インターネット回線の発達やスマートフォンの普及などもあり、誰でも手軽に動画を視聴できるようになりました。
YouTubeやTikTokといった動画配信プラットフォームも主流となり、動画は視聴するだけではなく自作して投稿することも一般的になってきています。
このような環境下の中、企業も動画を重要なマーケティング手法として捉えるようになり、多くの企業が動画を活用したマーケティング施策に注力するようになってきました。
昨今では、新型コロナウイルスの影響もあり、対面での営業・マーケティングから動画にシフトする傾向も強くなってきています。
動画マーケティングでは、自社の商材やサービスの認知度、理解度の向上だけでなく、ユーザーへの購買意欲やブランディングの向上にも期待されています。
とはいえ、「動画をどのようにマーケティングに活用したらいいのか分からない」「動画マーケティングって何?」「動画をマーケティングに活用する上でどういった点に気をつければいいの?」などと悩まれる担当者も少なくありません。
そこで今回は、動画マーケティングに関して、その概要やメリット・デメリットなどについて紹介していきます。
目次
動画マーケティングとは?
そもそも動画マーケティングとは、映像やアニメーションといった動画を用いたマーケティング施策全般のことを指します。
アメリカの「Forrester Research」の研究によると、1分間の動画コンテンツには、Webサイト3,600ページ分の情報量があるといわれています。
このように動画はユーザーへの情報伝達力や訴求力に優れているため、自社の商材やサービスを効率的に訴求することが可能です。
とはいえ、動画マーケティングを成功させるためには、他のマーケティング手法と同様に戦略や事前準備を整えておく必要があります。
例えば、目的やターゲットの明確化し、その上でどういった動画を制作するのか、どの媒体に訴求するのかといったKPIをしっかりと定め、その上で動画公開後にも効果検証を行いながらPDCAサイクルを回していくことが重要です。
特に、動画マーケティングは公開するよりも公開後の運用が重要とも言われています。戦略的な動画の運用を行うことが動画マーケティングを成功に導く秘訣ともいえます。
動画マーケティングのメリット
続いて、動画マーケティングを行うメリットについて紹介していきます。
企業において、動画マーケティングを行うことで主に以下のメリットが期待できます。
①ユーザーの認知度向上
動画マーケティングの一番のメリットは、自社の商材やサービスにおけるユーザーの認知度向上です。
概要の中でもふれたように、動画はユーザーの目と耳に訴求できるため、テキストやバナーに比べて多くの情報を短時間で伝えることが可能になります。
伝えたい内容を分かりやすく簡潔に伝えることで、ユーザーの商材やサービスに対する理解度が高まり、それに伴って購入や申込み意欲を高めることも期待できます。
②ユーザーの記憶に残りやすい
動画は、①でふれた視覚と聴覚への訴求によりユーザーの記憶にも残りやすいメリットがあります。
テキストはもとより、写真やイラストを活用したバナーであっても視覚に訴えるのみのため、動画ほど記憶に残ることはありません。
また、ストーリーにこだわったりドラマ仕立てにすることで、視聴したユーザーに対してよりインパクトを与えブランディング効果を高めることも期待できます。
③動画配信のプラットフォームの豊富さ
従来の動画マーケティングというとテレビCMが一般的でしたが、現在ではYouTubeやTikTokをはじめ多くの動画配信用のプラットフォームが登場しています。
動画専用のプラットフォーム以外にも、SNS上で動画を共有する傾向も高まっており、注目度が高まれば一気に拡散されることも期待できます。
このようなプラットフォームが多様化する中で、いかに自社にとって効果的な動画配信先の媒体を選定できるかが重要となります。
④数値に基づいた効果検証
動画マーケティングに限らずマーケティングには効果検証が欠かせません。その中で、動画では数値をもとに細かく効果検証を行うことが可能です。
例えば、対象動画の再生回数や視聴ユーザーの数以外にも、何分何秒まで再生されたのかなど細かな測定を行うことも可能です。
さらに、「総再生数」や「時間帯別の再生数」「ユニークユーザー別の再生数」「1再生あたりの平均視聴時間」「視聴率」「再生率」「再生完了率」などの指標をもとに分析できるため、最終的なコンバージョンやコンバージョン率とあわせて分析しながら最適化していくことができます。
動画マーケティングのデメリット
続いて、動画マーケティングのデメリットについても紹介していきます。
これから動画マーケティングを検討している場合には、以下のデメリットは注意点として考慮しておくと効果的です。
①動画制作には通常よりもコストが必要
当然ながら動画制作にはコストがかかります。
通常、動画制作には画像やホームページの制作よりも高くなる傾向にあります。動画ニーズの高まりもあり、以前に比べると制作コストは下がってきてはいますが、クオリティを追求したり、配役やキャスト、音源などにこだわればこだわるほどコストは高くなります。
また、動画制作を外注する場合、その費用は制作会社によって大きく異なります。
明確な基準があるわけではないため、複数の制作会社に依頼しながら検討すると効果的です。
なお、動画を配信するプラットフォームなどによっては、ランニングコストがかかる可能性がありますので注意が必要です。
②動画の制作には時間がかかる
もう一つ動画マーケティングのデメリットとして挙げられるのが、制作までの時間が長くかかる点です。
動画を制作するためには、企画から撮影、編集と大きく3つの工程が必要となります。
BGMやテロップ、ナレーションを加える場合には更に工程が増えていきます。
このような工程をもとに制作していくためにはどうしても期間が長く必要になります。
イベントやキャンペーンに応じて動画マーケティングを行う際には、この点を考慮し前倒しで制作を進めていくことが重要です。
また、動画はバナーやテキストと異なりすぐに作り直せるわけではありません。
少しの修正であっても動画の場合には前後の流れを考慮した修正を行う必要があるため、最悪撮り直しの場合も起こりえます。
このあたりも動画マーケティングを行う上では注意が必要です。
動画マーケティングを成功へ導くポイント
最後に、動画マーケティングを成功に導くポイントについても紹介していきます。
①目的やターゲットの明確化
動画マーケティングは、動画を作成することが目的ではなく、その後の売上や利益の拡大、ブランディングなどが目的になります。
このような目的を明確化した上で動画制作を進めていくことが重要です。
また、ターゲットの明確化も欠かせません。20代女性に向けた動画と40代男性に向けたものでは動画のシナリオや見せ方なども異なります。
成功につなげるためには、この2つは必ず事前に明確化しておくことが重要です。
②社内リソースの確保
動画マーケティングは、外部の制作会社に依頼したとしても、社内のリソースは必要になります。
企画から撮影、編集に応じて準備や確認は必要になり、それだけで多くのリソースを取られる可能性が高くなります。
成功につなげる動画マーケティングを行う上では、ある程度の社内リソースを確保しておくことも重要です。
③配信先メディアを意識した動画制作
目的やターゲットとともに作成した動画を配信する配信先メディアを想定した動画制作を心がけることも重要です。
YouTubeやTikTok、SNSによって集まるユーザー層や特長は異なります。
配信先メディアでは現在どういった動画が好まれているのか、どういったニーズがあるのかなどを事前に押さえておき、その特性をふまえた動画制作を行うと効果的です。
④定期的な効果検証とブラッシュアップ
動画マーケティングもマーケティングであるがゆえに、定期的な効果検証は欠かせません。
事前に定めたKPIをもとにPDCAを回し、改善・ブラッシュアップしていくことが重要です。
また、古い情報はアップデートしていき、定期的な見直し改善を行いながら常にユーザーに最新情報を提供していくことも効果的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
動画マーケティングは、テキストや画像、イラストなどのバナーよりも多くの情報をユーザーに訴求することができます。
コストや工数が多くかかりますが、効果的に運用していくことで売上増加やブランディングなどにつなげることが期待できます。
昨今の動画ニーズの高まりを受け、多くの企業が動画マーケティングの活用に着手してきています。今回紹介した内容も参考に、効果的な動画マーケティングにつなげていきましょう。