フランチャイズビジネスでの起業を検討している人の中には、成功率がどれくらいなのか気になる人も多いのではないでしょうか。
実は、フランチャイズは他のビジネスと比べて成功しやすいビジネスと言われています。
ただし、絶対に成功するという保証はありません。
今回の記事では、よくある失敗例から失敗しないための方法、向いている人の特徴まで徹底的に解説します。フランチャイズビジネスに興味がある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
フランチャイズの成功確率は約70%!
フランチャイズの成功確率は約70%と言われています。
一方、一般的な起業の成功確率は30%です。
- 売上高
- 利益率
- 成長率
「成功」と「失敗」に明確な基準はありませんが、とある研究者は上記の指標が一定水準を超えたものを「成功」、超えなかったものを「失敗」としています。
「成功」と「失敗」の割合は算出する人によって多少前後するので、注意が必要です。
このように割合に多少の変動はありますが、一般的な起業の成功確率とフランチャイズの成功確率では、フランチャイズの成功確率の方が高い数値が出ています。
2年後の廃業率は14.4%
フランチャイズビジネスの2年後の廃業率は、14.4%という研究結果が出ています。
以下の数字をご覧ください。
2年後廃業率 | |
フランチャイズ | 14.4% |
個人事業 | 7.8% |
この数字は、個人事業で起業した場合と比べ、倍近い数字です。
フランチャイズの成功確率が70%とはいえ、消して無視できる数字ではありません。
フランチャイズの成功に関わる要素
フランチャイズの成功に関わる要素として、以下の3点が挙げられます。
- 業種
- 出店地域
- 加盟するフランチャイズ
フランチャイズの中にも、成功しやすい業種と成功しにくい業種があることを知りましょう。
また、出店地域の選定が上手くいかなければ、客が訪れず、売上は上がりません。
そして、「経営の三要素」と言われる「ヒト」「モノ」「カネ」のうち、「モノ」であるノウハウやマニュアルを、フランチャイズでは加盟することにより手に入れられます。
優れたノウハウや実績を持つフランチャイズに加盟することは、成功への第一歩です。
フランチャイズのよくある失敗例
フランチャイズのよくある失敗例を紹介します。よくある失敗例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 資金が不足していた
- 能力が不足していた
- 本部のノウハウを無視した
- 宣伝が不足していた
- 本部に頼り過ぎた
- 不利な内容で契約した
それぞれ詳しく解説します。
失敗例①資金が不足していた
まずは、資金が不足していたことによる失敗です。
資金不足により経営に支障が出ると、利益を出すのが遅れ、結果的に失敗へと繋がります。
主にフランチャイズ経営に必要な運営費は、以下の通りです。
- 人件費
- 賃貸料
- 原材料(仕入れ)
- ロイヤリティ
特にロイヤリティはフランチャイズ独特のもので、既にできあがっている経営ノウハウやブランドイメージを利用する代わりに、毎月フランチャイズ本部への支払いが必要な運営費です。
フランチャイズビジネスを継続するため、上記の運営費を捻出した上で利益が出るように、経営者は毎月試行錯誤する必要があります。
コンビニフランチャイズを例にした必要な開業・運営資金
フランチャイズを開業するには、開業資金を準備する必要があります。
以下は、コンビニ経営を例にしたフランチャイズ経営に必要な資金です。
開業資金で必要になる費用 | 必要資金目安 |
加盟金 | 100万~300万円程度 |
保証金 | 100万~1,000万円程度 |
研修費 | 30万~100万円程度 |
土地・物件取得費 | 300万~1,000万円程度 |
改装費 | 1,000万円前後 |
採用人件費 | 採用人数による |
その他 | 300万程度 |
店舗を持たない業種や人を雇わない規模で開業する場合は、もう少し資金は抑えられるものの、最低でも300万円程度の開業費用は見込んだ方が良いでしょう。
以下の記事では、コンビニ経営に必要な開業資金について解説しています。気になる方は、合わせてチェックしてみてください。
失敗例②能力が不足していた
次は、能力が不足していたことによる失敗です。
経営は、教科書通りにはできません。必ず上手くいかないことが出てきます。
以下は、フランチャイズに必要と言われる能力・勉強項目の一部です。
- 問題発見能力
- 仮説構築能力
- 事前準備能力
- プロモーション能力
- コントロール能力
- 経営
- 税金
上記のものは先天性の能力ではなく、フランチャイズ本部が行う研修を受けたり経験を積んだりして伸ばすことが可能な能力です。
フランチャイズは本部のサポートを受けて経営を行える点がメリットとは言っても、オーナー自身に何の能力も知識もなければ、先はありません。
フランチャイズ経営に必要な能力が不足していると感じた場合、経営に必要な事業への理解や税金についての勉強も常に行いましょう。
失敗例③本部のノウハウを無視した
3つ目は、本部のノウハウを無視したことによる失敗です。
フランチャイズではフランチャイズ本部から、ノウハウをアドバイスとして受け取れます。
このノウハウは、フランチャイズ本部が長年かけて構築してきた「経営成功のためのシステム」で、非常に有益なものです。
しかし、せっかくノウハウを提供されても聞く耳を持たず、ノウハウを無視して独走するオーナーは、失敗の30%に入る可能性が高まります。
自身の手腕を発揮して経営したいと望むオーナーもいますが、本部のノウハウを参考にして、経営状況と照らし合わせて決断をしていける柔軟さを持つと良いでしょう。
失敗例④宣伝が不足していた
4つ目は、宣伝が不足していたことによる失敗です。
フランチャイズの場合、フランチャイズ本部が宣伝を担い、インターネットやテレビコマーシャルでの宣伝を打ち出してくれます。
しかし、全てをフランチャイズ本部任せにするのでは、宣伝不足かもしれません。
最近ではSNSを利用した宣伝も活発になってきています。オーナー自身も宣伝を行うことで、成功へと近づくでしょう。
失敗例⑤本部に頼りすぎた
5つ目は、本部に頼り過ぎたことによる失敗です。
フランチャイズの場合、オーナーとフランチャイズ本部はビジネスパートナーです。フランチャイズ本部は、長年かけて構築したノウハウやマニュアルをオーナーに提供してくれます。
しかし、フランチャイズ本部が提供してくれるノウハウは、必ずしも成功を約束するものではありません。
本部に頼りすぎるのではなく、オーナーである自分自身の経営努力も大切です。実際に経営するのはオーナー自身であり、工夫や努力が必要な点は通常の起業と変わりません。
失敗例⑥不利な内容で契約した
6つ目は、不利な内容で契約したことによる失敗です。
フランチャイズで起業するためには、オーナーはフランチャイズ本部と加盟契約を結ぶ必要があります。
フランチャイズで失敗する方の中には、この加盟契約の内容をしっかり把握できていない方が少なくないです。オーナー自身に不利な内容が盛り込まれているのにも関わらず、契約を交わしてしまうケースが多く見られます。
オーナー側に不利な契約内容の例は、以下のようなものです。
- 業界の相場価格よりも極端に高額なロイヤリティが設定されていた
- テリトリー制が設定されていなかった
高額なロイヤリティが設定されていると、毎月本部に支払う金額が売上の多くを占め、利益を上げることが難しくなってしまいます。
また、テリトリー制が設定されていない場合は、近隣の商圏内に同じフランチャイズの店舗が出店する可能性があり、売上が分散してしまう恐れがあります。
フランチャイズ契約の内容は、契約を交わす前にしっかりと確認することが重要です。
フランチャイズに失敗して借金を抱える事例
フランチャイズビジネスを始めたものの、うまく行かずに借金を抱えてしまうケースがあります。
そのような結果になってしまう原因について、いくつかの事例を挙げて解説します。
事例①契約違反をした
フランチャイズビジネスでは、フランチャイズ本部と加盟契約を交わします。本部との契約の中には、様々な規則やルールが盛り込まれています。
それらの規則やルールを破ってしまうと契約違反となり、フランチャイズ契約は解除となるので注意が必要です。場合によっては違約金を科せられることもあり、その結果借金を抱えることになってしまいます。
契約内容を把握しきれていなかった場合でも、結果としては規約に違反したことには変わりないので、「知らなかった」では済まされません。
加盟契約を交わす際には、細かな規約まできちんと目を通しましょう。
事例②初期投資が高すぎた
フランチャイズの開業資金というと、本部への加盟金を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、実際には加盟金だけでなく保証金や事前研修費、店舗が必要な場合には物件取得費など、様々な費用がかかります。
自己資金における初期投資(開業資金)の割合を見誤ると、開業後のロイヤリティ支払いや資金繰りに苦労し、借金を抱えることになりかねません。
フランチャイズでの開業を考える際には、開業に必要な初期投資が高すぎないかしっかりと確認しましょう。
開業後の運転資金や本部へのロイヤリティなども含めて、自己資金と見合う金額かどうかを検討することが大切です。
事例③売上が上がらなかった
「売上が上がらなかった」というのも、フランチャイズビジネスで借金を抱えてしまう原因の1つです。
近隣に競合店ができた場合や純粋にオーナーの能力不足である場合など、売上が上がらない理由は様々です。そして、マイナス分を補填しようと考えて借金をしてしまう事例が多く存在します。
しかし、売上自体が回復しなければ借金の返済は難しく、運転資金などでさらに借金がかさむ可能性もあります。
売上が上がらない理由を冷静に分析し、すぐ借金に頼らないことが大切です。時と場合によっては早めに見切りをつけ、店を閉業する覚悟も必要です。
フランチャイズで失敗しないための方法
フランチャイズビジネスで失敗しないための方法を3つ紹介します。紹介する内容は、以下の通りです。
- 情報収集・見積もりを怠らない
- 緻密に計画を練る
- 業界・業種の選定を見誤らない
それぞれ詳しく解説します。
情報収集・見積もりを怠らない
まずは、情報収集・見積もりを怠らないことです。
情報化社会と言われる現代では、最新情報をキャッチし、いかにビジネスに落とし込めるかが大事です。
経営者は、掴んだ情報がどのようにビジネスに活かせるか、常に見積もりを行いましょう。
自身のビジネスを発展させることを目的にすれば、情報の取捨選択もできるようになるはずです。
フランチャイズだからと与えられたノウハウに頼り切りになってしまうと、成功は難しいかもしれません。
緻密に計画を練る
次に、緻密に計画を練ることです。
まず、フランチャイズビジネスを行う上での目標設定を行いましょう。
目標の達成期間は、3年でも5年でも構いません。
大きな目標を決めて、次はそれより短い期間での目標を設定しましょう。以下のような流れです。
- 3・5年の目標
- 1年の目標
- 1か月の目標
- 1週間の目標
- 1日の目標
設定した達成期間内に目標を達成するためには、緻密に計画を練る必要があります。
日々緻密に計画を練り、試行錯誤しながら目標を達成できれば、失敗する確率は下がるでしょう。
業界・業種の選定を見誤らない
最後に、業界・業種の選定を見誤らないということです。
自分の好きな業界・業種で起業したいという方も多いですが、必ずしもオーナー自身が好きな業界・業種でビジネスが成功するとは限りません。
思い入れがある分、冷静な判断ができない可能性もあります。
特に脱サラをして初めての起業を考えている未経験者の場合、成功しやすい業界・業種を選定すると良いでしょう。
- コンビニエンスストア
- ハウスクリーニング
- 介護・ケアサービス
どの分野で起業するか、自身の性質なども踏まえて、良く考えることが大切です。
フランチャイズで成功はほぼ自分次第!向いている人の3つの特徴
- 顧客の視点に立てる
- 本部の意見をしっかり汲み取れる
- 自分なりの成功の定義を見つけている
フランチャイズ経営に向いている人の特徴を3つ紹介します。
顧客の視点に立てる
1つ目は、顧客の視点に立てる人です。
いかに緻密な計画を立てても、サービスを充実させても、それが顧客を喜ばせるものでなければ、顧客はお金を払いません。
オーナーがやりたいことは置いておき、顧客がお金を払いたいと思える所品・サービスを提供するようにしましょう。
顧客の視点を重視し、適切な体験を提供できれば、フランチャイズ経営は成功へと近づきます。
本部の意見をしっかり汲み取れる
2つ目は、本部の意見をしっかり汲み取れる人です。
フランチャイズビジネスはフランチャイズ本部ありきのため、加盟店は基本的に本部の意向には逆らえません。
例えば本部が来月からある商品の販売に力を入れるキャンペーンを行うと通達すれば、その通りに店舗内の陳列を変更し、人材の確保を行う必要があります。
フランチャイズ経営者の中でも成功しやすいのは、通達があったからと嫌々本部の意向に沿うのではなく、本部の意見をしっかりと汲み取った上で動ける人です。
本部側に意見をしっかり汲み取ってくれる加盟者だと認識されれば、本部側からより良いサポートを受けることができます。本部とwin-winの関係を築くことが大切です。
自分なりの成功の定義を見つけている
3つ目は、自分なりの成功の定義を見つけている人です。
ビジネスにおいて、「成功」または「失敗」に明確な定義はありません。
多くの人は、他人軸で勝手に定義を設けて、成功・失敗に振り分けを行っています。
フランチャイズ経営に向いている人たちは、自分なりの成功の定義を見つけていることが多いです。成功に向けて明確な目標を掲げているため、着実に成功への日々を積み重ねています。
フランチャイズで成功しているオーナー・企業の事例
フランチャイズで成功しているオーナーの事例を見てみましょう。
- ファミリーマートを多店舗経営
- 自己資金0でフランチャイズ経営
どちらも身近な業種で成功しているオーナーです。
ファミリーマートを多店舗経営
まずは、20代のサークルKサンクスのフランチャイズから始まり、現在ではファミリーマートを10店舗経営しているオーナーの事例です。
基本的には店に入らず、従業員を雇用して運営を行っています。
コロナ禍でも、売上をそれほど落とすことは無かったようです。
- 【従来】 → 1店舗だけを経営し、そこに夫婦で身体を入れて働く形態
- 【今後】 → オーナーは店に入らず、経営店舗数を増やしていく形態
これからは【従来】の経営から【今後】の経営へ移行していくと言われているので、現在成功指針を作っている先駆者の一人と言えるでしょう。
自己資金0で塾のフランチャイズ経営
近年良く目にするようになった「学習塾」のオーナーの事例です。
30歳にして、人口8万人の滋賀守山の地に塾を作り、生徒数50人を楽々突破した実績を持つオーナーです。
学習塾は初期費用が安く済むことを活かし、自己資金0の状態で始め、現在では6校舎の経営を手掛けています。
フランチャイズで成功したいなら常に試行錯誤は必要
フランチャイズで成功したいなら、常に試行錯誤が必要です。
フランチャイズの成功率は約70%と言われていますが、ただ本部の言うことを聞いて開業すれば成功するというわけではありません。
経営者として必要な知識やノウハウを身に着け、掲げた目標に向かって試行錯誤することが大切です。
独立したいからと、行き当たりばったりでサラリーマンを辞めて開業に踏み切るのはやめましょう。
失敗例を参考にしつつ、フランチャイズで失敗しないための方法を抑えてから、開業の準備を進めましょう。フランチャイズ開業を検討している方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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