フランチャイズを経営する中で、多店舗経営している人がいます。多店舗経営は多くのメリットがありますが、その分デメリットも知っておかなければなりません。
実施にフランチャイズでの多店舗経営を考えている人の中でも、どのようなメリットとデメリットがあり、どんな業種で多店舗経営すればいいかわからない人も多いのではないでしょうか。
そんな人のためにこの記事では、フランチャイズで多店舗経営しやすいお店の特徴やおすすめの業界、メリットやデメリットを解説しています。
多店舗経営をするには知識はもちろん、事前の準備が大切です。多店舗経営を失敗しないためにも、ぜひ参考にしてください。
目次
フランチャイズを多店舗経営するのは可能
結論として、フランチャイズを多店舗経営するのは十分に可能です。
しかし、多店舗経営するには直営展開とフランチャイズ展開の違いを知っておかなければなりません。
まずは下記の表で、具体的な違いを見ていきましょう。
直営店舗 | フランチャイズ店舗 | |
開業資金 | 開業する人が出資 | 加盟するオーナーが出資 |
従業員の雇用 | 開業する人による雇用 | 加盟するオーナーによる雇用 |
店舗オペレーション | 開業者が指揮を執る | 加盟店オーナーが指揮を執る |
利益 | 売り上げから経費を差し引いたもの | ロイヤリティを支払い、残った分が利益 |
ノウハウの構築 | 自身で構築できる | 本部のものをそのまま利用可能 |
直営店舗とフランチャイズ店舗はそれぞれ上記のような特徴があります。
同じ看板を掲げている場合、見た目上の違いはないものの、内部的には上記のような違いがあることを覚えておきましょう。
フランチャイズを多店舗経営しやすい業界
フランチャイズでの多店舗経営を考えているのであれば、以下3つの業界がおすすめです。
- 飲食
- ハウスクリーニング
- コインランドリー
各業界の特徴について、詳しくみていきましょう。
飲食
飲食業界は、フランチャイズの多店舗経営がしやすい業界の一つです。店舗を回すための業務マニュアルが整っており、ほとんどの場合はオペレーションが固定されています。
そのため、飲食業界未経験の人材であっても比較的早い段階で戦力になり、人手不足に悩むことがありません。
また、飲食での勤務経験を持つアルバイトやパートを雇いやすく、店長やアルバイトだけで店舗を回せるのも強みといえるでしょう。
ハウスクリーニング
ハウスクリーニングは、少人数から始められるフランチャイズの一つです。
事業所を持つ場合でも各店舗に1~2人を配置しておけば問題ないため、人件費が抑えられます。また、ネットで依頼を受ける形式を取れば、開業費用も抑えられます。
他の業界との同時経営もしやすいため、さまざまな業種に挑戦したいと考えている人にはうってつけの業界の一つです。
コインランドリー
コインランドリーは、人材不足に悩まされることのない業界です。
人材不足に悩まされない理由として、コインランドリーの無人経営があげられます。基本的にコインランドリーはスタッフを常駐させておく必要がありません。
そのため、機材や土地・建物を確保できてしまえば、出店しやすい業界といえます。コインランドリーの出店には特別な資格も必要なく、いかに低コストで開業・出店できるかがカギといえるでしょう。
実際、無人経営ができる業界はフランチャイズの中でも注目を集めています。
フランチャイズを多店舗経営する4つのメリット
フランチャイズを多店舗経営する場合、以下4つのメリットが生まれます。
- 売上がアップし収益が分散される
- 事業ノウハウの蓄積がされる
- その地域での知名度が向上
- 店舗によってはロイヤリティ免除も
売上がアップし収益が分散される
フランチャイズで多店舗経営する場合、店舗が増える分売り上げのアップが見込めます。
純粋に利益が増えるというのは、経営するうえで大きなメリットといえるでしょう。
仮に1店舗しか経営していない場合、万が一経営している店舗の売り上げが下がってしまうと収益が下がります。
しかし、複数店舗経営しておけば収益が分散されるため、利益減少時もそこまで大きな影響を受けません。
より多くのリターンを得られる可能性があり、リスク分散ができるのは多店舗経営ならではのメリットの一つです。
事業ノウハウの蓄積がされる
フランチャイズで複数の店舗経営をすると、それぞれの事業ノウハウが蓄積されます。
事業ノウハウが蓄積されると、その先に出店する店舗の成功確率も高いです。
多くのフランチャイズ本部では運営や経営に関連するノウハウがあるため、それぞれの良いところを取り入れて経営できるのは大きなメリットですね。
また、同じ業種で多店舗展開する場合であっても、0の状態から始めるよりも知識や経験があるため、経営面で困ることも少なくなります。
経営者としての力がついてくることも、多店舗経営ならではの魅力の一つです。
その地域での知名度が向上
複数店舗を経営することで、その地域での知名度が向上する効果が期待できます。
実際、フランチャイズでは1店舗目が成功した場合に近場に2店舗目、3店舗目と商圏を広げるケースがほとんどです。
近隣住民の口コミや評判で知名度が上がっていけば、集客活動の必要がありません。そうなると他の業務や作業に時間を割けるため、より収益を上げるチャンスも生まれます。
加えて、同業種で多店舗経営できればサービスや商品の信頼性が増し、リピーターの獲得はもちろん、新規顧客の獲得にもつながりやすいです。
地域で人気を集めれば、隣町や周辺都市などへの複数出店も現実的となります。
店舗によってはロイヤリティ免除も
同業種で多店舗展開した場合に限りますが、本来フランチャイズ本部に支払いが必要なロイヤリティが免除となる場合があります。
ロイヤリティが免除になれば、その分手元に残る金額が増え、年収アップにつながるでしょう。残った資金を貯め、また新たにフランチャイズで出店するオーナーも多いです。
ただし、最初から多店舗経営はできません。まずは1店舗を開業し成果を出して、業績が認められれば2店舗目以降の開業が可能になるケースがほとんどです。
複数店舗を出店する場合は、焦らずに着実な成果を生み出すことが重要になります。
フランチャイズを多店舗経営する際の3つの注意点
フランチャイズを多店舗経営する場合、以下の3つに注意が必要です。
- 開業のための資金がかかる
- 人材確保・仕組み化コストがかかる
- 全て上手くいくとは限らない
3つのデメリットについて、詳しくみていきましょう。
開業のための資金がかかる
フランチャイズを多店舗経営するには、それぞれの店舗を出店するための資金が必要になります。初期費用・開業資金が多くかかるのはデメリットといえるでしょう。
業種により必要資金は異なりますが、中には1,000万円以上が必要になるケースも珍しくありません。必要資金が足りなければ、当然新規店舗の出店ができなくなります。
初期費用をあまりかけたくないのであれば、ハウスクリーニングやリペア業など、必要資金がそこまで大きくならない業種を選びましょう。
人材確保・仕組み化コストがかかる
近年はどの業界も人材確保を課題としてあげています。そのため、業種によっては全く人が集まらない可能性も考えられるでしょう。
人が集まらなければ、当然出店できません。また、人材確保には求人広告にかかる費用や面接にかける時間的なコストも発生します。
また、注意したいのは同業種で近隣に店舗を出した場合です。それぞれの店舗が近い場合、求人の面で見ればライバル店となってしまい、オーナーが一緒であってもライバル店のようになってしまいます。
人材が確保できた場合でも、チェーン店としてサービスの質に差異が生まれないように教育しなければならず、育成面でも時間が必要になることは理解しておきましょう。
全て上手くいくとは限らない
1店舗の経営がうまくいき、多店舗経営を考える人は多いです。1店舗目がうまくいったことで自信がついている人は多いですが、2店舗目以降もうまくいくと考えるのはやめましょう。
新店舗を出店して赤字が大きくなってしまった場合、利益が減少する可能性について理解しておくことが必要です。
経営がうまくいくかは、業種や立地、周囲の住民層などのさまざまな要因が影響します。場合によっては経営がうまくいかず、思ったように売り上げが立たない場合もあるでしょう。
これまでの経営経験やノウハウをベースにするのはいい手ですが、そこからさらに状況に合わせた経営戦略を立てることで、より経営が成功に近づきます。
フランチャイズを多店舗展開するための3つの手順
フランチャイズを多店舗展開する場合、以下3つの手順が必要です。
- 既存事業で利益を出しておく
- スタッフを育成しておく
- 並行して開業資金を貯め展開
ここからはそれぞれの手順について、詳しく解説していきます。
既存事業で利益を出しておく
まずは既存事業で利益を出しておきましょう。既存事業で利益が出ていない状態で2店舗目を出資した場合、双方を気にかけなければならず、うまく経営が回りません。
また、経営状態の安定だけでなく、オーナー自身がいなくても店舗が回るようにしておきましょう。自身が関与せずとも店舗が回る状態であれば、新規事業の出店準備や戦略立てに専念できます。
フランチャイズとはいえ、本部は他店の損失まではカバーしてくれません。仮に失敗しても、利益が確保できる状況を作っておくのが大切です。
スタッフを育成しておく
新規店舗を出店する場合、スタッフの育成が重要です。スタッフを育成しておけば出店時にスムーズな店舗回しが可能になり、開業後のトラブルや問題を防げます。
また、同業種で出店する場合、既存店から新店にスタッフを移籍させるのも一つの方法です。スタッフに教育方法やマニュアルを渡しておけば、自分で教育する手間も軽減されます。
新店出店を考えている場合は、該当のスタッフを既存店のナンバー2として育成を進め、新店の責任者を任せるのが良いでしょう。
並行して開業資金を貯め展開
事前準備を整えながら開業資金を貯めておけば、いざ人材や経営の準備ができたときにすぐに開業できます。
あらかじめ必要な開業資金を計算しておき、出店するときに足りなくなることがないようにしておきましょう。
なお、資金繰りに余裕がない時に出店するのはリスクが大きいです。あくまでも余裕がある状態での出店を目指し、万が一失敗しても既存店に影響が出ないようにしましょう。
多店舗経営はフランチャイズならではの利点
今回はフランチャイズの多店舗経営について、メリットやデメリット、その他注意点について解説してきました。
結論として、多店舗経営はフランチャイズならではの利点です。個人で複数店舗運営をするよりもリスクが少なく、かつ多くのノウハウを得られます。
ただし、1店舗目がうまくいかないことには多店舗経営はできません。そのため、まずは既存店舗の売り上げを伸ばす・安定させ、その後に新規店舗の出店を目指しましょう。
この記事で紹介した内容をもとに、ぜひフランチャイズでの多店舗経営を目指してください。
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