会議を実施した際に記録する議事録ですが、「議事録作成アプリ」を利用してすることで、会議進捗や効率化や従業員の負担軽減が期待できます。
しかし、「そもそも議事録アプリってなに?」「議事録アプリを導入するメリットとは?」といった疑問が出てくるのではないでしょうか。
そこで本記事では、議事録アプリの概要や導入するメリット・デメリット、活用するコツについて解説します。
おすすめの議事録アプリを9つ紹介しているため、気になる方はぜひチェックしてみてください。
目次
議事録アプリとは?
議事録アプリとは、会議中の音声をアプリのAIが把握し、自動で文字に起こしてくれるシステムです。
高い精度で会議中の音声を認識しており、重要な部分は聞き取りますが、相槌や議事録に不要な内容は文字起こししません。
例えば、会議中に発生する「えー、なるほど」など議事録としてまとめないため、一目見るだけで議事録を確認可能です。
また、議事録アプリの中には活用すればするほど、搭載されているAIが学習し、より高い精度で音声を識別できることがあります。
議事録アプリの搭載機能
議事録アプリには「AIによる議事録作成機能」と「議事録共有機能」が搭載されています。
それぞれの詳しい内容を解説します。
AIによる議事録作成
議事録アプリに搭載されているAIが会議の音声を把握し、自動的に議事録を作成します。
基本的に相槌や聞き散れない会話は文字起こししません。
しかし、人的に議事録を作成するよりも簡単に文字起こしできるため、業務効率を最適化が可能です。
また、議事録アプリによっては日本語以外にも、英語・中国語など、複数の言語に対応しているものがあります。
中には、日本語以外の言語をアプリが聞き取った際、リアルタイムで翻訳する機能も存在しており、使用言語が別でもスムーズに会議を進められるでしょう。
会議中にアプリを利用する以外にも、録音した音声をインストールすることで、議事録を作成可能です。
アプリを起動するタイミングがない場合でも活用できるでしょう。
議事録共有
議事録アプリでは、テキストに起こした内容を自動で編集・共有する機能が搭載されています。
音声によって人物を識別し、それぞれの発言にまとめてくれます。
また、コミュニケーションツールを事前に登録していれば、会議終了と同時にアプリで作成した議事録を共有可能です。
会議に参加していない従業員もAIがまとめた議事録を確認することで、議題・内容のキャッチアップができます。
さらに、高い性能を搭載した議事録アプリでは、タスク管理アプリと連携することで、会議の内容を把握し、自動的にタスクへ組み込むことが可能です。
議事録アプリの種類
議事録アプリは大きく分けて3種類存在します。
それぞれの内容を解説します。
スマホ専用型アプリ
iPhoneやAndroidなど、スマートフォンに議事録アプリをインストールするタイプです。
無料・有料のアプリが存在しており、基本的にインストールすればすぐに使用可能です。
会議音声が聞こえる場所にスマートフォンを設置するだけで議事録を作成でき、設定したファイルに登録されます。
手軽に利用できますが、高度な編集機能や多言語に対応した文字起こしがケースが多いです。
そのため、短時間の会議には最適ですが、長時間・大勢が出席する会議には向いていないといえるでしょう。
ブラウザ特化型のアプリ
PCのブラウザ上で議事録アプリを立ち上げて、クラウド上で音声識別を実施するタイプです。
音声編集機能が整っているケースが多く、クラウド上でデータを保存しているため、高いセキュリティ環境を誇ります。
インターネット環境が整っていれば、ブラウザからアプリを起動するだけで議事録の作成が可能です。
ただし、基本的にアプリは有料で複数項目を事前登録する必要があるため、手軽さはスマホ専用型アプリに劣ります。
使用状況に合わせて変更すると良いでしょう。
Web会議ツール連動型のアプリ
Microsoft TeamsやZoomなど、Web会議ツールと連動して議事録を作成するタイプです。
Web会議中の議事録作成に特化しており、遠隔地でもスムーズに文字起こしが可能です。
しかし、Web会議ツールの付属として文字起こし機能が搭載されていることが多く、細かい編集・共有ができない傾向にあります。
また、対面で会議を実施する際はWeb会議ツールに接続が求められるため、遠隔で会議を実施する際に最適なアプリと言えるでしょう。
議事録アプリを利用するメリット
続いては、議事録アプリを利用するメリットを3つ解説します。
メリットを把握すれば、納得した上でアプリを導入できます。
メリット1:議事録作成の手間を削減できる
議事録アプリを利用することで、AIが自動的に文字起こしを行うため、議事録作成の手間を削減可能です。
重量までの議事録作成は、従業員が会議に出席し、内容を聞きながら文字に起こしていきます。
会議終了後も文字に起こした内容をわかりやすく編集し、議事録を作成します。
そのため、会議中とその後も議事録作成に時間を取られてしまい、他の業務を進めることができません。
しかし、議事録アプリは人的リソースを使うことなく議事録の作成・編集ができるため、従業員の手間を削減できます。
メリット2:簡単に共有できる
議事録アプリは、あらかじめ設定しておけば作成した内容を特定のファイルに保存できます。
コミュニケーションツールと連携していれば、会議終了と同時にチームメンバーへ議事録を共有可能です。
アプリ導入以前では、人が作成した議事録を保存し、ファイルへ格納もしくは別途共有が必要でした。
しかし、アプリを利用すれば、自動的に共有されるため、従業員の時間を取ることもありません。
チームメンバーとも情報をすぐ共有できるため、会議終了後にすぐ業務へと取り掛かれます。
メリット3:コア業務に時間を割ける
議事録を人の手を使って作成する場合、従業員一人を議事録係として参加させなくてはなりません。
つまり、作成した従業員はコア業務へ時間を割けなくなるということです。
また、重要な発言は装飾し、食い違った内容をまとめる作業も必要になるでしょう。
議事録にまとめる数字や用語に間違いを防ぐ必要もあり、会議時間が長ければ長いほど、コア業務に支障をきたします。
例えば、議事録作成・編集に時間をかけすぎてしまい、コア業務を進められず、残業するケースもあるでしょう。
しかし、議事録アプリを活用すれば、AIが自動的に文字起こしを行い、適時装飾を実施します。
担当者は簡単にテキストをまとめ直し、誤字を修正するだけで済むため、大幅に時間を短縮可能です。
そのため、コア業務に時間を十分に割くことができ、業務効率を向上させられるでしょう。
議事録アプリを利用するデメリット
議事録アプリの導入は、メリットだけではありません。
大きく分けて2つデメリット部分が存在するため、それぞれ解説します。
デメリット1:音声環境を整える必要がある
議事録アプリを活用するためには、適切な音声環境を整える必要があります。
基本的にアプリは会議中の音声を把握して、文字起こしを実施します。
音声環境が乱れている場合や発言者の声が小さいと、上手く議事録を作成できません。
議事録アプリで発言を把握できていなければ、重要発言を記録できず、会議の内容がわからなくなってしまうでしょう。
そのため、議事録アプリを活用する際は、「発言者以外は喋らない」や「専用のマイクを設置する」など、音声環境やルールを定めておく必要があります。
デメリット2:人的な確認は必要
議事録アプリは完璧に会話を文字起こしできるわけではありません。
発言者の声が小さければ、文字起こしされることはなく、発言自体が記録されないでしょう。
また、AIが発言内容を誤って認識すれば、誤字脱字も発生します。
そのため、議事録アプリが作成した内容を最終的には人が確認し、誤字脱字・発言の食い違いなどを修正する必要があるでしょう。
ただし、最初から人が議事録を作成するよりも圧倒的に手間は省けます。
簡単な確認と編集を施すだけでいいため、メリット部分の方が大きいと言えるでしょう。
議事録アプリの選び方
続いては、議事録アプリの選び方を4つ解説します。
自社の特徴や目的に合わせてアプリを選択することで、導入後も十分に活用できるでしょう。
議事録作成に特化しているか
議事録アプリと似たサービスとして「文字起こしアプリ」が存在します。
文字起こしアプリでは、音声をもとに文字起こしを行うアプリですが、議事録として編集ができません。
音声認識がメインとなるため、議事録作成に特化していないと言えるでしょう。
一方、議事録作成アプリでは、文字に起こした部分を議事録として編集可能です。
そのため、ただ単に文字起こしだけなのか、議事録を作成するためにアプリを導入するのか、あらかじめ定めておくと良いでしょう。
利用状況に適しているか
議事録アプリを選択する際は、利用状況を把握しておきましょう。
対面で会議を行う際に利用を考えているのか、Web会議を中心として利用を考えているのか、利用状況によって選択すべきアプリが異なります。
例えば、Web会議の議事録を取りたいと考えている場合、Web会議ツール連動型のアプリが最適です。
Web会議の場合、出席者が同じツールを利用しなければ、AIによる議事録作成は困難です。
また、会議の平均人数も合わせて確認が必要でしょう。4〜6名の会議と10〜20名で実施する会議では、求められるマイクのサイズ・性能が異なります。
人数が多ければ多いほど、大きなマイクで音声識別機能の高いアプリが必要です。
さらに、会議を行う部屋の広さによっても対応が異なるため、導入前に利用状況を確認しておきましょう。
搭載機能
議事録アプリは、各社さまざまな機能が搭載されています。
会議中に専門用語が多く使用される際は辞書機能、複数の言語を用いて会議を行う場合は多言語対応アプリが求められるでしょう。
利用状況に応じて選択するべきアプリは異なります。
また、アプリに搭載されている機能が豊富であるとともに、導入費用が高くなります。
議事録アプリの多くが、搭載機能数と利用頻度によって月額費用が変動するため、コストをかけたくない場合はできるだけ搭載機能が少なく利用頻度を減らしましょう。
ただし、必要な機能が搭載されていなければ、議事録作成ができません。
そのため、自社に最適な機能が搭載されたアプリを選ぶようにしましょう。
録音時間
議事録アプリを選ぶ上で、対応録音時間の確認は非常に重要です。
アプリによって録音可能な時間が決まっており、規定時間以上は録音・議事録作成はできません。
会議時間が決まっている場合は、対応可能なアプリを選択しましょう。
また、対応時間を把握せずに会議を始めてしまうと、長引いた際に議事録が作成できていないケースがあります。
そのため、搭載機能や利用シーン以外にも、録音時間も合わせて確認しておくと良いでしょう。
議事録アプリを活用するコツ
議事録アプリを選ぶ方法を把握した後は、活用するコツを2つ解説します。
それぞれ把握しておくことで、導入後スムーズにアプリを活用できるでしょう。
音声環境を整える
議事録アプリを導入した後は、音声環境を整えておきましょう。
会議を行う部屋やマイクの環境が悪くては、自社に最適な機能が搭載されているアプリでも十分に活用できません。
会議中に話し声や雑音が多いと、アプリは人の声を上手く感知できず、文字起こしできない可能性があります。
また、アプリに接続したマイクも全報告から音声を拾うタイプではなく、人の声によく反応する製品を選びましょう。
マイクの性能以外にも、設置位置や向きを変更することで、音声環境が良くなることも多いです。
例えば、会議参加者がマイクから離れている場合、どれだけ雑音が少なくとも、上手く感知しないことがあります。
そのため、議事録アプリを最大限活用するためには、周囲の雑音を無くし、マイクの性能や位置を調整しましょう。
バックアップを用意しておく
議事録アプリを利用する際は、別のバックアップを用意しておきましょう。
会議中に議事録アプリが落ちていることや録音データが破損しているケースがあります。
このような場合、バックアップを残していなければ、議事録の作成は不可能です。
また、対応時間を超えているのに気づかずに会議を続けている場合、議事録の作成が中断されてしまいます。
そのため、ボイスレコーダーやスマートフォンの録音機能などで、バックアップを用意しておきましょう。
おすすめの議事録アプリ9選
おすすめの議事録アプリを9つ紹介します。
それぞれの特徴や価格・無料トライアルの有無についても解説します。
【ブラウザ特化型の議事録アプリ3選】
◆ スマート書記
◆ YouWire
◆ AmiVoice MinutesWriter
Web会議ツール連動型の議事録アプリ
ユーザーローカル音声議事録システム
特徴 | ・ワンクリックで会議に参加できる ・文字起こしの状況を詳しく確認可能 ・感情認識を把握できる |
価格 | 無料 |
無料トライアル | 〇(無料で使えるプランあり) |
ユーザーローカル音声議事録システムは、完全無料で利用可能な議事録アプリです。
ブラウザ上からワンクリックで会議を開始でき、自動的に文字起こしや議事録を作成します。
文字起こしした内容は会議画面の「ワードクラウド」をクリックすれば、単語が含まれる発言箇所を編集可能です。
また、AIが参加者の発言を分析し、感情認識を行います。
ポジティブ・ネガティブや5感情を読み取り、会議中感情の動きを確認可能です。
議事録はすぐにダウンロードできるため、すぐに議事録として活用できるでしょう。
スマホ専用型議事録アプリ3選
Texter
特徴 | ・マルチタスク機能搭載 ・AI文字認識あり ・リスト管理やSNS共有が可能 |
価格 | ・無料プラン ・Premium M:1,000円/月 ・Premium M+:3,000円/月 ・Premium Y:6,000円/年 |
無料トライアル | × |
Texterはインストールすればすぐ利用できる、スマホ専用の議事録アプリです。
音声からの文字起こしだけではなく、画像・動画にも対応しており、リアルタイム翻訳も可能です。iPadやAppleWatchと連携でき、マルチタスクに活用できます。
また、最新のAIによる文字認識を搭載しており、会話内容を判断して議事録を作成します。
アプリ内ではリスト管理や文字起こししたテキストを各種SNS、Slackなどのコミュニケーションツールと共有可能です。
無料プランを提供しているため、コストをかけることなく利用できます。有料プランは3つ提供しているため、希望する機能に合わせて選択すると良いでしょう。
Speechy Lite
特徴 | ・88以上の言語に対応 ・最新の音声認識機能を搭載 ・無制限の音声録音が可能 |
価格 | 1,220円/月 |
無料トライアル | × |
Speechyは最新のAIを搭載した、スマホ専用の議事録アプリです。88以上の言語に対応しているため、複数言語の会議に対応します。
高い精度の音声認識機能を搭載しており、キーボードで入力するよりも早く議事録を作成可能です。
また、Proバージョンにアップロードすれば、無時間制限音声認識や無制限の保存機能を利用できます。
オフライン環境でも音声認識に対応するため、急な会議でも活用可能です。iOSとAndroid OSに対応しているため、どのスマートフォンでもインストールできます。
Notta
特徴 | ・104以上の言語に対応 ・高い編集機能を搭載 ・議事録データの共有が可能 |
価格 | ・無料プラン ・プレミアムプラン:930円/月 |
無料トライアル | 〇 |
Nottaは104以上の言語に対応した、スマホ専用の議事録アプリです。
高性能Aiによる音声自動テキスト化により、会議の議事録作成やインタビュー・取材の記録などさまざまなシーンで活用可能です。
また、高い音声データ編集機能を搭載しており、音声またはテキストデータの任意箇所をマーキングすれば、重要な部分や聞き取れなかった部分をすぐに頭出しできます。
会議中には分からなかった、聞き直したいところがすぐに把握可能です。さらに、議事録データはリアルタイムで共有でき、スマホ以外のPCやタブレットに同期できます。
Web会議ツールと連携して、Notta Botを活用すれば、会議に代理出席してくれます。会議内容を自動で録音・編集して議事録を作成するため、出席する必要もありません。
ブラウザ特化型の議事録アプリ3選
スマート書記
特徴 | ・直感的なUI ・強固なセキュリティでサービスを提供 ・利用定着に向けて説明会によるサポートが充実 |
価格 | 問い合わせ要 |
無料トライアル | 〇 |
スマート書記は累計1,500社以上に導入されている議事録アプリです。
スマートフォンに適したわかりやすいUIを提供しているため、初めてアプリをインストールした方でも、直感的に利用できます。また、重要な会議でも利用できる強固なセキュリティを保持しています。
さらに、従業員の利用定着に向けて説明会や専任担当者による展開サポートを実施しており、継続的な支援定着が期待できるでしょう。
Web会議の議事録作成も可能なため、別途Web会議専用ツールを導入する必要はありません。もちろん、文字起こし機能も搭載されているため、さまざまなシーンで活用可能です。
YouWire
特徴 | ・クラウドで情報を管理 ・顧客への重要事項説明にも活用可能 ・SFAやCRMと連携できる |
価格 | 問い合わせ要 |
無料トライアル | 〇 |
YouWireは携帯やスマートフォンで、会話した内容を自動的に議事録作成するアプリです。
端末で話した内容は全てクラウドで情報を管理しており、高いセキュリティで保護できます。
また、会議の議事録作成はもちろんのこと、顧客への重要事項説明やコールセンターの電話応対の品質管理にも利用可能です。
さらに、SFAやCRMと連携させることで、音声データをもとに営業や顧客管理もできます。
導入費用は企業によって異なるため、気になる方は問い合わせてみてください。
AmiVoice MinutesWriter
特徴 | ・簡単に操作できるUI ・高い音声認識精度 ・非クラウドの強固なセキュリティ |
価格 | 問い合わせ |
無料トライアル | 〇 |
AmiVoice MinutesWriterは日本語・ビジネスに特化した、ブラウザ専用の議事録アプリです。
ビジネスシーンで耳にする多様な専門用語に対応する音声認識エンジンを搭載しているため、事前に単語登録すれば専門用語や固有名詞なども文字起こしできます。
音声データは非クラウド情報で管理されており、高いセキュリティ環境を保持します。
また、ToDo管理機能や議事録編集、ワード検索機能など、議事録作成に必要な機能を搭載しています。
さらに、リアルタイム字幕表示機能も搭載しているため、多言語会議でも内容把握が可能です。
議事録に手を取られることなく、スムーズに会議を進行できるでしょう。
まとめ
以上、議事録アプリの概要や導入するメリット・デメリット、活用するコツについて解説しました。
議事録アプリを利用することで、これまで人的に対応していた文字起こし、議事録作成をAIが自動化してくれます。
会議中に会話の流れを確認しながら、文字を入力する必要や会議終了後に編集する必要もありません。
議事録作成の手間を省き、コア業務にいち早く取り掛かれます。
また、議事録作成アプリはスマホ専用やブラウザ特化型など種類が存在しており、アプリによって搭載されている機能や音声識別能力が異なります。
本記事で紹介した議事録アプリの中には、無料で利用可能なものからトライアル期間が設けられています。
そのため、気になる議事録アプリがあれば、ぜひインストールしてみてください。