この記事では、プロジェクト管理の基礎、プロジェクトの管理手法、プロジェクト管理で知っておくべき用語をご紹介します。
「プロジェクト管理を任されたけど、そもそもプロジェクト管理って何?」
「横文字ばかりで何もわからない…」
そんな人も安心して読めるよう分かりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
目次
プロジェクト管理とは、目的達成をサポートすること
プロジェクト管理とは、その名のとおりプロジェクトを管理することです。
ここでいう「プロジェクト」とは、ある目標や目的を達成するための計画や行動のことをいいます。
もっといえば、課題を達成するための計画を立てたり、必要な人材を集めたり、物やお金を管理することをまとめてプロジェクト管理というのです。
プロジェクト管理は目的達成のために必須
プロジェクト管理は、プロジェクトを成功に導くには欠かせないものです。
大規模なプロジェクトにもなると、社内のみならず社外からも人を集めてプロジェクトを進めることもあります。
このときメンバーがプロジェクトの目的を理解しておらず、決められた納期を守れなければどうなるでしょうか。
それぞれの向かっている方向はばらばらで、納期も過ぎてしまい、プロジェクトの成功は遠のいてしまうでしょう。
しかし、前もってプロジェクトの目的をメンバーに伝えておき、都度メンバー一人ひとりの進捗を確認したり情報共有ができていたりすれば、
チーム全体が活気付き、プロジェクトが成功に近づくのではないでしょうか。
このように進捗や情報共有などの管理をしておくことは、プロジェクトの目的達成の近道ともいえるのです。
プロジェクトの管理手法10選
ここからはプロジェクトの管理手法を10選を紹介します。
世界的に有名なプロジェクト管理手法をはじめとして、さまざまな管理手法を分かりやすく説明していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
PMBOK
PMBOK(ピンボック)とは、Project Management Body Of Knowledgeの略です。
アメリカのプロジェクトマネジメント協会が定めたもので、世界的に有名なプロジェクト管理手法として知られています。
PMBOKの目標はQCD(品質・費用・納期)の3つ。
プロジェクト達成のためには、5つのプロセスを行い、10個の知識エリアを理解することが大切だとされています。
5つのプロセスと10個の知識エリアとは、以下のものです。
- 立ち上げ
- 計画
- 実行
- 監視・コントロール
- 終結
- 総合管理
- 調達管理
- スコープ管理
- スケジュール管理
- コスト管理
- ステークホルダー管理
- 資源管理
- リスク管理
- コミュニケーション管理
- 品質管理
5つのプロセスとは、プロジェクトの流れを表したものです。
10個の知識エリアでは、5つのプロセスを管理するために必要なことがまとめられています。
後述するWBSなど、他の管理手法とあわせて使われることが多いようです。
P2M
P2MはProject and Program Managementの略で、日本発祥のプロジェクト管理手法の一つです。
内容は前述したPMBOKに、プログラムの管理知識を組み込んだものになっています。
一般的にPMBOKは商品開発などに使われるのに対し、P2Mは商品開発にとどまらず、
アイディアをどう活かすかまでを考えたいときに使われるといわれています。
CCPM
CCPMはCritical Chain Project Managementの略で、納期を短縮する、または納期の遅れを最小限にとどめるために使われる管理手法です。
例えばAさんがプロジェクトの予定を立てるとき、遅れることを見越して余裕をもったスケジュールを組んだとしましょう。
この余裕のことをビジネス用語では「バッファ」とよび、バッファを後回しにするのがCCPMです。
例えば1カ月で4つのタスクを消費する場合、通常であれば一週間ずつ割り振るところを、Aさんは5日ずつで割り振りました。
すると月末に数日間の余裕ができます。これがバッファを後回しにするCCPMを使ったプロジェクト管理手法です。
メリットは、たとえ業務の進捗に遅れがでても、バッファ(余裕)を消費するだけで納期を過ぎずにすむことです。
またタスクに余裕がないため、メンバーが優先的に取り掛かれるのもメリットの一つでしょう。
WBS
WBSとは、Work Breakdown Structureの略で、プロジェクトに必要な業務をいくつかに分け、構造化する管理手法のことをいいます。
PMBOKで前述したように、プロジェクトのスケジュール管理などに使われます。
WBSのメリットは、内容や表を見たメンバーがプロジェクトの流れをつかみ、何をすればよいのかが一目で分かることです。
またプロジェクトマネジャーも進捗を確認しやすく、どの工程を誰に割り振ればよいのか分かりやすいでしょう。
EVM
EVMはEarned Value Managementの略で、プロジェクトをコストで管理する手法のことです。
プロジェクトはたいていどの工程にどれほど時間がかかるかで管理されますが、EVMでは工程ごとにかかるコストをもとに管理します。
EVMではPV、EV、ACの3つを折れ線グラフにします。
PVはPlanned Valueの略で、いくらかかるか考えること、いわゆる予算のことです。
EVはEarned Valueで、業務の進捗具合をコストで表すことです。
ACはActual Costで、実際にかかったコストを表します。
それぞれを折線グラフにして表すため、一目でコストと進捗具合が分かるのがメリットです。
PERT
PERTとは、Program Evaluation and Review Techniqueの略で、プロジェクトのスケジュールを管理するときに使われる手法です。
PERTでは、プロジェクトにおける業務の関係がどれほど依存関係にあるのかを、丸や矢印を使って表します。
表された図をもとにすれば、業務にかかる時間や納期が分かる仕組みです。
PRINCE2
PRINCE2は、PRojects IN Controlled Environmentsの頭文字をとった言葉で、世界的に有名なプロジェクト管理手法の一つとして知られています。
国内ではアメリカで誕生したPMBOKが有名ですが、ヨーロッパではPRINCE2が主流なのだとか。
PRINCE2は、7つの原則、7つのテーマ、7つのプロセスと、プロジェクト環境の4つで構成されています。
それぞれに沿ってプロジェクトを進めていけば、全体像を把握しつつ管理できるような仕組みです。
PMBOKがプロジェクトの組織やシステムに着目した管理手法になっているのに対して、
PRINCE2はプロジェクトを管理する立場に着目した管理手法になっています。
プロジェクト管理で知っておくべき用語
ここからはプロジェクト管理で知っておくべき用語をご紹介します。
プロジェクトマネジャー
プロジェクトマネジャー(PM)とは、プロジェクト全体を管理する人のことです。
予算、計画、人選などプロジェクト全体を管理するため、プロジェクトがうまくいくかどうかは
プロジェクトマネジャーにかかっているといっても過言ではありません。
よく似た言葉にプロジェクトリーダー(PL)がありますが、両者は別物です。
プロジェクトマネジャーがプロジェクト全体を管理するのに対し、プロジェクトリーダーはプロジェクトマネジャーの指示をもとにメンバーを管理します。プロジェクトリーダーの方が現場で活動することが多いのも違いの一つです。
KPI
KPIはKey Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標と呼ばれることもあります。
KPIを見れば、プロジェクトの目標に対してどれほど達成できているのかが数値で分かります。
コンティンジェンシープラン
コンティンジェンシープランとは、トラブルが起こった際に被害を最小限に止めるため、あらかじめ決められたルールのことをいいます。
自然災害やゼロデイ攻撃などは防ぎようがないトラブルです。
例えば市民の生活に欠かせないサービスを提供している企業に防ぎようがないトラブルが起こってしまうと、
サービスを停止せざるを得ず、市民に影響が出てしまいます。
企業としての損失も大きく、場合によっては社会的に信用を失う可能性も考えられるでしょう。
コンティンエンジェンシープランを決めておけば、たとえトラブルが起こってしまったとしても、
迅速に解決に向けて行動できのに加え、与える影響も少なくすむというのが特徴です。
ガントチャート
ガントチャートとは、時系列と作業計画を棒線グラフで表したもののことです。
プロジェクト管理においてはスケジュールの管理に使われます。
表に書かれるのは、プロジェクトタスクや開始日、納品日、担当者などです。
一目でどのタスクを誰が担当したのか、どれほど時間がかかったのかが分かるのが特徴です。
長期間に複数人が作業するようなプロジェクトでは、時系列と進捗が同時に確認できるとしてよく使われているようです。
キックオフミーティング
キックオフミーティングとは、プロジェクトを始める際に「どんなプロジェクトにするか」「目標はどうするか」などを話し合う会議のことです。
プロジェクトの詳細を決めるためだけではなく、顔合わせやメンバーのモチベーションを高くする目的でも開催されます。
これから立ち上がるプロジェクトの基礎が決まる大切な会議です。
スコープクリープ
スコープクリープとは、プロジェクトの途中で業務が増えたり、プロジェクトの目的が変わったりすることをいいます。
例えばAさんがプロジェクトの業務を進めているとき、クライアントと意見の相違があったとして、別の業務を任されました。
このとき本来1つであった業務が2つに増えています。これをスコープクリープといいます。
プロジェクト管理は専用ツールが便利!
プロジェクトの目的を効率よく達成するためには、プロジェクト管理ツールの活用がおすすめです。
プロジェクト管理を使えば、プロジェクトメンバー一人ひとりの進捗が目で見て確認できます。
またクラウド型のツールを選べばリモートワークをしているメンバーとの情報共有ができるのもメリットの一つです。
簡単に操作できるものを選べばITツールに慣れていない人でも使えるため、チーム全体のプロジェクト管理に役立つでしょう。
まとめ
プロジェクト管理とは、プロジェクトの目的を達成する上で必要なものだとお伝えしました。
今回ご紹介したプロジェクト管理手法を活用して、プロジェクトを成功へ近づけましょう。
より手軽にプロジェクトを管理したい方には、プロジェクト管理ツールの活用がおすすめです。
プロジェクト管理ツールでは、進捗の見える化に加え、プロジェクトメンバー内での情報共有やコミュニケーション活性化にも役立ちます。
誰でも簡単に操作できるよう設計されたものを選べば、ITツールに不慣れな方でも問題なく使えます。
効率よくプロジェクトを進めたい方はぜひ検討してみてください。