コンビニのフランチャイズ開業は、フランチャイズの中でも比較的メジャーな業種です。
街中で見かけるコンビニの多くはフランチャイズ店舗であり、実際の経営に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
結論から述べると、コンビニを開業するには最低300万円は必要です。
本記事ではコンビニのフランチャイズ開業について、メリットデメリットをまとめました。
必要資金や始め方も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
コンビニを開業するには最低300万円〜必要
結論として、フランチャイズでコンビニを開業する場合、最低でも300万円程度の資金が必要になります。
フランチャイズ本部によって金額は多少前後しますが、資金が足りなければそもそもフランチャイズに加盟できません。
なお、300万円の中には加盟金のほか、研修費用や開店準備手数料、開店準備金と呼ばれる項目が含まれています。このほかに物件取得費や人件費などの必要資金が生まれる可能性もありますので、資金に余裕を持っておくのがおすすめです。
なお、開業時に銀行から借り入れすした場合、万が一負債が残ると、その後の生活を圧迫してしまいます。
自己資金で開業に必要な資金を用意できれば、初年度から利益が生まれるメリットもありますよ。
コンビニの開業にいくら必要?準備資金を項目別に解説
コンビニを開業するにあたって、必要となる準備資金は以下の5つです。
- 加盟金
- 自己資金
- 開業準備手数料
- 研修費
- 開店準備金
それぞれの資金について、詳細を見ていきましょう。
加盟金
加盟金は、フランチャイズとしてコンビニを開業するために必要となる資金です。フランチャイズ本部によって金額は異なりますが、100万円~300万円程度が相場となっています。
加盟金は、既にある看板を背負って商売を始めるために支払うものです。フランチャイズとして開業するうえでは支払いを避けられません。
また、加盟金をフランチャイズ本部に支払うことで、経営ノウハウの共有やサポートを受けられるメリットも生まれます。
自己資金
自己資金を持っていれば、コンビニ開業時に必要資金を借り入れる必要がなくなります。最低でも加盟金、可能であれば数か月分の仕入れ費用や人件費を余剰に用意しておきましょう。
また、コンビニ開業をする上で借入するのはおすすめしません。コンビニの中でも10年以上経営できるのは約3割といわれており、もし3割に入れなかった場合は負債のみが残ってしまいます。
リスク回避の意味も込めて、フランチャイズでコンビニ開業をするときは自己資金のみで取り組むようにしましょう。
開業準備手数料
開業準備手数料は、その名の通りコンビニの開業にかかる手数料のことを指します。一般的には加盟金の中に含まれており、内訳としては50~100万円になることが多いです。
加盟金のほかに別途用意する必要はないものの、内訳として含まれていることは理解しておきましょう。
研修費
研修費は、フランチャイズ本部の経営方針や業務の進め方などの研修に参加するために必要となる費用です。研修費は加盟金に含まれているため、別途支払いは必要ありません。
研修費は50万円程度に設定されていることが多く、その分経営ノウハウを学べます。
店舗経営に初めて取り組む場合でも、しっかりとした研修が用意されているのは安心できるポイントといえるでしょう。
開店準備金
開店準備金は、店舗経営を始めるのに必要な機材や設備を整えるのに必要な資金です。
加盟金の中に含まれているため、改めて資金を用意する必要はありません。
なお、内訳としては50万円前後になっていることが多いです。
コンビニで開業ができるフランチャイズ
フランチャイズとして開業を目指すなら、以下3つのコンビニが有名です。
- ローソン
- セブンイレブン
- ファミリーマート
それぞれの必要資金やロイヤリティについて、詳しく解説していきます。
ローソン
| 土地・店舗がない場合 | 土地・店舗がある場合 |
必要資金 | 310万円 | 210万円 |
加盟条件 | ・20才以上 ・店舗専従者2名以上 | |
転居支援金 | 110万円
| |
店舗建設・内装設備 | 本部負担 | オーナー負担 |
営業什器 | 本部負担 | 本部負担 |
最低保証額 | 年間フランチャイジー収入 年間1,860万円 ※営業時間が24時間に満たない店舗については、年間フランチャイジー収入が1,560万円 | 年間フランチャイジー収入 年間1,980万円 ※営業時間が24時間に満たない店舗については、年間フランチャイジー収入が1,680万円 |
ロイヤリティ | 【FC-Cn 契約】(10年契約) 総荒利益高に対して、スライドチャージを乗じた金額 ・300万円以下の部分:45% ・300万円を超え、450万円以下の部分:70% ・450万円を超えた部分:60% ※営業時間が24時間に満たない店舗は、上記各チャージ率に3%加算したものがチャージ率になります。 【FC-5Cn 契約】(5年契約) 総荒利益高に対して、スライドチャージを乗じた金額 ・300万円以下の部分:46% ・300万円を超え、450万円以下の部分:71% ・450万円を超えた部分:61% ※営業時間が24時間に満たない店舗は、上記各チャージ率に3%加算 | 総荒利益高に対して、次の率を乗じた金額 ・300万円以下の部分:41% ・300万円を超え、450万円以下の部分:36% ・450万円を超え、600万円以下の部分:31% ・600万円を超えた部分:21% ※営業時間が24時間に満たない店舗は、上記各チャージ率に3%加算 |
ローソンのフランチャイズは、20才以上で必要資金が用意できれば誰でも開業できます。
専従者は2名以上用意しなければならないため、夫婦で取り組む人も少なくありません。
ローソンのフランチャイズには加盟店サポートと呼ばれる見切り・処分にかかる費用の一部や光熱費の一部、電気代および店内空調のための光熱費50%を本部が負担する仕組みも設けられています。
なお、一か月の上限は25万円です。
加えて、フランチャイズのオーナーになるためのインターン制度を活用すれば、契約社員として給与を得ながら経営ノウハウを学べます。
セブンイレブン
土地・店舗がない場合 | 土地・店舗がある場合 | |
必要資金 | 315万円 | 260万円 |
加盟条件 | ・60歳以下 ・2名での加盟が可能な方 | |
最低保証額 | オーナー総収入 2,000万円(24時間営業/年額) ※24時間営業以外の場合は1,700万円 | オーナー総収入 2,200万円(24時間営業/年額) ※24時間営業以外の場合は1,900万円 |
ロイヤリティ | 売上総利益にスライドチャージ率を乗じた金額 | 売上総利益に45%の率を乗じた金額 |
セブンイレブンのフランチャイズ経営は、立ち上げから運営までをサポートしてくれる制度が用意されているのが魅力です。「OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)」と呼ばれる店舗経営相談員がいるため、不明点があれば都度確認しましょう。
また従業員の募集を自らする必要はなく、HPへの無料掲載と併せて、応募者の受付は本部のコールセンターが代わりに対応してくれます。
地域の中でもモデル店として認定されると複数店経営のチャンスも生まれるため、やりがいのあるフランチャイズ経営といえるでしょう。
なお、複数店舗経営時はロイヤリティ減額をはじめとするさまざまな優遇を受けられます。
ファミリーマート
土地・店舗がない場合(1FC-C/10年契約) | 土地・店舗がない場合(2FC-N/10年契約) | 土地・店舗がある場合(1FC-A) | 土地・店舗がある場合(1FC-B) | |
必要資金 | 150万円 | |||
加盟条件 | ・2名で専業できる人 ・開業資金のうち、1,000万円程度を手元資金として用意できる人(契約時必要資金150万円含む) | ・ご夫婦または三親等以内の親族2名で専業できる方 ・20歳以上70歳以下の人 ・契約時必要資金150万円の他、開店時にストアスタッフ募集、許認可申請、店長研修受講時の交通費・宿泊費、2~3ヶ月程度の生活費を用意できる人 | ・健康、勤勉で熱意のある人 ・店舗運営のための土地・建物を持っている人 | |
土地・建物 | 本部が負担 | 本部が負担 | オーナーが負担 | オーナーが負担 |
内装設備工事費用 | オーナーが負担 | 本部が負担 | オーナーが負担 | オーナーが負担 ※(内装設備工事の一部は本部が負担) |
ロイヤリティ | 300万円以下の部分:59% 300万1円以上、450万円以下の部分:52% 450万1円以上の部分:49% | 300万円以下の部分:59% 300万1円以上、550万円以下の部分:63% 550万1円以上の部分:69% | ・250万円以下の部分:49% ・250万1円以上 350万円以下の部分:39% ・350万1円以上の部分:36% | ・250万円以下の部分:52% ・250万1円以上 350万円以下の部分:42% ・350万1円以上の部分:39% |
ファミリーマートのフランチャイズは、土地・店舗有無に合わせて2契約、計4契約の中から選べるのが特徴です。
それぞれロイヤリティやサポート内容が違うため、自分に合わせた契約内容を選びましょう。
加盟条件も店舗がある場合・ない場合で異なるため、申し込み前に確認しておくのがベターです。
開業時は店舗環境や顧客の動向・競争関係など、立地調査報告書の作成や既存店の損益関連の情報提供も受けられます。
また、複数店舗経営時は奨励金として、資金的な支援が受けられるのもメリットの1つです。
コンビニを開業する方法・始め方
コンビニを開業するには、以下3つの準備が必要です。
- 建物・土地の選定
- 人材の確保
- 資格の取得
それぞれどのような準備が必要か、詳しく解説していきます。
建物・土地の選定
コンビニを開業するには、土地と建物を用意しなければなりません。既に所有している人はその土地や建物を活かすことが多いです。
土地や建物を所有していない場合でも、フランチャイズ本部が用意してくれる契約もあります。
そのため、土地や建物の選定について難しく考える必要はないでしょう。
人材の確保
コンビニを経営するには、当然人材の確保が必要です。店舗を回すうえでどの時間帯に何人必要なのか、調整しましょう。
このとき、さまざまな層の人材を集めるのが大切です。学生や主婦、フリーターなど、時間帯に合わせた人材を確保しておくことで、特定の時間に人が偏る心配がなくなります。
資格の取得
コンビニを開業する場合、下記5つの資格が必要になります。
- 酒類販売管理者
- 食品衛生責任者
- 安全衛生推進者
- 防火管理者
- (たばこ)一般小売販売業
基本的には講習を受ければ取得できる資格となっており、すべて取得するためには3万円前後の費用が必要です。
コンビニを開業する2つのメリット
コンビニをフランチャイズで開業する場合、以下のメリットがあります。
- 本部のノウハウを活かせる
- 加盟形態を選択できる
どのようなメリットなのか、詳しくみていきましょう。
本部のノウハウを活かせる
フランチャイズに加盟するということは、経営方針やノウハウは既に本部が持っているということです。そのため、一から経営ノウハウを組み立てる必要がありません。
多くのフランチャイズは加盟店に経営ノウハウを伝えるだけでなく、運営のサポートを実施しています。
経営初心者でも始められるのは、フランチャイズならではのメリットといえるでしょう。
加盟形態を選択できる
フランチャイズに加盟する場合、加盟形態を自由に選択できるのがメリットです。
具体的には店舗や土地を自分が用意するか本部が用意するかで分類され、加盟形態によって契約内容や必要資金が変わります。
自分に合う加盟形態かを吟味して、より利益を生み出しやすい契約内容を目指しましょう。
コンビニを開業する際の2つのデメリット
コンビニをフランチャイズで開業する場合、以下のデメリットが生まれます
- ロイヤリティが必要
- 採用が要になる
それぞれのデメリットについて、詳しくみていきましょう。
ロイヤリティが必要
フランチャイズ全般に言えることですが、加盟する場合はロイヤリティの支払いが必要です。
まずはロイヤリティの種類について、下記を見てください。
- 売上歩合:ロイヤリティの中で最も一般的な方法。売り上げに応じてロイヤリティが変動する。
- 粗利分配:利益として残った金額を本部と店舗で分配する方法。
- 定額:売り上げに関係なく、毎月一定の金額をロイヤリティとして支払う。
3つの方式の中でも、コンビニは粗利分配の形式をとっていることがほとんどです。
利益に応じて割合が変わるため、より高い利益を生み出すのが収入アップにつながります。
採用が要になる
フランチャイズでコンビニ経営する場合は、採用が要になります。そもそも人が集まらなければ、常に自分が店舗に出続けなければなりません。
また、時間帯が偏ってしまうと人がいない時間が増え、自分自身に負担がかかってしまいます。
さまざまな年代の人材を採用することで、経営に専念する時間を生み出せるでしょう。
ただし、人を採用すればその分人件費がかかります。人件費と相談しながら人を雇うのも重要な要素であることを覚えておきましょう。
コンビニを開業する際によくあるQ&A
コンビニ開業について調べていくと、以下3つの疑問を抱いている人が多く見られました。
- 補助金・助成金・融資はある?
- 個人で開業できる?
- 年収はいくらぐらい?
ここからはそれぞれの疑問について、詳しくみていきましょう。
補助金・助成金・融資はある?
結論として、コンビニ経営に利用できる補助金・助成金は以下のようなものがあります。
- 雇用調整助成金
- 特定求職者雇用開発助成金
- 地域雇用開発助成
- キャリアアップ助成金
- 65歳超雇用推進助成金
- 人材確保等支援助成金
- トライアル助成金
各助成金にはそれぞれ利用条件が設けられています。条件を満たしているか、利用時は必ず確認しましょう。
なお融資に関してですが、信用金庫や日本政策金融公庫から借り入れできるケースがあるようです。
個人で開業できる?
結論として、コンビニの個人開業は可能です。むしろ法人で開業するケースの方がまれといえるでしょう。
個人で開業する場合には、フランチャイズとして加盟する方法が一般的です。
各コンビニの加盟条件やロイヤリティなどを確認して、自分に合った加盟先を見つけましょう。
年収はいくらぐらい?
フランチャイズの加盟先によって金額は異なりますが、コンビニオーナーの年収は700万前後といわれています。
ただし、コンビニオーナーは経営者です。そのため、自身の努力や経営戦略によって年収は上にも下にも変わります。
また、夫婦で経営する場合は個人年収ではなく、世帯年収として計算するのが一般的であることも覚えておきましょう。
コンビニでフランチャイズ開業をするならよく検討しよう
今回はコンビニをフランチャイズで開業するときの資金やメリットデメリットについて解説してきました。
結論として、コンビニのフランチャイズ開業は選択肢としては十分ありです。ただし、契約形態やロイヤリティなどをきちんと計算しなければ、思ったように売り上げが立たない可能性もあります。
まずはフランチャイズの場合にどんな契約形態があるのか、メリットデメリットはどのくらい自身に影響するかを比較・検討しましょう。
この記事で紹介した内容をもとに、ぜひコンビニのフランチャイズ開業を検討してみてください。
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