催促電話は、取引先にかける電話の中でもデリケートな内容です。
話し方や伝え方を間違えると取引先との関係が悪化しかねません。最悪の場合、取引自体がなくなってしまうこともあります。そんなトラブルを防ぐためにも、この記事では催促電話をかけるときのコツや注意点についてまとめました。
今すぐ使える例文についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.催促電話前に確認すべき3つの注意点
催促電話をかけるとき、電話前に確認すべき注意点が3つあります。
- 催促電話の時間やタイミング
- 自社の依頼方法を確認
- 催促の対象物がないか確認
各注意点について、詳しくみていきましょう。
注意点1.催促電話の時間やタイミング
催促電話は、時間やタイミングを考慮したうえでかけるようにしましょう。
特に注意したい時間やタイミングなどのポイントは以下の通りです。
- 相手企業の就業時間内にかける
- 入金の催促時は最速から翌営業日くらいまで待つ
催促電話の場合でも最低限上記を意識することで、相手から悪い印象を抱かれる可能性が減るでしょう。
上記2点に加えて、一般的な企業が忙しいとされている始業後や昼食後、翌日の準備で慌ただしい就業前は避けるのが無難です。
注意点2.自社の依頼方法を確認
催促電話前には、自社がどのように依頼していたかを確認しておきましょう。
依頼方法によっては正しく届いていない、うまく伝わっていない可能性があります。なかには自社側のミスである可能性も考えられます。確認をせずに催促電話をかけると、相手企業との関係悪化にもつながるかもしれないので注意が必要です。
- メールと郵送のどちらで依頼していたか
- どこに依頼を送っていたか(アドレスや住所など)
- 記載漏れや記載内容に誤りはないか
- そもそもきちんと依頼できているか
最低でも上記4点は確認し、自社側で依頼が問題ないことを確認したうえで催促電話をかけるようにしましょう。
注意点3.催促の対象物がないか確認
催促電話をかけるときは、かける直前に入金や必要書類が到着していないかを必ず確認しましょう。
催促する直前に入金処理が完了していたり、必要書類が配送されていたりすることも多いです。自社の確認不足にもかかわらず催促電話をかけてしまうと、相手企業との信頼関係が悪化するかもしれません。
入れ違いの可能性も考慮したうえで、事前に対象物の到着確認は徹底しておきましょう。
2.ビジネスマナーを弁えた催促電話の3つのコツ
ビジネスマナーを弁えた催促電話をかけるときは、以下3つのコツを意識するのがおすすめです。
- 第一声のトーンや話し方
- 謙虚な姿勢と伝え方
- クッション言葉
3つのコツについて、詳しくみていきましょう。
ポイント1.第一声のトーンや話し方
催促電話をかけるときは、第一声のトーンや話し方を意識しましょう。電話という顔が見えないツールだからこそ、声の印象が重要です。
電話の第一声は相手にいい印象を与えられるよう、明るく聞き取りやすい声で話すことを心がけてください。また、必ず社名と自分の名前は名乗りましょう。
社名と自分の名前を名乗ったら、「お忙しいところ恐れ入ります。」といった一文を付け加えて相手の都合を聞き、電話の要件を伝えるのがおすすめです。
ポイント2.謙虚な姿勢と伝え方
催促電話というデリケートな内容だからこそ、内容の伝え方には気を使う必要があります。相手を責めるような言い方にならないよう、謙虚な姿勢を取るようにしましょう。
また、一方的に話を進めるのも、催促電話ではNGです。質問と回答を繰り返すように話を進めて、会話のキャッチボールが成立するようにしましょう。
会話のキャッチボールが生まれれば、自然と雰囲気も良くなります。
ポイント3.クッション言葉
催促電話をかけるとき、クッション言葉を使うのがおすすめです。
クッション言葉を使ってから用件を伝えることで、相手の立場を思いやっていることが伝わりやすくなります。
クッション言葉として利用できるおすすめのフレーズは以下の通りです。
- お忙しいところ恐れ入りますが~
- ご多忙中と存じますが~
- ご検討いただいているところと存じますが~
- 急かすようで大変恐縮ですが~
- たびたびのご連絡となり恐れ入りますが~
なお、クッション言葉をあまりに多用しすぎるのもよくありません。相手が煩わしさを感じます。
クッション言葉は必要なところだけ、適切なフレーズを使うようにしましょう。
3.催促電話で使える会話例文やフレーズ集
ここでは催促電話の時に使える会話の例文やフレーズを、以下3パターンに合わせて紹介します。
- 支払いや未入金催促の場合
- 見積もりや請求書催促の場合
- その他の場合
催促電話でどう話せばいいかわからないときの参考にしてください。
パターン1.支払いや未入金催促の場合
支払いや未入金は、催促電話の中でもデリケートな内容に入ります。そのため、丁寧な言葉遣いを意識して相手の気分を害さないようにしましょう。
例文①
お忙しいところ恐れ入ります。
【会社名】の【名前】と申します。
この度は【商品名/サービス名】のご購入、ありがとうございました。
本日は【商品名/サービス名】の入金確認ができておらず、お電話させていただきました。
行き違いのご連絡でしたら申し訳ありません。
恐れ入りますが、【商品名/サービス名】の入金日を教えていただけますでしょうか。
例文②
お忙しいところ恐れ入ります。
【会社名】の【名前】と申します。
この度は【商品名/サービス名】のご購入、ありがとうございました。
先日お送りした請求書について、入金確認ができておらず、請求書が届いてないのではないかと思いご連絡させていただきました。
行き違いのご連絡でしたら申し訳ありません。
○月○日の〇時頃にメールにてお送りさせていただいておりますが、貴社のもとに届いておりますでしょうか。
ご多忙中と存じますが、ご確認いただけますと幸いです。
パターン2.見積もりや請求書催促の場合
見積もりや請求書催促は、会計処理や契約を進める上で必要な書類です。
催促時は届いていない旨をただ伝えるだけではなく、支払いが遅れてしまう可能性なども含めて、相手企業のことも考えて話しましょう。
例文①
いつもお世話になっております。
【会社名】の【名前】と申します。
お忙しいところ恐れ入ります、○月分の請求書につきまして弊社の方で到着が確認できておりません。
請求書の到着が遅れてしまいますと、ご入金が遅くなってしまいます。
行き違いのご連絡であれば大変申し訳ないのですが、一度ご確認いただけますでしょうか。
例文②
いつもお世話になっております。
【会社名】の【名前】と申します。
先日は貴社の【商品名/サービス名】のご案内ありがとうございました。
本日は【商品名/サービス名】のお見積もりの到着が確認できておらず、お電話差し上げました。
行き違いのご連絡でしたら申し訳ありません。
お手数をおかけしますが、貴社とのお取引をスムーズに進めるためにも、一度送付済みかご確認いただけますでしょうか。
パターン3.その他の場合
取引先に案件を依頼する場合や打ち合わせをお願いする場合にも、催促電話が必要な場合があります。
入金や請求書催促に比べれば催促しやすいものの、相手の気分を害さないように注意が必要です。
例文①
いつもお世話になっております。
【会社名】の【名前】と申します。
○月○日に、【案件名】のご依頼をメールにてお送りいたしましたが、ご返信が確認できておらずご連絡させていただきました。
うまくメールが届いていない可能性もあるのですが、内容はご確認いただけておりますでしょうか。
例文②
いつもお世話になっております。
【会社名】の【名前】と申します。
○月○日にお打ち合わせをご依頼させていただきましたが、ご都合はいかがでしょうか。
スケジュールが難しければ別日にて調整いたしますので、お手数ですがご確認いただけますでしょうか。
4.催促電話に関するよくあるQ&A
催促電話に関して調査する中で、以下2つの疑問を抱いている人が多く見られました。
- 相手が不在の場合は?
- メールで催促してもよい?
2つの疑問について、詳しくみていきましょう。
相手が不在の場合は?
催促電話をかけたものの、相手が会議や休みなどで離席しているケースは多いです。
その場合は、日付や時間を改めて自分からかけなおすようにしましょう。
また、可能であれば相手のスケジュールを確認しておくことで、2回・3回と電話をかける手間がなくなります。場合によって、相手からかけなおすことを提案されるケースもありますが、提案は断ったうえで自分からかけなおすのが無難です。
伝言や要件伺いに関しても、相手担当者のことを考えると他者に伝えるべきではありません。「直接本人に伝えます」として、その場で何も話さないようにしましょう。
メールで催促してもよい?
メールでの催促が適しているかは、内容や要件によって大きく変わります。
例えば、期日まで数日しかないような要件をメールで伝えるのはNGです。メールの確認タイミングは人それぞれで、場合によっては期日当日に相手担当者がメールを見るかもしれません。
逆に急ぎの内容でない場合は、一度メールで催促した方が良いこともあります。例えば、出欠の催促はメールで行うのが適しています。文章として内容を残しておくことで、催促電話をかける際にも要件がスムーズに伝わるでしょう。
必ずしも電話で催促する必要はないため、臨機応変に対応するようにしましょう。
催促の電話は丁寧に進めよう
今回は催促電話のコツや注意点について解説してきました。結論として、催促電話には相手の立場を尊重した話し方が必要です。
相手を責める姿勢はとらず、クッション言葉やお願いするような話し方を意識しましょう。
うまく催促電話ができれば、相手との関係を保ちながら仕事を円滑に進められます。この記事で紹介した内容をもとに、うまく催促電話を掛けられるように心がけてください。