「補助金や助成金ってどうすれば受給できる?申請のコツは?」
「補助金と助成金の違いは?」
こんなお悩みをこの記事で解消します。
この記事を読めば、「補助金」と「助成金」2つの意味と違い、利用方法を知る事ができ、事業の利益拡大にもつながります。
目次
- 1 補助金・助成金の違いとは?
- 2 補助金って何?その目的とは
- 3 補助金を受け取るポイント
- 4 助成金を受け取るポイント
- 5 補助金の仕組みとは?
- 6 補助金をまとめました
- 7 助成金とは?
- 8 雇用系の公的助成金が支給される取り組みについて
- 8.1 雇用維持の場合⇒雇用調整助成金
- 8.2 離職者への再就職支援
- 8.3 中途採用・UIJターンへの対応
- 8.4 障がい者の職場定着支援について
- 8.5 起業に関する対応にかかる助成金について
- 8.6 新たな労働者の雇用 ⇒ 特定求職者雇用開発助成金
- 8.7 トライアル雇用(一定期間の試行的雇入れ)について
- 8.8 契約社員・パート・派遣社員等の処遇改善 ⇒ キャリアアップ助成金・キャリア形成促進助成金
- 8.9 雇用環境を整備する対応 ⇒ 人材確保等支援助成金仕事と家庭の両立の支援等 ⇒ 両立支援等助成金
- 8.10 職業能力向上(職業訓練を実施)
- 8.11 助成金受給までの大まかな流れ
- 8.12 雇用系公的助成金の条件について
- 9 助成金についてのまとめ
- 10 この記事のまとめ
補助金・助成金の違いとは?
補助金と助成金は事業を行うときに、国や地方公共団体がお金を支給してくれる制度です。
借りることとは異なる為、どちらも返済不要です。
「では、何が違うのか?」というと、違いは「予算」と「期限」「その目的」にあります。
支給される数が決まっているので、応募件数が多いと抽選や応募が早い順になる為、支給されない場合もある。
・助成金
一定の条件をクリアする必要があるが、クリアできれば基本的には支給される
「条件を満たしていればもらえるなら、助成金の方が得じゃないか?」と感じますよね。
しかし、2つある理由には「支給の目的」に差があります。
補助金って何?その目的とは
補助金は、先ほど事業を行うために、国や地方公共団体がお金を支給してくれる制度と説明しました。
補助金はおよそ1か月間の応募期間が設けられていて、期間内に所定の場所へ申請すると応募ができます。
応募数が多いと、事業内容などを審査して決められるので、応募する際の事業内容が重要になります。
では、補助金を貰う目的は?というと、一言で言えば「事業を成長させるため」になります。
申請時に事業内容を記入する必要があることから、補助金を使って事業を成長させていく、事業の課題を見直していくことが大事です。
申請書の記載内容について
冒頭でも説明しましたが、補助金をもらうためには申請をします。
申請時のには、事業内容を明確に書く必要があります。
つまり、申請書は「どんな事業をやるのか、どんな計画を立てているのか」を記入する書類。
一言で言うならば「事業計画書」です。
具体的に記載しておきたいことは次の通り
- 事業内容
- 市場規模
- ニーズ調査
- 費用
- 競合との差別化ポイント
- 収支の数値化
事業内容、市場の規模やニーズはもちろん、自社が競合と差別化できるポイントや魅力も記載しておくべきでしょう。
事業の収支が数値化されていて明確になっていれば根拠として問題ないです。
補助金を受け取るポイント
補助金の申請を受けるときのポイントは大きく3つ。
- 資金が準備できているか
- 明確な収支を数値化しておく
- 補助金制度の目的を理解する
補助金の1番大きなポイントですが、補助金は後払いです。
つまり、事業にかかる費用は最初は自社で負担をする必要があり、「必要な資金を補助金で賄おう」という考えでは失敗します。
そのため、前もって金融機関から調達するか、貯蓄をして資金が手元にある状態にしておきましょう。
収支の数値化も重要で、自分が審査する側になったとき、明確な数値がない事業内容を見せられても根拠がないので不安です。
それと一緒で、売上の目標と達成するための道筋、数値化された根拠を明記しておくほうが審査に通りやすくなります。
補助金制度の目的を理解することも重要ですが、申請する内容が目的に沿っているか、必ず募集要項をチェックしましょう。
補助金のメリット
補助金のメリットは次の通り
- 返済が不要
- 補助金は助成金に比べ支給額が大きい場合ある
- 助成金より種類が多い
- 評価の実績になる
1つずつ解説していきます。
返済が不要
補助金をもらうメリットは、「基本的に返済不要のお金が支給される」ことです。
(場合によって返済が必要になる場合もありますので注意が必要です。)
法人が、銀行などから融資を受ける場合には、比較的金利は低いですがその分返済期間も短めに設定させる特徴がありますが、
いくら金利が低くても返済が必要なため、事業者にとってはネックになりがちです。
しかし、補助金であれば、おおよそ費用の1/2や1/3くらいを目安に支給が行われるので事業者にとっては相当大きいメリットといえます。
助成金に比べて支給額が大きい場合が多い
事業規模によりますが、金額も助成金に比べると大きく場合によっては数億円の支給もあるのが特徴。
支給金額が多いのは事業者にとっては大きなメリットです。
助成金より種類が多い
補助金は予算が組まれた後で募集を開始するので、4月・5月ごろに開始されるのが普通です。
さらに、追加で募集するケースもあるので1次募集でダメでも2次募集で対象になる場合があります。
評価の実績になる
メリットとして、「事業評価が上がる」というメリットもあります。
事業者向けの補助金はは、書類を書いて申請したらもらえるわけではありません。
書類審査に含めて、面接審査などもある為、申請事業がすべての審査を通過して支給されるのです。
その為、厳しい審査に通過した肩書をもらえるので、事業価値がアップし融資などの際には企業の信頼度も上がるのです。
補助金の注意点
補助金を受けるときの注意点はこちら
- 公募の期間が短い
- 支給されるまで時間がかかる
- 審査の合格率が40%
- 事業全部の支給が受けられない場合もある
1番注意すべきは支給されるまで時間がかかること。
具体的には約1年後の支給になるので、資金繰りをうまく調整しましょう。
審査も倍率が高く、2次募集があるとはいえ、もらえない可能性もあるので注意です。
また、審査に通っても事業内容のすべてが支給されるかはわかりませんので、審査後の支給額を把握しておく必要がありますね。
助成金を受け取るポイント
助成金を受け取るポイントは、しっかり要件に合った取り組みならほぼ確実に支給してもらえること。
だからこそ、申請時に実施する内容を偽りなく記載しましょう。
助成金のメリット
助成金のメリットは次の通り
- 返済不要
- 売上ではなく、雑所得になる
- いつでも応募できる
- 補助金より支給されやすい
1つずつ解説していきます。
返済が不要
助成金も補助金と同様に「基本的に返済不要のお金が支給される」ことです。
法人が、銀行などから融資を受ける場合には、比較的金利は低いですがその分返済期間も短めに設定させる特徴がありますが、
いくら金利が低くても返済が必要なため、事業者にとってはネックになりがちです。
しかし、補助金であれば、おおよそ費用の1/2や1/3くらいを目安に支給が行われるので事業者にとっては相当大きいメリットといえます。
売上ではなく、雑所得になる
助成金は、売上で処理されず「雑所得」として処理されます。
なので、もらった金額の使い道は自由なのです。
新たな事業へと投資したり、融資の返済へ充てたり、従業員の賞与としたり。。。
使い道が多いのは、大きなメリットになります。
いつでも応募できる
助成金は、補助金と異なり、基本的にはいつでも応募する事が可能です。
補助金は公募期間が短い為、「応募を後回しにして期間を逃してしまった」なんてことは多々ありますが
助成金は、申請期間が長かったり常に公募しているものもある為安心です。
補助金より支給されやすい
助成金は、補助金よりも圧倒的に支給されやすいです。
基本的には、申請条件に沿っていればほぼ確実に支給されます。
逆に言えば、条件が一つでも当てはまらない場合は確実に支給されません。
助成金の注意点
助成金は基本的にいつでも応募できますが、助成金は多くの申請がある為稀に応募期間が短縮される場合もあります。
「いつでも応募できるから」といって後回しにしていると終了している可能性があるので気を付けましょう。
補助金の仕組みとは?
補助金の仕組みを知れば、審査に通りやすくなるでしょう。
仕組みを覚えて、申請のタイミングなどを知っておきましょう。
仕組み
補助金の仕組みは法人税から成り立っています。
財源が税金なので、法人税を払っているからには補助金は活用していかないと正直もったいないです。
逆に言えば、法人税を滞納している企業は補助金を利用する権利はないので注意しましょう。
補助金の対象になる費用とは?
補助金の対象になる費用は以下の通り
- 原材料、開発に必要な設備費
- 人件費
- 外注費
- 市場のニーズやマーケティング費
- 外注、委託費
- 専門家による指導を受けた場合の費用
主に使われるのはこの辺りになるでしょう。
事業に必要な費用はある程度カバーされているのは心強いです。
また、種類によって受給できる額や経費に対して受給できる額も決まっています。
審査の際によく確認しておかないと資金繰りが狂うので把握が必須です。
受給までどれくらいかかるのか
受給されるまでには、ある程度期間が必要なので注意しましょう。
審査に通ったらすぐにもらえるのではなく、事業が完了して完成報告ができてやっと支給されます。
この仕組みを知らずに、先んじて投資などを行うと資金がショートし兼ねないので、注意しましょう。
国の政策との関係性はあるのか
補助金は政府の制作と深くかかわりがあります。
なぜなら、政府が産業を繫栄させたいときは応募数や支給総額も増加するからです。
よって、国の景気や情勢によって左右され、タイミングも重要になってきます。
補助金をまとめました
以上、補助金は事業を成長させるために企業が申請できる給付金ということが分かりました。
- 返済不要
- 支給までにラグがある
- 審査が厳しい
- 応募期間と枠が設定されていて、もらえる数に限りがある
などの特徴があります。
事業を成長させるには申請しないと損なので活用していきましょう。
助成金とは?
助成金は雇用や人材に関する支給、労働環境の整備に関する支給がもらえる制度。
一般的には雇用維持や人材を育成するための費用として使われます。
助成金は補助金と違って支給されやすいので、条件が合えば積極的に応募したいところです。
雇用系の公的助成金が支給される取り組みについて
雇用系公的助成金とは、厚生労働省を中心に雇用の維持や企業の経営を手助けする返金不要の資金。
公的助成金が支給される11の取り組みは以下の通り
- 労働者の雇用の維持
- 離職者に対する再就職支援
- 中途採用・UIJターンへの対応
- 障がい者の職場定着支援について
- 起業に関する対応にかかる助成金について
- 新たな労働者の雇用 ⇒ 特定求職者雇用開発助成金
- トライアル雇用(一定期間の試行的雇入れ)について
- 契約社員・パート・派遣社員等の処遇改善 ⇒ キャリアアップ助成金・キャリア形成促進助成金
- 雇用環境を整備する対応 ⇒ 人材確保等支援助成金
- 仕事と家庭の両立の支援等 ⇒ 両立支援等助成金
- 職業能力向上(職業訓練を実施)
- 仕事と家庭の両立の支援等⇒両立支援等助成金
- 職業能力向上(職業訓練を実施)
1つずつ解説していきます。
雇用維持の場合⇒雇用調整助成金
雇用維持の目的のため、助成金を支給してもらう取り組み。
最近の事例だと、新型コロナウイルスの影響で事業の活動自粛を余儀なくされた場合に従業員の雇用を維持するため、
休業を実施する事業主に休業手当などの支給をするものです。
新型コロナウイルスで事業の売り上げが低下した場合にも支給されます。
また、教育訓練といい、就職困難の人を雇う際に教育訓練を受ける公的助成金を受け取ることもできます。
離職者への再就職支援
離職をされてしまった労働者に支援をする取り組み。
最近の事例ですと、新型コロナウイルスの影響で事業規模を縮小せざるを得ない状況になった事業主に支給されました。
助成金の種類は2つあります。
再就職支援コース→離職する労働者の再就職支援を職業紹介事業者に委託して再就職を実現したときの助成金
早期雇い入れ支援コース→対象者を離職後3か月以内に期間の定めない労働者として雇い入れ、継続して雇用するのが確実な事業主に対する助成金。
中途採用・UIJターンへの対応
中途採用や人手不足を改善するためにUIJターンの対応をした助成金。
UIJターンとは、地方から都市に移住した人がもう一度地方に帰ってくること。
中途採用を拡大したい企業や人手不足の改善をしたい企業はぜひ取り組んでみましょう。
助成金の種類は2つあります。
中途採用拡大コース→中途採用者の労働時間などを管理したうえで、中途採用の拡大に取り組む事業主に対する助成金。
UIJターンコース→東京から移住した労働者を雇い入れた事業主に、採用活動の費用の一部を支援する助成金。
障がい者の職場定着支援について
障害に応じた働き方や雇用方法をする事業主に対する助成金です。
障がい者の雇用を支援するコースや形態がたくさんあるのが特徴です。
障がい者の雇用の安定は、社会的な面でも良い影響があり、障害のレベルによっても分けられています。
起業に関する対応にかかる助成金について
起業日の年齢が40歳を超えている事業主が労働者を雇うと、採用費用や教育訓練の扶養が一部支給される助成金。
40代の方で企業を考えている方にはとても嬉しい情報ですが、あまり知られていない現状です。
新たな労働者の雇用 ⇒ 特定求職者雇用開発助成金
高齢者や障がい者などの就職が難しい人を雇うことで支給される助成金。
すべての人に働きがいを持ってもらうことで、経済の活性化にもつなげています。
トライアル雇用(一定期間の試行的雇入れ)について
労働からある程度離れている求職者を雇用すると、最大3か月の試行的雇い入れに対し月額4万円が支給される助成金。
労働者と職場の適正を見たり、試行的雇い入れから正式な雇用をスムーズに行うためのトライアル雇用です。
コース一覧
- 一般トライアル
- 障がい者トライアル
- 障がい者短時間トライアル
- 女性建設労働者トライアル
契約社員・パート・派遣社員等の処遇改善 ⇒ キャリアアップ助成金・キャリア形成促進助成金
契約社員やパート、派遣社員などの非正規雇用の方をキャリアアップさせ、雇用社員にするための助成金。
仕事の技能や知識を学べる訓練を実施する事業主に支給されます。
雇用環境を整備する対応 ⇒ 人材確保等支援助成金仕事と家庭の両立の支援等 ⇒ 両立支援等助成金
従業員の仕事と家庭を両立させるために、雇用環境の支援に取り組んだ事業主に支給される助成金。
女性が妊娠や育休で長期間離れても、復帰後に安定して仕事ができるような取り組みをした場合などにかかった費用などを支給してもらえます。
雇用環境の整備は従業員も事業主もお互いに嬉しい制度ですので、従業員の満足度向上にもつながります。
職業能力向上(職業訓練を実施)
こちらは正社員の職務の能力を向上するために、事業主が訓練を実施すると支給される助成金。
「人材開発支援助成金」と言われる助成金で、研修費や研修中の賃金の一部を支給できます。
コース一覧
一般訓練コース
特定訓練コース
教育訓練休暇付与コース
特別育成訓練コース
建設労働者認定訓練コース
建設労働者技能実習コース
障碍者職業能力開発コース
費用を一部負担してもらえながら、チームの技術の向上ができるので、事業主にはありがたい制度です。
助成金受給までの大まかな流れ
助成金を受給するために行う大まかな流れについて解説していきます。
①助成金の支給要件に沿った実施計画書を提出
②計画した実施を実施して完了させる
③助成金を申請する
④支給要件に沿っていれば支給される
以上が支給までの流れで、補助金と同じく後払いなのは注意です。ですが、要件に沿った申請をすれば高い確率で支給されます。
雇用系公的助成金の条件について
先ほど紹介した11個の雇用系公的助成金には受給する条件があります。
条件を満たしていないと受給できないので、確認必須です。
- 書類の提出漏れがない
- 雇用保険に加入している
- 過去3年間不正受給をしていない
- 2年以上労働保険の滞納をしていない
- 1年以上労働法などの法律に違反していない
要は、不正や滞納をしていなければいいのです。当たり前ですがしっかりと国のルールに沿って、ルールを活用していきましょう。
助成金についてのまとめ
助成金は主に人材育成や雇用に関する支給です。
- しっかり要件に合った取り組みならほぼ確実に支給してもらえること。
- 売上ではなく、雑所得になる
- いつでも応募できる
- 補助金より支給されやすい
- 人気の助成金は応募期間が短縮される場合がある。
などの特徴があります。
この記事のまとめ
この記事では補助金と助成金の違いから、2つの特徴や支給してもらうための要件などをまとめました。
「補助金は企業を成長させる手助けとなる支給」「助成金は雇用や人材を支える手助けとなる支給」言葉は似ていても内容は違うものです。
頭の片隅に残しておきたい注意点は、2つとも「後払い」なこと。資金繰りが狂って大失敗しないよう、覚えておきましょう。
利用するメリットは確実にあるので、必要な企業は種類を見極めて積極的に取り組んでいくと、新規事業、雇用関係に効果的な施策が打てます。