「シェアオフィス」という言葉を耳にする機会が増えていますが、具体的にどんな意味なのか分からないという方は多いのではないでしょうか?
シェアオフィスとは、備品やオフィススペースなどを共有することで費用を抑えつつ自分に適した環境で働ける貸しオフィスのことです。
新型コロナウイルス感染症により、人類の技術革新は1年で10年分進んだと言われています。
感染拡大を防ぐために推進されたテレワークや在宅勤務は、私たちの生活に大きな変化を与えました。
シェアオフィスはそんな新しい生活様式のニーズに合う、近年急速に注目を浴びている新時代の働き方です。
一方で、運営会社によってサービスや契約プランが様々なため、、利用する際は自分たちの使用目的にあったシェアオフィスを選択する必要があります。
この記事では、シェアオフィスの特徴・機能、他の貸しオフィスとの違い、メリット・デメリット、向いてる人、選び方、利用までの流れなどについて解説します。
目次
シェアオフィスとは何か
シェアオフィスとは、複数の企業や個人で執務空間や設備をシェアするレンタル型のオフィスのことを指します。
月額制や従量制でワーキングスペースを使用することができ、契約後は最短即日で利用可能です
貸しオフィスの概念自体は昔からあり、主に弁護士やデザイナーの方が費用削減の目的として利用していました。
時代が進むにつれて「シェアリング」が世界のトレンドとなると情報感度が高い企業やフリーランスにも広まり、さらにコロナ禍の影響で幅広い企業にも浸透していきました。
シェアオフィスでの働き方は、時代の流れと共に広く受け入れられてきています。
まさに新しい時代に適している働き方と言えるでしょう。
シェアオフィスの特徴
シェアオフィスは従来のようなオフィスと異なり、以下のような特徴があります。
設備が整っている
従来のオフィスでは、契約した後に自分たちで必要な設備を購入・調達しなければいけませんでした。
しかし、シェアオフィスでは電話やオフィス家具、インターネット回線、電子機器など、ビジネスで必要な基本的な設備は完備されているところがほとんどです。
また、規模が大きなシェアオフィスでは、会議室や電話対応、フリードリンクサービス、個室や固定席を利用できるプランなどもあります。
住所利用や法人登記ができる
シェアオフィスを契約すると、契約者は施設の住所を利用可能です。
郵便物の受け取り場所や、名刺や会社のホームページに記載する住所として、契約しているシェアオフィスの住所を記載することができます。
また、法人登記する際の住所としても利用できるシェアオフィスも多く存在します。
他の貸しオフィスとの違い
シェアオフィスと類似するサービスとして、レンタルオフィス、コワーキングスペース、サテライトオフィスなどがあります。
これらとの違いはなんなのでしょうか?
じつは、シェアオフィスと他の類似するサービスを区別する明確な定義の違いはありません。
呼び方による傾向の違いを紹介していきます。
レンタルオフィス
シェアオフィスやコワーキングスペースなどの、企業や個人が利用する貸しオフィスの総称です。
レンタルオフィスでは個室や区切られた空間を提供することが多いのに対し、シェアオフィスでは1つの空間を複数の企業や個人が使うことが多いです。
コワーキングスペース
一般的にオープンスペースとなっており、シェアオフィスよりも人と人との繋がりに重きが置かれる傾向があります。
利用者同士でコミュニティ形成したり、肩書きにとらわれず他のビジネスマンとの交流ができたり、新たな人脈を発掘できる可能性が高いです。
サテライトオフィス
「サテライト(衛星)」という言葉が表す通り、企業が本社とは別の場所に設置するオフィスのことです。
支店や営業所よりも少ない人材で運営され、市場開拓というよりも社員の働き方の利便性を増すために設置されています。
シェアオフィスのメリット
シェアオフィスを利用する企業側のメリットはどの様な事があるか、下記にまとめましたので契約前にご確認ください。
初期費用を抑えられる
企業がオフィスを構える際、デスクやオフィス家具、電子機器など、ビジネスで必要になる道具を揃えなくてはいけません。
シェアオフィスならビジネスで必要になる基本的な道具が揃っているので、初期費用を抑えることができます。
大規模なシェアオフィスだと高機能な設備が備わっているので、コストパフォーマンスもよくなります。
格安でブランド力のある土地にオフィスを構えられる
都内のシェアオフィスでの賃料の相場は月2、3万円ほどで、従来のオフィスよりも賃料を安く抑えることができます。
また、シェアオフィスでは法人登記で住所を利用することができるため、ブランド力があり地価が高い赤坂や表参道、銀座、渋谷などにも、格安でオフィスを構えることができます。
地名にブランド力があると、クライアントに安心感を与えられたり、信頼してもらいやすくなるので、ビジネスでも有利になれます。
接客に対応できる
利用しているシェアオフィスに会議室やラウンジなどが設備されている場合、契約内容によってはクライアントとの接客にも利用することが可能です。
職場や自宅で接客することが難しい方、頻繁に来客がある企業でも、大切な交渉の機会を失わずに済みます。
オフィス内に高級感のある会議室やラウンジがあれば、新規の人材確保にも役立つでしょう。
雑務から解放される
通常のオフィスでは、清掃やゴミ捨てなどの雑務は借りている企業側がやらなければいけない場合が多いかと思います。
シェアオフィスの場合は、雑務を全てシェアオフィスの運営スタッフが行ってくれるので、目の前の仕事だけに集中でき常に清潔なオフィスで仕事ができるため生産性の向上に繋がります。
シェアオフィスのデメリット
さまざまな魅力があるシェアオフィスですが、シェアならではのデメリットも存在します。
契約を考えている方は、デメリットについても理解しておきましょう。
情報漏洩のリスクがある
シェアオフィスは1つの空間に複数の企業や個人が集まるので、重要な情報が外部の人間に漏れてしまう危険性があります。
機密事項などをコピーした紙を無くしてしまったり、背後からパソコンの画面を覗きみられたりしないように、細心の注意を払わなければいけません。
シェアオフィスを利用する際は、セキュリティ面のリスクをきちんと理解し、対策する必要があります。
環境によっては集中できない場合もある
シェアオフィスでは1つの空間を複数の企業や個人で利用するため、作業環境や性格によっては他人の視線や話し声などの雑音が気になり、かえって集中できないかもしれません。
せっかく仕事を頑張るためにシェアオフィスを契約したのに、逆に心の平静を乱されてしまっては本末転倒です。
静かなエリア、話してもいいエリアなど、利用者の目的別に環境が分けられているシェアオフィスを選ぶようにしましょう。
満席の可能性も
シェアオフィスの空間には限りがあるため、小規模なシェアオフィスだとデスクやチェアが全て埋まってしまっている場合も十分にありえます。
とくに会議室やラウンジなどは空き状況に大きく左右されるので、予約を忘れると大きなビジネスチャンスを失うことに繋がってしまうかもしれません。
好きな設備を追加できない
シェアオフィスはビジネスで必要な設備がある程度揃っていますが、あとから設備として用意されていない機材が必要になったときに、自分たちの判断で自由に設置することができません。
もし新たな機材が必要になった場合は、他のレンタルオフィスを検討したり、従来型のオフィスを構えたりすることも視野に入れておきましょう。
シェアオフィスの注意点
シェアオフィスの住所を利用して法人登記する場合、その住所について事前に調べておきましょう。
もし過去に犯罪が行われていたことのある住所だと、銀行の法人口座の審査に通らない可能性があります。
また、興味を持ったクライアントが名刺の住所を調べたときに、マイナスの印象を与えてしまいかねません。
シェアオフィスに向いてる人・向いていない人
ここまではシェアオフィスについて詳しく紹介していきました。
それでは、実際どんな人や企業がシェアオフィスに向いているのでしょうか?
シェアオフィスに向いてる人
<個人>
・個人事業主
・新たな人脈を広げたい人
・在宅勤務が困難な人
<企業>
・スタートアップ企業
・来客が多い業種
・十数人ほどの小規模企業
個人では職場に近い環境を求めている人、企業ではテレワークでも支障が出ない職種がシェアオフィスに向いていると言えそうです。
シェアオフィスに向いていない人
<個人>
・雑音や視線に敏感な方
・機密事項を扱っている方
<企業>
・店舗ビジネス
・製造業
・倉庫業
個人では1人の方がストレスが少なく作業ができる人、企業では専用のスペースが必要な職種がシェアハウスに向いていないと言えそうです。
シェアオフィスの選び方
シェアオフィスは契約内容やサービスの規模によって、プランの幅が広くなっています。
さまざまな条件から自分たちのニーズを把握し、必要な機能やサービスレベルが備わったシェアオフィスを選ぶようにしましょう。
設備
シェアオフィスでは自分たちで施設内をカスタマイズできる自由度が低いので、自分たちに必要な設備が最低限揃っているかを確認しましょう。
快適な作業環境を提供するために、フリードリンクサービスを実施しているシェアオフィスもあります。
利用時間
必要なときに利用できないなどのトラブルが発生しないように、利用できる時間帯を確認しておきましょう。
24時間利用可能のシェアオフィスなら、急なビジネスチャンスが到来しても安心です。
ワークスペース
シェアオフィスは一般的にオープンスペースですが、固定席や個室を用意している施設もあります。
事業を進めていくと、個室が必要になることもあるので、先を見据えて検討しましょう。
立地
土地のブランドも大事ですが、定期的に通うことになる場所なので、自宅から通いやすい場所を選ぶ必要があります。
また来客が多い方は、駅の近さや探しやすさなどを考慮し、クライアントに対しても気を使えると良いでしょう。
利用料金
シェアオフィスは従来型のオフィスに比べて格安で利用できますが、利用料金は毎月かかるので、利用料金や契約形態はしっかり検討しておきましょう。
無理なく支払える料金の目安は、売上の10%程度だと言われています。
雰囲気
契約したあとに想定と違ってがっかりすることがないように、契約する前に内覧に行き、施設や他の利用者の雰囲気を確かめておきましょう。
きちんと感染症対策がとられているかも重要です。
シェアオフィス契約までの流れ
ここまでの解説を踏まえた上でシェアオフィスの利用を検討している方のために、シェアオフィス契約までの流れを紹介します。
シェアオフィス契約までの流れは以下のようになります。
1,ネットで調査
2,内覧
3,契約内容確認、必要書類提出
4,入居審査
5,審査に通ったら契約書類提出
6,入居
一般的なオフィスを借りるのと手順は変わりません。
無事に審査を通ることができれば、新たな出会いがあなたを待っていることでしょう。
まとめ
IT技術の目まぐるしい進化や感染症などのイレギュラーな要素が折り重なり、私たちは生活の仕方に変化を求められました。
どんなにポテンシャルの高い人でも、時代の波に置いて行かれれば能力を発揮できません。
時代に合わせて柔軟に対応していくことが大事です。
シェアオフィスは、自分のニーズに合わせて選ぶことができます。
もしあなたが今の作業環境に満足できていないのなら、シェアオフィスを活用するなどして自分たちに適した働き方を選択し、より質の高い成果を上げていきましょう。
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