「副業解禁元年」といわれる2018年以降、政府は働き方改革の一貫として、副業を積極的に推進するようになりました。それを背景に、周りに副業をしている人が増えたと感じる方も多いのではないでしょうか。
一口に副業といっても多くの種類があります。
中でもフランチャイズは、本部からサポートを受けられたり、既に認知度のある看板を使わせてもらえたりと、たくさんのメリットがある副業です。
この記事では、副業におすすめのフランチャイズや、副業でフランチャイズを選ぶ際のポイントについて紹介します。
フランチャイズの副業について興味がある方や、副業でフランチャイズができるのか気になる方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
副業でフランチャイズはできる
規模別比較 | 小規模フランチャイズ | 大規模フランチャイズ |
メリット | ・無店舗や自宅でも開業可能 ・少額の開業資金 | ・従業員や店舗の管理が必要 ・不労所得を得られる可能性がある |
デメリット | ・大きな収入は見込めない場合が多い ・オーナー自身が就業する必要あり | ・まとまった開業資金が必要 |
主な業種 | ・テイクアウト ・マッサージ ・結婚相談所 ・ハウスクリーニング | ・コンビニエンスストア ・コインランドリー ・学習塾 |
副業でフランチャイズビジネスを行うことは可能です。
フランチャイズビジネスには、コンビニエンスストアに代表されるような大規模フランチャイズだけではなく、テイクアウト店やマッサージ、結婚相談所やハウスクリーニングなど、低資金で始められるフランチャイズも存在します。
これらの店であれば、オーナー自身の都合の良い日にち・時間帯で開業が可能なため、まずは週末起業で、休日に副業を行うことが可能です。
大規模フランチャイズ、小規模フランチャイズとも、それぞれメリットとデメリットが存在します。
比較検討しながら、具体的に業種を絞り込んでいくのがおすすめです。
副業におすすめのフランチャイズ3選
副業におすすめのフランチャイズを3業種見ていきましょう。
- 代理店業
- EC・物販業界
- 婚活業界
代理店業
副業におすすめのフランチャイズとして1つ目のおすすめは、代理店業です。
代理店とは、文字通り商品やサービスを代理販売する店といった意味を持ち、取引業務を請け負うことが業務内容です。
- 販売
- 取次
- 特約
- 紹介
- 総代理
代理店には5つの種類があり、それぞれ少しずつ業務内容が違います。
サラリーマンの副業として取り組みやすい「紹介」の代理店
この中でもサラリーマンの副業として取り組みやすいのは「紹介」の代理店です。
紹介は「リファラル営業」とも呼ばれ、見込み客を実際に販売やサービス提供を行う会社へ紹介を行うと、成約時、会社からバックマージンが発生する仕組みです。
保険業や不動産業に多く、隙間時間を活用できるため、今までの人脈を活かすこともできます。
仕事終わりや休みの日を使い、紹介代理店として活動し、将来的に独立開業を目指すキャリアプランも描けます。
EC・物販業界
2つ目のおすすめは、EC・物販業界です。
ECとはElectronic Commerce(電子商取引)の略で、インターネットで商品やサービスを売買することを意味しています。
実店舗を持つ必要が無く、コロナ禍で在宅勤務や外出自粛が増えたことから利用者が増加傾向にあるため、年々需要が望めるビジネスです。
無在庫販売の対応をしているフランチャイズも
かつてのEC・物販業界では、在庫を持つことが当たり前でしたが、現在では、無在庫販売の対応をしているフランチャイズも多くあります。
無在庫販売とは注文を受けてから仕入れを行う販売方法のことです。無在庫販売業者に在庫管理から梱包、発送を委託することで、業務に充てていた時間をビジネス運用に利用できるようになります。
無在庫販売の対応をしているフランチャイズであれば、インターネット環境がある場所ではどこでも働けるので、サラリーマンの副業に適しています。
婚活業界
3つ目のおすすめは、婚活業界です。
婚活市場の拡大やニーズの増加の影響を受けて、成長が著しい業界です。
オーナーは婚活アドバイザーとして、真剣に結婚を目指す人のサポートを行います。
結婚を望む人の相手を探すのに、個人の人脈では限界がありますが、結構相談所のフランチャイズに加盟することで、全国から条件に合う相手を探せます。
「人の世話をするのが好き」な人にピッタリのフランチャイズビジネスです。
副業フランチャイズビジネスのジャンル3種類
副業としてフランチャイズビジネスを行う場合、どのようなジャンルを選ベば良いか迷う方も多いのではないでしょうか。
フランチャイズビジネスは、ジャンルによってオーナー自身の業務への関わり方に違いがあります。
ここでは、以下の3つのジャンルについて詳しく解説していきます。
- 実務型
- アドバイザー型
- 投資型
それぞれの特徴を理解することで、自分に合ったジャンルを選びましょう。
オーナー自ら業務を行う「実務型」
まず1つ目は、「実務型」についてです。
オーナー自らが実際に業務に就き、商品やサービスの提供を行う「実務型」は、自分のスキルを活かしたい方や、隙間時間を活用したいという方におすすめです。
「実務型」のフランチャイズビジネスには、以下のようなものがあります。
- ハウスクリーニングやビルのメンテナンス
- リペアサービス
- 買取業
オーナーのスキルが商品やサービスの品質に直結するものが多いため、未経験の場合にはしっかりした事前研修が用意されていることも多く、安心です。
低資金で開業できる「アドバイザー型」
次に、「アドバイザー型」について解説します。
「アドバイザー型」は、顧客の悩みに対してアドバイスを行うビジネスのことです。
ある特定の悩みや相談に応じてアドバイスを行うので、特別な設備を必要としません。そのため、広い店舗や商品の在庫なども必要なく、コストが抑えられるのが特徴です。
主な例としては、以下のようなものがあります。
- 結婚相談所
- コンサルタント
- 占い
開業のコストを抑えたい方におすすめのジャンルです。人の話を聞くことが得意な方や、誰かの役に立ちたいと考える方に向いています。
資金を出資して運営は本部に任せる「投資型」
最後は、「投資型」です。
「投資型」のフランチャイズビジネスは、場所や設備などに資金を投入し、運営自体はフランチャイズ本部に任せるスタイルのビジネスです。
例としては、以下のような業種があります。
- コインランドリー
- コインパーキング
- トランクルーム
他の業種と比べると、初期投資の金額が大きかったり、まとまった売上が上がるまでに時間を要したりしますが、長期的には安定収入が見込めます。
本業が忙しく、自身が実務につく時間がない方などにおすすめです。
副業でフランチャイズを選ぶ際のポイント
副業でフランチャイズを選ぶ際にポイントとなる3点を見ていきましょう。
- ビジネスモデルで選ぶ
- 必要資金で選ぶ
- 実働が必要かで選ぶ
副業を行うことで本業がおろそかになってしまうと、元も子もありません。
本業をしながらできる副業を、これらの3点から見極めていきましょう。
ビジネスモデルで選ぶ
ビジネスモデルで選ぶのも、副業でフランチャイズを行うには大切な観点です。
主に2つのビジネスモデルで分かれます。
2つのビジネスモデル | ストック型ビジネス | フロー型ビジネス |
メリット | ・収益が安定して入ってくる ・過度な営業活動は必要ない | ・収益を上げるまで時間がかからない ・大きな収益を得られる可能性がある |
デメリット | ・収益を上げるまで時間がかかる ・大きな収益増加は見込めない | ・収益が安定しない ・営業が必要 |
主なサービス | ・ウォーターサーバーの設置 ・新聞や雑誌販売 ・学習塾 | ・コンビニエンスストア ・飲食店 ・美容室 |
本業があってフランチャイズビジネスを副業として始めるのであれば、ストック型ビジネスの方がおすすめです。
ストック型ビジネス
ストック型ビジネスは、継続して収入が入ってくる点が、一番のメリットです。
一度商品の定期購入やサービスの継続の契約を行えば、その後の過度な営業は必要なく、安定収入が得られます。
消費者にとって毎月継続して払いやすい金額が設定されている場合が多く、爆発的に大きな収入は見込めないので、長く細くのイメージで続けて行きましょう。
フロー型ビジネス
フロー型ビジネスは、商品の販売など、単発の収入を得られるビジネスモデルです。
販売した分だけ利益となりますので、月に多額の収入を見込める可能性もあります。
ストック型ビジネスのように、ある程度の販売数が予想できるものではなく、収益が安定しないことがデメリットです。
しかし、イベントごとに合わせた営業が実を結ぶことも多いため、次第によっては、大きな収入となることも多いモデルです。
また、フロー型ビジネスでは、従業員を雇うことで経営のみに専念することもできます。
必要資金で選ぶ
フランチャイズを始める際には、開業資金が必要になり、その金額は会社や業種によっても違うため、必要資金で選ぶ方法もあります。
業種 | 目安の開業必要資金 |
代理店業 | 50万〜200万円(どこの代理店をするかによる) |
EC・物販業 | 0円〜1,000万円 |
婚活業界 | 200万円 |
コンビニエンスストア | 200万〜300万円 |
コインランドリー | 2,500万〜4,000万円 |
このように、業種によって開業に必要な資金は大きく変わるため、実際にオーナーが出せる金額で見積もることをおすすめします。
実働が必要かで選ぶ
3つ目は、実働が必要かどうかで選ぶ方法です。
フランチャイズビジネスに取り組みオーナーになると、従業員を雇って、自身は働かない仕組みを作ることも可能です。
副業でビジネスを行うのであれば、全ての業務をオーナーが行うことは、時間的・体力的に難しい場合もあるのではないでしょうか。
ただし、従業員を雇えば、その分の人件費がかかってしまうことがデメリットです。
オーナー自身で作業を行い、実働が必要かどうか、人件費は必要になるが実働の必要がないスタイルを取るのか、現在の本業との兼ね合いも視野に入れつつ、考えていきましょう。
在宅・自宅でできるかで選ぶ
在宅・自宅でできるかどうかで選ぶ方法もあります。
副業でフランチャイズビジネスを始めるか考えている方の中には、在宅でできるビジネスを探している方も多いのではないでしょうか。
本業を在宅で行っている場合や小さな子供がいる場合などは、自宅が仕事場になる方が都合が良いでしょう。また、店舗や事務所を借りるコストもかかりません。
自宅の一部を店舗や事務所として利用し、業務を行うことのできる業種であれば、在宅でフランチャイズビジネスを行うことが可能です。
副業でフランチャイズをする2つのメリット
- リスクを分散させられる
- フランチャイズ本部のノウハウを活かせる
以下で詳しく解説します。
リスクを分散させられる
副業でフランチャイズを行うことで、リスクを分散させられる点がメリットの1つです。
自分の作った商品やサービスで商売を始める場合、その開発にかかる費用や時間は並大抵なものではありません。また、もし思惑通りに売れ行きが伸びなければ、新しい商品やサービスの開発に着手することが必要です。
その間、負債が残る可能性があるだけでなく、新たな開発のために追加で大きな費用がかかる可能性まであります。
一方、フランチャイズであれば、既に完成した商品やサービスで商売を始められるので、開発費用が必要ありません。
さらに、複数の会社とフランチャイズ契約を結ぶことも可能です。そのため、1つの商品やサービスの売れ行きが悪くなっても、他で全体の売上を支えるなど、リスクを分散させられます。
フランチャイズ本部のノウハウを活かせる
2つ目のメリットは、フランチャイズ本部のノウハウを活かせる点です。
フランチャイズ契約をすると、会社の商品・サービスや会社の看板だけでなく、会社が長年の経験から作り上げてきたノウハウも提供してくれます。
特に長年に渡りサラリーマンを本業にしてきた人にとって、経営の基本的な知識などのノウハウを得られるのは大きなメリットです。
経営をしていく中で分からないことがあった際など、フランチャイズ本部のノウハウを活かすことで、様々な問題を解決することができます。
副業でフランチャイズをする2つのデメリット
- 開業資金で最低200万は準備
- 事業開始後もロイヤリティが発生する
副業でフランチャイズをするなら、特に資金面でのデメリットを事前に確認することが大切です。
以下で、それぞれ詳しく解説します。
開業資金で最低200万は準備
フランチャイズを始めるための開業資金は、最低200万円は準備しておきましょう。
「0円起業」の言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。確かに、初期費用0円でフランチャイズを開業することは可能です。
しかし、フランチャイズでは売上の保証がありません。開業したは良いものの、結局運転資金でマイナスになってしまう、ということも考えられます。
0円起業や低資金で開業可能な業種の場合でも、最低200万円は準備することで、安定した経営が可能です。
また、初期費用は不要でも、開業資金を売上から徴収されたり、ロイヤリティが高く設定されたりすることがあります。
フランチャイズを始めるにあたってどんなお金が必要になるのか、事前に確認しておきましょう。
事業開始後もロイヤリティが発生する
2つ目は、事業開始後もロイヤリティが発生するという点です。
ロイヤリティとは、フランチャイズ本部が所有する商標や経営ノウハウを使う対価として、加盟店が毎月の売上に応じて支払うお金のことを指します。
- 売上歩合方式
- 粗利分配方式
- 定額方式
ロイヤリティには3つの方式があります。
どの方式でも、本部へのロイヤリティ支払いは必ず発生するものです。フランチャイズで儲けた利益が全て懐に入るわけではないことを覚えておきましょう。
フランチャイズで失敗しやすいのはどんなケース?
フランチャイズビジネスでは、成功する方もいれば失敗してしまう方もいます。同じフランチャイズに加盟しているのに、正反対の結果になることも少なくないです。
フランチャイズで失敗しやすいのはどんなケースが多いのかについて解説します。
初期費用が高すぎる
フランチャイズビジネスを始めるためには、当然ですが初期費用が必要です。
初期費用として、加盟金や保証金、店舗が必要な場合には物件を取得するための費用などがかかります。また、事前研修に研修費がかかることも少なくありません。
加盟するフランチャイズによって必要な初期費用は異なりますが、中にはかなり高額な初期費用が必要なフランチャイズも存在します。
初期費用が高額すぎる場合、それを回収できるまでの期間が長くなります。日々の経営にも運転資金がかかるため、資金が底をついてしまい失敗するケースが多いです。
フランチャイザーに依存する
フランチャイザーに依存し過ぎてしまうのも、失敗の原因の1つです。
未経験で入った業界であったとしても、すべてフランチャイザーに頼ってしまうのは良いことではありません。自分でも勉強したり、研究したりするなどの努力が必要です。
看板やノウハウを使えるというのが、フランチャイズの最大のメリットです。成功を約束するものではないということを理解し、フランチャイザーに依存し過ぎないようにしましょう。
まとめ
結論として、副業でフランチャイズはできます。
フランチャイズには、自宅でオーナー自身が就業してできる小規模フランチャイズもあれば、従業員を雇い店舗を回していく大規模フランチャイズもあります。
初めは小規模フランチャイズで週末起業のような形で細々と行う事業でも、波に乗れば独立も夢ではありません。
フランチャイズビジネスには、メリットもあればデメリットも存在します。それらを良く理解した上で、まずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
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