

「高圧電力を見直す際に、どこを比べればいいか分からない」
「新電力に変えると、停電や倒産のリスクがないか不安」
「基本料金や電力量料金単価を見ても、本当に安くなるのか判断できない」
いざ高圧電力の見直しを検討しようとしても、契約電力やデマンド、燃料費調整額、独自調整費、契約期間など確認すべき項目が多く、どこから比較すればよいか迷う担当者も少なくありません。
結論から申し上げると、法人向けの高圧電力会社選びで最も大切なのは、自社の使用量・稼働時間・契約電力に合う料金プランを複数社の見積もりで比較することです。
この記事では、法人向け高圧電力の見直しで注目すべき主要新電力6社の特徴や向いている施設、見積書を見る際の実務的な注意点をわかりやすく解説します。
- 法人向け高圧電力会社・新電力6社の特徴
- 高圧電力会社を比較するときのポイント
- 基本料金・単価・調整費の見方
- 工場・商業施設など施設別の比較ポイント
- 高圧電力の見積もり・切り替えを進める流れ
自社に合う電力会社を探している法人担当者は、ぜひ参考にしてください。
低圧電力も合わせて比較したい場合は「おすすめの新電力会社比較10選」をご覧ください。
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【2026年最新】法人向け高圧電力会社6社の特徴比較表

高圧電力の見直しを進めるにあたり、まずは2026年現在、法人向けの実績が豊富な主要新電力6社を一覧表にまとめました。
高圧電力会社6社の比較一覧表
高圧電力は、Web上の単価表だけでは実際の削減額を判断しにくいため、自社の電気使用状況をもとに複数社の見積もりを比較することが重要です。
| 電力会社名 | 主なプラン形態 | 特徴・強み | 向いている法人 |
| ハルエネでんき | 固定単価型中心 | 豊富な法人実績、手厚い窓口サポート体制 | 高圧電力の見直し候補として、複数社比較に入れたい法人 |
| エコログでんき | 市場連動型 | 基本料金を抑えやすく、JEPXの市場価格に応じて電力量料金が変動する高圧プラン | 市場連動型を含めて高圧電力を比較したい法人 |
| ENEOSでんき(ENEOS Power) | 固定単価型中心 | 大手インフラグループの事業基盤と安心感 | 知名度や事業基盤を重視しながら高圧電力を比較したい法人 |
| ミツウロコ | 固定単価型・市場連動型 | 老舗エネルギー企業の安定性と地域密着サポート | 販売実績やサポート体制も含めて比較したい法人 |
| リミックスでんき | 市場連動・固定単価 | 市場価格に応じた柔軟な料金設計が可能 | 市場連動型や複数プランを比較し、自社に合う契約を検討したい法人 |
| 丸紅新電力 | 固定単価・再エネ型 | 大手総合商社グループの確かな電力調達力 | 大手グループの法人向け電力を比較したい企業 |
※現在「ENEOS Power」は新規受付を一時停止しています(2026.6月現在)
自社に合う電力会社を早く絞り込みたい場合は、法人向け電力の見積もり比較サービスを活用するのも一つの方法です。
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比較表で確認すべきポイント
法人の高圧契約において失敗しないためには、以下の3つの視点を持ってプラン形態と自社の状況を照らし合わせてください。
- 価格の安定性を取るか、変動リスクを取るか
毎月の予算を均一に管理したい場合は「固定単価型」、電気を使う時間帯を自社でコントロールできる場合は「市場連動型」の有無をチェックします。
- 経営陣への説明に必要な安心感
新電力への切り替えに保守的な上司や役員を説得する際、大手インフラ・総合商社グループ(ENEOSや丸紅など)のバックボーンを持つ新電力は、社内稟議で説明しやすい材料になります。
- 中途解約時のペナルティ(違約金)
料金単価だけでなく、契約期間の縛りや解約時の違約金算出ルールも会社ごとに異なるため、事前に把握しておく必要があります。
高圧電力は、契約内容によって年間の電気代に大きな差が出ることがあります。
まずは比較表で候補を絞り、そのうえで見積もりを取り、料金プランと契約条件を細かく確認しましょう。
比較対象となる高圧新電力会社6社の特徴
ここからは、比較対象となる主要な高圧新電力会社6社の具体的な特徴と、見直しを行う際に実務担当者がチェックすべき視点を紹介します。
ハルエネでんき

ハルエネでんきは、複数社比較に入れやすい電力会社です。
低圧電力だけでなく高圧電力サービスも展開しており、店舗・工場・商業施設など、事業用の電気を見直したい法人が比較候補にしやすい特徴があります。
業務用設備を多く稼働させている法人の場合は、現在の最大需要電力(デマンド値)に応じた基本料金の扱いや、独自の調整費の仕組みが比較材料になります。
| 特徴 | 法人向けの電力見直し実績が豊富で、窓口のサポート体制が整っている |
| 比較ポイント | 基本料金の単価、電力量料金単価、電源調達調整費(独自調整費)、契約期間 |
| 注意点 | 契約条件や独自の調整費によって請求額が変わるため、表面的な削減額だけで判断しない |
「やばい」「高い」と言われる理由や法人契約の注意点は、ハルエネの個別記事で解説しています。
エコログでんき

エコログでんきは、株式会社エコログが運営する新電力です。
高圧プランでは市場連動型の料金体系を採用しており、電力市場価格の変動を踏まえて電気代を見直したい法人の比較候補になります。
比較軸は、安くなる可能性ではなく料金変動リスクを自社で許容できるかどうかです。
| 特徴 | 高圧電力向けに市場連動型の料金プランを中心に、使用状況に応じた環境価値プランなども相談できる |
| 比較ポイント | 料金単価、基本料金、調整費、契約期間、見積もりに含まれる費用範囲 |
| 注意点 | 市場価格が高い時期は電力量料金も上がるため、安くなる可能性だけで判断しない |
「高い」「怪しい」と言われる理由は、エコログでんきの個別記事で確認できます。
ENEOSでんき

ENEOSでんき(法人向け:ENEOS Power・エネオスパワー)は、国内屈指のエネルギーインフラを誇るENEOSグループが展開する新電力です。
独自の電力調達力が高く、供給元の安定性を重視したい法人の比較候補になります。
新電力への切り替えに慎重な企業では、知名度やグループ基盤を重視するケースもあるため、社内稟議での説明しやすさは比較軸にしやすいでしょう。
| 特徴 | 大手エネルギー企業グループの事業基盤と、高い供給実績がある |
| 比較ポイント | 固定単価の安定性、基本料金、契約電力、調達調整金などの有無 |
| 注意点 | 家庭向けのENEOSでんきとは条件が異なるため、法人向け高圧電力として他社との総額比較は必須 |
※現在「ENEOSの特別高圧・高圧電気」の新規見積もりを一時停止しています。低圧電力(エネオスでんき)は受け付けています(2026.6月現在)
ENEOSでんきの法人向け電力サービスや高圧契約の注意点は、エネオスパワーの個別記事をご覧ください。
ミツウロコでんき

ミツウロコでんき(ミツウロコグリーンエネルギー)は、LPガスや石油製品の販売において100年以上の歴史を持つ老舗エネルギー企業グループの新電力です。
複数の契約類型があるため、自社の電気使用パターンに合わせて比較しやすい点が特徴です。
比較軸は、料金の見通しやすさと、自社の使用状況に合う契約類型を選べるかどうかです。
年間を通じて料金を安定させたい場合は完全固定型、電力市場の価格変動も含めて検討したい場合は市場連動型など、契約種別ごとの違いを確認しましょう。
| 特徴 | 老舗エネルギー企業グループの安定感と、複数の契約類型を比較できる点が特徴 |
| 比較ポイント | 固定単価の適用期間、契約期間、地域密着型のサポート体制、中途解約時の条件 |
| 注意点 | 契約類型によって料金変動リスクが異なるため、見積もり時にどのプランで試算されているか確認する |
リミックスでんき

リミックスでんきは、東証スタンダード上場のリミックスポイントが運営する新電力です。
市場連動型、固定単価型、ハイブリッド型など複数の料金体系を案内しており、自社の電力使用状況に合わせて比較しやすい点が特徴です。
比較軸は、市場連動型のメリットを取り入れながら、価格高騰時のリスクをどこまで抑えられるかです。
市場価格が安定している時期と高騰しやすい時期で料金の考え方が変わるため、自社の稼働時期や使用量のピークと照らし合わせて検討しましょう。
| 特徴 | 市場連動型を含め、各法人の電力使用状況に応じた最適な料金プランを比較できる |
| 比較ポイント | 市場連動型・固定単価型の違い、独自調整費、市場価格高騰時の影響 |
| 注意点 | 市場価格や調整費の影響で毎月の請求額が変わる場合があるため、必ず年間総額で比較する |
詳しい料金プランや市場連動型の注意点は、リミックスでんきの個別記事で解説します。
丸紅新電力

丸紅新電力は、大手総合商社「丸紅」のグループ企業が運営する新電力です。
国内外での豊富な発電所開発・運営実績に裏打ちされた高度な電力調達ノウハウを持っており、事業基盤や継続性を重視する企業にとって重要な比較基準になります。
法人向けには、特別高圧・高圧電力サービスを展開しています。
電力調達の安定性や再エネメニューの有無まで含めて検討できるため、企業の脱炭素方針や環境配慮の観点から電力会社を選びたい場合にも比較しやすいでしょう。
| 特徴 | 大手総合商社グループならではの、グローバルかつ強固な調達・リスク管理体制がある |
| 比較ポイント | 電力量料金単価、再エネ100%プランの有無、契約期間、中途解約違約金 |
| 注意点 | 最新の新規受付状況や提示される見積もり単価が時期によって変動する |
受付状況や法人向けプランの評判は、丸紅新電力の個別記事に記載しています。
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高圧電力の契約プランの選び方|固定単価型と市場連動型を比較

高圧電力会社を比較するときは、会社名や知名度だけでなく、契約プランの仕組みも確認しましょう。
特に確認したいのが固定単価型と市場連動型の違いです。
どちらが一律に優れているというものではなく、自社の電力使用量、稼働時間、予算管理のしやすさ、料金変動リスクへの許容度によって向き不向きが変わります。
| 料金プラン | 主な特徴 | 向いている法人 |
| 固定単価型 | 一定期間の電力量料金単価が固定されやすく、料金の見通しを立てやすい | 予算管理を重視する法人、料金変動を抑えたい法人 |
| 市場連動型 | 電力市場価格に応じて料金が変動するため、時期によって電気代が上下する | 料金変動リスクを理解したうえで、削減可能性を探りたい法人 |
ただし、固定単価型であっても、燃料費調整額や再エネ賦課金、独自調整費などの影響を受ける場合があります。
固定単価型プランの場合、どの範囲までが固定されるのかも確認ておきしましょう。
反対に、市場連動型も仕組みを理解したうえで契約すれば、コストカットに有力な選択肢の一つになります。
固定単価型プランが向いている法人
固定単価型プランは電力量料金単価が一定期間固定されるため、毎月の電気代を予測しやすく社内の予算管理にも向いています。
以下のような法人は固定単価型プランを検討しやすいでしょう。
- 毎月の電気代をできるだけ安定させたい
- 年間予算を立てやすくしたい
- 電気代の急な上昇を避けたい
- 社内稟議で料金の説明をしやすくしたい
- 市場価格の変動を細かく追うのが難しい
工場や商業施設、病院、介護施設などでは、電気代が毎月の固定費として大きな割合を占めることがあります。
こうした施設では、電気代が大きく変動すると原価管理や収支計画に影響が出やすくなります。
一方で固定単価型プランは、市場価格が下がった場合その影響をすぐに受けられるとは限りません。
市場連動型プランが向いている法人
市場連動型プランは、電力市場価格に応じて料金が変動するプランです。
市場価格が低い時期には電気代を抑えられる可能性がありますが、市場価格が高くなると請求額が増える場合があります。
そのため、市場連動型プランは、料金変動の仕組みを理解したうえで比較する必要があります。
市場連動型プランが向いている可能性があるのは、以下のような法人です。
- 電力使用量や稼働時間を把握できている
- 料金変動リスクを理解したうえで検討できる
- 電気代削減の可能性を広く探りたい
- 複数社の見積もりを比較して判断できる
- 市場価格が上がった場合の影響も確認できる
市場連動型を選ぶ場合は「今月安くなるか」ではなく、「年間を通して自社が許容できる料金変動か」を見ることが重要です。
契約プランは使用量・稼働時間・ピーク電力で選ぶ
固定単価型と市場連動型のどちらを選ぶべきかは、法人ごとの電力使用状況によって変わります。
同じ高圧電力契約でも、日中にフル稼働する工場と、営業時間が決まっている商業施設、夜間稼働がある物流倉庫では、電気の使い方が大きく異なります。
契約プランを選ぶ際は、料金単価だけでなく、自社の使用パターンと照らし合わせて考えましょう。
- 電力量(総使用量)
毎月の総使用量が膨大な法人ほど、1kWhあたりの単価がわずかに変動するだけで、全体の削減インパクトが大きくなります。
- 稼働時間帯
自社のメイン稼働が平日の昼間だけなのか、24時間連続稼働なのかによって、市場連動型による恩恵を受けられるか、あるいはリスクが高まるかが決まります。
- ピーク電力(最大需要電力)
一瞬でも大きな電気を使う施設は、後述する基本料金の仕組み(デマンド値)にどう影響するかを考慮してプランを選ぶ必要があります。
契約プランの選び方で迷った場合は、1社だけの提案で判断せず、複数社の見積もりを同じ条件で比較しましょう。
使用量や契約電力が同じでも、料金プランや調整費の扱いによって実際の負担は変わります。
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プラン選びの基本概念を理解したうえで、市場連動型と固定単価型の詳細を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
高圧電力の料金比較で必ず確認すべき基本料金・単価・調整費

高圧電力を比較するときに、最も注意したいのが料金の見方です。
見積書を見ると、基本料金や電力量料金単価が目立つため「単価が安い会社を選べばよい」と考えたくなるかもしれません。
しかし、高圧電力の料金構造は複数の要素が複雑に絡み合っているため、それぞれの項目に分解して横並びで精査する視点が必要です。
| 確認項目 | 内容 | 比較時のポイント |
| 基本料金 | 契約電力やデマンドに応じて発生する固定費 | 契約電力が大きいほど影響が出やすい |
| 電力量料金 | 使用量に応じて発生する従量料金 | 使用量が多い法人ほど単価差が重要 |
| 燃料費調整額 | 燃料価格などに応じて変動する費用 | 月ごとの請求額に影響する |
| 独自調整費 | 電力会社ごとに設定される場合がある調整費 | 見積もりに含まれているか確認する |
| 再エネ賦課金 | 電気使用量に応じて加算される費用 | 電力会社を変えても原則として発生する |
料金を見るときは、各項目をバラバラに見るのではなく、最終的な年間総額で比較することが大切です。
基本料金は契約電力・デマンドの影響を受ける
基本料金は、毎月一定額で発生する固定費です。
電気をあまり使わなかった月でも、契約電力に応じて基本料金がかかるため、法人の電気料金を見直すうえで重要な項目です。
基本料金に大きく関係するのが、契約電力と「一定時間内に使用した電力の最大値(デマンド)」です。
高圧電力では、この最大需要電力が基本料金に影響する場合があります。
一時的に大きな電力を使う工場や商業施設などでは、基本料金が高くなりやすい点に注意が必要です。
料金単価だけでなく、デマンド管理や設備の稼働タイミングもあわせて確認するとよいでしょう。
また、電力会社を変えるだけでなく、電気の使い方を見直すことで改善できる場合もあります。
参考:資源エネルギー庁「電気の計量制度について」
デマンド値を抑えて基本料金を抜本的にカットする仕組みや、導入の判断基準について詳しく解説しています。
電力量料金単価は使用量が多い法人ほど差が出やすい
電力量料金は、実際に使用した電気の量(kWh)に応じて課金される従量部分です。
使用量が多い法人ほど、電力量料金単価の差が年間コストに大きく影響します。
たとえば、年間の使用量が大きい工場や物流倉庫、商業施設では、1kWhあたりの単価差が小さく見えても、総額にすると大きな差となって現れます。
電力量料金の負担は、夏場の空調、冬場の暖房、冷蔵・冷凍設備、製造ラインの稼働状況によって変動します。
そのため、電力量料金単価を見るときは、直近1か月分の請求書だけで判断せず、可能であれば直近12か月分の使用量をもとに年間でどの程度の差が出るかを確認しましょう。
参考:資源エネルギー庁「電気料金の改定について(2023年6月実施)」
燃料費調整額・独自調整費まで含めて比較する
高圧電力の料金比較で見落としやすいのが、燃料費調整額や独自調整費です。
見積書では、基本料金や電力量料金単価が分かりやすく示されていても、調整費の扱いが小さく書かれている場合があります。
しかし、調整費は毎月の請求額に影響するため、必ず確認すべき項目です。
調整費の算定ルールが地域電力会社(東京電力など)と完全に同一なのか、それともJEPX(日本卸電力取引所)の市場価格を独自の計算式で反映するもの(電源調達調整費など)なのか、見積もり段階で算出根拠を必ず比較してください。
再エネ賦課金やデマンドを含めた、法人の電気料金の詳しい内訳や計算の仕組みは以下の記事を参照してください。
見積もり金額だけでなく年間総額で比較する
高圧電力の見積もりでは、月額の削減額や単価の安さが強調されることがあります。
しかし、法人が本当に確認すべきなのは、年間総額で見たときに削減できるかどうかです。
1か月分の電気料金だけで比較すると、季節変動や稼働状況の違いを正しく反映できない場合があります。
特に、工場・商業施設・物流倉庫・病院などは、季節や時間帯によって電気使用量が変わりやすいため、年間ベースで見ることが重要です。
高圧電力の見積もりを比較するときは、以下のように条件をそろえることが大切です。
- 直近12か月分の使用量をもとにする
- 同じ契約電力で試算する
- 調整費を含めた総額で比較する
- 税込・税抜の表示をそろえる
- 契約期間と違約金も同時に確認する
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【施設別】工場・商業施設などで見る高圧電力比較のポイント

高圧電力の比較では、電力会社や料金プランだけでなく、自社施設の電気の使い方も重要です。
施設別に重視すべき比較ポイントを整理しましょう。
工場は稼働時間・ピーク電力・契約電力を確認する
工場は、大型機械や製造ラインの稼働により非常に大きな電力を定常的に消費するのが特徴です。
まず稼働時間とピーク電力を確認しましょう。
- 比較の視点
24時間体制で稼働している工場では、時間帯別の料金条件や市場価格の影響が、自社の稼働時間と合っているかが基準になります。最大需要電力(デマンド値)が上がりやすい施設では、デマンド管理や基本料金の削減提案まで確認できる会社を比較候補に入れるとよいでしょう。
- 確認項目
生産ラインの稼働時間、設備の立ち上げタイミング、夏季・冬季の空調負荷、現在の契約電力と実際の最大使用量の乖離。
より具体的な電気代の平均値や抜本的な削減ノウハウは、以下の記事も参考になります。
商業施設は空調・照明・営業時間を確認する
ショッピングモールや大型スーパーなどの商業施設は、空調・照明・営業時間が大きなポイントになります。
- 比較の視点
営業時間が日中に集中し、夏場や冬場の気温変化によって電気使用量が急激に変動する(季節間格差が大きい)という特徴があります。そのため、夏季のピーク単価が抑えられているプランや、空調利用が増える時期でも年間を通して料金が安定しやすいプランを中心に比較するとよいでしょう。
- 確認項目
営業時間、夏季・冬季の空調負荷、照明設備の使用時間、冷蔵・冷凍設備の有無、共用部の電気使用量、テナントごとの使用量管理、請求管理サポートの有無。
※複数テナントが入る施設では、共用部とテナント部分の使用量を分けて把握できる(請求管理サポートなどがある)かもあわせて電力会社に確認しておきましょう。
オフィスビルは共用部・テナント利用・季節変動を確認する
オフィスビルでは、エレベーターや共用部の照明、空調のほか、各フロアに入居するテナントの利用状況によって電力量が左右されます。
- 比較の視点
土日祝日は消費電力が下がりやすく、平日の9時〜18時に消費が集中するなどパターン化されていることが多い傾向にあります。ビル管理会社としてはテナントへの電気代請求の実務もあるため、料金の明快さに加え、請求データの出力サービスや法人向けマイページの使いやすさといった「管理面の手間・サポート体制」も電力会社の比較軸に含めるべきです。
- 確認項目
共用部の空調・照明、エレベーターの稼働状況、テナントごとの使用時間帯、平日・休日の使用量の差、夏季・冬季の空調負荷、請求データの出力機能、法人向けマイページの使いやすさ。
物流倉庫は冷蔵・冷凍設備や夜間稼働を確認する
近年、大型化が進む物流倉庫では、特に冷蔵・冷凍設備を持つ施設において24時間体制の温度管理コストが発生します。
- 比較の視点
冷凍機などの定常的な設備負荷(負荷率)が高い倉庫では、電力量料金単価のわずかな違いが総額に直結します。また、夜間の貨物入出庫が多い場合は、夜間の使用量に合う料金条件を提示できる電力会社を選ぶことで、大きなコスト削減が見込めます。
- 確認項目
冷蔵・冷凍設備の常時稼働が電気代に与える影響、夜間の使用量割合、搬入・搬出時のピーク電力発生時間帯。
倉庫全体の省エネや見直し手順は以下の記事を参考にしてください。
病院・介護施設は安定供給とサポート体制を確認する
病院や医療クリニック、高齢者介護施設などは、施設運営に欠かせない設備が多いため昼夜を問わず一定の電力を使うこともあります。
- 比較の視点
コストの安さだけを追求するのではなく、サポート体制、停電時の問い合わせ先、料金変動リスク、契約条件の分かりやすさも比較検討する必要があります。また、施設の受電設備である「キュービクル」の保安点検との連携がスムーズかどうかも事前に確認しておくと安心です。
- 確認項目
24時間稼働の有無、医療機器や介護設備の電力使用、空調・給湯・厨房設備の使用量、停電時の問い合わせ先、緊急時のサポート体制、契約期間や料金変動リスク。
キュービクルの維持管理や更新費用、それに伴う電気代見直しについては以下の記事をご確認ください。
法人が高圧電力の見直し・切り替えを進める実務手順

実際に高圧電力の比較を行い、既存の電力会社から新電力へと契約を切り替えるための実務的なプロセスをステップに分けて解説します。
見積もり前に準備する書類・情報
新電力各社に相見積もり(料金シミュレーション)を依頼する際、最も重要となるのが自社の電気の「過去の利用データ」です。
スムーズに進めるために、あらかじめ手元に以下の情報を準備してください。
- 直近12か月分の電気料金明細(請求書・検針票)
年間の総額を正しく算出するためには1年分が必要です。手元に揃っていない場合は、現在契約中の地域電力会社(東京電力や関西電力など)の法人向けWEBマイページから一括でデータをダウンロードするか、カスタマーセンターに問い合わせることで過去の給電実績データ(CSV等)を取り寄せることができます。
- 契約電力(kW)と過去の最大需要電力(デマンド値)
基本料金の試算に必要な数値であり、毎月の電気料金明細(検針票)に必ず記載されています。
- 施設の稼働時間帯・今後の設備投資予定
直近で機械の増設や生産ラインの拡大予定などがあれば、見積もり条件(契約電力の変更)に影響するため事前に整理しておきます。
複数社の見積もりを同じ条件で比較する
複数社の見積もりを取ることで、料金プランや調整費、契約条件の違いが見えやすくなります。
正しく比較するために条件をそろえましょう。
たとえば、A社は直近12か月分の使用量で試算しているのに、B社は1か月分の使用量だけで試算している場合、削減額をそのまま比較することはできません。
また、燃料費調整額や独自調整費を含めているかどうかによっても、見積もり上の金額は変わります。
複数社を正しく比較するためのチェックポイントは以下の記事にまとめています。
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高圧電力を切り替える流れ
契約先を最終決定した後の実務手続きはシンプルです。
- 新電力への申し込み
- 既存電力への解約手続き
原則として、新しく契約する電力会社が現在の電力会社への解約手続きを代行します。そのため、自社から現在の電力会社へ解約の連絡を入れる必要はありません。 - スマートメーターの設置
高圧契約に必要なメーターへの交換工事が、地域の送配電会社(東京電力パワーグリッドなど)によって行われます。原則として費用は無料で、立ち会い工事や建物の停電を伴わないケースが大半です。 - 切り替え完了
契約内容や現在の検針日、必要な手続きによって異なります。高圧契約では見積もりから契約開始まで一定の期間を要するため、希望開始時期がある場合は早めに確認しましょう。
高圧電力比較でよくある質問

法人が高圧電力の比較・切り替えを検討する際、法人担当者から寄せられる質問をまとめます。
高圧電力はどの電力会社を比較すればいいですか?
高圧電力は、Web上の情報だけで料金を正確に判断するのが難しい契約です。自社施設があるエリアに対応しており、法人向け高圧電力の供給実績が豊富な会社を、最低でも3〜5社ピックアップして比較するのが理想です。
市場連動型と固定単価型はどちらがよいですか?
市場連動型と固定単価型のどちらがよいかは、自社の電力使用状況と料金変動リスクへの考え方によって異なります。
固定単価型は、一定期間の料金単価が見えやすく、予算管理をしやすい点がメリットです。毎月の電気代を安定させたい法人や、社内稟議で料金の見通しを説明しやすくしたい場合に向いています。一方、市場連動型は、市場価格に応じて料金が変動する仕組みです。市場価格が低い時期には電気代を抑えられる可能性がありますが、価格が上がった場合は請求額が増えるリスクもあります。
「固定単価型だから必ず安心」「市場連動型だから必ず危険」と決めつけず、自社の使用量や稼働時間、料金変動への許容度に合わせて判断しましょう。
高圧電力を切り替えても停電しませんか?
電力会社を変更しても、電気はこれまでと同じ地域の送配電網を通じて供給されます。そのため、特定の新電力に切り替えたことだけが原因で、自社が停電しやすくなるわけではありません。
ただし、停電時の問い合わせ先や契約上のサポート体制は、電力会社によって異なる場合があります。特に、工場、病院、介護施設、物流倉庫など、電気の安定利用が重要な施設では、契約後のサポートや説明体制も確認しておくと安心です。
参考:電力・ガス取引監視等委員会「最終保障供給料金の在り方について」
新電力が撤退・倒産した場合はどうなりますか?
万が一、契約中の新電力が倒産・撤退した場合でも、原則としてただちに電気の供給が止まるわけではありません。高圧・特別高圧の需要家には、いずれの小売電気事業者とも契約できない場合に備え、一般送配電事業者による「最終保障供給」というセーフティネットがあります。あくまで一時的な受け皿なので、その間に早めに次の契約先を探しましょう。
高圧電力は料金・契約プラン・見積もり条件を複数社で比較しよう
法人の高圧電力見直しは、会社の固定費を削減し、営業利益に直接貢献できる可能性があります。
ただし、高圧電力の比較では、単純に「基本料金が安い」「電力量料金単価が安い」といった一部の金額だけで判断するのは危険です。
高圧電力の見直しを進めるときは、まず直近12か月分の電気料金明細や使用量データを用意しましょう。
- 基本料金のベースとなる「デマンド値(最大需要電力)」への配慮
- 燃料費調整額や各社独自の「調達調整費」の算出基準
- 将来的なリスクを回避するための「契約期間と違約金条件」
- 自社施設の稼働パターン(工場・ビル・商業施設など)に合わせた「固定単価型」か「市場連動型」かの最適なプラン選択
複数社の見積もりを同じ条件で比較すると、料金プランや契約条件の違いが分かりやすくなります。
ミツモルでは、法人の契約電力や使用量に合わせて、複数の高圧電力会社を一括で見積もり・比較できます。
自社だけで判断しにくい場合は、お気軽にご相談ください。
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