IP電話と固定電話にはどのような違いがあるかご存じでしょうか?
固定電話と聞くと、自宅に置いてある電話を思い浮かべる方も多いと思います。
IP電話と聞くとあまり評判が良くない、会社内の電話だと思う方も多いでしょう。
両者とも良いところもあれば悪いところもあります。
こちらの記事では、IP電話と固定電話の違いについてや、IP電話のメリットとデメリットについてもご紹介していきます。
会社などでIP電話を検討している方にとっては必要な情報のみを記載していますので、ぜひ最後までご覧ください。
▽IP電話の導入をご検討するかたはこちらもご覧ください。
▽050番号について詳しく知りたい方はこちら
IP電話とは何か?
IP電話とは、簡単に説明すると050から始まる電話番号のことを指し、インターネット回線を用いた電話を言います。
一般的に皆さんが見覚えがあるのが090や080だと思います。
しかし、IP電話はこの部分が050から始まり、基本的に一般的な市外局番のように発信元を特定することは難しいです。
また、IP電話はインターネット回線を用いて通話をするため、一般的な080や090から発信する電話よりも電話料金が低コストです。
固定電話とは何か?
固定電話とは、アナログ回線を利用した電話のことを指します。
昔はこの固定電話で個人や法人問わず連絡をとる際に利用された電話ですが、
近年はインターネットの普及やスマートフォンの普及などで固定電話を利用している人は年々減少しています。
時代に合わせて固定電話も進化していおり、今までのアナログ回線と光回線で固定電話を利用することが可能になっています。
では、アナログ回線と光回線についてご紹介していきます。
アナログ回線とは
アナログ回線とは、アナログ信号と呼ばれる信号によって通信が可能な電話回線です。
電話機を無線などではなく、銅線でつなぎ、通話の音声をそのまま銅線にのせて相手に伝えることができ、
通信回線を変えても通常通り利用することができるという特徴があります。
また、アナログ回線は電源が必要ないため、災害などで停電しても通常通り利用することができます。
光回線とは
一方で光回線とは、光ファイバーを利用したタイプのインターネット回線を指します。
そのため、光回線はIP電話の一種となります。
インターネット回線を使うことで、アナログ回線よりも速度や安全性に優れており、
アナログ回線の電話よりも料金が安い傾向にあります。
光回線またはIP電話は固定電話よりも速く、「料金も安いならみんなIP電話にすればいいじゃん!」と思う方も多いと思いますが、
実際そんなに単純なことではありません。
IP電話のメリットとデメリットもこちらの記事でご紹介していますので、しっかり最後までご覧ください。
IP電話と固定電話(アナログ電話)の相違点とは?
続いて、IP電話と固定電話(アナログ電話)の相違点をご紹介します。
速度や料金以外にも異なるところはありますので、ご確認ください。
導入時の費用や毎月の料金が違う
結論からご説明すると、IP電話の方が導入費用は安いです。
IP電話 | 固定電話 | |
導入初期費用 | 約2,000円~3,000円※1 | 約35,000円※2 |
通話料金 | 約500円 | 約1,000円~2,000円 |
※1:ネット回線が既に自宅に通っている場合
※2:電話機、電話加入権を新規で購入した場合
電話機が元々ある場合は固定電話の導入初期費用が安くなりますし、逆に自宅にインターネット回線がない場合はIP電話の初期費用はもう少し高くなります。
また、IP電話はどこにかけても基本的に通話料金に差がでることはありませんが、
固定電話の場合の電話相手が自宅から遠ければ遠いところに住んでいる場合は通話料金が高くなります。
回線の安定感が違う
IP電話と固定電話では、通信回線の安定度が異なります。
IP電話はインターネット回線を利用しているため、
ネットが混雑している日や何かしらの障害が発生している場合は回線がつながりにくくなる傾向にあります。
一方で固定電話の場合は音声電話専用の回線を利用しているため、速度は基本的に安定しています。
ちなみに、IP電話でも回線によっては固定電話以上の安定性が臨めます。
インターネット回線にはランクがあり、安定した回線を求める場合はAランクの回線業者と契約すると良いでしょう。
一部かけられない番号がある
固定電話はどこの番号でも基本的に電話をかけることができますが、
IP電話の場合は110番や119番などといった緊急通報の電話をかけることができません。
その理由は、IP電話の場合は相手の現在地情報が分からないからです。
通常、緊急通報の連絡があった場合は発信された電話番号の位置情報からも一番近い警察や消防などに連絡がいきます。
ですが、IP電話からでは位置情報が分からないため、緊急通報の電話をかけることができません。
会社の電話などで利用する場合は万が一のことがあっても個人の携帯から連絡ができるので問題はありませんが、IP電話しか持っていない場合は注意した方が良いと言えるでしょう。
IP電話と固定電話の併用は可能か?
IP電話をルータータイプで使用している場合は複数台の電話機に分けて利用することができます。
ただし、固定電話を元々契約している場合は他のインターネット通信サービスと契約することはできません。
併用したい場合はどちらもインターネット回線サービスを契約しないといけない場合が多いです。
通信業者によっても異なるため、一度お問い合わせしてみることをおすすめします。
IP電話のメリットとデメリットをご紹介!
ここからは、IP電話のメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット
IP電話を利用するメリットは以下になります。
- 050電話番号が簡単に手に入る
- 基本料金が安く済む
- 通話料が安い
- IP電話同士の通話では通話料金がかからない場合もある
- 使用中の固定電話と併用することも可能
それでは、一つずつ解説していきます。
050電話番号が簡単に手に入る
電話を契約する際は電話契約権が必要となり、固定電話を新たに加入する場合はNTTの電話加入権を新たに購入しななければいけないことがあります。
しかし、IP電話であれば電話加入権がなくても簡単に050番号が手に入るため、面倒な手続きや費用がかかるといった心配もありません。
そのため、企業が社員に持たせている携帯電話はこの050から始まるIP電話を利用していることが多いです。
基本料金が安く済む
IP電話はほとんどの場合は基本料金がありません。
基本料金があるプロバイダでも大体数百円程度です。
また、IP電話は同じプロバイダ同士、または提携しているプロバイダ同士なら無料で通話することができます。
をのため、社員全員にIP電話を持たせたとしても、社員同士の電話料金が発生することはありません。
また、IP電話から固定電話や080や090などの一般的な形態電話、プロバイダが異なるIP電話でも通話料が安く抑えられるというメリットがあります。
IP電話は大幅にコストが削減できて、連絡も取りやすいことから作業効率も上がり、小規模事業所や大企業まで様々な企業がIP電話を取り入れています。
通話料が安い
先ほどもお伝えしましたが、IP電話のプロバイダが同じであれば、通話料金がかかることはありません。
通話料がかかったとしても、約3分で8円程度のものが多いです。
もちろん、電話先の相手の端末や通話する機会によっても通話料が異なりますが、一般的な携帯電話や固定電話よりも通話料が安いです。
また、海外に発信する際の通話料金も抑えられるという点は大きなメリットと言えます。
IP電話同士の通話では通話料金がかからない場合もある
同じプロバイダ同士であれば、通話料金がかかりません。
異なるプロバイダだとしても、一般的な通話料金よりも安い料金で通話が可能になります。
基本料金がかかって数百円、同じプロバイダ同士であれば通話料金が発生しないため、1台当たりの携帯の料金はかなり安く抑えることができるため、企業で利用する携帯電話はIP電話の使用をおすすめします。
使用中の固定電話と併用することも可能
IP電話は現在使用中の固定電話との併用も可能です。
IP電話を契約したからといって、今利用している固定電話を解約する必要はありません。
うまく使い分けることでどちらか一方ではなく、柔軟に対応することが可能になります。
IP電話とセットでお得になる光回線もありますので、気になる方はチェックしてみてください。
デメリット
続いて、IP電話を利用するデメリットをご紹介します。
IP電話を利用するメリットは以下になります。
- 停電の場合には使用する事ができない
- 050~始まる電話番号に変わる
- 一部かけられない番号がある
- 新幹線などの高速で移動中には品質が悪くなる場合がある
- 接続回線が切り替わると電話も切れる
停電の場合には使用する事ができない
IP電話は基本的にインターネット回線を利用して通話をするため、
災害などで停電が起きた場合はインターネット回線の接続に必要な電力がストップしてしまい、IP電話が利用できなくなります。
操作することは可能ですが、電話をかけることはできなくなるため注意が必要です。
会社の電話を全てIP電話にしてしまうと、会社内でやりとりをすることも難しくなります。
050~始まる電話番号に変わる
IP電話は全て050~はじまる電話番号です。
そのため、現在使用中の携帯番号をそのまま利用することができません。
そのため、IP電話はあくまでも会社間で利用する電話またはサブ電話として利用することをおすすめします。
また、電話相手にも050表記で表示されてしまうため、こちらがIP電話を利用していることがすぐに分かります。
電話先の相手が分からないことから、050の電話番号からかかってきても電話にでない人もいますので、この点がIP電話のデメリットと言えるでしょう。
一部かけられない番号がある
IP電話は先ほどもお伝えしたように、110番や119番などの緊急通報の電話をかけることができません。
また、0120から始まるフリーダイヤルの一部でも電話をかけることができない場合もあります。
近年のIP電話は0120から始まるフリーダイヤルにでも問題なく電話をかけることができる場合が多いですが、
緊急通報の電話はできないことをしっかり覚えておきましょう。
そのため、IP電話しか持っていない場合は万が一のことがあってもすぐに対応ができないことがあります。
新幹線などの高速で移動中には品質が悪くなる場合がある
IP電話は固定電話などのアナログ電話と比較すると、通信品質が悪くなる場合があります。
特に、新幹線や高速での移動中、トンネルの中などでは電話回線が不安定となり、繋がりにくくなります。
また、現在の職場の通信環境が元々悪い場合もIP電話が繋がりにくくなったり、相手のの声が聞こえにくくなることもあるため、職場の環境に応じて慎重に検討する必要があります。
接続回線が切り替わると電話も切れる
IP電話は接続回線が切り替わると、電話も切れてしまいます。
例えば、会社にWi-Fiが通っており、いつもはそのWi-Fiに接続して電話をしているが
、電話をしながら会社の外にでてしまうと、Wi-Fiが切れて通常のモバイル回線に切り替わるため、電話が切れてしまいます。
そのため、会社のWi-Fiがギリギリ届く会社の駐車場などで電話をする場合、Wi-Fiに接続しているときもあれば、モバイル回線で接続されている時もあるため、なかなか上手く電話をすることが困難になります。
まとめ
こちらの記事では、IP電話と固定電話の違い、IP電話のメリットとデメリットなどをご紹介してきました。
IP電話はかけられない電話がある、緊急通報の電話ができないなどのデメリットがありますが、逆に料金が安い、導入が簡単というメリットがあります。
個人でIP電話を利用する際はデメリットの方が大きいかもしれませんが、会社内などで利用する電話としては、メリットの方が大きいと言えます。
また、料金も安いことから小規模事業所でも大企業でも導入しやすい電話です。
同じプロバイダ同士で契約をしていれば、社内での電話連絡の通話料もかかりませんので、導入するメリットはあると思います。
最後までご覧いただきありがとうございます。