スマートフォンが普及し、誰でもインターネット上にアクセスできるようになった今、チャットツールを利用しないということは考えにくくなりました。
そんな中、ビジネスでのチャットツールについて運用したいといった悩みを持っている人は多いのではないでしょうか。
本記事では、ビジネスチャットツールの特徴やその事例などについて解説していきます。
目次
ビジネスチャットツールとは?
ビジネスチャットツールは、ビジネス業務で利用されることを目的に作られた社内外のコミュニケーションツールです。
これは主に、チャット機能やグループチャット作成機能、ファイル共有機能などを搭載しており、ビジネス向けに作られた仕様になっています。今後ビジネスでのチャットツールの活用はさらに進んでいくとみられており、普及が期待されています。
ビジネスチャットツールと社内SNSの違い
ビジネスチャットツールはよく社内SNSと間違って認識されることがあります。社内SNSは、主に社内でのコミュニケーションを重要視しているツールで、社外での利用は想定されていないことがあります。社外でやり取りを行う場合、ビジネスチャットツールの市場シェアや導入企業数などを考慮することがおすすめです。
ビジネスチャットツールの比較11選
ここでは、主要なビジネスチャットツール11種類について解説していきます。
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
LINE WORKS(ラインワークス) | 無料 | 0円から500円 | 要問合せ |
chatwork(チャットワーク) | 無料 | 0円~800円 | 1か月 |
Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ) | 無料 | 0円~1360円 | オンライン会議60分まで使用可能 |
Slack(スラック) | - | 850円~ | 30日間 |
Talknote(トークノート) | 要問合せ | 要問合せ | 14日間 |
Direct(ダイレクト) | 無料 | ~50000円 | - |
Lark(ラーク) | 無料/要問合せ | 要問合せ | - |
WowTalk(ワウトーク) | 無料 | 300円~800円 | 2週間 |
InCircle(インサークル) | 0円~ | ~600円 | 30日間 |
Workplace by Facebook(ワークプレース) | スタンダード/無料 | 3ドル~ | 90日間 |
Quip(クイップ) | - | 1200円~12000円 | 要問合せ |
1.LINE WORKS(ラインワークス)
引用元:LINE WORKS公式HP
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
LINE WORKS(ラインワークス) | 無料 | 0円から500円 | 要問合せ |
LINE WORKSは、ワークスモバイルジャパン株式会社が運営しているビジネスチャットツールです。LINEはチャットツールとして日常的に広く使われているため、導入の障壁も低いことが特徴です。そのため、企業側としては安心して導入することができるビジネスチャットツールといえます。
2.chatwork(チャットワーク)
引用元:chatwork公式HP
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
chatwork(チャットワーク) | 無料 | 0円~800円 | 1か月 |
Chatworkは導入企業が34万社を超える国内でも高く認知されている情報共有ツールになります。社外とのやり取りが多い企業におすすめでファイル共有やグループチャット、Web会議等の機能を搭載しています。
また、スマートフォンアプリも対応しているため、場所によらない利用が可能となります。日本企業が開発しているため、海外企業のサービスよりも使いやすいような設計となっています。
3.Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ)
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ) | 無料 | 0円~1360円 | オンライン会議60分まで使用可能 |
Microsoft Teamsは、マイクロソフト社が提供しているビジネスチャットツールです。Officeとの連携によりシームレスな使用性を達成し、ビジネスの場面で非常に利用されています。
Teamsの特徴はOfficeとの統合と連携、さらにはMicrosoft社が提供している所以のサポート体制の万全性が挙げられます。
4.slack(スラック)
引用元:slack公式HP
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
Slack(スラック) | - | 850円~ | 30日間 |
Slackはコミュニケーションの際に役立つ様々な機能をストレスなく使えるツールになります。ワークスペースという形で複数のグループチャットを作成でき、スレッドなども活用すると多くの作業が効率化できます。
また、連携できる外部アプリケーションが2000を超えており、組み合わせが豊富なのも特徴です。
5.Talknote(トークノート)
引用元:Talknote公式HP
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
Talknote(トークノート) | 要問合せ | 要問合せ | 14日間 |
Talknoteは、コミュニケーションを活性化させ、モチベーションの向上をはかるビジネスチャットツールです。
プロジェクトごとにやり取りができる上、タイムラインも一覧表示できます。このような施策によりコミュニケーションコストを削減できます。
6.Direct(ダイレクト)
引用元:direct公式HP
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
Direct(ダイレクト) | 無料 | ~50000円 | - |
directは、建設業で多用されているセキュリティが強固なビジネスチャットツールで、リアルタイムでの現場状況の把握や意思決定の促進などに活用されています。
そのため、業務のスピードが向上し、作業員が定時に帰ることができる状態を目標にしています。
7.Lark(ラーク)
引用元:Lark公式HP
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
Lark(ラーク) | 無料/要問合せ | 要問合せ | - |
Larkは、30を超える言語に対応しているビジネスチャットツールになります。スレッドの作成や絵文字を用いたやりとりができ、急ぎの要件は支給での連絡機能を使うと相手に迅速な対応を促すことができます。
他にも、リマインダー通知や自動ワークフローをサポートする機能もあります。
8.InCircle(インサークル)
引用元:Incircle公式HP
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
InCircle(インサークル) | 0円~ | ~600円 | 30日間 |
Incircleは、ビジネスを安全かつ潤滑に進めるための機能が充実しているビジネスチャットツールになります。
オンプレミス版とSaaS版の2種類が提供されており、繊細かつ強固なセキュリティサービスと初心者でも使いやすい特徴を持っています。AI機能やチャットボットも搭載しています。
9.WowTalk(ワウトーク)
引用元:WowTalk公式HP
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
WowTalk(ワウトーク) | 無料 | 300円~800円 | 2週間 |
WowTalkは、社内でのコミュニケーションに特化したビジネスチャットツールで直感的な操作性とマルチデバイス機能によって、柔軟に活用できるのが特徴です。
その他にも、パーティション機能、アクセス制限、ログ閲覧機能なども備えており、国際的なセキュリティ規格を取得しているので安全を確保しつつ業務に取り組めます。
10.Workplace by Facebook(ワークプレース)
引用元:Workplace公式HP
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
Workplace by Facebook(ワークプレース) | スタンダード/無料 | 3ドル~ | 90日間 |
WorkPlaceは、Facebook(現Meta)が提供するビジネスチャットツールです。世界で4000を超える企業が利用しており、グローバル化が進行していく企業にとってはうってつけのツールといえます。
WorkPlaceには多くの海外企業が参画しているため、海外企業とのコミュニケーションも取りやすくなります。
11.Quip(クイップ)
引用元:Quip公式HP
ツール | 初期費用 | 利用料 | 無料トライアル |
Quip(クイップ) | - | 1200円~12000円 | 要問合せ |
Quipは、共同編集できるドキュメントやスプレッドシートの機能にチャットを付け加えたツールで、Amazonをはじめとした1万を超える企業で導入されています。
共同作業中のドキュメントやスマートフォンからのスプレッドシート編集、ToDoリストの整理などの作業に関するやり取りを一元的に管理可能であるのが特徴です。
ビジネスチャットツールの選び方
ビジネスチャットツールを選ぶ際のポイントなどはどのようなものがあるのか、気になる人も少なくないでしょう。比較するべきポイントをおさえるためにも、以下の7つの項目については意識するようにしてください。
- 自社に必要な機能があるか
- 操作が簡単であるか
- コストが見合っているか
- 社内・社外のどちらに向いているか
- マルチデバイスに対応しているか
- セキュリティは万全であるか
- 無料トライアルは十分か
1.自社に必要な機能あるか
ビジネスチャットツールには多くの機能があり、ツールごとに能が異なるため、自社にとって必要な機能を明らかにすることが重要といえます。吟味を重ねたうえで、必要な機能があるものを導入するようにしてください。
最初の判断を間違ってしまうと無駄なコストを支払うことにもなりかねません。一般的には、多機能なツールほど高価で操作が難しいのが特徴です。
2.操作方法がわかりやすいか
操作方法が簡単であるかどうかも考えるポイントといえるでしょう。操作が難しいとなると、社員がなれるまでに時間がかかったり、ツールを使わなくなってしまい本末転倒といえる事態を招きかねません。ツールを上手に社内に浸透させるためには、ITやデジタルに疎い社員に対してもアプローチしやすいものを選ぶのが良いでしょう。
3.コストが妥当か
ツールのコストがパフォーマンスに対して妥当かどうかも検討してください。そのような手ごたえが感じられないと思われるのであれば、すぐさま他のツールを見るようにしましょう。また、自社内の予算に収まっているのかどうかも確認が必要です。
4.社内・社外でも利用できるか
ビジネスチャットツールを社内で利用するのか、それとも社外で利用するのか定まっていない場合はどちらで優先的に使うのかを明確にしたうえで選ぶ方がいいでしょう。
社内での利用を検討しているならば、チームでのコミュニケーションの取りやすさや気軽さに注目するのがおすすめです。社外利用ならば、ツールの普及率を見てみましょう。
5.マルチデバイスに対応しているか
ツールがどれくらいのデジタルデバイスに対応しているのかを確認してみるのも重要といえます。
スマートフォンやタブレット、他にもVRゴーグルに電気自動車などネットワーク上に連携できるデバイスが多ければ多いほどビジネスに活用できるからです。
6セキュリティが優れているか
ツールのセキュリティが万全かどうかも確認しておくといいでしょう。ビジネスチャットの中で行われた会話が社外に漏れることは防ぐべきであり、セキュリティは高い方がいいと言えます。
2段階認証のものや通信の暗号化が施されているツールを選ぶと安心です。
7.無料トライアルがあるか
無料トライアルがある場合、そのツールが具体的にどのような機能を持っているのかをあらかじめ確認することができます。そのため、導入した後に自社にあわなかったなどのトラブルを回避することができ、そうでなくても十分に活用したい特典です。
無料トライアル期間でツールの導入検討が行えるのかを、すべての機能を確認してみるといいでしょう。
ビジネスチャットツールの導入メリット
ここまで、具体的なビジネスチャットツールの実例や、比較検討する際に重視するべきポイントなどについて解説してきました。では、ビジネスチャットの導入メリットはどのようなものがあるのでしょうか。
以下の項目について順を追って解説していきます。
- 迅速なコミュニケーションを実現
- 履歴の一覧性に優れている
- 生産性向上
- 社内・社外でも利用できるか
1.迅速なコミュニケーションを実現
スマートフォンでのチャットコミュニケーションが日常となった今日の社会では、ビジネスチャットツールを利用することによりリアルタイムで情報交換を行えるようになりました。
情報交換や共有の速度が上がるにつれて、普段かかわりのない人との会話や出会いが増え、ビジネスの進展が見込めます。
2.履歴の一覧性に優れている
チャットツールは情報のやり取りを集中的に行えるので、ファイル送信の際の拡張子などの形式が異なっていても簡単に見返すことができます。
従来まではメールで宛先を特定して送っていたところを、チャットツールを利用することで省略できることはメリットと言えます。
3.生産性向上
コミュニケーション速度の向上と、新しい出会いなどが促進されることは、生産性の向上につながるとも言えます。グループチャット機能ではプロジェクトごとにトークルームを作成できるので、情報共有などがスムーズに行えます。
会議などの打ち合わせの間にもチャットツールで内容を確認したりできるので、無駄な時間の短縮にもつながります。
4.社内・社外でも利用できるか
ビジネスチャットツールは、メールよりも簡単にメッセージを作成できるので、社外の人とのやり取りにもおすすめできます。
また、既読や未読を判別できたり、スタンプを送れるツールもあるため、定型文や挨拶などの手短なコミュニケーションを短縮できます。
ビジネスチャットツールの導入デメリット
ここまで、ビジネスチャットツールのメリットについて解説してきました。一方で、チャットツールの使い方によって発生しうる課題もあります。
- 対面のコミュニケーションが減少
- 重要な情報が埋もれる
- マナーを忘れる
順を追って解説していきます。
1.対面のコミュニケーションが減少
チャットツールを利用することによって、対面でのコミュニケーションが減ることはデメリットといえるでしょう。ツールに頼りすぎて対面でのコミュニケーションが完全になくなることがないように、定期的なコミュニケーションが重要です。
また、絵文字やスタンプなどの多用でフランクな会話が常態化している企業もあり、分別のある会話ができなくなってしまうこともデメリットといえます。
2.重要な情報が埋もれる
従業員のリテラシーがチャットツールにそぐわない場合、効率化をはかるつもりが全く逆効果になってしまうことがあります。
ビジネスチャットツールでは、多くの人が参加する中、リアルタイムで情報が更新されていくために自分宛てのコメントには目印を付けるなどの工夫が求められます。
3.マナーを忘れる
デメリットの3つ目は、マナーを忘れてしまうことです。
チャットツールだと、今まで日常使いが多かったこともあってかマナーを忘れてしまうことが頻発します。チャットツールとはいっても、相手がビジネス上での関係であることを忘れないようにすることは最低限の利用心得といえるでしょう。
まとめ
今回は、「チャットツールの比較」について解説してきました。注意点やポイントについておさらいしていきましょう。
ビジネスチャットツールの選び方
- 自社に必要な機能あるか
- 操作方法がわかりやすいか
- コストが妥当か
- 社内・社外でも利用できるか
- マルチデバイスに対応しているか
- セキュリティが優れているか
- 無料トライアルがあるか
ビジネスチャットツールの導入メリット
- 迅速なコミュニケーションを実現
- 履歴の一覧性に優れている
- 生産性向上
- 社内・社外でも利用できるか
ビジネスチャットツールの導入デメリット
- 対面のコミュニケーションが減少
- 重要な情報が埋もれる
- マナーを忘れる
ビジネスチャットツールは、インターネット社会において効率的かつ主流になる可能性の高いコミュニケーション手段です。
様々なツールの特徴やメリット、デメリットなどを検討したうえで導入することで生産性の向上などを見込むことができます。今回紹介した注意点や特徴を参考にしながらビジネスチャットツールを利用してみてください。