事業を成功させるためにはデータ活用が重要となります。
過去にはどんな事例があったか、どういうのが求められているのかといったことはデータに基づいた戦略によって、良い結果が期待できます。
データの取り扱いにはデータベースを用いるのが一般的ですが、データベースにはさまざまな種類があり、種類によって機能、特長、デメリットなどは異なるのです。
そこでの記事ではデータベースの1種である「リレーショナルデータベース(RDB)」について紹介したいと思います。
リレーショナルデータベースの基礎知識からメリットについて詳しく見て行きましょう。
目次
データベースとは?
データベースとはデータを一つの場所に蓄積して、活用しやすい情報にしたものです。
そのままデータを保存するのではなく、必要時に探しやすいように整理されてます。
さらにデータベースは数値のまま保存するのではなく、グラフにして可視化したり分かりやすい形へと工夫することも可能です。
多くの企業ではデータベースが必要不可欠なものとなっており、データベースの知識を身につけることは必須です。
データベースのメリット・デメリット
情報を扱いやすくしてくれるデータベースで必要不可欠なものですが、メリットだけではなくデメリットもあります。
データベースのデメリットについて詳しく見てみましょう。
メリット
データベースを利用することで、大量のデータから必要なデータをすぐに探し出すことができる。
求めているデータ以外にも、似たようなデータ、データの編集も素早くできるようになります。
データを1つの場所に集約して管理するため、必要なデータをすぐに管理でき、あらゆる案件で役立つでしょう。
AIやloTといった新技術に伴い、データ量は増えています。そこでデータベースを利用することでデータ管理がしやすくなるでしょう。
まさにデータベースは現代には欠かせないものです。
デメリット
データベースは情報の管理が容易になる分、コストが発生してしまいます。
それも一定ではなくデータ量が増えれば、都度処理に対応するため設備を整える必要があるのです。
データの保管が2倍になればサーバー設計や構築を行い、それに伴う人件費も必要です。
予算によって揃えられる機材も変わりますので、目的やメリットなどを把握した上でデータベースの導入を検討した方がいいでしょう。
データベースの種類
データベースには主に4つの種類があります。それぞれの種類についてみてみましょう。
階層型
階層型データベースとは親子関係と子の関係の状態で蓄積されたデータのことです。
データの検索には親子を辿るためのルートが1つと登録されているので、検索スピードが早いのが特徴です。
しかし検索スピードが早いというメリットがあるものの、親データで登録しているのでデータ登録が重複するデメリットがあります。
ネットワーク型データベース
ネットワーク型データベースは階層型と似ていますが、重複データを持たないように関連性のあるデータ同士を結びつけています。
階層型=重複する可能性があり、ネットワーク型=重複せずにデータを登録という認識です。
階層型のように重複しないため、効率的にデータ管理ができるというメリットが挙げられます。
リレーショナルデータベース
リレーショナルデータベースは表形式でデータを管理するものであり、関係データベースとも言われます。
複数の表を組み合わせることが可能で、複雑なデータでも構成ができます。
複雑ですが、表形式なので視覚的に分かりやすいのが特徴です。
現在の利用されているデータベースの多くがリレーショナルデータベースとなっています。
プログラム自体が複雑でデータが増えたときの性能劣化が発生するといったデメリットもありますが、
視覚的に見やすいのは大きなメリットといえるでしょう。
NoSQL
NoSQLはSQLを使用しないものです。
NoSQLはリレーショナル型データベースと似ていますが、構造が単純です。
単純構造のデータに特化しており、データが増えても性能が劣化する心配はありません。
しかし複雑なデータ管理は難しいという一面もあります。
RDBとは?
RDBとは「Relational Database」(リレーショナルデータベース)を指しており、日本語では関係データベースと呼ばれるデータベースの1種です。
RDBはデータを複数の表として管理していて、それぞれの表に関係を定義して複雑なデータを扱えるようにしています。
RDBはさまざまな企業で使われており、大規模システムから個人が利用する小規模システムなど幅広いシーンで使用されます。
RDBMSはRDBを動かすシステム
RDBがついたものにRDBMSというものがあります。
RDBMSとはRDBを構築し管理するソフトウェアであり、RDBとセットの関係です。
商用ではOracleといった有名な製品、オープンソースではMySQLなどが挙げられます。
RDBの設計思想はお互いを関連付けできるというのが特徴です。
RDBMSはRDBを動かすシステムで、SQLを使用します。
RDBのメリットは4つ
RDBには長い歴史があり、多くのRDBMSが公開されています。
RDBは表形式でデータを管理するほか、複雑なデータでも扱いやすいのが特徴です。
RDBには主に3つのメリットがあり、それぞれについて詳しく見てみましょう。
SQLでデータ操作ができる
SQLとはデータベースを操作する言語であり、データベースを扱う以上切っても切れない関係だと思ってもらっていいでしょう。
SQLはISO(International Organization for Standardization)によって国際的に標準化されているものです。
SQLによってデータの登録から取得、削除といった一連の処理が可能になります。
ERBはSQLを使うことが標準となっているので、SQLを使えるのならばRDBMSも利用できるようになります。
データの品質が保たれる
データベースにはデータの正規化と言われるものがあり、正規化をしておくことでデータの重複や不整合などを防げます。
そういった事態を防げるので当然メンテナンスの効率も高められることになります。
RDBを使うことでデータの正規化ができるので、メンテナンスの効率を高められるようになるのです。
なお正規化には5つの段階があり、そのうちの3段階はデータベースの設計時に行います。
定義をせずにアプリケーションを開発できる
アプリケーションを開発する際は定義が必要です。
しかしRDBを使用してのアプリケーション開発は、RDBMSを介してRDBのデータにアクセスします。
よってRDB内の一件分のデータ構造を定義しなくともアプリケーション開発が可能です。
データがどのような構造になっているのか気にせずにアプリケーションを作れるということです。
データ処理が一貫している
RDBはデータ処理が一貫しており、処理が適切であれば結果が表示され、不適切であればデータ処理を行う前の状態へと戻ります。
複数テーブルでデータベースを構成すれば、追加や削除といった処理を行うコストも低くなります。
RDBは複雑なデータを扱えるといったメリットがありますが、SQL言語を用いることで正確な処理が可能です。
RDBのデメリットは拡張性や処理速度
RDBにはデータの品質が保たれる、定義をせずにアプリケーションを開発できるといったメリットがある一方で拡張性や処理速度に関するデメリットもあります。
読み込み部分の拡張は比較的簡単にできるものの、書き込み部分の拡張に関しては専門的な知識や長い時間がかかります。
また膨大なデータ量であれば処理速度が落ちますので、業務がスムーズに進まずストレスを抱える可能性があるのもRDBのデメリットです。
RDBを導入するには?
RDBを導入するためにはあらかじめ準備をする必要があります。
設計から管理する環境をきちんとしておくことで、スムーズに運用ができるようになります。
RDBはRDBMSで管理をするのが一般的ですが、必要であれば別途プログラムを組み込むこともあります。
RDBに必要な環境
RDBの利用にはデータベースサーバ、SQLクライアント、開発環境を導入する必要があります。
データベースサーバにはRDBを構築・管理するためのRDBMSをインストールしましょう。
SQLクライアントはデータベースにアクセスするために必要ですので、必ず導入してください。
導入が整ったら開発環境でSQLを使用したデータの追加・削除・更新などのプログラムを作成します。
RDBの導入の際に必要なデータベース
データベースシステム導入の際はどのようなデータを持つかなどを設計します。
それと同時にRDBやRDBMSの仕様に合わせた設計をする必要があります。
データベースの設計内容は「情報をどのような形で保持するのか」、「アクセス手順」「それぞれのエラーに対する処理」などさまざまなものがあります。
いずれも細かく設計しておくといいでしょう。
NoSQLはRDBの代わりに使用できる?
大きい容量のデータの扱いが増え、従来のRDBでは対応しきれない部分があります。
なぜなら従来のRDBは単一のサーバで稼働しており、ビッグデータでの扱いは想定していないからです。
NoSQLはSQLを使用せずに使用できるという特徴があります。
そもそもNoSQLとは?
NoSQLに関して厳密な定義はありません。データベースの1つの種類であり、名前の通り「SQLでないもの」とされます。
SQLにはビッグデータの扱いに対応しきれないといったデメリットがありますが、
NoSQLはSQLを使わないでデータにアクセスできるためビッグデータにも対応しています。
NoSQLとRDBの違いについて
NoSQLとRDBには得意とする分野が異なります。
NoSQLは「ビッグデータを高速で処理できるがデータの整合性が緩い」という特徴があり、
RDBは「データの整合性に優れており常にアクセスできる可用性」となっています。
つまり処理速度に重点は置いていないので、ビックデータに対応はしきれないのです。
このことからビッグデータの扱いをするならばNoSQLの利用の方が適しているといえます。
RDBが不要は本当なのか?
RDBはクラウドが普及してビッグデータの取り扱いが一般的となっていた現代には適していないと言えます。
またRDBは単一のサーバのみで運用するため、複数のサーバでの運用は向いていません。
なぜRDBが不要と言われるのか詳しく見てみましょう。
ビッグデータの管理に向いていないから
最もシンプルな理由ですが、RDBの欠点であるビッグデータの管理に向いていないからです。
そもそもRDBはビッグデータを管理するために作られたものではないので、ビッグデータが多い現代には必然的に向かないことが明確です。
1台のサーバーで稼働するように設計されており、データの容量によって都度大きなサーバーに移行させては手間がかかります。
さらにデータの容量が小さくなれば、オーバースペックとなるため小さなサーバへと移行させなければなりません。
そうした手間がかかるため、複数のサーバで管理できるNoSQLの方が現代に適しています。
RDBを利用するべきユーザー
RDBはビッグデータを利用するには適していませんが、各データを表形式にでき分かりやすく保管できるといったメリットがあります。
さらに関連性のあるデータを連携できます。
そのためデータの定義をして関連性の高いデータを連携させたい、
データ処理を一貫して行いたいという目的があればRDBの方が適していると言えるでしょう。
一概にRDBは不要と言えないので、目的に応じて選択をするのがベストです。
RDBからNoSQLへの移行が必要な理由
多くの方がRDBからNoSQLへ移行するには、ビッグデータを扱えないといった理由だけではありません。
では具体的にどのような理由で移行をしたのか詳しく見てみましょう。
柔軟に対応できないため
データベースの設計に何ヶ月、ときには年単位の時間を必要とします。
また、システムが構築できたとしても変更が生じれば、再度長い時間をかけて検証や検討を行います。
現代は音声や画像といった非構造データの扱いが増えており、RDBでは柔軟に対応ができません。
そのためシステム構築後に柔軟に対応できるNoSQLが求められています。
さまざまなデータに対応していない
データの形式にはさまざまなものがあり、構造化データや音声などを指す非構造化データなどがあります。
RDBは表形式で見やすいといったメリットがあるものの、表現できるように整理するまで時間がかかりるのです。
その結果さまざまなデータに柔軟に対応できず需要が少なくなっています。
拡張性に難がある
クラウドサービスはデータ量、ユーザー数に応じて容量を追加・拡張をしなければなりません。
そのため拡張性に優れているのが理想です。
一方のRDBは1台のサーバーで実行するように設計されているため、システムの拡張は想定外です。
もしシステムの拡張をするならば高価で独占的なハードウェアを購入する必要があります。
コストの面からも拡張性の難からしてもRDBは使い勝手が限られてしまいます。
現代的には合わない
現代のシステム開発にはC#といったオブジェクト指向のプログラミング言語が使用されています。
オブジェクトとして扱っている言語と、RDBはデータの取り扱い方が大きく異なっているためデータベースとプログラミングの間でズレが起きてしまいます。
ズレないために「ORM(Object-Relational Mapping)」がありますが、これではデータの興味深い部分の保持ができないのです。
データを取り出しバラバラにし、さらには処理の手間が増える課題もあるため非現実的です。
RDBを導入して業務スピードを上げよう
RDBにはデメリットがあるものの、表形式でデータを管理できるので見やすく、複数のデータも組み合わせて利用できるといった特徴があります。
さらにSQLの標準化によってRDBMSでも利用できるようになっています。
自社の目的に合ったRDBMSを導入することで業務スピードも上がるでしょう。
是非この記事を参考にしてRDBへの理解を深めて導入をしてみましょう。