【コラム】生成AIを使う中小企業は8割超、4割は無料版だけ|社内データを外に出さない「オンプレミスAI」という選択肢

【コラム】生成AIを使う中小企業は8割超、4割は無料版だけ|社内データを外に出さない「オンプレミスAI」という選択肢

生成AIは、中小企業でもすっかり身近な道具になりました。

東京商工会議所の調査では、DXに取り組む中小企業の8割超がすでに生成AIを活用しています。一方で、そのうち4割は無料ツールだけで済ませており、社内ルールを作っている企業は1割にも届きません。

社員がAIに入力したその情報、どこに送られているかご存じでしょうか。

 

活用は83.9%、ただし無料ツールのみが43.2%

東京商工会議所は2026年6月17日、「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査」の結果を公表しました(※1)。主に東京23区内の中小企業1,272社が回答しています。

ITを業務に取り入れている企業のうち、生成AIを活用していると答えたのは83.9%でした。期待する成果では「作業時間の短縮」が86.2%で最も多く、効率化の手段として定着しつつあることがわかります。

気になるのは使い方です。生成AIを活用する企業のうち43.2%が「無料ツールのみ」と回答しました。有料と無料を併用する43.7%を合わせると、86.8%が何らかの形で無料ツールを使っています(※1)。

 

ルールを作っている企業は7.7%、課題の1位は「セキュリティ」

社内資料をAIチャットに入力しようとする社員と心配そうに画面をのぞき込む上司

同じ調査で、生成AIの社内指針やガイドラインを「策定している」企業は7.7%にとどまりました(※1)。生成AIを使ううえでの課題を尋ねた質問では、「セキュリティの確保」が46.7%で最多です。

東京商工会議所は、会社として方針や管理ルールを整えないまま、社員が独自に生成AIを使う状態を「シャドーAI」と呼び、リスクに挙げています(※1)。無料のサービスは、入力した内容がAIの学習に使われる設定になっている場合があります。顧客名や見積金額、社内資料をそのまま貼り付ければ、社外のサーバーに送られることになります。

AIをめぐるリスクは、国の機関も重く見ています。IPA(情報処理推進機構)が2026年1月に発表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が組織向けの3位に初めて入りました(※2)。理解が不十分なままAIを使うことによる意図しない情報漏えいも、その一例として挙げられています。

 

まずは「何を入力してよいか」を決める

最初の一歩は、高価な仕組みを入れることではありません。どの情報ならAIに入力してよいかを決め、社員に共有することです。あわせて、使っているサービスの学習設定を確認し、業務では法人向けのプランに切り替えるだけでも、リスクは大きく下げられます。

社員がどのツールを使っているかを把握したい場合は、LANSCOPE クラウド版の紹介記事のようなIT資産管理ツールが役立ちます。情報漏洩対策の全体像は、企業向けの情報漏洩対策の記事で原因・リスク別に整理しています。

 

社内データこそAIで活かしたいなら「オンプレミスAI」

クラウドへデータが送られるクラウド型AIと社内でデータが完結するオンプレミスAIの比較図

一方で、AIの効果が最も大きいのは、契約書や技術資料、顧客対応の履歴といった社内データを使う場面です。ところが、こうした情報ほど「社外に出せない」という理由で、AIに任せられずにいる企業も少なくありません。

その解決策の1つが、AIを自社のネットワーク内に置いて動かす「オンプレミスAI」です。入力も回答もすべて社内で完結するため、データが外部のクラウドに送られることはありません。利用量に応じた従量課金がなく、社員が増えても費用を見通しやすい点も特徴です。

仕組みやクラウド型AIとの違いは、オンプレミスAI「SapiaBox」の解説記事で詳しく紹介しています。

自社の規模や用途で導入費用がどれくらいかかるのかは、SapiaBoxのお見積もりページから相談できます。

 

「便利だから使う」から「安心して使える」へ

生成AIは、すでに多くの中小企業で欠かせない道具になりつつあります。

だからこそ、無料ツールを各自の判断で使い続ける状態からは、早めに抜け出したいところです。

まずは入力してよい情報のルールづくりから始めてください。そのうえで、社内データまでAIで活かしたい段階に来たら、データを外に出さないオンプレミスAIも検討してみてはいかがでしょうか。

 


※出典※
※1 東京商工会議所「『中小企業のデジタルシフト・DX実態調査』集計結果」(2026年6月17日公表、調査期間2026年3月25日〜4月15日) https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1209648
※2 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ10大脅威 2026」(2026年1月29日) https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20260129.html