現在、私達の生活にITシステムは欠かせないものとなりました。
実際に、スマホからブラウザを使用してブログを見たり、旅行サイトを利用して予約を入れたりしています。
また、会社では名刺管理アプリや会計システムを利用して業務効率化を図っているところも多いのではないでしょうか。
実は、私達が普段から使用しているITシステムの中には、オープンソースを利用して開発されたものもあります。
オープンソースとは一体何を意味するのかわからない方も少なくないでしょう。
この記事では、オープンソースについてわかりやすく解説します。
また、利用するメリットや代表例についても触れていますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
目次
オープンソースとは?わかりやすく徹底解説!
オープンソースとは、インターネット上に無償公開されているプログラムのことです。
通常、企業や個人が開発したコードは、公開されることがありません。
クローズドソースといいますが、プログラムを組むのには時間がかかりますし、お金も必要なので公開されていない製品も多いです。
一般的に、そのシステムを利用するためには、費用が必要になります。
一方、オープンソースは、無償で公開されており、ライセンスを厳守すれば、自由に使うことが可能です。
例えば、ソースコードをダウンロードして自社システムに組み込んだり、ソフトウェアをそのまま使用したりすることもできます。
また、元々のソースコードを改修し、機能を追加してさらに利便性の高い製品にすることもできるのです。
オープンソースの定義は、おおよそ10項目あります。
例えば、再配布の許可や無償提供、派生ソフトの配布許可などです。
すべての条件を満たすプログラムがオープンソースとして扱われます。
オープンソースを開発・利用する5つのメリット
オープンソースのメリットは5つ挙げることができます。
利用を検討している人は、ぜひチェックしてください。
低コスト
1つ目のメリットは、低コストであるという点です。
公開されているものはすべて無償で使用することができます。
そのまま製品として使用するだけでなく、自社システムに追加したい機能のみをダウンロードして組み込むことも可能です。
通常、システム開発には多くの費用と工数がかかるので、費用を抑えられるという点は大きな魅力といえるでしょう。
安全性が高い
オープンソースは無償で公開されているので、危険なイメージを持つ方も少なくありません。
確かに、公開されているプログラムを読み、脆弱性を見つけてそれを悪用するハッカーもいるでしょう。
しかし、実はソースコードを公開することで安全性が高くなるのです。
オープンソースはインターネット上で公開されているため、多くの人がそれを見たり、ダウンロードしたりします。
自身が利用するため、不正なプログラムや脆弱性がないかチェックしてから利用するのが一般的です。
つまり、公開されていることによって多くのプログラマによる監査を受けていることになります。
万が一、脆弱性が見つかったときはすぐにアップデートされるため、ソースコードの信頼性は高いです。
サポートを選択できる
3つ目のメリットは、サポートを選択できることです。
オープンソースには、コミュニティ版と商用版の2種類が用意されています。
コミュニティ版は、実装後に支援サポートを受けられるサービスです。
一方、商用版はバグや脆弱性、法的保証などのサービスを受けることができます。
使用するプログラムによってサポートを自由に選択し、利用することができるので大きな魅力です。
技術者に依存しない開発環境の構築
公開する側にはメリットが少ないと思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は開発者側にも大きな魅力があります。
それは、技術者に依存しない開発環境の構築です。
特定の技術者に依存して開発を進めると、その人材がいなくなったとき、開発の中断や改修できないというトラブルを抱える可能性があります。
一方、オープンソースとしてソースコードを公開すれば、世界中の技術者に支えられてソフトウェア自体を成長させていくことができます。
また、開発だけでなく、第三者からの監査を受けることも可能です。
ソースコードが洗練されるなど、クローズド環境では得られないメリットもあるので、開発企業の中にはソースコードを公開するところも少なくありません。
ライセンスで守られる
ライセンスで守られることもメリットのひとつです。
オープンソース化することで、プログラムを無償公開することになります。
再配布なども可能ですが、改良や再配布の範囲はライセンスで守られているものが多いです。
好き勝手にできるわけではなく、著作権も保護されているので、開発者は権利を得ながら第三者の手を借りて開発を進めることができます。
オープンソースのデメリット
オープンソースを利用するデメリットは3つです。
利用を検討している人は、これらを想定した上で導入しましょう。
トラブル発生時の対応が難しい
1つ目のデメリットは、トラブルが発生した際の対処が難しいことです。
基本的に、トラブルを解決するためには、自分で対処するかコミュニティを通じて解決してもらう必要があります。
自分で対処できず、コミュニティを利用する場合、質問の回答を得られるまでに時間がかかります。
そのため、緊急のトラブルが発生したとき、迅速に対応することができません。
また、質問に対して必ず回答を得られるわけではないため、問題解決に至らないこともあります。
技術力が必要
2つ目のデメリットは、技術力が求められる点です。
エンジニアといってもスキルレベルは幅広く、オープンソースを扱えるエンジニアを見つけることは難しくなります。
また、アニュアルを読んだり、ソースコードを解析したりする力も必要になるため、高い技術力が必要です。
サポートが打ち切られることがある
3つ目のデメリットは、サポートの打ち切りがあることです。
開発者のコミュニティが打ち切りを発表すると、そのオープンソースは技術者からサポートを受けることができなくなります。
サポートが終了すると第三者からの監視を受けられなくなるため、そのソフトウェアは常に脆弱性のリスクを抱えることになるのです。
結果的に、特定の技術者に依存することになったり、脆弱性の問題解決に多くの時間を費やしたりすることになるため、オープンソースの本来の恩恵を受けづらくなります。
有名なオープンソースソフトウェア5選
最後に、有名なオープンソースを5つご紹介します。
どのようなソフトウェアがオープンソースなのかわかるので、ぜひチェックしてください。
WordPress
1つ目はWordPressです。
WordPressは世界中で使用されているCMSの一種になります。
CMSとはコンテンツマネジメントシステムの略称です。
WordPressを利用すれば、簡単にブログやWebサイトを構築することができます。
テーマを入れるだけでオリジナルのサイトを制作できたり、プラグインを入れればサイトに機能を追加できたりするので、非常に便利です。
WordPressはオープンソースソフトウェアになります。
GitHubでもソースコードが公開されており、無料で利用することが可能です。
Apache HTTP Server
2つ目の代表例は、Apache HTTP Serverです。
Apache HTTP Serverを利用すれば、Webサーバーを構築することができます。
世界中の約半数のWebサーバーはApacheが使用されており、有名なオープンソースソフトウェアです。
実際には、サーバーにインストールしてドキュメントルートにサイトファイルを配置します。
公開されたサイトは外部から閲覧することが可能です。
Apacheはオープンソースソフトウェアとなっており、無償で利用することができます。
MySQL
3つ目は、MySQLです。
MySQLはデータベースのことで、さまざまなデータを格納することができます。
例えば、文字列や数値だけでなく、画像なども記録することが可能です。
WordPressを使用する際に使われたり、アプリのデータベースとしても利用されたりします。
EC-CUBE
EC-CUBEもオープンソースソフトウェアの代表例です。
EC-CUBEは、ECサイトを構築することができるネットショッピング構築システムのことになります。
クラウド版とダウンロード版が用意されており、ダウンロード版は無償で利用することが可能です。
すでに35,000店舗以上がEC-CUBEを利用してショッピングサイトを構築しており、とても有名なサービスのひとつになります。
日本国内で開発されているため、自然な日本語表記となっており、使いやすい点が大きなメリットです。
Android
Androidもオープンソースソフトウェアの代表例です。
タブレットやスマートフォンで利用されるモバイルOSのことで、Googleによって開発されオープンソース化されました。
Androidはとても身近なオープンソースであり、普段から利用している方も多いのではないでしょうか。
まとめ
今回は、オープンソースの基礎とメリット・デメリット、代表的なソフトウェアについてご紹介しました。
オープンソースは無償で利用できるなどのメリットがありますが、一方でサポートの打ち切りがあるなどのデメリットも存在します。
そのため、利用を検討している方は、良い点と悪い点の両方を把握して導入するのがおすすめです。