フランチャイズに加盟すると、ロイヤリティの支払いが発生します。このロイヤリティについて、どのようなものかがわからずに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
結論として、フランチャイズのロイヤリティは「毎月一定の金額を支払う加盟金」のことです。
この記事ではフランチャイズにおけるロイヤリティについて、どのようなものかを紹介していきます。
種類や業種ごとの相場についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
フランチャイズにおけるロイヤリティとは加盟金のこと
フランチャイズにおけるロイヤリティは、各企業に支払う加盟金のことを指します。
フランチャイズに加盟してお店を経営するには、毎月一定の金額を大元の企業に支払うことが必要です。
企業に加盟金を支払うことで、以下3つの権利を得られます。
- ロゴや商標・店名を使用する権利
- 経営ノウハウを教わる権利
- 継続的に経営指導、教育、援助を受ける権利
加盟金という対価を大元の企業に支払うことによって、売り上げを伸ばすための権利やサポートが受けられることを覚えておきましょう。
ロイヤリティがないフランチャイズはほぼない
結論として、フランチャイズに加盟するうえでロイヤリティがないケースはほとんどありません。
一部業種ではロイヤリティが設定されていないケースもあります。
ロイヤリティが設定されていないと自身の利益は多くなりますが、その分大元の企業が持つブランド力や知名度は低い傾向です。
またロイヤリティがない分、初期費用や研修費用が高い場合もあります。
ロイヤリティなしのフランチャイズを検討する場合、ロイヤリティ分の金額が他の部分で回収されていないかは必ず確認しましょう。
フランチャイズのロイヤリティは3種類に分かれる
フランチャイズのロイヤリティは、大きく3種類に分かれます。
まずは下記の表を見ていきましょう。
売上歩合 | 粗利分配 | 定額 | |
概要 | ロイヤリティの中で最も一般的な方法。売り上げに応じてロイヤリティが変動する。 | 利益として残った金額を本部と店舗で分配する方法。 | 売り上げに関係なく、毎月一定の金額をロイヤリティとして支払う。 |
相場 | 売り上げの数% | 月数万円~10万円程度 | 利益の30~70% |
ここからは3つのロイヤリティについて、詳しく解説していきます。
売上歩合
介護系 | 3~10% |
飲食系 | 3~10% |
売上歩合は、全体の売り上げの数%をフランチャイズの本部に支払うロイヤリティ方式です。
売り上げが上がればその分ロイヤリティの額が増えますが、売り上げの金額に応じてロイヤリティの割合が減る方式が採用されるケースが多くなっています。
商品の仕入れ額に応じて加盟店側の手元に残る金額が変わるため、いかに仕入れ値を安くできるかが重要です。
定額
買取・リユース系 | 5万円前後 |
IT・通信・携帯電話系 | 5万円~10万円程度 |
定額方式は売り上げや利益に関わらず、毎月一定の金額をフランチャイズの本部に支払う方法です。
ブランド名や看板の使用料を支払うと考えるのがわかりやすいのではないでしょうか。
ロイヤリティは5万円~10万円に設定されていることが多くなっています。
ロイヤリティの額が決まっているため、売り上げを高くすれば手元に残る額が多くなるのが最大のメリットです。
粗利分配
コンビニ・小売系 | 30~60% |
粗利分配方式は、利益として残った金額を加盟店と本部で分配する方式です。
コンビニのフランチャイズで多く採用されている方式で、一般的に30~60%の割合が多くなっています。
利益に対して比率が変わる契約も多いですが、フランチャイズ本部によって契約内容は大きく変わるため、必ず契約内容を確認しましょう。
ただし、本部の取り分が多いからといって悪いと判断するのは危険です。
ロイヤリティが高い分、サポートや経営ノウハウが充実している場合もあるため、開業時はしっかり比較・検討しましょう。
フランチャイズのロイヤリティ相場
フランチャイズのロイヤリティ相場について、実際にどのくらいなのか気になる人も多いと思います。
そんな人のために、ロイヤリティの相場を下記の表にまとめました。
飲食店 | 売上歩合/3~10% |
コンビニエンスストア | 粗利分配/30~60% |
学習塾 | 売上歩合/10%~30% |
リラクゼーション・マッサージ | 売上歩合/3~10% |
不動産サービス | 定額方式/約10万円~25万円 |
上記はフランチャイズとして比較的人気の高い業種となっています。
ロイヤリティの金額は、人件費や原価率の高いものほど割合が低く、客単価や商材単価が高いものの割合が増える傾向です。
また、同じ業種でも会社によって金額や割合が異なりますので、契約時のチェックを忘れないようにしましょう。
フランチャイズのロイヤリティメリットもある
フランチャイズに加盟するにはロイヤリティが必要になりますが、ロイヤリティの発生は必ずしもデメリットばかりではありません。
実際、ロイヤリティを支払うことで下記のようなメリットを受けられます。
- 成功例から経営のノウハウを提供してもらえる
- 知名度が高いため集客をしやすい
- 有利な場所に出店しやすい
- 情報収集がしやすい
ロイヤリティが高ければ、その分売り上げを伸ばすサポートを本部から受けられます。
また、経営ノウハウものレクチャーも充実しているため、経営初心者が出店する場合でも安心といえるでしょう。
一から自分ですべてをやる必要がなくなるため、開業までの時間が短くなるのもフランチャイズならではの特徴です。
開業後も、集客や情報収集の手間が減るため、店舗経営にリソースを避けるのもメリットですね。
フランチャイズ展開する企業のロイヤリティ
ここからはフランチャイズを展開している企業の中で、代表的な3つの企業のロイヤリティについて紹介します。
- コメダ珈琲
- マクドナルド
- CoCo壱
各企業のロイヤリティについて、詳しくみていきましょう。
コメダ珈琲
出典:コメダ珈琲店公式サイト
加盟金 | 3,000,000円 |
加盟保証金 | 2名以上:3,000,000円 1名:6,000,000円 0名:9,000,000円 |
研修費用 | 500,000円 |
店舗施工指導料 | 独立店:3,500,000円 ビルイン:2,000,000円 |
設計料 | 独立店:1,300,000円 居抜き・ビルイン:800,000円 |
POSシステム初期設定費用 | 27,000円 |
ロイヤリティ | 1,500円/1席 |
コメダ珈琲のフランチャイズは、ロイヤリティが席数に応じて変動するのが特徴です。
1席当たり1,500円のロイヤリティの支払いが義務付けられており、大型店舗になるほどロイヤリティを多く支払う必要があります。
ただし、席数が増えれば売り上げの拡大も見込めるため、そこまでの不利益にはならないでしょう。
初期費用は独立店かビルインかで大きく変わります。
郊外なら独立店、都市部ならビルインを選ぶケースが多くありますが、出店する物件や地域に合わせて検討するのがおすすめです。
マクドナルド
出典:マクドナルド公式サイト
加盟金 | 2,500,000円 |
店舗取得額 | 取得する店舗により開業資金が変動 ※店舗取得額の最低25%(おおよそ2,500万円)以上の借り入れに頼らない自己資金が必要 |
ロイヤリティ | 売り上げに対して3% ※別途広告宣伝等あり |
フランチャイズの中でも、マクドナルドは特に人気が高いです。全国にある店舗の約7割がフランチャイズとなっており、研修期間の長さや本格的に経営を学べる点で人気を集めています。
本部からのサポートが充実していることに加えて、ファーストフード店で一番のブランド力を看板に店舗経営ができるのは一番の強みといえるでしょう。
ただし、開業資金やロイヤリティなど、コストの面では他より高い傾向にあります。
開業前・開業後のハードルが少し高いのは、マクドナルドならではの特徴ですね。
CoCo壱
加盟金 | 300,000円 |
加盟保証金 | 1,460,000円 |
内装・設備等 | 24,000,000円 |
物件取得費 | 5,000,000円 |
その他必要経費 | 1,000,000円 |
ロイヤリティ | なし |
CoCo壱のフランチャイズは、開業資金0・経験0からスタート出来るのが最大の特徴となっています。
まずは社員として入社しノウハウを学ぶところから始める必要がありますが、給与を得ながら独立のためのノウハウを学べるのは大きなメリットといえるでしょう。
またロイヤリティも不要であるため、独立後の利益はすべて自分の手元に残ります。
ただし、独立までは最低でも2年以上はかかることに加えて、独立後もCoCo壱のテイストは残さなければなりません。
そのため、自分色を出したい人には向かないフランチャイズでしょう。
フランチャイズビジネスのロイヤリティに関するQ&A
フランチャイズビジネスのロイヤリティについて調べてみると、以下3つの疑問を抱いている人が多く見られました。
- ロイヤリティがないフランチャイズはある?
- ロイヤリティが低いフランチャイズはどうやって探す?
- フランチャイズのロイヤリティはいつ支払う?
3つの疑問について、詳しく解説していきます。
ロイヤリティがないフランチャイズはある?
結論として、ロイヤリティがないフランチャイズは存在します。
本記事で紹介した中でも、CoCo壱のフランチャイズにロイヤリティは必要ありません。
ロイヤリティがなければ自分の手元に残る利益は大きくなります。
支払う金額もシンプルで、研修費用やリース金など、内訳が明確なものに支払いが発生するケースがほとんどです。
ブランド力の低さやサポートの弱さなどのデメリットはありますが、自分の力で店舗経営に取り組んでいきたい人にはおすすめの選択肢ですね。
ロイヤリティが低いフランチャイズはどうやって探す?
フランチャイズに加盟するときにロイヤリティの低さを重視するのであれば、まずは業種を絞り込むのが重要です。
業種ごとにロイヤリティの割合や形態が異なるため、大枠を決めなければ比較が難しくなります。
業種が決まったら、似たような商材を取り扱う企業を比較しましょう。
比較した中から、さらにロイヤリティの割合やサポートの内容を照らし合わせて、自分に合うものを選ぶのが大切です。
フランチャイズのロイヤリティはいつ支払う?
フランチャイズにおけるロイヤリティの支払いは、当月末もしくは翌月末に支払うのが一般的です。
また、支払い方法は本部口座への振り込みが多くなっています。
実際には加盟するフランチャイズによって支払い時期や方法が変わりますので、加盟時に必ず確認しておきましょう。
ロイヤリティだけでなく他の観点も重要
今回はフランチャイズのロイヤリティについて、種類や相場について解説してきました。
フランチャイズにおけるロイヤリティは、業種によって割合や形態が大きく異なります。同じ業種でも企業によって違いがあることを覚えておきましょう。
また、ロイヤリティが高い・安いだけで選ぶのは危険です。サポート内容も比較して、自身に合うフランチャイズへ加盟することで、より高い利益を生み出す店舗経営を目指せます。
この記事紹介した内容をもとに、ぜひ自分に合ったフランチャイズを見つけてください。
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