スマホで使えるクラウド型動態管理システムおすすめ3選

動態管理システムは、物流業界や運送業界などで、車両やドライバーの位置情報や運行状況を営業車両内に搭載したGPSを利用してリアルタイムで把握できるシステムです。

動態管理システムを利用することで社内にいる管理者がPC上で社用車や現場運転者の状態をリアルタイムで管理・把握しやすくなります。運転・配車の業務効率を高めるためには動態管理システムの活用が必要です。

動態管理システムには車載器の内容によっていくつかタイプがありますが、中でもスマホを活用したクラウド型の動態管理システムは、スマートフォンで操作できる手軽さや、初期費用が安く抑えられる点が評価され、導入している企業が多くあります。

本記事では、動態管理システムの種類や選び方、クラウド型動態管理システムを導入するメリット・デメリットを詳しく解説し、さらにおすすめのクラウド型動態管理システムを3つご紹介します。

クラウド型（スマホアプリ型）動態管理システムの特徴

動態管理システムには、位置情報をリアルタイムで把握できるようにするため、車内にGPSを搭載している車載器を設置する必要があります。

利用する機器や接続方式によっていくつかの種類がありますが、この記事でご紹介しているクラウド型（スマホアプリ型）の動態管理システムの特徴としては、ドライバーのスマートフォンに専用のアプリをインストールして使用するタイプで、スマートフォンのGPS機能を利用して位置情報を取得し、クラウド上でデータを管理します。

追加のハードウェアが不要で、手軽に始められるため、最も導入のハードルが低いシステムです。

メリットとしては、導入コストがほとんどかからないことや、ドライバーが使い慣れたスマートフォンを利用できる点が挙げられます。

デメリットは、スマートフォンのバッテリー消耗が早くなることや、通信状態によってはリアルタイムの情報取得に支障が出る場合がある点が挙げられます。

クラウド型以外のタイプの動態管理システムもある

動態管理システムにはクラウド型（スマホアプリ型）以外にもいくつか種類があるので、少しご紹介します。

1. OBD2ポート型

OBD2ポート型の動態管理システムは、運転席の足元などに取り付けられているOBD2ポート（車両診断ポート）に専用の端末を接続して使用するタイプです。このタイプのシステムは、車両の位置情報だけでなく、エンジンの状態や燃費、走行距離など、車両のさまざまなデータを取得することができます。車両の診断データを活用して運行管理を行うため、メンテナンスの計画や燃費改善の施策を立てることが可能です。

メリットとしては、車両の状態を詳細にモニタリングでき、業者による配線や工事が不要で既存のタコグラフと比べても簡単に設置できます。

デメリットとしては、専用端末の取り付けが必要であるため、導入時に多少の手間がかかることや、OBD2ポートに未対応の古い車両には適用できない場合がある点が挙げられます。

2. ドライブレコーダー型

ドライブレコーダー型は、ドライブレコーダーにGPS機能や通信機能を備えたシステムです。このタイプは、映像記録に加え、リアルタイムの位置情報や走行履歴のデータを取得することができます。事故の記録や安全運転の促進に役立つだけでなく、運行状況を把握して適切な指示を出すことが可能です。

メリットとしては、映像記録と位置情報の管理を同時に行えるため、安全面の強化に繋がる点が挙げられます。

一方で、カメラの設置やデータの管理が必要になるため、システムの運用にある程度の手間がかかることがデメリットです。

3. シガーソケット型

シガーソケット型の動態管理システムは、車両のシガーソケットに簡単に差し込むだけで使用できるタイプです。このシステムは、位置情報の取得が主な機能で、設置が簡単でありながら、基本的な動態管理が可能です。運行管理を手軽に始めたい中小企業や、導入コストを抑えたい場合に適しています。

メリットとしては、機器の設置が非常に簡単で、コストも抑えられることです。

しかし、取得できるデータが位置情報に限られるため、車両の詳細な状態を把握したい場合には物足りないことがデメリットです。

スマホアプリ型以外のタイプの動態管理システムが良い人はこちらの記事をご覧ください。

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動態管理システムの選び方

動態管理システムを選ぶ際のポイントは、業務内容に適した機能が備わっているか、コスト面でのバランスが取れているか、そして導入後のサポート体制が充実しているかなどが重要です。以下の点を基準に、最適なシステムを選びましょう。

おすすめのクラウド型動態管理システム3選

ここからは、特にスマホでの利用に優れたクラウド型動態管理システムを3つご紹介します。

1位：Tcloud for SCM（都築電気株式会社）

「Tcloud for SCM」は都築電気株式会社が提供する、クラウド型の動態管理システムです。

スマートデバイスのみで車両への機器の取り付けも不要でシステム導入ができ、動態管理、作業実績管理、配送予実管理、リアルタイムの交通情報、ナビゲーションまで配送業務の最適化を実現することができます。自社車両だけではなく、委託車両の管理にも適しているシステムです。

また、「日報自動作成機能」によって、営業・運転日報の作成をスマホから取得した運行実績・作業情報を元に自動化で作成でき、終業後の会社に戻ってからの事務作業を行う手間をなくし、残業時間の削減にも貢献できるシステムです。

Tcloud for SCMのおすすめポイント

Tcloud for SCMの主な機能

Tcloud for SCMの料金

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2位：Cariot（株式会社フレクト）

「Cariot」は株式会社フレクトが提供する、動態管理システムです。

今回紹介しているクラウド型の動態管理システムもありますが、月額料金の異なるシガータイプ、ドライブレコーダータイプの動態管理システムの提供も行っています。

リアルタイム情報活用と管理業務のデジタル化を一元的に行うことができ、車両が今どこにいるのか、いつ頃に到着するのかなどを電話を介してやり取りすることなく、対応することができます。

車両の位置情報を確認する作業の効率化によって、電話を介さないで済むため、人件費の削減も可能です。また、配送の遅延を検知すると、配送先に対して自動的にメッセージを送る機能などもあり、効果的に配送できるようになります。

Cariotのおすすめポイント

Cariotの主な機能

Cariotの料金

※シガータイプ（月額2,980円/1車両）、ドライブレコーダータイプ（月額4,780円/1車両）のプランもあります。

3位：ビジネスナビタイム動態管理ソリューション（株式会社ナビタイムジャパン）

「ビジネスナビタイム動態管理ソリューション」は株式会社ナビタイムジャパンが提供するクラウド型動態管理システムです。

配車計画、動態管理、リアルタイムの交通情報、様々な車種に対応したカーナビゲーション、作業実績まで、「移動の最適化」に特化したクラウド型動態管理システムです。動態管理のみではなく、VICSとナビタイム独自のプローブ交通情報を元に解析した精度の高い渋滞予測、カーナビアプリで培ったルート検索技術で、より効率的なルートと正確な到着予想時刻を提供できるカーナビ機能にも強いシステムです。

ビジネスナビタイム動態管理ソリューションのおすすめポイント

ビジネスナビタイム動態管理ソリューションの主な機能

ビジネスナビタイム動態管理ソリューションの料金

クラウド型動態管理システム導入のメリット・デメリット

続いて、クラウド型の動態管理システムを導入する具体的なメリットやデメリットについて解説します。

導入のメリット

クラウド型動態管理システムを導入するメリットとしては以下の点が挙げられます。

リアルタイムでの車両管理による業務効率向上

リアルタイムでの位置情報をはじめとした車両管理ができるため、緊急時やトラブル発生時など急な対応を求められる時にも走行中のドライバーに的確な指示を出すことができます。

また、走行ルートを最適化し、無駄な走行を減らせることで、業務の効率化や経費削減が図れ、生産性や売上アップも期待できます。

安全運転意識の向上

管理者の目が届かない社外で業務を行うドライバーの運転状況を動態管理システムを通して把握できることで、ドライバーに対して適切な安全運転教育ができ、ドライバー側も自身の運転を客観的に知ることができ、動態管理システムによって第三者から管理されていることの意識も働くので、安全運転を心がける動機付けにもなります。

安全運転意識を高めることができた結果、事故の発生件数を減らすことが可能になります。

管理者・ドライバーの業務負担の軽減

動態管理システムを導入することで、ドライバーや運転車両の情報を一元管理できるようになり、紙で管理するよりも管理がしやすく、業務負担を軽減できます。

安全運転管理者側もそうですが、ドライバー側にとっても、業務記録・運転日報といったものをデジタルで記録できるので、紙に手書きで書くより、手間や時間を削減し、業務負担を軽減できます。

導入コストを抑えることができる（スマホがあればOK）

これはスマホを利用したクラウド型特有のメリットで、このタイプの動態管理システムは、スマートフォンがあればサービスを利用することができ、特別な専用機器の購入は不要で導入することができることもあり、導入コストを大幅に抑えることが可能です。

スマホも日々、ドライバーが日頃使い慣れている端末を使用する形になるので、導入による心理的障壁も高いものにはなりにくくなります。

導入のデメリット

逆にクラウド型動態管理システムを導入するデメリットもあり、クラウド型特有のデメリットとしては以下の点が挙げられます。

月額費用がかかる

クラウド型の動態管理システムは専用の機器購入はありませんが、買い切り制の商品ではなく、初期費用の他、毎月アカウント数に応じた月額料金が発生します。

ドライバーが業務外も監視されていると思ってしまう

ドライバーが使用するスマホやタブレットに専用アプリをインストールして使用するため、業務時間外の時間帯もスマホを介して監視されていると思ってしまいます。

業務時間外はデータを取らないように機能のON/OFFを徹底する、業務用のスマホ端末を用意するなど、配慮が必要になります。

通信環境への依存

クラウド型はスマホを介して通信を行うための通信回線が必要です。スマホの電波が通じない、スマホの充電が切れてしまったといった、通信環境が途切れてしまう状態が発生するとリアルタイムでの管理が困難になります。

動態管理システムをスムーズに導入するためのポイント

新たに動態管理システムの導入検討を行うにあたり、いくつかシステム導入を妨げる要因になるハードルがあります。スムーズに動態管理システムを導入したい場合には、以下の点を押さえておくと良いでしょう。

ドライバーに導入メリットを具体的に伝える

動態管理システムを導入することのメリットをドライバーに理解してもらうことで、抵抗感を減らし、スムーズな導入が可能となります。運行効率の向上や安全運転支援の効果を具体的に説明し、日常の業務での利便性を強調しましょう。

ただ、業務効率向上のみのメリットを説明するだけの説明は避けましょう。ドライバー側にとっては業務時間中、常時管理・管理されているといったネガティブな印象を持ってしまう人もいるため、従業員の業務負担の軽減や事故などから従業員を守るためのシステムでもある点を理解してもらい、導入への理解を求めることがポイントです。

データの活用方法を決めておく

動態管理システムを導入する前に、収集したデータをどのように活用するかの利用方法を明確にしておくことがとても重要です。

運行の最適化や安全管理、経営改善に役立つようなデータ活用の方法を「どのタイミングで」「どのように活かす（反映する）か」のルールを決めておくことで、システム導入の効果を最大限に引き出せます。

データをただ記録して眺めるだけの利用方法だと、業務効率や安全性や生産性の向上などは期待できません。動態管理システムから得られるデータをどのように確実に活かしていくかのPDCAサイクルを回していくことができるかが重要です。

導入成果の積極的な共有を行う

システム導入後の効果を関係者に積極的に共有することで、さらなる活用促進や業務改善に繋げることが可能です。運行データの見える化がどのように業務に役立っているのか、具体的な成果を社内で共有しましょう。

社内で情報を共有することで、動態管理システムを導入することに対して、疑問を持っている人の考えを改めることができ、積極的に動態管理システムを利用していく良い流れにつなげることができ、より効果の高いシステム利用が可能になります。

まとめ

スマホを活用したクラウド型動態管理システムは、初期導入コストを抑えつつも、企業の業務効率を大幅に改善し、運行の安全性を向上させる重要なツールです。動態管理システムの特徴を理解し、自社の業務に最適なものを選ぶことで、システムの導入効果を最大化できます。本記事で紹介したおすすめのサービスも参考に、ぜひ自社に合った動態管理システムの導入を検討してください。