インサイドセールスは、見込み顧客にメールや電話を用いてコミュニケーションを図り、育成や商談化を目指す役割を担います。
また、既存顧客をフォローし、サービスの再利用や上位プランのアップグレードを狙うことも業務の範囲内といえるでしょう。
別名、内勤営業ともいわれており、オフィスの中でリード獲得や育成を行います。
インサイドセールスは、電話を使用して営業をするため、担当者の中には「テレアポと何が違うの?」という疑問を持たれている方も少なくないでしょう。
たしかに、テレアポは電話で商品を紹介してアポイントを取るため一見似ているように感じます。
この記事では、インサイドセールスとテレアポの違いや運用する際に押さえておきたいポイントを5つご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
目次
インサイドセールスとテレアポの違いとは?
両者の違いは大まかにわけて4つあります。
具体的にどのような違いがあるのか詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目的が異なる
テレアポの主な目的は、アポイントの獲得です。
企業のコールセンターなどに所属し、電話を使って営業をします。
サービスや商品の利用を促したり、勧めたりするのが主な仕事内容です。
あくまでもアポイントを取ることが目的なので、それ以外の業務は行いません。
一方、インサイドセールスはリードの獲得や育成が目的です。
定期的に顧客とコンタクトを取りながら育成を行い、温度感が高まった段階で商談化につなげます。
単に、商品やサービスの購入を目的とするのではなく、見込み顧客との関係構築や維持も重要な役割です。
例えば、ヒアリングを行い顧客の悩みを聞き、その課題を解決できる自社製品を提案したり、サブスクリプションを継続してもらうためにコミュニケーションを図ったりします。
あくまでも顧客との関係を育てていくことに重きを置いているため、その点がテレアポとの大きな違いといえるでしょう。
成果指標の明確さ
2つ目の違いは成果指標の明確さです。
テレアポは、アポイントを取ることが主な目的になるため、成果指標としてアポ獲得件数になります。
一方、インサイドセールスは、テレアポほどKPIが明確ではありません。
もちろん、アポ獲得件数を成果指標としている企業もありますが、そのほかのKPIを設定しているところは少なくありません。
例えば、サブスクリプションモデルを展開している企業の中には、継続率をKPIに含めているところもあります。
このように、インサイドセールスは成果指標がはっかりとしていないので、その点が大きな違いといえるでしょう。
時間軸に違いがある
3つ目の違いは時間軸です。
テレアポはリストに記載された番号に1件1件電話をしていきます。
そして、相手とつながったら、商品説明をしたり、利用を促したりするのが一般的です。
基本的に、顧客と接する期間は電話をしたときだけになるため、短期的なコミュニケーションに分類されます。
一方、インサイドセールスは見込み顧客から既存顧客までさまざまなクライアントと接します。
例えば、資料請求などのアクションを確認したらメールをして課題などをヒアリングしたり、既存顧客に対しても新規商品を紹介したりすることも多いです。
対象が見込み顧客であり続ける以上、長期的にコミュニケーションを取りながら育成していくことになります。
そのため、テレアポとは時間軸で大きな違いがあるといえるでしょう。
連携に違いがある
4つ目の違いは、連携するかどうかです。
テレアポは営業プロセスの一貫になります。
しかし、基本的には独立した営業組織として数えられることが多いです。
つまり、部署をまたいだ交流は行われません。
一方、インサイドセールスはマーケティング部門、フィールドセールスと連携を取る必要があります。
例えば、マーケティング部門が獲得した潜在顧客や見込み顧客を引き継がなければなりません。
また、温度感の高い見込み顧客は、フィールドセールスに引き渡し、商談対応をお願いする必要があるでしょう。
特に、インサイドセールスはマーケティング部門とフィールドセールスの架け橋のような役割を担います。
そのため、連携がとても重要なポジションです。
インサイドセールスの導入を成功させるために押さえておきたい5つのポイント
インサイドセールスには、アプローチできるリード数が多い、少人数でも成果を上げられるなど数多くのメリットが存在します。
しかし、導入すればすべてのメリットを獲得できるというわけではありません。
あくまでも運用を成功させることで得られるメリットになります。
そのため、導入を検討している企業は、成功するためのポイントを把握しておくことが重要です。
具体的に、インサイドセールスの導入を成功させるために押さえておきたいポイントを5つご紹介しますので、失敗したくないという方はぜひ参考にしてください。
ターゲットを絞り込む
1つ目のポイントは、ターゲットを絞り込むことです。
基本的に確度の高い見込み顧客に絞り、アプローチをするのが一般的になります。
また、このような顧客には直接的なアプローチを行うことも有効です。
例えば、すぐにフィールドセールスに見込み顧客を紹介して直接訪問するという方法もひとつの手段になるでしょう。
基本的には、確度の高い顧客に絞り込み、適切なアプローチを行いますが、温度感の低い顧客には何もしないという意味ではありません。
見捨てるのではなく、しっかりと育成をしてホットリード化を目指すのが一般的です。
情報管理を徹底する
2つ目のポイントは情報管理の徹底です。
インサイドセールスは、マーケティング部門やフィールドセールスと情報を共有するため、細かい管理が重要になります。
例えば、顧客にアプローチしたときの反応などを明確に記載するようにしましょう。
また、情報は常に新しい状態にしておくことが大切です。
育成の段階で見込み度が急に上昇する顧客は珍しくありません。
もし、古い情報のままになっていると確度の高いリードを見逃す原因になります。
更新するときは、日付や編集者名をしっかりと明記することも忘れないようにしましょう。
情報管理においては、記録や共有、更新だけでなく、外部に漏れないようにする取り組みも重要になります。
インサイドセールスが扱う情報は非常にプライベード性が高いです。
例えば、企業名や担当者名、電話番号やメールアドレスなどです。
もし、これらの情報が外部に流出すると、企業の信頼は失墜し、経営に大きな影響を与えてしまいます。
そのため、セキュリティを考えた運用することが非常に重要です。
情報漏えいはサイバー攻撃で発生すると思われている方もいますが、企業の内部不正から引き起こることも珍しくありません。
データを無断持ち出ししてそれを落としてしまうというような事故も多いので、外部・内部を意識したセキュリティ対策が大切です。
応答の速さが成功の鍵
3つ目のポイントは、応答の速さが重要であるという点です。
インサイドセールス成功の鍵は、応答の速さを確保することといっても過言ではありません。
見込み率の高い顧客は、長い時間待つことがないため、速く対応しない場合、類似サービスを提供する競合他社に取られてしまう可能性が高くなります。
そのため、質問などに対して迅速に対応できる環境を構築することは非常に重要です。
簡単に応えられる質問はできるだけ時間をかけずに適切な内容で返答します。
また、複雑な質問の場合は、返答に一定の時間がかかることを伝えて、調べた上で改めて回答するのがおすすめです。
応答のスピードが遅くなればなるほど、機会損失のリスクが高くなるため、成約率を高めるためには、応答に素早く対応できる環境を作りましょう。
ルールを策定する
4つ目のポイントは、ルールを策定することです。
マーケティング部門から受け取ったリストの扱い方やフィールドセールスに顧客を引き継ぐ基準などを作ります。
明確にルールを定めずにインサイドセールスを運用することもできますが、業務が属人化しやすいです。
一定の社員だけリストの扱える、フィールドセールスに顧客を回せるというような事態になると、その社員がいなくなったときに代用できる人がいない状態になります。
病気や怪我による休職、離職などは十分に考えられるため、属人化のリスクを回避するようにルールを策定するのが好ましいです。
また、ルールは一度策定したら放置するのではなく、業務上の課題が発生した場合は更新して最新の状態をキープしておくようにしましょう。
ノウハウを蓄積・共有する
5つ目のポイントは、ノウハウの蓄積・共有を行うことです。
はじめてインサイドセールスを導入する企業は、ノウハウが蓄積されていない状態になります。
そのため、運用を開始した段階でノウハウが蓄積されていくような体制づくりが必要です。
ノウハウを蓄積し、社内共有できるようになるとインサイドセールスの質が向上します。
結果的に、リードの獲得率を高めることができたり、商談化率が向上したりするので、大きなメリットです。
また、ノウハウが共有されない状態にならないように注意しましょう。
例えば、ノウハウを共有した社員にメリットがある制度を構築すると独占する人が少なくなります。
まとめ
今回は、インサイドセールスとテレアポの違いや、インサイドセールスを成功に導くことができる5つのポイントをご紹介しました。
インサイドセールスとテレアポは、目的や成果指標、時間軸などに違いがあり、完全にわけて考えなければなりません。
また、インサイドセールスの導入を成功させるためには、ルールの策定やノウハウを共有しやすい体制づくりなどが必要です。
実際に、インサイドセールスの導入を考えている人は、ご紹介したポイントを意識して運用を開始するようにしましょう。