近年サイバー攻撃が増えており、サーバーに対するセキュリティ対策がこれまで以上に重要になっています。
その対策法の一つがコロケーションと呼ばれる方法であり、サーバーを自社ではなくデータセンターの共同スペースに設置をすることでセキュリティを高める効果があります。
それではこの記事ではコロケーションについて詳しく説明していきます。
目次
コロケーションとは
まず、コロケーション(collocation)の言葉の意味を説明していきます。
collocationの”co”には共同といった意味があり、
そのあとlocationつまり場所といった意味が重なり共同の場所といった意味があります。
コロケーションとは、サイバー攻撃などのリスクを軽減させるためにサーバーをデータセンターの共同スペースに設置をすることをいいます。
またサイバー攻撃以外にも、社内が自然災害の影響を受けた場合でもサーバーダウンすることがなく、サービスを止める必要がないのです。
コロケーションではサーバーだけでなく、データやファイルをデータセンターにて管理をするのが目的です。
ハウジングとはどう違うのか
サーバーをデータセンターの共有部分に設置する方法の一つにハウジングもあります。
設置方法や目的などはハウジングと同じなのですが、コロケーションは通信事業者が運営しているのに比べて、
ハウジングは通信事業者以外にも運営している場合があります。
ホスティングとはどう違うのか
データセンター内にサーバーを設置する方法には、ホスティングとよばれる方法もあります。
ホスティングではなく、レンタルサーバーと呼ぶことも多いです。
自社サーバーを使わずにホスティングを使って外部のサーバーに預けることにより、
世界中など遠隔地で利用することができるのがメリットです。
ホスティングもコロケーションとと同じようにデータセンターにサーバーを置いておくことをいいます。
しかしコローケーションやハウジングはサーバーをデータセンターに運用してもらうのですが、
ホスティングはデータセンターに設置しているサーバーをレンタルする方法になります。
つまりコロケーションやハウジングではサーバーの所有者はデータセンターの所有者ですが、
ホスティングではデータセンターへの設置を依頼した事業者が所有者となります。
コロケーションを設置するメリットとは
サーバーをセキュリティが高い共同スペースに設置することにより、以下のようなメリットがあります。
それぞれのメリットを説明していきます。
リスクを減らすことができる
コロケーションサービスの一番の目的は、自然災害やサイバー攻撃などからサーバーを守ることです。
自社にサーバーがあると自社で保守作業をするか、外部に委託する必要があるのですが、
それだけでは完全に自然災害やサイバー攻撃からサーバーを守るのは容易ではありません。
しかしコロケーションサービスを利用すると、サーバーはデータセンターにあり安全な運用がされます。
データセンターは監視カメラで24時間365日監視をするなど、厳しいチェックがされているのです。
保守管理などコストの削減になる
自社内のサーバーを設置する場合、保守管理をするための人件費を含めた費用が必要になります。
またサーバーを設置するためのスペースが必要になることから、より広い部屋を用意しなければいけない可能性もあります。
しかしコロケーションを取り入れた場合は、コロケーションを提供する会社にもよりますが、保守や点検まで費用に含まれているケースもあります。
そのため保守管理にかかるコスト分削減できることもあります。
BCPに生かせる
BCP(Business Continuity Plan)とは、自然災害や人的災害などの危機や災害に備えるための計画です。
この計画により、企業の回復力が高まり、予期せぬ事態に対処するための準備が整うということです。
これは、企業が不測の事態に対処するために従業員を準備し、危機の間も事業を継続できることを意味します。
コロケーションはサーバーを社内に置いていないことから、会社が自然災害などにあった場合でもサーバーダウンすることがありません。
そのためデータを紛失したり、顧客に迷惑をかけることがありません。
そのためコロケーションはBCPに生かすことができます。
コロケーションを導入するデメリット
ここまでコロケーションを導入するメリットを説明してきましたが、注意点もあるので紹介します。
・自社管理に比べて費用が割高
・サーバーの契約は別で必要
費用については、それなりにかかりますが、自社ですべてを行う場合
人件費やそれにかかる時間などのコストと比較すると、大体の企業では導入した方がメリットは大きいです。
その為、データ量が少ない場合には大きなデメリットになる可能性があるので注意が必要です。
コロケーションサービスの選び方
それではコロケーションサービスの選び方を説明していきます。特にあげられるのが以下の4点です。
◆ 立地
◆ サポートの充実度
◆ 料金
セキュリティ
大切なデータを預けているため、最も重要なのはセキュリティの充実度です。
監視カメラやセンサー、また入館時のチェック体制などはもちろんですが、
サイバー攻撃に対してどのようなセキュリティ対策がされているかも確認した方がいいでしょう。
立地
コロケーションを導入する理由の一つに災害対策があります。
基本的には、考慮された上で建設されている場合がほとんどですが、
念のため、自然災害が多い場所にあるコロケーションサービスは避けた方が良いでしょう。
サポートの充実度
コロケーションサービスによって、サポートの内容が異なります。
ホスティングサービスやクラウドサービスを行っているなど、
自社に必要なサポートが充実しているサービスを選んでください。
料金
スペースなどを借りるために月額料金が設定されていることが多いです。
それに伴い、最低利用期間や違約金なども設定されていることがあるので、
しっかり確認してから契約するようにしましょう。
コロケーションを提供しているおすすめサービス3選!
それでは、コロケーションを提供しているおすすめサービスの特徴をそれぞれ説明していきます。
KDDIコロケーションサービス
KDDIコロケーションサービスを利用すると、サーバーを安全に運営してもらうだけでなく設備の監視や、運用サポート、さらにレポートなどさまざまなサービスを受けることができます。
また契約の仕方もスペースで借りることができるオープンコロケーション、ラックで借りることができるラックコロケーション、またケージで借りることができるケージコロケーションがあります。
またこれらのサービスとは別に、個室貸しであるスイートコロケーションもあります。
会社概要
社名 | KDDI株式会社 (英文名称: KDDI CORPORATION) |
---|---|
創業 | 1984年 (昭和59年) 6月1日 |
事業内容 | 電気通信事業 |
本社所在地 | 東京都千代田区飯田橋3丁目10番10号 ガーデンエアタワー 地図 |
SIMPLE IS VALUE
キヤノンマーケティングジャパングループが運営しているデータセンターであり、自然災害が少ない沖縄に拠点を構えています。
沖縄に拠点を構えている他の理由として、沖縄の行政支援があげられ、そのためコストパフォーマンスが高いことが特徴的です。(1ラック月額50,000円)
金融機関の本番システム稼働は、10年以上の実績があるため安心です。
地震対策や停電対策、台風対策、セキュリティなどのデータは以下のようになっています。
主な特徴 | 名護データセンター | 宜野座データセンター |
---|---|---|
設備レベル | JDCC:Tier3 FISC:準拠 | JDCC:Tier3 |
地震対策 | RC・免震構造(震度6強) | RC・免震構造(震度6強) |
停電対策 | 商用電源 2系統受電 | 商用電源 1系統受電 |
台風対策 | UPS(n+1)/ 自家発電1基 | UPS(n+1)/ 自家発電2基 |
セキュリティ | 6段階ゾーニング(敷地~サーバールーム) | 5段階ゾーニング(敷地~サーバールーム) |
会社概要
会社名称 | クオリサイトテクノロジーズ株式会社(Qualysite Technologies Inc.) |
---|---|
本社 | 〒905-2172 沖縄県名護市豊原195-3 みらい2号館 TEL 0980-50-0600(代表) FAX 0980-50-0601 E-mail info@qualysite.co.jp |
取得認証 | ISO27001(全社) ISO14001(全社) CMMI Level 4(Java開発事業部) 沖縄県ワーク・ライフ・バランス企業(全社) 健康経営優良法人2021(大規模法人部門)(全社) |
設立 | 2003年11月7日 |
主な事業 | ニアショアに特化したシステム開発、運用、データセンター |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 2020年度実績 21億8925万円 |
オージス総研データセンター
大阪ガスが100%出資している企業であり、管理支援は30年以上の歴史があるため安心です。
コロケーションやハウジングの他は、運用・監視サービス、災害対策サービス、クラウドプラットフォームなど幅広いサービスを提供しています。
またプライバシーマーク、ISO9001、ISMSの認証などを取得しており、信頼して利用することができます。
会社概要
社名 | 株式会社オージス総研 |
---|---|
英文社名 | OGIS-RI Co.,Ltd. |
売り上げ実績 | 40,163百万円 (単体) 参考 73,449百万円 (グループ単純合算) ※2020年度 |
設立 | 1983年6月29日 |
資本金 | 4.4億円(大阪ガス株式会社100%出資) |
まとめ
コロケーションサービスは社内にサーバーを設置するわけではなく、安全なデータセンターでサーバーを保管することをいいます。
社内で保守作業をする必要がなくなる他、サイバー攻撃や自然災害などの被害にあった場合でも、サーバーがダウンしたりデータを失う心配はありません。
また、コロケーションサービスを扱う企業はほとんどが大手企業のため、安心して利用することができます。