要件定義とは何か?スムーズな進め方や流れ・必要なスキルまで徹底解説!

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要件定義とは何か?スムーズな進め方や流れ・必要なスキルまで徹底解説!

システム開発やプロジェクトチーム立ち上げに伴い、要件定義をすることが欠かせません。

最終的なゴールをプロジェクトチーム全体で共有する効果があるほか、細かな仕様を作ったりトラブル時に見直しをおこなったりするときにも役立ちます。

しかし、要件定義とは何かそれぞれ異なるイメージを持っていることも多く、認識のすり合わせに時間がかかるケースもあるでしょう。

今回は、要件定義の進め方を紹介します。

完了までのフローや必要なスキルまで幅広く解説しますので、改めて基本を確認したいときに参考にしてみてください。

要件定義とは

要件定義とは、開発に着手する前段階におこなう方針決めです。

ソフトウェア開発であれば、何のためにソフトウェア開発をするのか・どんな課題を解決することがゴールなのか・どんなニーズがあって発注されたプロジェクトなのかを見直し、チーム内で共有します。

商品開発のプロジェクトであれば、自社が置かれている状態・ライバル企業の近況・開発の目的や狙いなどを共有します。

つまり、ニーズを明確にすることがポイントだと言えるでしょう。

何のためにこの業務があるか、根幹となるニーズを引き出しながら具体的な業務に落とし込み、フローとして確立させていくことが大切なのです。

要件定義をする理由

まずは、要件定義をする理由から探っていきましょう。

プロジェクトを進めるうえでゴールを明確にする要件定義が大事であるように、まずは要件定義をする目的そのものを理解しておくことが大切です。

期待通りの品質に仕上げるため

プロジェクトを立ち上げる理由を明確にし、ニーズを言語化することで、目指すべきポジションが定まります。

ニーズと実際の成果物がしっかり合致していれば、期待通りの品質として認められるでしょう。

そのため、要件定義によって事前にゴールを定めていくことが重要なのです。

反対に、要件定義ができていないとゴールがブレやすく、品質面で劣ってしまう可能性があります。

「期待していた機能が搭載されていない」というようなミスマッチが生じるほか、「現場に導入してみたはいいが何となく使いづらい」というような言語化できないモヤモヤも起こります。

プロジェクトを立ち上げた意味をしっかり見出せるよう、要件定義していきましょう。

プロジェクトの工数を計算するため

要件定義ができていると、プロジェクトの規模感が事前に分かります。

設計書に落とし込む前の段階でおよその工数計算ができるため、プロジェクトチームとして何人必要か、どれくらいのスケジュールが必要か、イメージしやすくなるでしょう。

そのため、専門知識を有する優秀な人材を事前に確保しやすくなります。

特にソフトウェア開発を手掛ける会社では、外部からのサポートやフリーランスエンジニアによるスポット参画に頼ることも多いため、要件定義を正確かつ早めに負わせておくことは人材確保における大きなアドバンテージとなります。

また、余裕を持った納期を設定し、万が一のトラブルや仕様変更にも備えておけば、品質も担保しやすくなるのです。

予算を正確に見積もるため

必要な金額だと分かっていても、当初の予算を超えてしまうプロジェクトになった場合、クライアントの満足度は大きく下がります。

また、スケジュールが遅れることによってコストが膨らむこともあるでしょう。

なかには予算オーバーすることが原因でプロジェクトが頓挫するなど、会社として収益バランスを崩すことになりかねません。

こうした事態を防ぐため、要件定義をおこなうことが重要です。

要件定義してプロジェクトとしてのボリューム感を提示しておけば、正確な予算見積もりがしやすくなるでしょう。

お互い納得のうえで着手できるため、後になってミスマッチが発覚することも防げるのです。

トラブルを起こさないため

システム開発ではメンバーごとに担当領域を分担することが多く、それぞれがそれぞれに課せられた役割を果たす必要があります。

そのためには要件定義をしっかりおこない、自分が今どの分野のどの業務を何のために担当しているのか、把握しておく必要があるでしょう。

これが整っていないと、複数人が似たような作業を同時並行でおこなっていたり、トラブルが網の目から抜け落ちて誰も気づけない状態が続いたりする可能性があります。

こうしたトラブルは開発側の都合によるものとしてクレームを生みやすく、信頼にヒビが入る原因となるため、注意しておきましょう。

要件定義の流れ

ここからは、要件定義の流れを解説します。

ひとつずつステップを踏み、クオリティの高い要件定義ができるよう意識していきましょう。

1.ニーズのヒアリング

まずは、クライアントのニーズをヒアリングします。

クライアントから相談を受けたときの第一声をしっかり留め、よりニーズを深掘りしていきましょう。

どんな問題を抱えているのか、どんな手段で打開し、どんなゴールを達成するのが目的か、全体像を把握していくステップです。

基本的に営業部員が担当することが多いですが、プロジェクトの規模によってはエンジニア・プログラマー・デザイナーが入ることも少なくありません。

また、いわゆる「御用聞き」だけに留まらないよう、必要と思われる要素があれば積極的に提案する姿勢も大切です。

自社が強みとしている分野であれば情報提供をおこない、クライアントが目指すゴールと手段に乖離があるようであれば適切に修正しながら要件定義を始めましょう。

2.ニーズの細分化

大前提となるニーズを把握できたら、更に細分化してヒアリングを進めます。

特にシステム開発の現場では、「必須要件」と呼ばれる絶対に搭載したい機能が最重要視されます。

それによってその後の仕様やプロジェクト規模も大きく変わってくるため、最初の段階で言語化しておくとよいでしょう。

また、「希望要件」としてできれば搭載したい機能をリストアップすることも大切です。

これが多く満たせているとクライアントの満足度は上がりやすく、リピートや紹介の獲得につながるでしょう。

ただし、搭載されている機能が多ければ多いほど、システムとして必ず優れているとは限りません。

クライアントの理解度・導入目的・実際に使用するユーザー人数や規模感を参考に、使いやすいシステムになるかを意識することが大切です。

3.要件定義書への落とし込み

要件が明確になり次第、要件定義書へ落とし込みます。

要件定義書は両者で最終的な確認をするために使うほか、クライアント企業内における社内共有資料として活用されることが多いです。

また、要件定義のための打ち合わせに出席していない人でも内容が分かるよう、開発側のプロジェクトチーム内でも共有されます。

特に、下記のような情報は必須項目として盛り込んでおきましょう。

  • 概要
  • 構想
  • ユーザーニーズ
  • 必須要件
  • 希望要件
  • ゴールとなる目標・目的

開発知識のない人でも理解できるよう噛み砕きながら作成し、全体像を示すことが大切です。

4.要件定義した内容を全体に共有する

要件定義した内容は全体に共有し、周知を図ります。

自社内だけでなくクライアント先企業にも周知できるよう、時にはクライアントの社内会議にも参加しながら、意義・目的を伝えていきましょう。

要件定義がはっきりしていると、プロジェクト自体に大きな価値を感じやすくなります。

社内稟議も通りやすくなり、期待以上の予算が獲得できることも少なくありません。

なかでは、エンジニアとは別に営業担当の社員を置いているケースもあります。

情報共有したうえでより高いレベルの開発ができるよう、戦略的におこなうこともあるため、知っておきましょう。

最適な要件定義をするために必要なスキル

最後に、最適な要件定義をするために必要なスキルを紹介します。

プロジェクトリーダーとしてスキルアップしたいときや、会社としてプロジェクトの成功率をあげたいときに目を通し、参考にしてみてください。

ヒアリングスキル

まずはクライアントからのニーズを引き出すため、ヒアリングスキルを磨く必要があります。

共に同じゴールを目指すビジネスパートナーであったとしても、表面的に出てくる言葉には本人も意図していないような齟齬・脚色が含まれることも多く、正確な状況を把握するのは難しいとされています。

話し手ではなく聞き手になるよう心がけ、話の方向性を誘導することなく、なるべく本音を聞き出すよう意識してみましょう。

また、裏付けされた状況を把握するため、データを活用することも効果的です。

クライアントの状況を正しく可視化し、ニーズと照らし合わせながら目指すべきゴールを探っていくことがポイントです。

情報共有スキル

クライアントの担当者ひとりと自分だけの間で100%の意思疎通ができていても、クライアントとなる企業の他担当者・役員・決裁権のある上司と情報共有ができていなければ、要件定義は失敗しやすいです。

プロジェクトの方向性を根幹からひっくり返されるようなニーズが出てくる可能性もあり、どんどん迷走してしまうことも考えられます。

また、自社のチームメンバーにも情報共有していないと、何のためのプロジェクトなのか方向性が分からなくなってしまいがちです。

そのため、要件をドキュメントに落とし込むなど、誰が見ても要件定義の内容が分かりやすいよう工夫することがポイントです。

ときには図・表・グラフ・イラスト・簡単なアニメーションなどを活用しながら視覚的に訴え、イメージを共有しておくとよいでしょう。

設計に落とし込めるよう文書化できるスキル

プロジェクトリーダーとして機能するためには、要件定義したものを設計書に落とし込めるだけの専門知識が必要です。

一見すると要件定義が完了して以降の業務であるように見えるため見逃しがちなスキルですが、これが欠けていると要件定義に合わない設計書ができてしまう可能性があるため、注意しましょう。

反対に、豊富な専門知識に基づいて要件定義がおこなわれれば、その後のプロジェクト進行もスムーズです。

「やるべきことが明確になっていれば後は手を動かすだけ」と思いやすく、チーム全体のモチベーションも上がるでしょう。

一朝一夕で身につくスキルではありませんが、だからこそ早期の段階から対策しておくことがおすすめです。

スケジュール管理スキル

要件定義をしてからプロジェクトが始動するというイメージを持っている人も少なくありませんが、実は要件定義段階からプロジェクトは始まっています。

あらかじめ提示したスケジュール通りに開発が進むよう、スケジュール管理スキルを身につけておきましょう。

ヒアリングにどれくらい時間がかかるか、情報共有にどれくらいの手順を踏むべきか、過去の案件を参考に目標立てしていくことがポイントです。

要件定義だけでひとつのスモールプロジェクトとして捉え、タスクを細分化市ながら進めていくと分かりやすくなるでしょう。

ときにはガントチャートなど可視化できるツールを使い、自分なりにしっかり管理していきましょう。

マネジメントスキル

チームメンバーをとりまとめ、効率よくパフォーマンスを発揮してもらうためんには、マネジメントスキルが欠かせません。

要件定義は自分ひとりでできるものではなく、過去事例を調査したりニーズに合ったトレンドをリサーチしたりする必要もあり、最初から複数人で動くことを前提に考えておきましょう。

的確な指示ができたりチームメンバーのモチベーションを自然に上げられたりするようなリーダーがいれば、そのプロジェクトチームのパフォーマンスは上がりやすくなります。

また、都度チームメンバーとコミュニケーションを取り、不安や疑問を解消する働きも必要です。

普段から円滑な情報共有ができる体制を整え、トラブル発生時であっても報告・連絡・相談ができるよう工夫していきましょう。

まとめ

要件定義のクオリティは、プロジェクトの成否を大きく左右します。

土台となる要件定義がブレなければ、万が一トラブルや仕様変更があっても対処しやすくなるでしょう。

反対に、要件定義をせずそれぞれの思うがままに動いてしまうと、後になって大きな齟齬が発生する可能性もあるため、注意が必要です。

まずは今回紹介したような要件定義フローを踏み、ひとつずつ確実にこなしていきましょう。

また、個人で身につけるべきスキルを知り、少しずつスキルアップしていくことも大切です。

 

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