いざマニュアル作成を任せられても、何から始めればよいのか、何を書けばよいのか分からず困ってはいませんか?
上司に褒められるマニュアルのポイントは、読みやすさにあります。
今回ご紹介するマニュアル作成の8つのコツを押さえれば、上司に褒められる読みやすいマニュアル作成ができるはず。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
マニュアル作成のコツは「読みやすさ」
冒頭でもご紹介したとおり、マニュアル作成のコツは「読みやすさ」にあります。大前提としてマニュアルは書き手が伝えたいことを読み手に理解してもらい、実行してもらうためにあるものです。知りたい情報がどこにあるのか分からないものや、内容が難しすぎて理解ができないようなマニュアルは読んでもらえません。
いくら時間をかけて作っても、使われないマニュアル作成をしてしまったのでは意味がなくなってしまいます。読みやすいマニュアルとは、読み手が頭を使わず理解できるものです。
この記事でご紹介する8つのコツを押さえれば、実用的なマニュアル作成ができるでしょう。
手順書との違いは情報量
マニュアルと似たものに「手順書」があります。マニュアルとの違いは情報量です。
マニュアルがある事柄全体を指して書かれるのに対して、手順書はマニュアルの一部を掘り下げた内容が書かれます。
例えば社内で使う業務のマニュアルを作成する場合、企業理念や業務の背景、業務を行う理由や目的などが書かれます。
対して手順書に書かれるのは、業務の詳しい手順のみです。マニュアルのように理念や業務を行う理由などは書かれません。
マニュアル作成をするメリット
マニュアル作成をするメリットは主に2つです。
一つ目は教育の手間が省けること、二つ目は品質が保たれることです。
以下で詳しくご紹介します。
教育の手間が省ける
マニュアル作成で得られる一つ目のメリットは、教育の手間が省けることです。
例えば職場に新入社員が入ってきたとします。
マニュアルがない場合には、社員から教育係を選び、新人に一つ一つの仕事を教えていかなければなりません。
こうした場合、教育係に選ばれた社員の通常業務が滞る可能性があります。
教育係が休んでしまえば、新人社員は何をすればよいのか分からず時間を持て余してしまうこともあるでしょう。
新入社員向けのマニュアルがあれば、教育係の手間が省けます。
どういった手順で業務を行うのか、何から取り掛かればよいのかが書かれてあれば、たとえ教育係が休んでしまったとしても新入社員が困ることはありません。
マニュアルが社員全体に共有されていれば、誰でも教える立場に立てるでしょう。
分かりやすいマニュアル作成をすれば、教育に手間をかけることもなくなります。
品質が保たれる
マニュアル作成で得られる二つ目のメリットは、業務の品質が保たれることです。
マニュアルには業務をする理由や背景、企業理念などが書かれています。
よいマニュアルがあれば新入社員でも企業の雰囲気や目指すところが理解できるため、同じ志を持って業務に取り組めます。
さらに一人一人が同じ方法で業務を行うため、個人差が出ず業務の品質が保てるのです。
例えば接客業でマニュアルを作成していない場合、初めて接客する方はどういった方法でお客様と関わればよいのか分からないこともあるでしょう。
場合によっては企業の理念とそぐわない接客をしてしまうこともあるかもしれません。
しかし読みやすく分かりやすいマニュアルがあれば、気持ちのよいあいさつやお客様との会話の方法が理解できます。
企業理念を理解した上で、その場にあった接客もできるでしょう。
上司に褒められるような読みやすいマニュアルが作成されていれば、初めての方でもノウハウを学んだ上で業務に取り組めるため、業務の品質が保たれるのです。
マニュアル作成のコツ8個
上司に褒められるようなマニュアル作成をするには、以下でご紹介する8つのコツを押さえましょう。
①情報を整理する
まずはどのようなマニュアル作成をするのか、情報を整理しましょう。情報がまとまっていない状態でマニュアル作成に取りかかると、何を書けばよいのか、どのようにまとめればよいのかが分からず混乱してしまいます。作成が途中で止まってしまったり、何が伝えたいのか分からないマニュアルになってしまったりしないよう、事前に情報をまとめておくことが大切です。
情報を整理するときは、5W1Hをもとにすると考えやすくなります。これから作成するマニュアルはどのようなシーンで使うものなのか、読み手は誰なのかといった情報を書き出していきましょう。伝えたいノウハウや熟練技など、とにかく頭に浮かんだものは書き出します。例えば新人研修で使うマニュアルの場合、一般的には企業理念や会社の目指すところなどが書かれます。他にも社会人として必要なあいさつのマナーや名刺交換、電話対応、ビジネス用語などが書かれていることもあるでしょう。
情報を書き出した後は、読み手を想像して不要だと思われる情報を削ります。書くべき内容が決まってきたら、WordやExcelなど、どのようなツールを使ってマニュアル作成するのかも考えておきましょう。マニュアル作成後の配布方法も考えておくと、最後までスムーズに進みます。
②テーマを決める
マニュアル作成の二つ目のコツは、テーマを決めることです。
読みやすいマニュアルには統一感があります。
伝えたいことが真っすぐ伝えられるように、マニュアル自体にテーマを決めて統一感を出しましょう。
テーマはなんでもかまいません。
例えば新入社員向けのマニュアルであれば、企業理念をテーマにするのもよいでしょう。
消費者向けのマニュアルであれば、親しみやすさを与えるため、ユーモアをテーマにするのも一つの手です。
フォントの種類一つ取っても読み手に与える印象は大きいもの。
テーマを決めておけば、フォントや図・イラストなどの選定もしやすいため、書き手が作業しやすくなるというメリットもあります。
③読む人のことを考える
マニュアル作成をするときは、読み手を第一に考えましょう。
冒頭でもお話ししたとおり、マニュアルは読み手に伝えたいことを理解してもらい、実行してもらうためにあるものです。
読み手が「分かりづらい」と感じてしまえば、内容が頭に入らず、使われないマニュアルになってしまいます。
ポイントは手順や文章を省略しないことです。書き手は知識があり全体を理解した上で書いているため、ついつい手順や文章を省略してしまうことがあります。
文章に主語はあるか、目的がハッキリと書かれているかをチェックしながら書き進めるようにしましょう。
また読み手が理解できない言葉は書かないのもポイントです。
例えば一般消費者向けのマニュアル作成をする場合、業界用語ばかりを並べてしまうと難解な印象を与えます。
注釈で意味を説明したり、分かりやすい言葉に言い換えたりして読み手のレベルに合わせましょう。
判断が難しい場合には、第三者にチェックしてもらうのもおすすめです。
④大きなものから順に説明する
マニュアル作成4つ目のコツは、大きなものから説明していくことです。
マニュアルにはさまざまなことが書かれます。内容が難しくなればなるほど、大きなものから説明した方が全体のイメージがつかみやすくなります。まずは大きなものから説明し、順を追って説明していきましょう。
パソコンでインターネットをすることを例に説明すると、大きなことは「電源を入れる」「ログインする」「ブラウザーを立ち上げる」です。次に、電源を入れるにはスイッチを押すこと、ログインするときはIDとパスワードを入力すること、ブラウザーを立ち上げるときはChromeやInternet Explorerをクリックすること、などと説明を続けていきます。
説明が難しいと思うものでも、いくつかのステップに分けて説明することを意識すると書きやすさもアップします。
困ったときはマニュアル作成の一つ目のコツでご紹介したように、情報の整理をしてから取り組むようにしてみてください。
⑤見出しで内容が分かるようにする
マニュアル作成5つ目のコツは、見出しで内容が分かるようにすることです。
見出しからおおよその内容が分かれば、読み手は「これから〇〇について学ぶんだな」と頭の準備ができます。
見出しはいわばその章のタイトル。
一目で内容が分かるようなキャッチコピーをつけましょう。見出しに内容のキーワードを入れておけば知りたいことがすぐに分かるため、情報を探す手間も省けます。できる限りシンプルに、かつ書かれている内容が分かる見出しにするのがポイントです。
⑥伝えたいことはシンプルにまとめる
読みやすいマニュアルにするコツは、シンプルにすることです。
参考書や本が難しくて読む気がうせた経験はありませんか?読み手がマニュアルを開いたときに「難しい」と感じ、読むのをやめてしまわないよう、シンプルなマニュアルに仕上げましょう。
シンプルにするコツは、伝えたいことは一文に一つまでと決めることです。
マニュアルの内容が複雑になるにつれ、書き手自身も伝えたいことが何なのか分からなくなることがあります。
そんな時は情報の整理に戻ってから、伝えたいことは一文に一つまでと意識して書いてみてください。
また、あいまいな表現を控えることも文章をシンプルにする上で大切なポイントです。
例えば掃除について説明するとき、「きれいにしてください」ではシンプルですが抽象的すぎて伝わりません。
「〇は×に返却し、△は□に入れてください」と書いた方が具体的で理解しやすいでしょう。
できる限りシンプルにして、読み手に頭を使わせないようにしましょう。
⑦イラストや図で理解度アップ
マニュアルにイラストや図を挿入することで、読み手の理解度がアップします。
一面びっしりと文字が書かれたマニュアルと、適度にイラストや図が挿入されているマニュアルでは、後者の方が読みやすいのは明らかです。マニュアル作成のコツ2つ目でご紹介したように、マニュアルのテーマに合わせてイラストや図を挿入すれば、マニュアル全体に統一感が生まれます。
例えば業務で必要な道具をチェック表のようにして挿入すれば、マニュアルが読み物の範囲を超え、「使えるマニュアル」にもなるでしょう。適度にイラストや図を入れ、メリハリのあるマニュアル作成をしましょう。
⑧作成後もアップデートする
マニュアルを作成し配布した後は、定期的にマニュアルを見直しアップデートしていきましょう。
マニュアルは作成して終わりではありません。配布して数週間がたったら、読み手に分かりづらい部分はなかったか改善点を聞いてみましょう。また仮運用期間を作ってマニュアルを実際に試してみるのもおすすめです。
マニュアル作成ツールもおすすめ!
マニュアル作成ツールとは、その名のとおりマニュアルを作成するためのツールのことです。
マニュアル作成は思った以上に時間がかかるもの。情報を整理するために何度も会議を開いたり、マニュアル作成のために通常業務がおざなりになったりすることもあるでしょう。
さらに今回ご紹介した8つのコツをすべて押さえてマニュアル作成をするのは手間がかかります。
マニュアル作成ツールを使えば、上司に褒められるような読みやすいマニュアル作成が手軽にできます。
ツールの中には、スマートフォンで撮った動画や写真を簡単に挿入できるものもあります。
他にも社内マニュアルはもちろん取扱説明書が作成できるツールや、専門家がマニュアル作成をサポートしてくれるツールもあるため、クオリティの高いマニュアル作成ができるでしょう。
テンプレートに沿って入力するだけで完成するツールも多くあるため、自分で一からPowerPointやExcelなどを使って作成するよりも手軽にマニュアル作成ができます。
よりすぐれたマニュアル作成をしたい方は、ぜひマニュアル作成ツールの導入も検討してみてください。
読みやすいマニュアル作成をしよう
マニュアル作成で大切なことは、読みやすいマニュアルにすることです。
今回ご紹介した8つのコツを押さえれば、読みやすく使われるマニュアル作成ができるでしょう。
しかしマニュアル作成は思った以上に時間がかかるもの。
情報整理やテーマ選定のために社内会議を行う時間、通常業務を行う時間などを考えると、できる限り手軽にマニュアル作成できる方が助かります。
そんなときはマニュアル作成ツールを使うのも一つの手です。
テンプレートに沿って入力するだけで完成したり、スマートフォンで撮った動画や画像が手軽に撮影できたりすれば、マニュアル作成にかかる時間もぐっと短縮できるはず。
高品質なマニュアル作成をしたい方はぜひ一度検討してみてください。