BCP対策としてバックアップを行いたいが、データ損失のリスクやコストが不安というお悩みはありませんか。
近年では、バックアップ技術も進んでおり、企業のBCP対策も盛んに行われるようになりました。
この記事では、BCP対策としてのバックアップについて解説いたします。
BCP対策のバックアップ手法、クラウドのメリット・デメリットについても解説しているので、この機会に自社のBCP対策を検討してみましょう。
目次
BCP対策でのバックアップは外付けHDDやNAS(ネットワークHDD)導入で可能
BCP対策でバックアップを行うだけであれば、外付けHDDやNAS(ネットワークHDD)を導入すれば、誰でも簡単に対策を行えます。
しかし、企業データは膨大である上、盗難や紛失といったリスクを考えるとバックアップを取る手法としてはかなり心もとないと言えるでしょう。
このようなデータ保管は煩雑になるため、情報漏洩に繋がりやすく、セキュリティ面から見ても決して万全とは言えません。
そこで、後述する手法を参考にして、ぜひBCP対策としておすすめのバックアップ手法をご検討ください。
データのバックアップは遠隔地でも可能
いわゆる「遠隔地バックアップ」のことを言います。
遠隔地バックアップとは、災害に備えてバックアップデータを遠隔地に保管することです。
本社から離れた地域にデータを複製させるこの手法は、金融機関や大企業を中心に使われてきました。
近年では、自治体や中小企業まで利用が盛んになっており、事業継続計画に対する関心がより高まっていると言えます。
そんな遠隔地バックアップですが、具体的には以下の2つの手法があります。
- 物理バックアップ
- ネットワークバックアップ
それぞれ解説していきます。
物理バックアップ
「物理」という言葉のとおり、バックアップしたデータを遠隔地に運んで保管する方法のことです。
車を使って遠方地までデータを運ぶため、「時間がかかる」ことと「移送中のリスク」を考える必要があります。
移送中に交通事故が起こった場合はデータ移送のタイムロスに繋がる上、最悪データ消失に繋がることも考えられるでしょう。
そのため、2022年現在では時間やコストがかかるリスクが高い手法とみなされています。
ネットワークバックアップ
ネットワーク経由でバックアップを行うため、物理バックアップと比べて「時間」と「コスト」で大きな優位性があります。
ネットワークバックアップには、業務に使うデータのみをバックアップする方法と自社システムを丸ごとバックアップする方法の2つがあります。
業務に使うデータのみをバックアップする方法は、復旧に時間がかかるリスクがあるものの、コストを抑えられる方法です。
自社システムを丸ごとバックアップする方法は、コストがかかるものの、業務再開までスピーディーにデータを複製できます。
2022年時点では、ネットワークバックアップを利用する企業が多いと言われています。
遠隔地バックアップのメリットとデメリット
BCPにおいて遠隔地バックアップを取ることで以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット:データ損失リスクの軽減
重要なデータを消失するリスクが低くなることで、災害発生後においても事業継続や復旧が可能です。
遠隔地バックアップでは、データセンターにデータが保管されているのが一般的です。
データセンターは、火災や津波、地震といった災害に強い構造をしているため、自社でバックアップを取ることより、さらに安全にデータを守れます。
仮にバックアップデータを厳重に保管するために、堅牢な建物にするのであれば、莫大な時間と費用がかかってしまいます。
また、データセンターにデータを預けることで局所的な災害被害を分散できるため、万が一であっても全てのバックアップデータが消失することは考えにくいでしょう。
デメリット:コストがかかる
遠隔地バックアップのデメリットはコストがかかる点です。
遠隔地までデータを長期間保管してもらうことは、固定費として毎月サービス費用を企業に支払う必要があります。
コストに関して言えば、他のバックアップ手法と比べてやや高めであるだけで遠隔地バックアップ自体の費用が高額かどうかは一概には言えません。
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BCP対策をクラウドで行うと低コストでバックアップが可能
遠隔地バックアップとクラウドが異なるのは、クラウドは場所に囚われずにデータを管理できる点です。
クラウドを日本語に翻訳すると「雲」という名前のとおり、どこでもデータを見ることができる利点は他のデータセンターにはありません。
遠隔地バックアップの場合、遠方のデータセンターにバックアップデータを預けるため、その分、物理的距離が発生します。
また、ネットワークバックアップとクラウドバックアップは、ネットワークを使用するかどうかの違いはあるものの、データをどの場所でも管理できる点は変わらないため、企業が使いやすいバックアップ手法を取ると良いでしょう。
そんなクラウドですが、BCP対策ではどのようなメリットがあるのでしょうか。以下の2つがあります。
- データ消失のリスクが低い
- 低コストで導入できる
それぞれ解説していきます。
データ消失のリスクが低い
地震や津波、火災といった災害によって、自社の倒壊や破損でバックアップデータごと消失するリスクがクラウドだと少なくなります。
クラウドは、インターネット上にデータを保管しているため、災害によるデータ消失が起こりにくくインターネット環境さえあれば復旧も比較的容易に行えます。
低コストで導入できる
低価格な月額料金を打ち出しているサービスが多く、契約方法もシンプルでデータ保管も容易に行えます。
セキュリティの高さもアピールしている企業が多いものの、比較的新しいバックアップ手法なので未知数な点が多いことは否めません。
そのため、実際にサービス内容の詳細を把握し、自社に適したBCP対策のバックアップ手法を取ることが求められるでしょう。
BCP対策でのバックアップをクラウドでまかなうときの注意点とは
クラウドでBCP対策を行うときは2つの注意点があります。それは以下のとおりです。
- バックアップ容量によってコストが増える
- クラウドとは別の媒体でバックアップを用意する
それぞれ解説していきます。
バックアップ容量によってコストが増える
クラウドは、データ量に応じて料金が変動する仕組みです。
データ量が多ければ多いほど当然コストが高くなってしまうため、あらかじめ月額料金を確認する必要があります。
BCP対策でクラウドを利用する場合だとバックアップデータ量も多くなる傾向があるでしょう。
クラウドによるデータ保存は場所に関係なく利用できるため、闇雲にデータをバックアップしがちですが、コストが上がる原因になるので避けましょう。
データ量を節約するには、重複排除や古いデータの削除、使わないデータの整理だけでも十分効果があります。
クラウドとは別の媒体でバックアップを用意する
データのバックアップができる点からクラウドが重要視されてきましたが、1つのクラウドに自社の全データを預けることは避けましょう。
なぜなら、万が一、クラウド上の保管データが災害により消失してしまうと事業継続が困難になってしまうからです。
おすすめの方法は、バックアップデータを複数(2つ以上)用意して、別の場所にそれぞれ保管しておくことです。
また、もう一つのバックアップデータの保管方法は、クラウドを使わなくても大きな問題ではありません。
BCPバックアップサービス選定での注意点とは
BCPバックアップサービス選定では2つの注意点があり、それが以下になります。
- セキュリティ対策の有無
- バックアップの目的が明確であるか
それぞれ解説していきます。
セキュリティ対策が行われているか
セキュリティ対策をしっかり行われているかどうかは、自社のセキュリティポリシーに則ったサービスを選ぶ必要があります。
たとえば、ファイルの暗号化やサイバー攻撃の対応時などが挙げられ、セキュリティ対策が堅牢であるサービスを選ぶようにしましょう。
バックアップの目的が明確であるか
バックアップの目的が、クラウドにデータを移行させるだけであるのならば「オンラインストレージ」の利用が有効です。
しかし、データのみならずシステムごとバックアップして災害による企業の経済損失を防ぎたいのであれば、データセンターの活用は必須です。
バックアップの目的がBCP対策であれば、災害対策を行っているサービスを利用するとよいでしょう。
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まとめ
BCP対策への関心が高まり、災害が発生したときのリスクについて考える企業が増えてきました。
しかしバックアップを効果的に行うには、企業それぞれの手法にあったものを選ぶ必要があります。
最適な方法を選び、災害からデータを守れるように日頃から備えておきましょう。