現代社会はIT技術が進歩し、さまざまな企業がデータを保有するようになりました。
このような膨大なデータを企業は適切に管理しなければならないため、BIツールに注目している方もいるのではないでしょうか。
BIツールを導入することで効率的にデータを収集し、分析しやすい環境を構築することができます。
しかし、BIツールはうまく使いこなすことではじめて成果を得られるツールです。
実際に、成果が出ないことで悩みを抱えている企業も少なくないでしょう。
この記事では、BIツールの基本概要や成果が得られない根本的な理由、導入後のメリット・デメリットについて詳しく解説しますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
BIツールとは？基本から学ぼう
『BIツール』とは、Business Intelligence toolsの略で社内にあるデータを集計し、分析した上で状況を可視化してくれるツールのことです。
簡単にいえば、社内データを自動でまとめて分析し、誰でもわかるようにグラフなどを用いてデータを表示してくれるソリューションシステムを意味します。
現在、さまざまなシステムが登場し、多くの企業が実際に導入するようになりました。
例えば、顧客管理をするために顧客管理システムを導入したり、営業プロセスを可視化するために営業支援システムを活用したりしています。
営業部門はSFAを使用し、マーケティング部門はCRMを使用するなど、それぞれの部署で導入しているツールが異なるため、データが社内で分散している状態が発生するのです。
このように、分散しているデータをそれぞれでつなぐ役割を担ってくれるのでBIツールになります。
導入することで、データの集計や分析を簡単に行うことができるため、経営判断の意思決定を支援してもらうことが可能です。
このように、数多くの魅力があるので、現在多くの企業でBIツールの導入が加速しています。
下記でもっと詳しく紹介しておりますので、ご確認ください！
BIツールで成果を得られない4つの理由
BIツールで成果を得られないことに悩みを抱えている方も少なくないでしょう。
成果が得られない根本的な理由は大まかにわけて4つ考えることができます。
具体的な理由を知ることで自社の課題解決に役立つ可能性もあるので、ぜひ参考にしてください。
データの品質が悪い
1つ目の理由は、データの品質が低いという点です。
BIツールは、あくまでも情報を収集し、分析した上で可視化することが役割になります。
本来あるものを活用するため、データ自体の品質が悪いと成果が出ない原因となるでしょう。
品質が悪い原因のひとつに情報の入力ミスや非活用が挙げられます。
例えば、CRMを運用している企業の中には、営業担当者が不正確な顧客情報を入力しているというところもあるのではないでしょうか。
名前や性別、メールアドレスなど、顧客情報が間違っていると正しい分析をすることはできません。
このような不正確な情報入力が行われる原因は、「CRMやSFAツールに何を入力するのかわからない」、「使い方を理解していない」などが挙げられます。
また、企業の中には、CRMやSFAツールを活用していない社員がいるというケースも珍しくありません。
その理由としては、「今までの業務フローを変えられない」、「業務負担を増やしたくない」などが挙げられます。
このような事態に陥っている場合、BIツールを利用しても活用できるデータを表示することは難しいです。
導入後、成果が出ていない企業は、CRMやSFAの使用率、正確に入力されているかをチェックし、原因を探るようにしましょう。
CRMやSFAの使い方がわからないという理由であれば、社内教育を行うなどの対策を講じることで改善を期待することができます。
情報共有が阻害されている
2つ目は、情報共有が阻害されているからです。
それぞれの部署でCRMやSFAなど使用するツールが異なります。
しかし、各部署で同じデータを扱うケースも珍しくありません。
例えば、営業部門とマーケティング部門で同じ顧客情報を扱うことも非常に多いです。
しかし、そのデータが部署間で統一されていない場合、まるで違う顧客であるかのように見えてしまうことがあります。
このような状態になっていると集計や分析、表示が正しく行われないため、導入しても成果が出ない原因となるでしょう。
また、情報共有の阻害はシステム間で発生するだけに留まりません。
例えば、部門特有の専門用語、特定の部署で独立している計算ロジックの定義なども情報共有の阻害を引き起こす原因です。
専門用語や計算ロジックの定義が原因で分析がうまくできない場合、それぞれのシステムデータを統合しても整合性を取ることができず、失敗してしまう原因になります。
そのため、部署間で話し合いの機会を設けて、データ統合やロジック定義をすり合わせるようにしましょう。
使い方を理解できていない
3つ目は、使い方を理解できていないからです。
部署やシステム間のデータ統合が正しく行われているのにも関わらず、成果が出ないときは、BIツールを利用する人が使い方を理解できていない可能性があります。
BIツールは豊富な機能が集約されている収集・分析ツールです。
そのため、うまく使いこなせないケースは決して珍しくありません。
例えば、「どのような指標をチェックすればいいのかわからない」、「Excelでできる程度の範囲でしか使われていない」という場合は従業員が使い方を理解できていないといえるでしょう。
このような状態に陥っている場合、重要なKPIを見失ってしまったり、費用対効果が悪くなったりする可能性も十分に考えられるので改善が必要です。
施策につなげられていない
4つ目は、施策につなげられていないことです。
BIツールは、社内で分散されているデータを収集して分析・表示することが大きな役割になります。
しかし、企業がBIツールを利用する本来の目的は、分析から得られるヒントを施策につなげて収益向上を狙うことです。
そのため、社内の情報可視化が最終的なゴールではありません。
もちろん、施策につなげられていない企業は費用対効果を得ることができないため、成果が出ていないと感じることになるでしょう。
まずは、BIツールの導入した目的をもう一度洗い直しましょう。
そして、可視化されたデータをチェックしてその目的を達成するためには、何をしなければならないのか考えます。
そうすれば、自ずと施策が見えてくるのではないでしょうか。
BIツールを導入することで獲得できるメリット3選
BIツールを導入することでどのようなメリットを獲得することができるのか確認しておきたい担当者もいるのではないでしょうか。
運用に成功すると得られるメリットは大まかに分けて3つあります。
それぞれのメリットを詳しく解説しますので、ぜひチェックしてください。
データを収集して分析できる
1つ目のメリットは、データ収集と分析を行える点です。
社内のシステムにあるすべてのデータを収集して分析してくれます。
また、数値や表データに関しては、グラフで見やすく表示してくれるので、非常に便利です。
通常、BIツールを導入していない企業では、担当者が各システムからCSV形式でデータをエクスポートし、Excelを使用して統合したデータを表示しなければなりません。
社内で活用しているシステムが多ければ多いほど、集計に時間がかかります。
一方、BIツールを利用すれば、各システムからデータをエクスポートする必要がありません。
また、統合データをわかりやすく表示するためにグラフで資料を作成する作業も不要です。
担当者の負担を大幅に減らすことができるのでメリットになるでしょう。
分析の時間を短縮できる
2つ目のメリットは、分析の時間が短くできる点です。
BIツールには、OLAP分析やデータマイニングなど分析に関するさまざまな機能が搭載されています。
それを使用すれば、あらゆる手法でデータを分析し、情報の可視化を実現することが可能です。
Excelを使用する場合、関数などを使用する必要があり、作成に時間がかかります。
BIツールを使えば、そのような手間を大幅に削減できるので大きなメリットといえるでしょう。
課題の早期発見が可能
3つ目のメリットは、課題の早期発見を期待できる点です。
BIツールは情報をリアルタイムで可視化することができるため、素早く現状を把握することができます。
これにより、自社が抱える課題や問題点などを見つけやすくなるため、深刻な状態になる前にアプローチし、解決に導くことができるでしょう。
費用が高い！？BIツールのデメリットとは？
BIツールには、一定のデメリットも存在します。
具体的なデメリットについて詳しく解説しますので、リスクを知っておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
高度なツールなので使いこなせないリスクがある
1つ目のデメリットは、BIツールが高度であるという点です。
多くの機能が搭載されており、慣れるまでに時間がかかることもあります。
また、導入目的などを明確にしてから導入しないと失敗する恐れもあるため、運用を成功させるためには、まず何が必要なのかをあらかじめ把握しておくことが重要です。
データを揃えなければならない
2つ目のデメリットは、データを揃える必要があるという点です。
BIツールを使うためには、“データがあること”が大前提になります。
そのため、スタートアップなど事業年数が浅い企業は、収集できるデータが少ないので、効果を得られない可能性もあるでしょう。
コストが発生する
3つ目のデメリットは、コストが発生するという点です。
高度なツールになるため、ある程度の費用がかかります。
初期費用やランニングコストがかかるので、企業の中には負担を感じるところもあるでしょう。
しかし、運用を成功させれば、支払う費用に対して十分な効果を得られる可能性もあります。
それぞれの製品で金額は異なるため、予算に合ったところを選択するのがおすすめです。
まとめ
今回は、BIツールで成果が出ない理由や導入後のメリット・デメリットについて解説しました。
実際に導入することで、社内にある情報を収集・分析できる、経営判断に役立つなどのメリットがあります。
一方、コストがかかるなどのデメリットも存在するため、予算については社内で話し合って自社に合った製品を選ぶようにしましょう。
