リスクマネジメントは自社でも行えますが、コンサルタントに依頼することで、さらなる効果が期待できます。
海外を含む新規市場への参入の際の支援や、社内での不正を検知するシステムの提供まで行っている会社もあることをご存知でしょうか。
本記事では、リスクマネジメントコンサルティングの必要性や期待できる具体的な内容、コンサルティング会社を選ぶ際のポイントを、さまざまなコンサルティング会社の情報やサービス内容を踏まえたうえで紹介します。
リスクマネジメントを強化したい事業者・コンサルタントへの依頼を検討している事業者は、ぜひ参考にしてください。
目次
リスクマネジメントコンサルティングについて
リスクマネジメントコンサルティングを依頼をする前に、概要と必要性を理解しましょう。
リスクマネジメントコンサルティングとは
リスクマネジメントといえば、地震や台風などの自然災害への対策をイメージしがちですが、企業が抱えるリスクは多様化しています。
業務上の事故や不祥事、情報漏えいなど、管理すべきリスクは組織の内外を問わず多岐にわたります。
リスクマネジメントは自社でも実施できますが、実際に不測の事態が起きた際に、独自のリスクマネジメントで十分な対処ができるとは限りません。
また、仮に精度の高いリスクマネジメントができたとしても、準備から実施にかけて多大な時間や、人件費を要することも考えられます。
時間を節約し、質の高いリスクマネジメントを実施するためには、専門のコンサルタントへの依頼は有効な手段です。
リスクマネジメントコンサルタントの必要性
リスクマネジメントにはあらゆるリスクに備える必要があり、適切に対処するためには専門的な知識が必要です。
BCP(事業継続計画)に関する知識やIT・セキュリティ・金融リスク・法規制に関する知識を要する場合に、自社の社員だけで適切に対応できるでしょうか。
また、リスクマネジメントは経営存続の視点から、中長期的にリスクに備える必要があります。
経営を安全に続けていくためには、不測に事態に備える「守り」のリスクマネジメントだけでは不十分です。
国内の市場が廃れた場合に備えて海外市場に進出する、といった「攻め」のリスクマネジメントも必要です。
リスクマネジメントは自社でも対応はできますが、広い視野と蓄積された知見から経営存続のためのコンサルティングまで期待できる点で、リスクマネジメントコンサルタントに依頼するメリットは大いにあります。
リスクマネジメントコンサルティングの具体的な内容
リスクマネジメントコンサルティングは、具体的にどういった対策が期待できるのでしょうか。
主な内容を3つ紹介します。
- 不正リスク対策
- BCP(事業継続計画)策定
- ERM(全社的リスク管理)
不正リスク対策
企業に多大な影響を与えるリスクのひとつが、不正や不祥事に関するリスクです。
不正リスクには、以下のものが挙げられます。
- 個人情報の漏えい
- データの改ざん
- 不正会計処理
- 経費の私的流用
地震や火災のような目に見える損壊はありませんが、不正が明るみに出た際には信用問題に発展し、企業価値を損ねます。
結果として顧客や取引先が離れ、企業活動の存続に大きなダメージを与えかねません。
リスクマネジメントコンサルティングに依頼することで、不正リスクに対する管理体制の構築やコンプライアンス対応、現場に潜む不正リスクの洗い出しが期待できます。
また、会社によっては、以下のようなサービスまで請け負う会社もあります。
- 不正検知ツールや内部監査サービスの提供
- システム障害・サイバー攻撃対策
- 不祥事が起きた際のマスコミ対応
BCP(事業継続計画)策定
BCP(事業継続計画)とは、自然災害や火事・訴訟の提起・感染症など、あらゆる不測に事態に備え、いかなる場面にも事業を継続・早期の復旧を目指すために事前に策定しておく計画のことです。
BCPは昨今の日本企業において重要性が広く浸透し、導入している企業は増えました。
BCP自体も自社で策定する企業も少なくありません。
しかし、BCP策定は以下のように必要な工程が多く、基本的にかなりの時間を要します。
- リスクの洗い出し
- 業務の優先順位づけ
- 具体的な対策の構築
- 従業員に浸透させるための訓練・教育の計画
また、有効なBCPでなければせっかく策定しても緊急時に対応できず、精度を維持するためには策定後も定期的な見直し・改善が必要です。
リスクマネジメントコンサルティングにおいては、BCPの策定支援だけでなく、策定済みBCPの改善提案や、継続的なメンテナンスも含めた運用まで請け負う会社もあります。
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ERM(全社的リスク管理)
法規制や自然環境の変化といった、企業の外部環境の変化によるリスクや、海外市場で発生するリスクなど、単純なリスク管理では対処できない分野にも、対応策を講じるのがリスクマネジメントコンサルタントの役割です。
また、昨今の企業には、従来の災害や事故への「守り」のリスクマネジメントだけでなく、新規事業や新規市場への参入といった「攻め」のリスクマネジメントも求められます。
コンサルティング会社によっては、海外進出の際の国ごとの市場状況・法整備・地質上のリスクまで対応して助言が得られたり、新規市場参入における投資判断のサポートも受けられます。
リスクマネジメントコンサルティング会社を選ぶ際のポイント
リスクマネジメントコンサルティングを依頼する際の、会社選びのポイントを見ていきましょう。
ポイントは以下の3点です。
- 実績が豊富かチェック
- リスクコンサルティング会社の強みを確認
- 担当者との相性・相談しやすいか
実績が豊富かチェック
リスクマネジメントコンサルティング会社を選ぶ際には、実績が豊富かどうか確認しましょう。
基本的に会社のホームページを見ると、過去の実績が掲載されています。
確認すべきポイントは、実績の豊富さはもちろんですが、担当した企業を見ると良いでしょう。
自社と同業の会社を過去に複数社担当している場合は、業界特有の知見も蓄積されており、安心材料になります。
リスクコンサルティング会社の強みを確認
リスクマネジメントコンサルティングを請け負っている会社のなかにも、得意分野は存在します。
- IT関連リスクへのマネジメントが得意な会社
- 地域特有のリスクに精通している会社
- あらゆるツールを提供している会社...など
会社ごとに得意分野は異なります。
自社が重視する部分と得意分野がマッチしているコンサルティング会社を見つけられれば、より効果的なリスクマネジメントが期待できます。
担当者との相性・相談しやすいか
コンサルティング会社を選ぶうえで忘れてはならないのが、担当者との相性です。
コンサルティングを依頼するからには、些細なことでも気軽に相談ができ、コミュニケーションが噛み合わないと、十分な効果が得られません。
相談しても専門用語ばかりで内容が理解できなかったり、些細な相談をしづらい空気感を感じてしまうのであれば、一度検討し直すことも重要です。
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まとめ
リスクマネジメントは自社でも完結できますが、専門のコンサルタントに依頼するメリットは多々あります。
さまざまなツールが使えたり、新規市場への参入への助言が得られたり、事業を長く守っていくためには有効な手段です。
リスクマネジメントを強化したいなら、コンサルタントへの依頼も検討してみましょう。