M&AとはMergerとand Acquisitionsを組み合わせて略称したものです。
合併買収という意味で、会社または経営権を他の方に譲渡または買収するという意味です。
近年、さまざまな企業がM&Aを行っていますが、なぜ行っているのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではM&Aに関する以下のことを紹介します。
- M&Aとは?
- M&Aの目的
- M&Aのメリット
- M&Aのデメリット
- M&Aの手法
- M&Aの流れ
- M&Aにかかる費用
M&Aについて知らない方はぜひこの記事を参考にしてください。
M&Aとは?
M&AとはMerger(合併)とand Acquisitions(買収)を組み合わせた略のことで、企業の合併または買収を意味しています。
M&Aは「会社もしくは経営権の譲渡、買収」を意味しています。
後ほど詳しく紹介しますが、M&Aといっても4つの手法があり、具体的には「株式譲渡」「事業譲渡」「合併」「会社分割」です。
M&Aの目的
M&Aの目的は以下の7つです。
- 後任者問題の解決
- 事業成長にかかる時間を購入
- 事業規模拡大のため
- 従業員の雇用安定
- 経営不振の企業を助けるため
- 創業者が利益を得るため
- 投資を回収するため
それぞれの目的を詳しく見てみましょう。
後継者問題の解決
1つ目の目的が後継者問題の解決です。
近年人材不足や経営者の高齢化により、後任者がいないといった問題を抱えていることがありました。
親族や社内に後任者に最適な方がいるとしても、税負担やコストがかかります。
そこで大手企業などに買収すればスムーズに後任者が決まり、事業を継続でき、拡大も可能です。
事業成長にかかる時間を購入
2つ目の目的が事業成長にかかる時間を購入できます。
こちらは買い手側の最大のメリットとして挙げられるものです。
ゼロから事業を育てるには莫大な時間とコストがかかります。
そこでM&Aを活用して事業譲渡や優良企業を買収すれば、一から事業に必要なノウハウや人材などを育てる必要はありません。
これにより時間とコストを抑えていち早く事業成長に注力できます。
事業規模拡大のため
3つ目の目的が事業規模拡大のためです。
M&Aを活用することで自社の欠点を補え、さらに自社だけでは実現できなかったことを実現できるようになります。
例えば運送会社とIT企業が一つになれば、物流とIT企業をかけ合わせた今までになかった新しいサービスを始められます。
このように新しい事業へ挑戦するため、事業規模拡大のためにM&Aが選ばれるのです。
従業員の雇用安定
3つ目の目的が従業員の安定です。
多くの中小企業経営者は、従業員を大切に思っているものの、万が一問題が起きれば雇い続けることは難しくなるでしょう。
そこで信頼できる優良企業などに引き継ぐことで、従業員の将来も図れます。
さらに経営者自身も株式を売却することで、次の新しい人生への資金を得られます。
経営不振の企業を助けるため
4つ目の目的が経営不振の企業を助けるためです。
救済型M&Aともいわれます。
会社は必ずしも安定しているとは限らず、経営不振に陥ることもあります。
そこの救済措置として使用されるのがM&Aです。
救済型M&Aは日本での主流であり、助け合いという道徳心からくるものです。
事業譲渡や会社分割などさまざまな方法はありますが、経営不振の企業を助けるためにM&Aが行われることはよくあります。
創業者が利益を得るため
5つ目の目的が創業者の利益を得るためです。
創業者は会社を育て、事業の将来性や市場で占めている規模が大きければ売却をして利益を得ます。
得た金額は新しく事業を起こすために使用したり、引退後の資金として使用します。
近年では売却を前提に事業を起こすこともあり、価値がついたら売却をし、再度新しい売却をするといった起業家もいます。
投資回収をするため
6つ目の目的が投資回収をするためです。
事業に投資してきたお金は膨大であるため、回収までには時間がかかります。
そこでM&Aを行うことですぐに投資回収ができるようになります。
M&Aのメリット
M&Aのメリットは買収側と売却側で分けられます。
ここではその2つに分けてそれぞれのメリットを見てみましょう。
買収側のメリット
買収側のメリットとして挙げられるのは以下のとおりです。
- 新しい技術・ノウハウを取得できる
- ブランドや特認可などを得られる
- 優秀な人材を確保できる
- 新しい地域へ進出できる
- 新しい分野に挑戦できる
- コストを削減できる
それぞれのメリットを見てみましょう。
新しい技術・ノウハウを取得できる
買収先の企業が技術やノウハウを習得していれば自社へ吸収できます。
新しい分野や事業拡大をする際は、その分野の技術やノウハウを習得する必要があるのです。
競合がいるとなれば、優れた技術を取得するのに更に時間がかかるでしょう。
しかしM&Aであれば短期間で新しく優れた技術・ノウハウを自社内に得られるのです。
ブランドや特認可などを得られる
新しい市場に進出する際、ブランドは信頼になります。
しかしブランドを確立させるまでには時間がかかってしまうでしょう。
そこでその業界でのブランドをM&Aによって取り入れることができれば、買収側は長い時間をかけずともブランドを確立できます。
売却側が持っていた免許なども引き継げるのです。
ブランドは消費者にとっての信頼になるだけではなく、顧客、取引先、業界でのつながりでも大きく響きます。
そこで両者が円満してM&Aを行えれば、今までのブランドに加えて新しい価値を生み出せるでしょう。
優秀な人材を確保できる
企業の成長をする上で必要なのが優秀な人材です。
M&Aを行えば優秀な人材をスムーズに獲得できます。
企業は高齢化や人口不足、求人倍率の上昇によって優秀な人材確保に悩まされています。
コロナウイルスなどにより経済への影響が大きく、今後もさらに優秀な人材の確保が難しくなるでしょう。
中途採用だとしても自社に合うかはまだ別の話です。
そこでM&Aを活用した人材確保は、成果をすでに出している人材をそのまま自社に迎えられるため、最も合理的です。
確保が難しい海外人材も、企業体そのものを統合すれば迎え入れができます。
新しい地域へ進出できる
すでにその地域で目をつけている事業が発展している場合、新規参入は難しいでしょう。
そこでM&Aを活用すれば、すでにその地域で活用している企業を買収できるため、スムーズに新しい地域へ進出できます。
新たな地域へ進出する際は、その地域の需要や特性などマーケット調査を行う必要がありました。
こういった地方に関するリサーチもM&Aを行えば、時間をかけずに済むのです。
新しい分野に挑戦できる
M&Aを行う企業の目的として挙げられるのが、新しい事業への挑戦です。
既存のメイン分野は残しつつ、M&Aを行い新しい分野へ挑戦します。
これにより従来の自社の欠点を補うことができ、更に新しい分野へスムーズに挑戦できるため新しい顧客も得られます。
シナジー効果により、既存事業のみならず新しい事業の利益も確保できるでしょう。
コストを削減できる
規模の拡大ができれば、仕入れ・加工・物流などの工程で大きなメリットが発生します。
物流に強い会社と弱い会社が一つになれば、双方の欠点や行っていない点などが浮き彫りになる貯め課題を見つけやすくなり、業務効率化ができるでしょう。
売却側のメリット
売却側のメリットとして挙げられるのは以下のとおりです。
- 後継者を見つけられる
- 従業員を安定し続けられる
- 資金調達の確保
それぞれのメリットを詳しく見てみましょう。
後継者を見つけられる
中小企業を経営している方が抱えている課題の1つに、後任者を見つけられないといったものがあります。
中小企業が継続者を選ぶ場合は、親族または自社の社員から選ぶことが一般的です。
しかし、後継者と指名されるはずの方が経営を継ぐ気がないとなれば会社は存続できません。
そこでM&Aにより第三者へ経営を引き継げれば、廃棄はせずに会社を存続できます。
従業員を安定し続けられる
会社を起こし、従業員を雇う以上、従業員を守るのは経営者の役割です。
地方での再就職先は難しく、年齢などによっては新しい職場を見つけるのが難しいのは珍しいことではありません。
しかし、M&Aによって事業が長期的に続くものであれば、従業員は長く働くことができ、安心して生活ができます。
資金調達の確保
M&Aは経営不振の企業だけが行うものではなく、将来性のある企業も行います。
別の事業をする目的で会社を育て、売却し資金を得て、本来のやりたかった事業へ挑戦するといった形です。
創業者はM&Aによって得たお金で新しい事業を行ったり、第二の人生を歩んだりします。
M&Aのデメリット
M&Aのメリット同様、デメリットを買収側と売却側で見てみましょう。
買収側のデメリット
買収側のデメリットとして挙げられるのは以下のとおりです。
- 必ず予想していた収益になるわけではない
- 相乗効果が予想を下回ることがある
- 優秀な人材を確保できるわけではない
- 統合後の組織が不安定
それぞれのデメメリットを見てみましょう。
必ずしも予想していた収益になるわけではない
買収をする際は将来が期待できる企業を選ぶものの、必ずしも予想していた収益になるわけではありません。
M&Aではのれんというブランド力や顧客との関係性といった目には見えない企業の価値に対価を支払っています。
しかしこれはあくまで見込みであり、この見込みが大きく外れれば損をする可能性があります。
相乗効果が予想を下回ることがある
M&Aのメリットとして相乗効果が得られるというものがありますが、得られない場合もあります。
統合前の1つ1つの企業で見ればとても優秀であるものの、M&Aによって一つになった場合、意思疎通がうまく行かなかったり、意見の対立が起こったりすれば良い影響が生まれない可能性があります。
斬新な組み合わせの事業ともなれば、文化や価値観の違いにより相乗効果が予想を下回ることもあるでしょう。
優秀な人材を確保できるわけではない
M&Aは優秀な人材を確保できるというメリットがありますが、必ず確保できるわけではありません。
買収により従業員への待遇が大きく変わったり、今までできていたことができなくなったりすれば従業員は辞めてしまうでしょう。
優秀な人材は会社を支える資産です。
買収後も従業員にとって働きやすい環境づくりをすることが大事です。
統合前と統合後のギャップが大きければ、従業員はついていけないでしょう。
統合後の組織が不安定
社風、従業員への待遇、企業文化が異なる企業が統合した場合、組織としてうまく機能しないことがあります。
統合後の組織を安定させるためにも、経営理念や社風、人事評価、業務フローなどはしっかりと検討するべき事項です。
M&Aを行ってから決めるのではなく、成約前にできる限り統合後の姿を思い描き、レールから大きく外れることがないようにしましょう。
売却側のデメリット
売却側のデメリットとして挙げられるのは以下のとおりです。
- 売却先が見つからない
- 従業員の待遇が悪くなる場合がある
- 顧客と取引先の関係性が悪化する場合がある
- 企業文化のすれ違い
それぞれのデメリットを見てみましょう。
売却先が見つからない
M&Aをする際は、売却先を見つからなければ何も始まりません。
そのため売却側は買収側を見つける必要があります。
希望の価格で売却したいと思う経営者も多いと思いますが、買収側はのれんの価値、PL・BS・CFなどを見て価格を大まかに決めています。
妥当な売却先を見つけるためにも、税理士や公認会計士、金融機関などを頼るにするのも1つの手です。
M&Aの相談機関に相談することで納得の行く価格での売却、スムーズに売却先が見つかるでしょう。
従業員の待遇が悪くなる場合がある
統合後には従業員の待遇が悪くなり、辞めてしまう可能性があります。
優秀な人材の確保も含めてM&Aを行っているのに、優秀な人材の流出はかなりのアドバンテージとなってしまいます。
買収側にとっても業績への影響が出ると懸念されるでしょう。
従業員、会社にとっても悪影響とならないよう、雇用条件については詳しく話し合う必要があります。
顧客と取引先の関係性が悪化する場合がある
M&Aを行うと経営者が変わり、場合によっては事業の担当者の変更も考えられます。
そこで取引先や顧客が反発し、最悪関係性が悪化してしまう事態が考えられます。
関係を良好に保つためにも、売却側の意思を尊重し、企業価値を維持しましょう。
買収側、売却側も顧客先との関係性を維持することが大事となります。
企業文化のすれ違い
企業には培ってきた文化や習慣があります。
M&Aにより双方の意見や価値観に差があれば、社員の人間関係などに支障が出てくるでしょう。
双方にはどのような違いがあるのか、もし問題が起きたらどうするのかなどを事前に話し合い、リスクを出来る限り避けることが大事です。
M&Aの手法
M&Aの手法として挙げられるのが以下の6つです。
- 資本業務連携
- 業務連携
- 合併
- 買収
- 合弁会社設立
- 資本参加
それぞれの手法について詳しく見てみましょう。
資本業務連携
資本業務連携とは業務連携に加え、出資先の会社に増資または一部の株式を譲渡し、議決権を与えることです。
資本を提携することにより、業務提携よりもしっかりとした関係を構築できます。
なお、資本提携を行う際は、業務提携契約も締結します。
業務連携
業務連携とは資本は移動させずに、企業が共同で事業を行うことです。
双方が資金、技術、人材といった経営の資源となるものを提供しあい、相乗効果を得ます。
目的としては新規事業、技術力の向上、共同開発、販売力の強化などが挙げられます。
業務連携はさらに4つに分けることができ、「技術提携」「生産提携」「販売連携」「その他」に分けられます。
合併
合併とは複数の会社を1つにすることです。
会社の権利義務をすべて吸収する「吸収合併」と、新しく会社を設立し、新しい会社に合併対象会社の権利義務を承継させる「親切合併」があります。
買収
買収とは買収する企業が売却企業に対し対価を払い、株式を得ることです。
回収には5つの手法があり、「株式譲渡」、「第三者割当増資」、「株式交換」、「株式移転」、「事業譲渡」というものです。
こちらの手法は中小企業のM&Aで最も使用されている手法であるため、知っている方も多いのではないでしょうか?
株式譲渡
株主が保有する対象外社の株式を対価と引き換えに譲渡する手法。
第三者割当増資
対象会社が特定の第三者に対して新株を割り当て、増資を行う手法。
株式交換
完全子会社となる会社の発行済株式をすべて親会社のものとする手法。
株式移転
会社が発行済株式のすべてを取得させる手法。
事業譲渡
会社が営む事業の一部、または全てを他の会社に譲渡する手法。
合弁会社設立
複数の企業が資本を出し合い、複数で会社を立ち上げることです。
資本参加
対象外者に増資、または株式の一部を譲り受け、一部の議決権を得て、経営に参画する。
M&Aの流れ
M&Aの流れは以下のとおりです。
- 検討・準備段階
- 候補先の選定段階
- 最終契約段階
それぞれの流れを紹介します。
検討・準備段階
売却する側はまず自社の株式の価値を把握する必要があります。
M&Aは買い手によって評価が変わるものの、価値については純資産法や収益還元法などに基づくため、大きく変わることはありません。
金銭的な条件は非常に重要な項目であるため、しっかりと把握するようにしましょう。
候補先の選定段階
次は売却する先を選定します。大手企業のM&Aの場合は、売却することを公表し、競争するような形が一般的です。
しかし事業規模が小さい中小企業では取引先への影響や従業員の離反など影響が出る可能性があるため、公にはされずに進められることが一般的です。
候補先は数を絞ることで情報の流出を防げるでしょう。
もし買収をしてくれそうな候補が見つかった場合は、具体的な条件提示するために複数回に分けて面談から資料開示などを行います。
買収意思があれば譲渡価額とスケジュールなどが記載されている書面を受け取ります。
ここで両者がM&Aに同意すれば、基本合意契約に締結をしていきます。この時点で両社間の合意が取れれば、基本合意契約を締結します。
合同契約には法的拘束力はないものの、買い手には独占交渉権を付与するのが一般的です。
なぜなら買い手はこの後、買収監査(デューデリジェンス)というものを多額の費用をかけて行うため、優先的に交渉権を与える、誠実に監査業務を行うという意思があります。
最終契約段階
買収監査は幅広くビジネスや法務、会計などを行いますが、事業規模の小さい中小企業では会計面が中心の調査のみの場合もあります。
買収側は監査調査で把握した情報をもとに、経済条件といった諸々の調整をし契約書を作成します。
契約締結をしたあとは譲渡決済を行いM&Aは完了です。
M&Aにかかる費用
M&Aにかかる費用は以下の2つです。
- 税金
- 手数料
更に細かく見てみましょう。
個人が株式を譲渡する場合にかかる税金
個人で株式を譲渡する場合は以下の3つの税金が発生します。
- 所得税
- 復興特別所得税
- 住民税
かかる税金を詳しく見てみましょう。
所得税
所得税は株式を譲渡したい際に発生した利益にかかります。
所得税の計算は各種所得の金額を合算した金額が課税標準とし、所得金額の増加に応じて税金が上がります。(超過累進課税制度)
しかし株式譲渡では各種所得の金額を合算した金額の所得税に加え、別枠の所得金額である申告分離課税が加わるのです。
税率は上がることはなく、譲渡所得に対して15%と一律されています。
復興特別所得税
復興特別所得税とは2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の復興を目的に作られた所得税です。
2013年から2037年までの間発生します。
復興特別所得税は所得税の2.1%になります。
住民税
株式譲渡には住民税もかかり、所得税と同じ計算方法になり、所得に対して一律5%の課税となります。
所得税、復興特別所得税、住民税が発生します。
法人が株式を譲渡する場合にかかる税金
法人が株式を譲渡する際は売り手側と買い手側で発生する税金が異なります。
それぞれにかかる税金を見てみましょう。
売り手側の税金
売り手側に発生する税金は以下の2つです。
- 消費税
- 法人税
消費税
消費税はものを売ったり買ったりする際に発生する税金で、買い手側が負担し、納付するのは売り手側となります。
私達が普段買い物をする際にも支払っている税金ですね。
事業譲渡においても同じように買い手側が負担し、売り手側が納付します。
しかし消費税といっても課税対象は土地以外の有形固定資産や在庫となっており、土地や債権などにはかかりません。
法人税
法人税は事業譲渡をする上で譲渡益が発生した場合に課せられます。
譲渡損益の計算は以下のとおりです。
譲渡損益=売却金額-譲渡資産の簿価(取得した金額から減価償却費などを引いた金額)
買い手側の税金
買い手側に発生する税金は以下の2つです。
- 消費税
- 不動産取得税
- 登録免許税
消費税
消費税は先ほども解説した通り、買い手側が負担するものです。
計算方法は売り手側と同様です。
なお、売り手側から請求される消費税は正しいのかしっかりと確認をしておきましょう。
不動産取得税
事業譲渡の際に不動産が含まれている場合、不動産取得税を支払う必要があります。非住宅家屋であれば固定資産税評価額の4%です。
不動産取得税は不動産を取得した際に発生するものであり、事業譲渡の場合は通常の不動産売買と同じように課税が生じます。
しかし、会社分割の場合は不動産所得税の非課税措置となり、条件を満たせば税金は発生しません。
このことから会社分割はメリットがあります。
事業譲渡、会社分割はそれぞれメリットが異なり比べるのは難しいですが、不動産の金額が大きい場合は会社分割を検討してみるのも良いでしょう。
登録免許税
登録免許税も不動産関連の税金です。
不動産登記の登記を変更する際に課税されます。
土地、建物それぞれの固定資産税評価額の2%で計算します。
M&Aにかかる手数料
M&Aに関する手数料・仲介手数料は以下の3つです。
- 仲介会社の手数料
- プラットフォームの手数料
それぞれの手数料を詳しく見てみましょう。
仲介会社の手数料
M&Aの仲介手数料は仲介会社によって異なるため一概にはいえません。しかし参考価格としては以下ものもが多いようです。
項目 | 金額 |
相談料 | 1万円以内 |
着手金 | 200万円以内 |
中間金 | 200万円以内もしくは成功報酬 |
月額報酬(リテイナーフィー) | 月額200万円以内 |
成功報酬 | 売却金額に応じて変動 |
それぞれの報酬を見てみましょう。
相談料とは
相談料とは正式依頼の前の、相談した際にかかる料金です。仲介会社から専門的な知識や経験に基づいたアドバイスをもらった際に発生します。発生する会社もありますが、多くの仲介会社では相談料はかかりません。
着手金とは
着手金はM&Aの案件が始まる際に払うお金です。
着手金は全額ではないものの、もし成約しなくとも返金されないケースが多くなっています。
しかし大半の仲介会社では、着手金の支払いが必要である場合が多くなっています。
中には無料の仲介会社もあるため、コストを抑えたい方は探してみると良いでしょう。
中間金とは
中間金とは契約の途中に払うもので、基本的には基本合意書などを締結したタイミングで支払います。
この後、デュー・ディリジェンスという段階を得て、最終契約経進みます。
注意してほしいのは基本合意書を締結したとしても最終契約まで進むとは限らないことです。
この場合も成約しなかったとしても中間金は返金されません。
しかし中間金も着手金と同じように、仲介会社によっては発生しないところもあるため、コストを抑えたい方は探してみると良いでしょう。
月額報酬とは
月額報酬はM&Aを進めるにあたって発生する作業し、それに対して毎月支払うものです。
案件が成立するまで支払う必要があります。
しかし仲介会社によっては発生しない場合もあります。
成功報酬とは
成功報酬はM&Aが完了して支払うものです。
完了して支払うものであるため、成約しなければ支払う必要はありません。
成功報酬はレーマン方式といわれるもので計算されることがほとんどです。
レーマン方式とは取引金額に応じた報酬料率になります。
取引金額 | 報酬料率 |
〜5億円 | 5% |
5億円〜10億円 | 4% |
10億円〜50億円 | 3% |
50億円〜100億円 | 2% |
100億円〜 | 1% |
仲介会社によって設定は異なるものの、上記のように取引金額によって報酬料率が変わります。
プラットフォームの手数料
M&Aプラットフォームは売り手側、買い手側の双方がインターネット上のシステムに登録し、マッチングが成立すればM&Aの手続きを低コストで出来るものです。
ここではビズリーチ・サクシードの手数料を紹介します。売り手側と買い手側、それぞれの手数料を見ていきましょう。
売り手側の手数料
ビズリーチ・サクシードでは売りブロックエディターに切り替え手企業は着手金や成功報酬の費用は完全無料となっております。
| ビズリーチ・サクシード | M&A仲介会社の例 |
着手金 | なし | 100万円 |
中間報酬 | なし | 成功報酬の10%〜20% |
成功報酬 | なし | 譲渡対価の5% |
買い手側の手数料
着手金や中間手数料は発生しません。成功報酬型は1.5%~2%となっているものの、実際に成約するまで料金は発生しません。
まとめ
M&Aは事業拡大をするのにポピュラーな手法です。
それ以外にも資金調達や従業員の雇用安定などさまざまなメリットがあります。
ZOZOTOWNがYahoo!に買収されたことをきっかけにM&Aという言葉を知った方も多いのではないでしょうか?
経営者だけではなく、さまざまな企業のニュースを見る上でM&Aを理解しておくと会社についてより知れるでしょう。