SECI(セキ)モデルとは何か?その活用事例やナレッジマネジメント関係性も解説!

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SECIモデルとは、暗黙知と形式知が融合されて、「共同化」「表出化」「連結化」「内面化」という4つのステップで構成された知識創造のプロセスです。

暗黙知を形式知に変換し、形式知を暗黙知に変換する場を設けることで、個人のノウハウを全体で共有しようという考えです。

では一体SECIモデルとは何か?その活用事例とはナレッジマネジメントとの関係性って?

一見難しい専門用語にように聞こえますが、実際は組織の塊です。一つ一つ分けて考えていけば誰でも理解することができます。

SECIモデルとは何か、その活用事例とともにナレッジマネジメントとの関係性を解説していきます。

SECIモデルとは

そもそもSECIモデルとは何かご存知でしょうか?

経営学者であり、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏が提唱した「ナレッジ・マネジメント」の基礎理論に基づきます。

彼によれば西洋は形式知、東洋は暗黙知重視の文化を持っており、日本企業が優れているのは組織の成員がもっている暗黙知と形式知をうまくダイナミックに連動させて経営するところにあるとされます。

合宿や飲み会などの「場」を通じての暗黙知の共有、暗黙知の形式知化を促すコンセプト設定などが例として挙げられます。

この暗黙知と形式知のダイナミックな連動を理論化したものにSECIモデルがあります。さらにこの暗黙知と形式知の違いを詳しく説明します。

見出し3暗黙知と形式知の違い

暗黙知と形式知の違いとは何でしょうか?

ここでは暗黙知と形式知の違いについてご紹介します。暗黙知と形式知はそれぞれ対応の関係にあります。

◆暗黙知
経験的に使っている知識だが簡単に言葉で説明できない非言語的意味を持つ
◆形式知
文章や図式・表などで言葉で言い表すことができる言語的意味を持つ

4つのプロセス

「個人の知識を組織的に共有し、より高次の知識を生み出す」ということを主眼に置いたナレッジマネジメントを実現する場合、そのフレームワークとして以下の4段階のプロセスが提示されています。

このプロセスは、各段階の英語名称の頭文字をとって“SECI(セキ)プロセス”、あるいは単に“SECI(セキ)”と呼ばれています。

これは野中郁次郎竹内弘高ハーバード大学ビジネススクール 教授、一橋大学 名誉教授)が執筆したThe Knowledge Creating Company(『知識創造企業』梅本勝博訳、東洋経済新報社)において、提唱されました。

知識とは「正当化された真なる信念 (Justified true belief)」であり、個人と個人の相互作用、あるいは組織と組織の相互作用により、ダイナミックに変化・深化・進化していくものであるという考えの下に構築されています。では、その4つのプロセスを陸上競技を例に詳しく解説していきます。

共同化

共同化とは組織内の個人、または小グループでの暗黙知の共有、およびそれを基にした新たな暗黙知の創造です。

陸上競技では、仲間に飛び方や走り方を直接伝えるところにあたります。

表出化

表出化とは各個人、小グループが有する暗黙知を形式知として洗い出すことです。

陸上競技では、マニュアル化するところにあたります。

凍結化

洗い出された形式知を組み合わせ、それを基に新たな知識を創造することです。

陸上競技では、他競技チームのマニュアルと組み合わせて強化するところにあたります。

内面化

新たに創造された知識を組織に広め、新たな暗黙知として習得することです。

陸上競技では、マニュアルを体得して進化させるところにあたります。

SECIモデルの活用事例

有数の企業がSECIモデルを活用しているのも事実です。

NTT東日本法人営業本部

NTT東日本法人営業本部では、従業員に対して「場」を提供し

組織全体の向上に成功しました。

①創発場:席を固定しないフリーアドレス制の導入により様々な社員同士がコミュニケーションをとり情報交換が行える

②対話場:チーム同士で対話を行うクリエイティブゾーンを設置。チームや部署の枠を超えたナレッジの共有を推進

③システム場:全社員と部・課などの組織単位でのホームページを開設。個人の得意業務やチームでの良い成果を残した折衝記録などを公開し、ナレッジ共有の場として活用

④実践場:コンセントレーションルームを設置し、新しいスキルや知識の習得を促す。

引用元:NTT東日本

富士フイルムビジネスイノベーション(旧:富士ゼロックス)

日本の機械メーカーである富士ゼロックスでは、下記の2点を体系化しています。

①知見を言語化して「品質確率リスト」に保存する。
②設計者が、体系化された形式知を現場の状況に応じて暗黙知として体験する。

生まれた技術をマニュアル化して、マニュアルをもとに技術を進歩させ、

他社技術などもまとめてマニュアル化、さらに良い技術を生み出すサイクルが『SECI/セキ』モデルを活用した例です。

引用元:富士フイルムビジネスイノベーション

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメント(Knowledge Management)とは、企業組織や個人が蓄積した知識や経験を企業組織内で共有し、効果的に活用することで企業の競争優位性を向上させる経営手法です。

ナレッジ(Knowledge)とは、知識や知見、ノウハウ、技術力、顧客情報といった、業務上役立つ幅広い情報を指します。

ナレッジマネジメントについては、下記で詳しく解説しておりますので併せてご確認ください。

SECIとナレッジマネジメントの関係性

1)APQCの定義:
“Knowledge Management is the broad process of locating, organizing, transferring, and using the information and within an organization.”
ナレッジマネジメントとは、組織内で情報を検索、整理、移転、活用するための幅広いプロセスです。

2)アーサーアンダーセン、スティーブ・M・フォロニックの定義:
 ナレッジ・マネジメントとは、組織における人々が、ビジネスの目的を達成するために、知識を修得、共有、応用していくことを可能にする手法。

3)髙梨智弘の定義:
 ナレッジ・マネジメントとは、組織の目的・目標を達成するために、価値を創造する知識を発見し、理解し、共有し、活用する体系的なアプローチであり、適切な時期に適切な人が、知識をスムーズに移転し、活用できるようにする効果的な仕組みを構築し運営すること。

 従来の欧米型ナレッジマネジメントの考え方は、情報の活用という意味で、形式知に注目し、知識の収集・蓄積・精製・分配・利用というナレッジ・ベース(ナレッジ・データベースとも言う)システム導入という手段をとってきました。

 一方で、野中郁次郎ナレッジマネジメントは、知識創造が中心のテーマです。

 ナレッジマネジメントの定義の前に、「知識」とは何か、という点でも、中身が違ってきます。

 ボルドリッジがどこに位置するのか、これらに沿って、確認したいと思います。

 例えば、ボルドリッジでは暗黙知も対象の一つとして捉えており、「従来の欧米型」からは進歩しています。

まとめ

この記事では、SECIモデルとは何か?その活用事例とともにお伝えしてきました。

いかがでしたでしょうか?

有数の企業がSECIモデルを積極的に活用して事業を成功させています。

この先SECIモデルとナレッジマネジメントの需要性はさらに高まることが予想されます。

なので、今経営困難で停滞している会社などは、前向きに取り入れてくべき手法です。

ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

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