がしやすくなります。
それこそ自社が被災したとしても、データが守られるのは大きなメリットです。
また、自社のシステムがサイバー攻撃を受けたとしても、クラウドサーバーにデータを保管していれば守られる可能性が高くなります。
2.場所を問わず仕事ができる
非常事態が起こると、オフィスに出勤できなくなる可能性があります。
一方で、クラウドサーバーを利用することで、ネット環境さえ整っていれば社外でも仕事ができるようになるため、事業が停止するリスクも軽減されるのです。
オフィス以外でも仕事をできる環境を整えることはBCP対策に必要な対応であり、その点クラウドサーバーの導入が適しているといえます。
3.導入コストが低い
BCP対策でネックなのが、必要な資源や設備などを用意するためのコストです。
一方で、クラウドサーバーは初期費用がかからないものも珍しくありません。
導入コストを抑えつつ、月々の決まったコストのみで利用し続けられるのが、クラウドサーバーのメリットです。
規模にもよりますが、クラウドサーバーの利用料は月あたり数万~30万円程度が相場です。
もし自社サーバーを用意する場合は莫大な導入コストがかかりますし、維持費も安くはありません。
そのためコストの面からも、自社サーバーよりもクラウドサーバーを利用した方がよいといえます。
4.自社でのメンテナンスが必要ない
自社でサーバーを用意すると、メンテナンス作業が必須となります。
一方でクラウドサーバーを利用する場合は、メンテナンスも事業者が担当してくれるため、手間がかかりません。
もし回線を増減したり、オプションを追加したかったりする場合も、ブラウザ上で簡単に手続きができます。
BCP対策にクラウドサーバーを活用する4つのデメリット
BCP対策でのクラウドサーバーの活用は、メリットばかりではありません。
デメリットも4つ紹介するので、ぜひ理解しておきましょう。
1.ネットワーク接続を維持する必要がある
もし大規模な停電やネットワークの遮断が起こった場合、データセンターも被害に遭う可能性があるため、クラウドサーバーを利用できなくなる恐れがあります。
クラウドサーバーはネット環境が整っていればどこからでも利用できますが、ネットワーク接続が断たれると利用できません。
緊急時にデータ自体が無事であっても、利用できなければ意味がないため、ネットワークを二重にするというかたちで対処しましょう。
2.セキュリティリスクが伴う
クラウドサーバーのセキュリティレベルは、サービスを提供している事業者に依存します。
したがって、あまりセキュリティに力を入れていない事業者のクラウドサーバーを利用すると、データがサイバー攻撃に遭う可能性が高くなります。
3.委託先のデータセンターも被災する可能性がある
確かにデータセンターは、安全性が高くなっています。
だからといって、データセンターが被災する可能性は0ではありません。
そのためクラウドサーバーの安全性を過信すると、リスクが一極集中して、結局被災時にデータを取り扱えないことになりかねません。
4.専門的な知識やスキルが要求されることもある
クラウドサーバーを活用する場合、専門的な知識やスキルが求められることもあります。
たとえば、普段の業務用のシステムもクラウドサーバーに保管して活用したい場合、クラウドサーバーに詳しいエンジニアの力が必要になります。
クラウドサーバーの導入・運用には、自社に専門人材を用意するか、クラウドサーバー支援サービス利用の検討が必要です。
BCP対策にクラウドサーバーを活用する際の3つの注意点
BCP対策にクラウドサーバーを活用する際、いくつか注意点があります。
ぜひ内容を理解してから、クラウドサーバーの導入を検討してみてください。
1.リスク分散をする
非常時にも必要なデータが使えなくなることがないよう、リスクは分散しましょう。
そのためには、複数の拠点にデータを保管したり、データのバックアップを取ったりすることが有効です。
一般的には「3-2-1ルール」が有効とされています。「3-2-1ルール」とはバックアップデータを2つ作成し、そのうち1つを遠隔地に置く方法です。
データの1つが二重でバックアップを取れているので、合計3つのデータを所有していることになり、より強固にデータの損失を防げます。
2.クラウドサーバーに保管するデータを慎重に判断する
クラウドサーバーは、データを何でも保管すればよいわけではありません。
なぜなら、保管データが増えるごとに利用料も高くなるためです。
不要なデータは削除し、なるべく無駄なコストを負担することがないようにしましょう。
3.バックアップ容量は予算と相談して決める
クラウドサーバーの利用料は、バックアップ容量の大きさに比例して高額になります。
そのため、クラウドサーバーの利用料が予算内に収まるように、バックアップの容量を決めましょう。
またデータの重複排除機能を利用したり、古いデータを削除したりすることで、データ容量を節約できます。
BCP対策としてクラウドサーバーを選ぶ際に見る3つのポイント
BCP対策としてクラウドサーバーを選ぶときに、特に見ておきたいポイントを3つ紹介します。
1.複数のデータセンターを保持している
クラウドサーバーを借りる業者を選ぶ際は、複数のデータセンターを用意しているところが望ましいです。
なぜなら先述のとおり、データセンターも被災する可能性があるためです。
1つのみのデータセンターが被災してしまえば、たとえバックアップを保管していても、結局データを復旧できなくなります。
データセンターのうちひとつが被災しても、他のクラウドサーバーのデータが使えるよう、複数のデータセンターを保持している業者を選びましょう。
2.高度なセキュリティ体制が整っている
セキュリティ体制のレベルは業者によって異なるため、できる限り高度なセキュリティ体制が整っている委託先を選びましょう。
クラウドサーバーへのバックアップが自動的におこなわれたり、データの分散保管ができる機能があったりするのが理想です。
3.BCP導入実績が豊富
クラウドサーバーを利用するなら、BCP導入実績が豊富な業者を選びましょう。
BCP導入実績が豊富な業者のほうが、よりBCPに適したサービスを提供してくれます。
BCP対策にクラウドサーバーを導入する2つの方法
BCP対策にクラウドサーバーを導入するための、2つの方法を紹介します。
1.自社で対応する
もし社内にクラウドサーバーに詳しいエンジニアがいれば、自社で対応するのがおすすめです。
社内の人材でクラウドサーバーを導入するほうが、当然外部に依頼するよりもコストを抑えられます。
また、自社にエンジニアがいる場合、利用サービスの形態によってはクラウドサーバー業者の担当者が導入に向けて支援してくれることもあります。
2.クラウド導入支援サービスを利用する
社内にクラウドサーバーに詳しいエンジニアがいなければ、クラウド導入支援サービスを活用することになります。
ただし、クラウド導入サービスをおこなっている業者は慎重に選びましょう。
なかには、顧客の知識不足につけ込んで、悪質なサービスを相場よりも高い値段で提供する可能性もあります。
気になる業者が複数ある場合は、何件か問い合わせてみるのがおすすめです。
見積書も3社程度から取得しておくと、価格やサービスを比較できます。
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まとめ
BCP対策にクラウドサーバーを利用することで、利便性やコスト面など、さまざまなメリットを得られます。
クラウドサーバーを利用するデメリットもありますが、今回お話した内容である程度対処可能です。
より非常事態に強い体制を整えるためにも、ぜひクラウドサーバーの導入を検討してみてください。